卵なしでも大丈夫!野菜たっぷり“ベジたこ焼き”レシピ。アレルギー持ちの方・ベジタリアン(ヴィーガン)の方にも
はじめに
ジュージュー音を立てて焼きあがったアツアツのたこ焼き。カリカリの外側にとろとろの中身。
ソースの香りと生地と具材の旨味が混じり合って、ほくほく頬張るのは何とも言えない幸せを感じてしまいますよね。
屋台の風物詩や大阪・関西の名物としても有名な、粉物の代表料理のひとつのたこ焼き。
でも、たこ焼きといえば卵を使うお料理。
卵アレルギーだったりベジタリアン(特にヴィーガンの方)だったりマクロビオティックだったり…理由は様々かと思いますが、何らかの理由で卵の使用が難しい、もしくは控えている方にとっては中々縁遠くなっている料理になってしまうのではないでしょうか。
かく言う筆者の私も何を隠そうアレルギー持ち&ベジタリアン。
体質や思想の変化(今回は割愛)もあって現在は卵も魚も食べられなくなってしまったのですが、昔はばくばくたこ焼きを食べていた関西人の自分にとっては、やっぱりたこ焼きはどこか懐かしく魅力的な料理の一つでした。
たこ焼きをベジ向けに作りたい!たこ焼きを(たこじゃないけど(笑))食べたい! という思いから、卵を使わず植物性素材オンリーで作ったたこ焼きのレシピを考えてみました。
オススメの具材やグルテンフリーのレシピ、明石焼き風に使える植物性素材で作った浸け出汁レシピまでご紹介します!
意外と健康にも優しいコレステロールほぼゼロのベジたこ焼きの秘密や、実はたこ焼きの初期のころの具はたこではなかった?!という衝撃の小噺まで交えてお届けするので、是非ご覧になってみてください。
たこ焼きを作る前に、ベジたこ焼きが身体に優しい理由とは。その秘密はコレステロール値にあり?!
ベジたこ焼きとふつうのたこ焼き、驚くべきコレステロールの違い
たこ焼きのレシピのご紹介の前に、ベジたこ焼きと普通のたこ焼きで使う食材のコレステロール値の違いについても少し説明させて下さい!粉物とは言え、たこ焼きは卵を使用するお料理のひとつ。
卵と言えば、一般的にコレステロール値が高い代表的な食品として知られていますよね。
そしてまた、たこもコレステロールを高く含む食品です。
ベジたこ焼きでは、卵の代わりに豆腐、牛乳の代わりに豆乳を使用します。ベジたこ焼きと言うだけあって、植物性素材のみで作りますので、もちろんたこも使用しません。
実は、豆腐や豆乳といった大豆製品はコレステロール値がほぼゼロ!
そして、野菜や粉類といった植物性の素材自体のほとんどが、コレステロールがゼロか、もしくはあっても微量にしか含まれていないのです。
つまり、普通のたこ焼きに比べてベジたこ焼きはコレステロールがほとんど含まれていないのですね。
(出典:『文部科学省HP 日本食品標準成分表 PDF(日本語版)』)
しかも、かと言って低栄養価と言えばそうではなく、大豆は植物性たんぱく質やアミノ酸、イソフラボンと言った様々な嬉しい成分を含んでいます。
また、野菜を生地にも具材にも使うので、それぞれの野菜がいろいろな身体に嬉しい成分を含んでいるのは自明の理ですし、必然的に摂れる食物繊維の量も増えちゃいますよ。
悪玉コレステロールも減少してくれる?!嬉しい植物性たんぱく質
また、コレステロールについては巷に諸説あり私自身も解釈が難しいところだとは感じているのですが……、実は動物性たんぱく質に比べて植物性たんぱく質を摂取することは「悪玉コレステロール」の数値を減少させることと関係している!という驚きの研究結果もあるそうです。ダイオキシンの発見にも貢献した、アメリカの“栄養学のアインシュタイン”とも呼ばれるコリン・キャンベル氏の著書“葬られた「第二のマクガバン報告」”。
ニューヨークタイムズにも絶賛された、彼の膨大な癌と栄養にまつわる疫学研究。
著書に記してある内容はとても多岐に渡るので全てをここでご紹介することは到底叶いませんが、その中のとある研究結果について記している一説にこんな言葉があります。
“動物性タンパク質の摂取は、「悪玉コレステロール」の数値を上昇させることと関係していた”(中略)“植物性タンパク質の摂取は、「悪玉コレステロール」の数値を減少させることと関係していた”
引用:「葬られた「第二のマクガバン報告」(上巻) T・コリン・キャンベル (著), トーマス・M・キャンベル (著), 松田 麻美子 (翻訳)」
今回作るベジたこ焼きは植物性の素材オンリーで作ります。
しかも、生地にも具材にも野菜を使うので更にヘルシー!
また、大豆製品だけでなく、穀類にも意外と植物性たんぱく質が含まれていますよ。
コレステロール値が低いだけでなく、なんと悪玉コレステロールを減らしてくれるベジたこ焼き……何だか嬉しくなっちゃいますね!
アレルギー持ちの方、ベジタリアンの方、コレステロールが気になる方、健康志向の方……勿論、そうでない方にも“身体にも優しい野菜たっぷりのベジたこ焼き”、とってもオススメです。
早速作ってみよう!ベジたこ焼きの作り方
さて、早速ベジたこ焼き…作っていきましょう!ベジたこ焼きの材料
材料 (約32個分)・水 400ml
・有機小麦粉 100g
・有機米粉 30g
・有機片栗粉 30g
(米粉がお家にない方は、米粉を片栗粉に置き換えても作れます。片栗粉を米粉に置き換えても。また、小麦粉に粉類全てを置き換えても大丈夫。ちなみに、小麦粉だけで作成する場合はモタッとしやすくなるので水を500mlに変えて下さい。)
・有機豆乳 大さじ1
・植物性のお好みの出汁 大さじ1
例)粉末昆布 小さじ1 粉末椎茸 小さじ1 野菜ブイヨン小さじ1
例)粉末昆布 小さじ1 粉末椎茸 小さじ2 など
(塩分を含んでいる出汁を使う場合は、量を少なめにするか塩味を調節してください)
・有機醤油 小さじ1
・有機みりん 小さじ1
・有機料理酒(できれば食塩無添加のもの、なければ塩味を減らす) 小さじ1
・塩 少々(お好みで)
・刻み紅生姜 大さじ1
・絹豆腐 120g
※料理酒やみりんを入れることで不思議と味に深みが出ます。
・お好みの野菜 みじん切り 適量
(中に混ぜ込んで焼くので、みじん切りの細かさも適当で……大きすぎなければ大体で大丈夫!)
例)キャベツの葉(固い芯は除くか細かく刻む) 3~4枚
例)白菜の葉 2~3枚 えのき 40g
例)キャベツの葉1枚 白菜の葉1枚 青葱2~3本
(キャベツは中くらいの大きさ、白菜も中くらいの大きさもしくは4分の1カットされた葉で。基本柔らかめの野菜なら代用可能なので、癖が無ければその他の野菜でもOK。多少の量の上下も全然大丈夫です。)
・お好みの具材 適量
1cm弱大にサイコロカット
オススメの例)油揚げ&白葱、アボカド、蒟蒻、餅&コーン、餅&塩昆布、大豆ミート、きのこ(椎茸、マッシュルーム)etc…
油揚げと白葱はお手軽かつ意外とイケます。アボカドやお餅はトロトロになるので楽しいです。
蒟蒻は板蒟蒻を。味付けしなくてもカットしたものでも意外とおいしいですよ。
・たこ焼き機に引く用の油(菜種油や米油、太白胡麻油などがオススメ)
(グルテンフリー&明石焼き風浸け出汁は後ほど説明します。)
ベジたこ焼きの作り方
①先ず材料を混ぜていきます先に粉系を計ってから、水や豆乳など液体を足して、最後に豆腐や紅生姜、刻んだ野菜を足して混ぜます。
水を足す時は、何回かに分けて混ぜながら足していくと混ざりやすいです。
絹豆腐は泡立て器などで大体で良いので細かく潰しながら混ぜます。(先に潰してから混ぜてもOK)ペースト状にしなくても、大体細かく潰れれば大丈夫!絹豆腐がない場合は潰すのが一手間かかりますが、木綿豆腐でも作れます。(豆腐が無い場合は、少し生地が柔くはなりますが豆乳の量を倍にしてみて下さい。)
生地の材料が全部混ざった様子。
中に入れるお好みの具材も先にカットして用意しておきます。
出汁について一言:お好みの出汁でオススメなのは粉末になったもの。市販の昆布だしや野菜ブイヨンでもいけますが、粉末になっただけの昆布や椎茸の粉があります。椎茸の粉はかつおぶし粉の代わりにもなりますよ。素材の味や旨味が濃く出ますし、普段の出汁に色々活用出来る優れものなのでオススメです。食塩入りの粉末だしを使用する場合は少し塩加減を調整して下さいね。また味が濃いめの液体出汁を使用したり、水の一部を液体出汁に置き換えることも可能かと思います。
②作った生地をたこ焼き機に流し入れ……の前にちょっと待った!
たこ焼きを焼く上でかかせないのがたこ焼き機なのですが、たこ焼きを上手に焼くためには生地を流し入れる前に先ず、しっかりとたこ焼き機を暖めて十分な油を引いておくことが必須条件です。私も何度それで泣きを見たことか…。
油をたこ焼き機の中に少し溜まる程度に流し入れ、油を塗るハケが無くてもキッチンペーパーを丸めたものをお箸で掴む感じで大丈夫なので、流した油をたこ焼き機全体に馴染ませましょう。
(ちなみにたこ焼き機は、鉄製のものがオススメ。私はカセットコンロ用の鉄製のものを使用しています。※画像は参考画像です。)
③たこ焼き機が暖まり、油が熱されて来て鉄板に生地を垂らすとジュウ…という音がする位になったら生地を流し入れていきます。
(細かい具などが底に溜まり易いので入れる前にはよく混ぜてから注ぎます。)
火加減は悩みどころですが、私は調整しやすい中火で大体焼いています。
④生地をある程度(たこ焼き機の丸の中に収まり、具材を入れても溢れない程度)入れたら、先程切り分けた具材をざっくりたこ焼き機の中に入れていきます。
⑤そのまま暫く焼いてから、もう一度生地を流し入れます。今度は生地が溢れる丸の中から溢れてたこ焼き機一面に拡がるくらい豪快に入れていきます。
溢れた生地は、生地の外側が少し焼けて来たらたこ焼き機の穴を挟む様に縦に線を入れて四角く切り離し、丸の中に寄せていきます。切り離したり寄せる時は、菜箸を使うとやり易いかもしれません。
(邪道かもだけど、ここまではみ出ていた生地を中に入れると返しやすいかも?!)
⑥端っこが焼けてきて、外側が固くなってきたらたこ焼きを返します。
ここでのポイントは、外側がある程度焼けるまでしっかり待つこと。
お店じゃないので慌てて全部一気に返す必要はなく、焼けたところから返していけば大丈夫。
早すぎると、固まっていないたこ焼きがうまく返せず潰れてベチャベチャの状態になります(涙)
そうなってしまった時はまた焼けるのを待ってひっくり返せば修正可能ですよ♬
油が足りなくなって来たなぁと思った時は横から流し入れるのもアリです。
ちなみに余談ですが、焼いている途中でさらに油を足すと、表面がよりカリカリになって揚げたこに近い雰囲気になります。
返すときは竹串を使うがおすすめ。(金串だとたこ焼き機本体を傷付けてしまうかもなので…)
私は端の固まった部分に竹串を入れ少しだけ剥がしてから、
端の部分を突いててこの原理みたいに竹串で力を軽く入れてひっくり返すか、生地に串を突き刺して一気にひっくり返す様にしています。回す時はやさしくコロコロと端から回転させる様に転がします。
⑦焼き加減を見ながら、コロコロ転がして焼いていきます。形が歪な場合も、何度かコロコロひっくり返して焼くと綺麗になります。はみ出した生地や具材も、回転させて穴の下に回して焼いていると良い具合に綺麗になりますよ。
もし生地が少なくてたこ焼きが小さくなってしまった場合は、途中から生地を足してもOKです。
穴によって火力が違う場合は、焼きあがったたこ焼きを取り除いた場所に途中のたこ焼きを移動させるのも手。
⑧焼き上がったたこ焼きにお好みの盛り付けをして
⑨完成~!
濃厚ソース&醤油+ベジマヨ+醤油+椎茸粉+青海苔
TOP画像のものも同じ組み合わせ
食べ方アレンジいろいろ
シンプルに青海苔+ウスターソースぽん酢+青葱+椎茸節(※椎茸をかつお節みたいに加工したもの)
濃厚ソース+ベジマヨ+青海苔+粉チーズ風にニュートリショナルイースト
是非、お気に入りの組み合わせと味を見つけてください!
おまけのベジたこ焼きアレンジレシピ
ベジたこ焼きグルテンフリー.ver
粉物と言えば、小麦粉を使うのが鉄板。だけど、グルテンフリーやアレルギーなど、何らかの理由で小麦の摂取を控えていらっしゃる方にとっては小麦粉の使用は避けたいですよね。
このベジたこ焼き、小麦粉を使わなくてもできちゃいます。
なんと、粉の配合を
有機米粉 100g
有機片栗粉 60g
に変えるだけ!
ちなみに、その他レシピで使用したお醤油。一般的な醤油にも微量ですが小麦成分が含まれているので(使用する麹と関係があります)、グルテンフリーに対応したお醤油か、たまり醤油(グルテンフリーなことが多いです)を使って下さいね。
米粉と片栗粉で焼いたベジたこ焼き(ぽん酢+ベジマヨ+青葱+青海苔)
少しだけ、小麦粉を使った生地に比べると柔らかいのでひっくり返す時は注意してくださいね。米粉100%でも作れますが、かなり柔らかい&少し膨らみにくいので油をたこ焼き器に充分塗って、生地を多めに入れて焼いてみてください。
おまけ その2 植物性素材で作る、簡単明石焼き風浸け出汁レシピ(2~3人前)
たこ焼きのルーツのひとつとも言われている明石焼き。たこ焼きの原型である大阪の屋台で見られたラジオ焼きが、明石焼きをヒントにして具材のたこを使い始めたともいわれています。参考:『「粉もん」庶民の食文化』 熊谷 真菜』
明石焼きと言えば、出汁に浸して食べるもの。
今回はその出汁を、植物性素材にアレンジして簡単に作ってみました。
材料
水 500ml塩 小さじ1~1.5
有機醤油 小さじ2
有機料理酒 小さじ2
有機みりん 小さじ2
お好みの出汁 小さじ2~3
例)昆布粉 小さじ1 椎茸粉 小さじ1~2
(板昆布や乾燥椎茸も使うと味に深みが出ます(一緒に煮出す)。もしくは野菜ブイヨンなどでも。出汁や料理酒で塩分が含まれているものを使う場合は、こちらも塩を減らしてくださいね。)
砂糖 小さじ1
有機三つ葉 適量
細かく刻んでおく
作り方
①材料全てを鍋に入れ、火にかける②沸騰して来たらひと煮立ちさせたのち、数分煮込んで火を止める
少し濃い目の味付けなので、薄味が好きな方は薄めて。濃い味がお好きな方は更に煮詰めてみてください。
余裕があれば、作ってから少し時間を置いた方が味が馴染んで美味しいです。
完成!
でき上がった出汁に刻んだ三つ葉を適量入れて、アツアツの何も付けていないたこ焼きを浸して召し上がって下さい。
三つ葉を入れるのは、実は明石焼きの食べ方で見られるスタイル。筆者の育った地元明石では、定番でした!
元来の明石焼きはたこ焼きに比べて卵の比重が多く“玉子焼き”と呼ばれたりもするので、厳密にはたこ焼きとは少し違うものではあるのですが、このベジたこ焼きをお出汁に浸けるだけでも中々楽しめますよ。
日本のハーブの一つとも言われる三つ葉と出汁とたこ焼きの組み合わせも意外と美味しいので、是非やってみて下さい。
まとめと意外な豆知識。たこが入っていなかった初期の“たこ焼き”
如何だったでしょうか?卵を使わなくても、植物性の素材だけでいろいろな楽しみ方が出来ることが少しでも読者の皆様に伝わっていれば幸いです。
最後に、「でもたこ焼きって言ったらたこが入っているからたこなのに、やっぱり邪道だわ……」と思ったそこのアナタ。
実は、初期のたこ焼きはたこを使っていなかったことをご存知ですか?
“だが、たこ焼きは中身を選ばない。(中略)その理由はこうである。もともとたこ焼きには、タコは入っていなかった。当然のことながら、たこ焼きというネーミングもなかった。(中略)いまのたこ焼きの中身が、タコではなく、おもにコンニャクだったということだ。”
(筆者注:いまのたこ焼き→たこ焼きの原型の一つ、大阪の屋台で見られたラジオ焼きのこと)
引用:『「粉もん」庶民の食文化』 熊谷 真菜』
なんだか、たこが入っていなくても全然大丈夫な気がしてきませんか?
“ベジたこ焼き”、あなたも是非チャレンジしてみて下さいね!
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