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遺伝は毎日の食生活や習慣によって更新される!後天的遺伝情報 エピゲノムとは?

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エピゲノムとは

遺伝には先天的なものだけではなく、行動・習慣・経験による後天的な遺伝がある。


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出典:Genes 2 Brains 2 Mind 2 Me

遺伝学には、2種類存在しています。


1つは「先天的な遺伝」生まれたときの遺伝学を「ジェネティクス」
もう1つは「後天的な遺伝」生きている間に変化する遺伝学を「エピジェネティクス」と呼ばれています。


1942年に英国エジンバラ大学のコンラッド・ワディントンが「遺伝と環境の相互作用によって、細胞の運命が決められる」という概念を「エピジェネティクス」という学問から提唱しました。

私たちはただ新たな子孫へ遺伝子を伝えるのではなく、そこに自分の「生きてきた経験」「過ごした環境」「個人が学んだもの」などの情報を遺伝子につけて伝えることができます。

それはすべて次の世代に「優性な種を残すために」子孫繁栄をするためです。
このような遺伝情報を「エピゲノム」と呼ぶようになり、これが人の健康と病気に大きな意義を持っていることが明らかになってきました。

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エピゲノムはポストイットみたいなもの。

そもそも「ゲノム」というのは、私たちの設計図の「本」とするならば、遺伝子は本に書かれた「文字」にあたります。
人のゲノムを「ヒトゲノム」と呼び、そこには2万5千個の遺伝子が存在しております。

ただし、私たちはゲノムという「本」から今自分が必要なページを開いて、そこに書いてある遺伝子「文字」を元にあらゆる細胞、ホルモン、神経伝達物質、エネルギーを生み出すことができるのです。

その「本」のいたるところに「ポストイット」で目印が付いています。

それは今まで生きてきた皆さんの祖先の経験が付けた「ポストイット」で、長年辛い経験をすればするほど「ポストイット」が多くつき、場合によってはページがめくりやすくなっていることがあります。

この「ポストイット」が「エピゲノム」なのです。
しかし、この「ポストイット」はその生きている時代によって取り外されたり、別のページについたりすることがあります。

それが、皆さんの現代を生き抜くため、また次世代へ受け継ぐ必要のある「エピゲノム」となります。
そして、このエピゲノムの違いが、私たち人間の「個性」や「体質」となり、遺伝と環境が関係する大切な情報なのです。

一卵性双生児から見えてくるエピゲノム

双子であってもその後の生き方によって健康状態が変わっていく。

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出典:Red Flag

双子の中でも一卵性双生児は、同じ卵子から2人の生命が生まれ、性別も、見た目もそっくりです。
しかし、一卵性双生児は遺伝子の基本は同じなのですが、年齢を重ねるにつれて、学校、友人、職場、結婚など、生活の中身が次第に変化していきます。

それによって、双子の似ている部分は同じでも、生活習慣や社会経験に基づいた気概が出てくるのです。

文章や絵の書き方、計算力と運動能力、嗜好や考え方が同じでなくなっていくのです。
これは、健康状態についても言えることです。

片方だけが特定の病気にかかることもあります。
この一卵性双生児の環境での差つまり「エピゲノム」の差を知ることで、環境が与える健康への影響を知ることができるのです。

家系由来の病の可能性は、わずか数パーセント

同じ家系でがんが増える理由。生活習慣が似ていることによって起きていた

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出典:高橋医院

実は、一卵性双生児の例から多くの病が家系由来だと思われていたのが実は、環境によるものであることが明らかになりました。
なんと、遺伝由来の可能性は一桁台であることが分かったのです。

それでもなぜ、家系で糖尿病になったり、同じような脳・心臓疾患、がんになり亡くなることが、しばしば起きるのでしょうか。
それは、幼少期の頃の家族間での嗜好が植えつけられてしまうことが関係してきます。

つまり、家族の誰かが甘いものが好きで、毎日のようにおやつに甘いものが出てきて、夕飯のデザートも出てくる環境に置かれると、自立してもその嗜好が染み付いてしまい、同じ生活習慣を長く続けるようになります。

そうやって代々同じ生活習慣が受け継がれていくことで、糖尿病家系、がん家系のように認識してしまうのです。

似た環境に身を置くことが、同じ病を引き起こす原因なのです。


生活環境から見たエピゲノムの働き

ストレス

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実は、妊婦さんが今までに、または妊娠中に過度なストレスを多く受けると、生まれた赤ちゃんがストレスに弱い子になると言われています。
その環境の要因が、社会的ストレス、都会暮らし、移住経験、冬季・春季の出産、誕生時の両親が高齢、出生前後に異常があったなど、お母さんの心理状態が大きく影響してきます。

その結果、うつ病や不安症のような精神に関わる病気になりやすくなるのです。

そして、ストレスを敏感に感じることは、体と心への負荷が強いことでもありますので、多くの場面で精神的にも、肉体的にも悩むことが増え、次の世代にも引き継いでしまうことがあるのです。

生活習慣病

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私たちは、氷河期を祖先が経験していることで、エネルギーを蓄えることを最優先事項としておりました。
それはすべて生き残るためです。

しかし、現在は飽食の時代とまで言われるほどに食が溢れかえっています。
さらに、精製されたものも多く使われることで、私たちの祖先がつけたエピゲノムは、余った栄養を溜め込むようにします。

それが結果的には、肥満になりメタボリックシンドロームから糖尿病、脂質異常症となるのです。
また、女性が一生懸命ダイエットをしようとしてもリバウンドをすることがあるのも、私たちの祖先からのエピゲノムで、体にとって危険な状態が続けば体に溜め込むようにエピゲノムが働くのは当たり前のことなのです。

そして、妊娠中にあまり食事をしなかったり、栄養が不十分な状態になると子供は低体重児になる傾向が強いです。
その赤ちゃんは、お母さんから栄養を十分にいただけなかった分、生きているときには溜め込もうとするエピゲノムの影響が強く出るようになります。
その結果、子供の肥満や糖尿病になるケースも少なくないのです。

がん

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出典:miRacure

私たちの細胞は、皆同じ遺伝子を持っています。
それなのに爪になったり、髪になったり、皮膚になったりと、なぜこんなにも多種類の細胞へ変化できるのでしょうか。

それは、体からの指令により、幹細胞のもつゲノムの「本」のページを指示されることで、いろんな細胞に変化するのです。
これを体の指示された環境の違いによる「細胞の分化」と呼んでいます。

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近年では、がん細胞は遺伝子に傷がついたことで、正常細胞が突然変異してがん化したものであるという考えが一般的です。
しかし、最近では正常細胞が、がんになる理由が遺伝子の変化であることが絶対ではない可能性が論文で発表されました。

がん細胞の遺伝子と正常細胞の遺伝子を交換したときに、正常細胞の遺伝子の代わりにがん細胞の遺伝子を入れると、その細胞は正常細胞になり、逆に正常細胞の遺伝子をがん細胞の遺伝子と交換すると、がん細胞になったのです。

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近年では、がん細胞は元々、体内のダメージを治癒するための治癒機構であると考えられております。
簡単に言うと転んだ時のカサブタのような内側の傷を一時的に塞ぐ役割でした。

傷のダメージが長期で回復しないと慢性の炎症が起きて、周囲の細胞のがん化が進むという報告があります。
ダメージが増えれば増えるほど転移を起こすやすくなります。そのダメージの原因が、抗がん剤、放射線治療、手術、がん検査が組織にダメージを与えて、がん細胞が傷口を塞ぐために転移し増殖します。

また、培養細胞に放射線を照射し、遺伝子変異を起こさせて、がん細胞になったことを確認後、がん細胞を全て除去し、正常細胞を新たに同じ環境に投入すると、放射線のダメージを受けた炎症の場に投入されることとなります。

正常細胞が放射線照射していないのに遺伝子変異を起こし、がん化した報告もあります。
これらのことから、がんは私たちの体内での組織障害による環境の変化によって、傷口を塞ぐためにがん細胞を増やすようにエピゲノムが働いているのではないかと考えられます。

これらを誘導してしまう原因が、血液中の有害化学物質、炎症性物質、血液中に残ってしまった糖分・脂質などで血液が汚れてしまう環境を作る生活習慣が原因なのかもしれません。

継世代毒性

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出典:国立環境研究所

お母さんが、血液中に多くの毒素が存在する状態でいると、お腹の中にいる間に赤ちゃんのエピゲノムに影響を与えます。
そしてこれは、生まれた赤ちゃんが生きている間に、毒素にさらされないように注意していても、エピゲノムとして残っているため、次の世代へ引き継がれてしまう可能性があるのです。

それが次第に近年の病気の原因になっていると国立環境研究所では継世代毒性のメカニズムの研究を現在でも行っています。

アンチエイジング

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アンチエイジングで有名なサーチュイン遺伝子も、アカゲザルを使った実験で、20年にわたり30%のカロリー制限を行ったサルと、自由に食べていたサルとの比較の論文が出されています。

これも「30%のカロリー制限を行った」ことがサーチュイン遺伝子のエピゲノムを発動させる条件であったのです。
これにより、無駄な細胞増殖が減少することで、遺伝子がきれいな状態を維持することができ、細胞の増殖も最小限になることで細胞1つずつが良い状態に長期間保たれるのです。

また、カロリー制限をしたことで、無駄なインスリン分泌が減り、血管も若いまま保たれることや、細胞1つずつにインスリンの負荷が軽減したことも関係あると思われます。エピゲノムでも、飽食はよくないのです。

一番伝えたいこと:あなたのいる環境があなたを作る

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最後に

その他にも、腸内環境やアレルギー疾患、潰瘍性大腸炎・クローン病のような炎症性疾患、パーキンソン病、子宮筋腫・子宮内膜症のような産婦人科系疾患にもエピゲノムは関与していると多くの研究がなされております。

それだけ、私たちがこの地に生命を授かった時から、毎日のようにどんな生活をしているのかをエピゲノムとして経験を刻んでいるのです。
それは、すべて環境に適応した良い種を残すために、この地球のどの生物も同じなのです。

皆さんが、1日でも多く長生きして、最終的には老衰で亡くなることを私は願っております。
そのためには、1人ひとりが自分の心と体と命の大切さを感じていただけないと始まりません。
「あなたのいる環境があなたを作る」こと忘れないで生きてください。


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宮本知明
薬剤師/GAJ認定ジェモセラピスト(植物療法士)/漢方ソムリエ。 病院薬剤師を経て“薬と共存しない生活”の念いからホリスティックな健康観と出逢う。新婚女性、新米ママさんを西洋医学・東洋医学・自然療法の良さを合わせた統合医療の知識をもった“ホリスティックな健康観を持つ女性”に育成する「ホリスティック医療家」として執筆業・講師業で活動中。 公式ブログ /公式HP
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