妊婦さんの流産・死産の原因のひとつ食物細菌「リステリア」が関係?注意が必要な食品
以前、私の先輩で食通でもあり朗らかな方が、流産をしました。
当時、彼女は会話をしてるだけで涙が出てくると笑っていましたが、
どのように声をかけたらいいのか? わかりませんでした。
「年齢のせいだから仕方がないの」と言っていたのが印象的です。
あとで知ることになりましたが、繰り返しの流産だったそうです。
流産について調べているうちに、彼女はパテや輸入食品も好んでいたので、
もしかすると食物細菌「リステリア」が原因かもしれない、と思いはじめました。
食物細菌「リステリア」とは?
危険なリステリア
リステリアは、食中毒菌。正式名称は「リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)」といって、
土壌、水、植物、動物の糞便など自然界に多く存在しているのです。
このリステリア、驚くことに
低温に強く、冷蔵保存していても増殖してしまうのです。
通常は、冷蔵庫などは細菌の繁殖を防ぐために、低温貯蔵していますよね?
それなのに、このリステリアには全くそれが通用しないのです。
リステリアに感染すると、怖いのが、悪寒、発熱、筋肉痛のような症状から、
敗血症、髄膜炎、中枢神経系症状などを引き起こす場合があること。
妊娠されている方や、小さなお子様など、免疫力が低下している方には、特に感染しやすい食中毒なのです。
さらに、妊婦が感染すると胎盤を通し胎児へ感染し、流産や生まれた新生児に影響がでることもあるのです。
恐ろし過ぎて、溜まったもんじゃありません!
リステリアが感染しやすい主な食品
基本的には、加熱されていない食品に含まれる可能性が高く、
私たちが普段食べているソーセージや柔らかいチーズなどが良い例です。
過去に感染が疑われた食品には、フランクフルト、発酵肉ソーセージ、肉盛り(パテ)、スモークサーモン、
乳製品(ソフトチーズ、非殺菌ミルク、アイスクリームを含む)新鮮な野菜、果物があります。
今までに自分が食べたことのある食品が、一つは思い当たるのではないでしょうか?
リステリア症
リステリア症の概要
リステリア症は、比較的まれな疾患ではありますが、世界の国や地域で年間100万人あたり0.1~10件の感染報告があり、
感染に伴う死亡率が高いことから、公衆衛生上の重要な懸案事項の一つです。
リステリア症の種類
非侵襲性リステリア症(発熱性リステリア性胃腸炎)症状には、下痢、発熱、頭痛、筋肉痛が短い期間(数日)起こります。
比較的軽い疾患で、食品の摂取に関係しています。
侵襲性リステリア症
このタイプは、重度の症状や高い死亡率を特徴とします。
症状には、発熱、筋肉痛、肺血症が含まれ、通常1~2週間の潜伏期間が数日から90日と変動します。
リステリア症は、どのように感染するのか?
冒頭でも述べたように、リステリアは、低温で生存することができるため、冷蔵庫でも増殖します。
感染されている可能性があるのは、加熱されていない食品で、野菜や果物、輸入製品、加工製品など。
土壌や肥料、水からの感染や動物の消化管などの加工処理中に感染されることもあり、
貯蔵中や輸送中に、リステリアが増殖する可能性もあるのです。
潜伏期間は様々で、3週間が平均とされていますが、24時間以内や3日、1ヶ月以上と広範囲で、
集団発生時でも原因となる食物を特定するのは困難です。
もう、スーパーで何をどんな基準で選んだら良いのか、わからなくなってきませんか?
世界中でのリステリア
世界でのリステリア
2015年以降、リステリア症は47の症例が確認され、5つのヨーロッパ諸国で進行していました。処理された冷凍トウモロコシ、及び冷凍野菜に細菌リステリアが感染されてたそうです。
アイスクリームには、細菌が繁殖しないという理由で賞味期限が定められていませんが、
そんなこともおかまいなし。リステリアは冷凍保存されていても、増殖するのです。
INFOSAN(国際食品安全機関)は、この症例をもとに、
WHO(世界保健機関)とFAO(国際連合食糧農業機関)迅速な対応を行いました。
この対応のお陰で、現在では、オーストラリア以外のヨーロッパでは報告されていません。
日本では、感染症の蔓延と予防に役立てるシステムが1981年より開始され、
感染症の発生、状況、調査、集計(感染症サーベイランス)が行われています。
それぞれの国際機関がどのようなどんな取り組みを行なっているのか、下記に簡単にまとめておきますね。
国際機関での取り組み
INFOSANの取り組み迅速な情報交換、消費者に公衆衛生上のアドバイス提供、
世界中の汚染に関与する食糧製品を明るみに出して、リスクを低減する。
加盟国がサーベイランス(調査・監視)、調整、アウトブレイクへの対応。
WHOの取り組み
リステリア症を含む食品媒介疾患を予防するために、
186の加盟国の食品安全リスク管理の支援、汚染された食品の拡散を防止、緊急時の情報共有。
WHO,FAOの共同での取り組み
科学的根拠を公表。食品中のリステリア菌の定量(国際的なリスク評価)
リステリア症への予防策
低温貯蔵をしても、増殖が抑えられないリステリア。どうしたら、予防することができるのでしょうか?リステリア菌は、免疫力が弱まっている方に、非常に感染しやすい細菌。
ただ、この細菌、実は少しだけ弱点があるのです。それは、加熱に弱いこと。
「なぁ〜んだ。加熱すれば良いのか。」 そう、簡単に思われる方はいらっしゃるのではないでしょうか?
加熱をし過ぎると、栄養成分が失われてしまうのはご存知ですか?
今スーパーに並べられている食品は、農薬や肥料などで強制的に栽培させられたものが殆ど。
すでに栄養素が少ない食品ばかりなのです。
それをさらに加熱処理なんて、想像するだけで栄養素がどんどん失われてしまうと思いませんか?
健康のために食べているはずが、栄養素のないご飯となり、
もう何のために料理しているのか分からなくなってきませんか?
じゃあ加熱してるし、農薬などの心配のないお肉にしようか!
ちょっと待ってください。
お肉の過食は、腸内バランスを崩してしまうのです。
悪玉菌を増やし、体の循環が悪くなり、どんどん不調に、、、
食材を選び、免疫力を高める
ここで、私が予防策として提案するのは、まずは食品のみだけでなく、調理器具も加熱殺菌すること。次に、食材を選ぶこと。
生産者の顔が見える食材や、農薬や化学肥料などが使われていない食品を選んでください。
旬に育った元気な食材は、栄養素の宝庫です。加熱しても、しっかりと栄養素は残ります。
最後に、乳酸菌やビフィズス菌などを積極的に摂取し、腸内環境を整えてあげてください。
自分の時間をもち、リラックスする時間をもつことも大切です。
体が悲鳴をあげてしまうような時は、最も最近に感染しやすい状態です。
ご自身とご家族の健康を守るためにも、
食材選びや、体調管理は習慣化していってくださいね。
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