酸化に悩む私達に必要なのは味噌だった|簡単な手前味噌の作り方とその効能とは。
昔は当たり前だった光景が現代に受け継がれなくなった理由
経済成長と引き換えに日本人が捨てたもの
昔の台所。などというものは、今やほとんどの人が目にしたことがありませんよね。
しかし、おぼろげにでもイメージすることはできるのではないでしょうか。
便利な電化製品は現代ほどなく、食材は畑で採れた旬の野菜が中心。
梅干しや糠漬けなどの漬け樽が並んでいることもある。
かなり前の時代のようでもありますが、私はこのような情景を思い浮かべます。
そうです、昔の日本人は自然ととても近い暮らしをしていました。
旬の野菜を食べ、余った分は乾物にしたり漬けたりして保存できるようにする。
それぞれの季節に合わせて生活が営まれていました。
ところが、時は高度経済成長期。
自然に近い丁寧な暮らしを送ることよりも
簡単・便利で目新しいものが世の中に出回り、人気を集めました。
いわゆる、粉ミルクやインスタント・レトルト食品、
さっとかけるだけ、入れるだけ、混ぜるだけが謳い文句の商品の数々。
昔のような生活は、古臭くて地味
新しい時代の新しい商品が華やかで素晴らしい
という考えが世の中を席巻するようになりました。
便利さと引き換えに、私たち日本人は
昔ながらの丁寧な暮らしを軽んじるようになったのかもしれません。
簡単便利で新しいものが私たちの生活に与えた影響
しかしながら、これらが生み出した代償が徐々に現れつつあることは
すでに皆さんがご存知の通りです。
増え続ける生活習慣病・花粉症・アトピーにアレルギー・・・
健康で長寿大国だった日本は
いつしか病気大国となってしまいました。
周りを見渡せば、常に誰かがなんらかの不調を抱えている
そのようなことはないでしょうか。
そして、「何かがおかしい」「このままではいけない」「なんとかしなくては」
と、現状に疑問を持ち、危機感を抱く人々の意識が徐々に広がり、
その中でも、再びじわじわ復活の兆しを見せているのが、
初夏の梅干し作りや冬の味噌作りに代表される、季節仕事なのです。
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> 商品の詳細はこちら良質な素材と微生物が作り上げる味噌は、日本人の叡智が詰まった自然からの恵みそのもの
味噌=身体に良い
これはおそらく、日本人であれば誰もが持つ味噌の印象です。
味噌といえば、日本食を代表する発酵食としても有名で、近年、海外からも注目されています。
そして、季節仕事としての味噌作りを行う人が徐々に増えており、
私の周りでも今の時期、味噌作りの話題が頻繁にでるようになっています。
シンプルだけど奥が深い。素材一つ一つに味噌が味噌たる理由がある
では、味噌が何故身体に良いのか、このことについて考えます。
端的に言うと、味噌は発酵食だから身体に良い
と言えますが、それだけではないのです。
味噌の原料となるものは、「豆」「麹」「塩」の3つのみ。
麹の力で味噌は植物性乳酸菌の宝庫となる
麹(米・麦)の栄養素はでんぷんで発酵によってブドウ糖、つまり、「あまみ」へと変わります。
そして、麹から作り出されたブドウ糖は植物性乳酸菌の餌となるため
植物性乳酸菌が大量に産生されるようになるのです。
植物性乳酸菌といえば、CMでもよく聞かれているとおり
腸内環境改善や感染症予防にも優れているとして、注目されています。
市販の乳酸菌飲料は、乳酸菌の効果よりも
ブドウ糖果糖液糖や人工甘味料が気になります。
味噌の乳酸菌であれば、安心して摂ることができますね。
良質な大豆タンパクは強い抗酸化作用を持つ
味噌に使用する豆は、一般的に大豆を使うことが多いですが、その栄養素はタンパク質です。
このタンパク質が発酵によってアミノ酸へと変換され、
アミノ酸は私たちの味覚に「うまみ」として働きかけます。
さらに、アミノ酸と麹によって産生される糖によって
味噌独特の茶色い色を発生させる、メイラード反応という現象がおきます。
そして、このメイラード反応によってメラノイジンという成分が生成されるのですが、
これが、非常に強い抗酸化物質なのです。
ストレス過多、化学物質や添加物の影響で酸化しがちな現代人の身体。
最近では抗酸化作用の高い世界各国のスーパーフードも注目されていますが、
味噌であれば、毎日無理なく抗酸化物質を摂ることができますよね。
良質な塩でミネラル不足を解消
最後に塩は、保存のために入れられますがそれだけではありません。
ホンモノの塩にはミネラルが豊富に含まれています。
味噌は身体に良いが塩分が・・・
ということをしばしば耳にしますが、それは大きな間違い。
それが本当だとすると、その塩は精製され
ミネラルをごっそり抜き取られた、ただの塩化ナトリウムだからです。
残念ながら、現在市場に出回っている塩の多くは
ミネラルがほとんどないと言われています。
それゆえ、ミネラル不足と言われている現代の日本人。
ホンモノの塩を使った味噌であれば身体に悪いどころか
ミネラルの補給までできてしまいますよ。
このように、味噌はたった3つのシンプルな原料からできていますが、
「あまみ」と「うまみ」が生み出されるだけではなく
腸に働きかける植物性乳酸菌や
抗酸化作用が非常に強いメラノイジンが生成され
さらにはミネラル補給までできてしまう
これこそが、日本で昔から受け継がれてきた伝統食なのです。
酸化物質に囲まれた現代生活を生き抜くためにも味噌は不可欠
いくらオーガニックで健康的な生活を送っているとしても
現代の生活で酸化物質を避けて通ることはできません。
ストレス・放射線・電磁波など、生活における目に見えない有害物質。
大気中に浮遊する花粉やPM2.5なども、これからの季節深刻です。
さらに、農薬や食品添加物をはじめとした、食品に含まれる有害物質。
これらは全て、酸化の原因です。
とは言うものの、スマホやパソコンは、現代生活においても仕事においても
欠かすことはできないものです。
息を吸えば空気が入ってくるのですから、
その中の有害物質を排除することなど不可能です。
農薬や食品添加物などの食事は、比較的予防しやすいものではありますが
それでも、完全に摂らないようにすることは難しい時代です。
今の時代に生きて生活をしている以上、これらのことを憂いても仕方がありませんが、
諦めて何もしないのではなく、影響を少なくすることは可能です。
免疫を高め、自ら有害物質を排出できるような体質を作るのです。
方法はいくつかあると思いますが、
本物の味噌で作るお味噌汁であれば、日々の生活に無理なく取り入れることができますよね。
味噌には、先に述べたとおり
植物性乳酸菌による腸壁強化と善玉菌のサポートによって
腸内環境改善が整います。
メラノイジンによる抗酸化作用も非常に高く、
生活習慣病の改善や美容にも嬉しい効果が期待できます。
さらに、味噌に含まれる成分や酵素には、強い解毒作用があると言われており
体内に溜まった有害物質を体外へ排出するのを促してくれるのです。
質より量!?早い安い便利が生み出した味噌もどき
本物の味噌は、豆・麹・塩を原料として、微生物の力で時間をかけて作られます。
一般的に、1〜2月に仕込んだ味噌はその年の秋以降に食べごろだと言われています。
つまり、最低でも10ヶ月近くはじっくり寝かし、熟成させる必要があります。
ところが、経済が発展してくるにつれ、
人々は時間をかけることを無駄だと考えるようになりました。
手間暇かけて作ったものを販売するよりも
できるだけ短期間で大量生産したものを販売する方が
はるかに経済的だからです。
その結果、化学薬品や添加物の力によって
短期間で安く、大量生産された味噌が広く市場に出回るようになりました。
健康になるどころか不健康へ一直線の市販味噌
化学薬品や添加物からできた味噌。
もちろん、「うまみ」も「あまみ」も何もありません。
そのため、「うまみ」を出すための添加物を加えます。
「あまみ」も足りないので、甘味料を加えます。
熟成されていないので、薄い色をごまかすために着色料を入れ、
そして、当然、発酵などしていないわけですから
保存がきくようにと保存料や香り付けの香料も加わります。
塩は安価な塩化ナトリウムが使用されていることが大半。
微生物も存在していなければ、発酵もしていない
いわゆる、化学調味料となんら変わりがないものです。
しかし残念ながら、スーパーなどで多く販売されている味噌は、このようなものばかり。
これでは、健康になるどころか身体に不調をきたす原因となります。
味噌汁や和食全般が塩分が高く生活習慣病になる
という話は、まさにこれら偽物の調味料から生まれたのです。
世界に一つだけの味噌づくり。私たちこそが再び未来へつなげていこう
身体を整えるホンモノの味噌はこの世に2種類しかありません
先に述べた通り、現代一般的に普及している味噌の多くは味噌本来の優れた効果を失ったものです。
では、どのような味噌が本物の味噌だと言えるのでしょうか。
それには大きく2種類あると考えます。
1つ目は、まず、スーパーなどで購入する場合、原材料が「豆」「麹」「塩」3つのみのシンプルなもの。
そして、味噌の容器もしくは袋に通気孔の付いているものを選びます。
本物の味噌は、微生物の力によって発酵が続いています。
つまり、販売のために密閉されてしまうと、容器が二酸化炭素でパンパンになってしまうのです。
そのため、通気孔が付いている=生きている味噌、ということになります。
また、ネット社会の現代では、全国各地の味噌蔵とも簡単にやりとりが可能です。
味噌蔵だから絶対に大丈夫、というわけではありませんが
その中で信頼できる蔵を見つけて、そこから直接購入する方法もあります。
そして2つ目が、「自分で作る味噌」いわゆる「手前味噌」です。
自分で作るので、原材料は厳選したものを使用することができます。
もちろん、添加物など余計なものは入れないですよね。
さらに、手前味噌ならではの素晴らしいことが1つあります。
それは、自分にぴったり合う味噌ができること。
どういうことかというと、私たちは目に見えないものの
日頃から多くの菌に囲まれて生活しており、
私たちの身体には、常在菌がたっぷり付着しています。
この常在菌は、人によって様々。
家族は似ていると言われますが、住まいが変われば常在菌も変わります。
常在菌も味噌の発酵・熟成を促す微生物の一つ。
自分の菌で味噌を作るのですから、身体に合わないわけはないですよね。
このように、手前味噌は作り手オリジナルの
世界に1つだけの本物の味噌なのです。
自分の菌で自分にぴったりな我が家だけの味噌作り、挑戦してみませんか?
それでは最後に、味噌作りのポイントをご紹介します。【材料】
・有機乾燥大豆 1kg・有機麹 1.5kg
・天日塩 400〜500g
【下準備】
豆を水で綺麗に洗い、豆の約倍量の水に一晩(8〜9時間)浸しておく。【手順】
1 豆を煮る。浸しておいた水と共に、強火で火にかける。
沸騰したら弱火にし、アクをしっかりとりつつ、豆が柔らかくなるまで煮る。(4時間程度)
途中、吹きこぼれないように注意しつつ、お湯が少なくなってきたら足していく。
指で軽くつぶせるくらい柔らかくなれば良い。
煮終わったら、熱いうちに煮汁と豆を分ける。
このとき、煮汁は捨てないこと。
2 塩きり麹をつくる
麹と塩をムラなく混ぜる。
まず、麹を大きめの容器にあけて、固まっているところを手でもみほぐす。
全体的にほぐれたら、塩を加えてさらにしっかり混ぜてなじませる。
3 豆をつぶす
すり鉢があればすり鉢で、なければ、丈夫な袋に暖かい豆を入れて
ペースト状になるまですりつぶす。
しっかりとつぶれたら袋から出し、大きめの容器に移し替える。
3の塩きり麹を1/3程度ずつ加え、ムラのないよう混ぜ合わせる。
豆の煮汁も加える。
固さの目安としては、耳たぶ程度の固さ。
多少柔らかめでも良い。
4 味噌玉を作る
全ての材料がまんべんなく混ざったら、大きめのおにぎり程度の大きさに丸める。
その際、空気が入っていないように、空気を抜くようにギュッとにぎる。
5 樽に入れる
ボールを投げ入れるように力を入れて、樽底に味噌玉を投げ入れる。
(空気が入らないように)
底が見えないくらい入ったら、一度空気を抜くようにしつつ平らにならす。
全ての味噌玉を入れ、空気が入らないようにギュッギュっと押して詰める。
6 蓋をする
味噌表面を平らにし、その上にラップをかぶせ、軽く塩をふりかける。
このとき、空気が入らないように、空気が入っている場合は丁寧に抜く。
ラップの代わりに酒粕で蓋をすることも可能。
空気は雑菌やカビ繁殖の原因になるので
しっかり取り除いておく必要があります。
7 仕上げ
キッチンペーパーに焼酎を染み込ませ、樽の内側や外側・蓋など
味噌が入っていない部分の汚れを綺麗に拭き取る。
8 保存・熟成
エアコンの効かない室内の冷暗所で常温保存する。
最後に
手前味噌が良いとは言っても、実際に作るとなると大変だ、と思われるかもしれません。
確かに、味噌作りはシンプルな工程ではありますが、多少手間暇のかかる作業ではあります。
しかし、何日もかけてする必要は全くありません。
1年のうちのたった1日、味噌作りに時間をかける余裕も、
現代の私たちには必要なのではないでしょうか。
失われつつある日本の素晴らしい伝統を
これからの世代につなげていくことができるのは、
他ならない私たちなのです。
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