東洋医学から見た疲れ目の原因と、マクロビオティック式 簡単お手当「番茶湿布」の作り方
皆さんにはこのような症状はありませんか?
・目が疲れやすく、スマホをみるのがつらい
・ドライアイで、1日に何度も目薬をさす
・目の奥が重く、肩こりや頭痛がある
・近視や老眼がすすんできた
・目のかすみ、充血がある
頑張り屋さんの人ほど目のトラブルをかかえやすいものですが、
東洋医学では目の不調は肝・腎の弱りによるものとされています。
今回は目の不快な症状の原因と対処法についてみていきます。
疲れ目はなぜ起こる?
自律神経のアンバランス
遠くを見るときは毛様体筋が緩み、
近くを見るときは毛様体筋が緊張する。
私たちが何気なく行う目のピント調整には、
自律神経の働きが作用しています。
すなわち、遠くを見ているときは交感神経が働き、
近くを見ているときには、副交感神経が優位となり働いています。
本来、副交感神経はリラックスの神経であり、
身体がほっとした時に優位になる神経です。
これは、太古の昔、人間の「近くを見る」という動作は、
狩りをしたり、外敵を見張ったりする必要のない、
安心し、リラックスした状況にあったことに起因しています。
しかしながら、現代人はスマホやPCの前で集中し、
仕事をこなすのが当たり前。
目のピント調整に副交感神経を駆使しながら、
動作は緊張し、交感神経を優位にさせていることが多いのです。
このアンバランスが人間の本来の目の使い方とずれており、
頭痛や肩こりなどの眼精疲労を生むのです。
ブルーライトの影響
現代人の疲れ目にとりわけ強い影響を与えているのが、
「ブルーライト」です。
ブルーライトとは、380~500nmの波長をもつ青色の光のことを指します。
可視光の中では最も波長が短く、強いエネルギーを放つ光です。
この青色の光は、角膜や水晶体で吸収されず、
直接網膜に刺激として届くという特徴があります。
網膜には「第三の視細胞」と呼ばれる細胞が存在しており、
光を感知すると脳にダイレクトに刺激として届き、
私たちの体内時計に大きな影響を与えます。
つまり、スマホやPCなどの電子機器類は、
かつての活字媒体による単なる眼精疲労と異なり、
自律神経を直接的に麻痺させ、狂わせてしまうのです。
東洋医学からみる疲れ目の原因
マクロビオティックと目の症状
しかしながら、目に疲労を感じやすい人とそうでない人がいるのは何故でしょうか。
マクロビオティックでは、緊張が続きやすい疲れ目の症状は、
「陽」に偏った食事が原因とされています。
例えば、塩や肉、魚、チーズ、クッキーなどの固く焼しめた小麦食品。
これらを多食すると身体の筋肉が硬直し、視神経の緊張を生むとされています。
一方で「陰」が強すぎても目には問題です。
白米、砂糖、南国果物、油、スパイス、お酒、薬物などの陰性食品の取りすぎは、
視神経を緩ませ、細胞を膨張させることで、目の機能低下を引き起こすのです。
アルコールや砂糖が大好きな人に良く見られる症状ですが、多食すると、
視神経が緩むことで力が入らず、徐々に光のない目になってしまうのです。
陰陽のバランスを意識し、玄米や全粒穀物、味噌汁、梅干し、海藻などの、
日本の伝統食を取り入れてみましょう。
漢方と目の症状~肝の弱り~
漢方では、目の症状は「肝」と深い関りがあるとされています。
目の症状は肝に蓄えられるはずの血の不足が主な原因です。
東洋医学では、肝は「血を蔵す」と言われる臓器です。
肝は身体の血を保管する、銀行のような働きをしています。
肝の血が不足すると、脳や内臓などの重要な組織に優先して使われるため、
末端部分である目や爪などの組織に、栄養がいきわたらなくなります。
目の症状は肝の弱りのサインとされる所以はここにあります。
また、肝は「気を巡らせる」というもう一つの重要な働きを持っています。
気が巡らないと、身体に信号が伝わらず、目の筋肉もしなやかに動きません。
肝が弱ると、目に十分な栄養がいきわたらないばかりか、
近視や肩こりなどの筋のこわばりを生むのです。
肝の機能を高めるには、貝類、ひじきや昆布などの海藻、にんじんやごぼうなどの根菜、春菊、ニラ、ホウレンソウなどの青菜、柑橘や梅干しなどの酸味を取り入れてみましょう。
漢方と目の症状~腎の弱り~
一方で血液は主に骨髄で作られます。
その骨髄をつかさどっているのが、「腎」という臓器です。
腎は「精を養う」とされ、血を精に変え、蓄えるという働きをしています。
精とは生命エネルギーの結晶であり、身体の発育に大きくかかわっています。
一方で、体の血が不足すると精が血に再び転化し、その役割を補うとされます。
老化により腎が衰えた状態では精を養うことができず、
血の不足を補うことが難しくなってしまうのです。
そのため腎の機能が衰えた場合、目や爪、髪などの末端部分に血が行き渡らなくなり、
老眼をはじめとした目の不調が生じるのです。
腎の機能を高めるには、魚や肉の赤身、黒米、黒ゴマ、黒豆、ブルーベリー、ぶどう、ざくろ、さくらんぼ、
くるみ、栗など、赤と黒の食材や種子や実を取り入れてみましょう。
目の病に番茶湿布
番茶湿布とは?
目の自然治癒力を高めるためには、
中庸の食事を心がけながら、肝と腎の機能を高めていくことが大切です。
しかしながら、現在、目のつらい症状を抱えており、
何とかしたいという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回、マクロビオティックのお手当である番茶湿布を紹介します。
番茶湿布とは、その名の通り、番茶をつかった温湿布のことを指します。
近視、乱視、遠視、斜視、白内障、緑内障、結膜炎、目ばちこ、疲れ目、三白眼など。
マクロビオティックではあらゆる眼病を治すことができるとされています。
番茶湿布の効能
番茶とは、若葉ではなく、成長した葉や茎を用いた、
普段使いのお茶のことを指します。
番茶は他のお茶と比較し、カテキンが豊富であり、
カフェインやタンニンなどの刺激物質が少ないという特徴があります。
番茶湿布はお茶に1%の自然塩を混ぜて用います。
そのため、生理食塩水にカテキンの有用成分が合わさり、
温熱で行う目薬のような効果が期待できるのです。
番茶湿布の効能は次の通りです。
・抗炎症作用。腫れたりむくんだりした組織の熱を鎮静化する。
・収れん作用。カテキンと塩が目の細胞を適度に引き締める。
番茶湿布は目に溜まった毒素を自然と発散させる効果があります。
温かい番茶を用いることで、じんわりと番茶の有用成分が目の組織に浸透、
血を巡らし、目の症状に最適なお手当となるのです。
番茶湿布の方法
【必要なもの】
熱い番茶、天日塩(1%)、ガーゼ又はハンカチ、茶碗
1.茶碗に入れた熱い番茶に塩一つまみ(1%)を入れる
2.1にガーゼかハンカチを浸し、軽く絞る。
3.目を軽く閉じ、湿布する。
湿布が冷たくなったら取り替え、15分程行います。
1日2回程度がおすすめです。
番茶湿布のすごいところは、目に乗せた瞬間、
ふわっと肩まで楽になる実感があることです。
寝る前に行うと快眠できるため試してみましょう。
番茶湿布の注意点
番茶湿布にはミネラルが含まれる自然塩をつかうことが大切です。
精製された食塩では刺激が強く、効果がなくなるので注意しましょう。
また番茶は農薬を使用していない有機のものを使うようにしましょう。
番茶は長く寝かせてあるほど、カフェインやタンニンなどの刺激物が抜けています。
敏感な方は「3年番茶」などのじっくり熟成させた番茶を使うようにしましょう。
番茶湿布で目をいたわろう!
それでは今回の記事のおさらいです。
・電子機器類による疲れ目は自律神経を大いに乱す。
・目の自然治癒力を高めるには中庸の食事に肝と腎を補う食材を。
・番茶湿布は即効性のある目のお手当となる。
・番茶湿布は天然の目薬の効果。目の毒素を排出する。
視力低下や疲れ目、ドライアイなど、今現在の気になる症状がある方は、
食養法とともに番茶湿布を試してみましょう。
何気なく飲んでいたいつものお茶が、瞳を健やかにしてくれます。
あなたの毎日が健康で快適でありますように。
出典
『ブルーライト研究会』http://blue-light.biz/
『ザ・マクロビオティック 目の疾患より』http://www.cafe-magnolia.jp/?eid=1021
『暮らしの中の中医学』http://www.city.nakamura.kochi.jp/gyosei/chuigaku/kurashi/kurashi9.html
『身近な食べ物による手当法』 正食出版
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