風邪を秒速で治したい｜鍼灸師がお伝えする自然の理にかなった身体の機能を最大限に使うお手当て法

風邪をひきやすい時期となりましたね。

みなさんは、風邪を引いたらどうやって養生するでしょうか？

１日１食を実践し少食、不食による健康法を実践している。
船瀬俊介さんは養生法として

『食うな、動くな、寝てろ』

と提言しています。

よくよく考えるとそれが人間にとって、生物にとって、
もっとも理にかなった養生法だということがわかります。

薬も道具も何もいらない。
何もしなくて良い。
むしろ何もするな。
ただ寝てろというそんな画期的な養生法です

その理論を今日はご紹介しましょう

風邪を引いたら食べるな！

風邪を引いたら私の祖母はよく言ったものです

「しっかりと食べて栄養つけなさい！」

皆さんも一度は言われた経験があるのではないでしょうか？

しかし風邪を引いたときはむしろ食べない方が良いのです！！

風邪の原因は様々ありますが多くはウイルスや細菌などによるもの
東洋医学的には　『邪気』　が入ることによって身体に不調を引き起こすと言われています

風邪の場合は字のごとく
風の邪気　風邪（ふうじゃ）が体内に入り込むことによって咳や鼻水、発熱といった症状を引き起こしています

であれば風邪を治すためにはその邪気（西洋医学的に言えば細菌やウイルス）を追い出してあげれば良いのです

代謝と消化

身体には本来、ウイルスや菌から身を守る　『免疫』　という機能が備わっています
なので正常な身体であれば体内にウイルスが入ればそれを排除するために身体は様々反応を起こします

その反応こそが風邪の症状。

鼻水も、咳も、発熱も、
全て身体の外に菌を出そうする身体の正常な反応です。
身体は備えていた栄養をフル活用して武器をつくり菌やウイルスと戦います。

この武器を作る働きが　代謝　と呼ばれるものです

代謝とは・・・

生命の維持のために外界から取り入れた無機物や
有機化合物を素材として行う一連の合成や化学反応のことであり、新陳代謝の略称である
（ウィキペディアより）

とあります。

無機物や有機化合物とは一般にいう栄養素のことです。
これらを使い私たちは菌との戦いのための武器を合成しているのです。


一方　食べ物から栄養を吸収する働きは消化と呼ばれます。

消化とは・・・

生物が外部から摂取した物質を分解処理して利用可能な状態にする過程のことである。
（ウィキペディアより）

とあります。

武器を作るのが代謝で、
武器を作り出すための材料を取り込み、
整理してすぐに使える状態にしておくのが消化。

「代謝と消化」
これらは反対の働きをする全く逆のもの。

細菌やウイルスと戦おうとしている身体に、
消化という逆のことをさせようとするのはナンセンスだと思いませんか？

消化にももちろん多くのエネルギーを必要としますが、
身体がウイルスや菌を追い出そうと代謝にエネルギーを注いでるときに、
食べるという行為は消化にエネルギーを持って行かれてしまい、
正常な免疫が働くことができなくなってしまいます。


だからこそ
風邪をひいたときは食べないという選択が最善であり、
代謝に全力でエネルギーを使える状態にしてあげなければいけません、


二つ目は「動かない」こと。

身体を動かすのにもエネルギーが必要です、
動けばそれだけ体力は消耗し消費エネルギーは増えます。

また身体を動かすとき、行動的になるときというのは胃腸の働きが一時的に低下します。
身体を動かすための筋肉に多くの血液と酸素を必要とするため、
内臓に集まる血液量が減るためです。

内臓の血流が上がればそれだけ代謝能力も上がります。
この内臓の血流を上げるのに鍼灸は大変効果的です。
後ほどご紹介しますが。
足三里というつぼに鍼灸刺激を加えることで内臓血流量がアップすることが。
研究で明らかになっています。

風邪を引いたら寝てろ！

三つめは「寝てろ」

これも上の動かないと同じになりますが。
横になり安静にすることで身体は休息モードになります。
休息モードというのは副交感神経が優位の状態です。

この副交感神経優位のときは自律神経のはたらきで、
内臓の働きも高まります。

そのため風邪をひいたときは、
副交感神経を高めリラックスするするようなアロマや音楽、
腹式呼吸なども有効かもしれません。

またウイルスや菌と戦うためには体温を高く保つ必要があります。
一般に体温が１度あがると代謝は１３〜１５％あがるとされており。
免疫は５〜６倍にもアップすると言われています。

風邪を引いたときの発熱は体温を上げることによって身体の代謝を高め、
免疫を上げるための非常に理にかなった身体の生理機能なのです

なので寝るときも毛布をしっかりとかぶり身体を保温し、
汗をしっかりとかくことで風邪を最速で治すことが可能となるのです。


そうはいっても最低限のエネルギーは必要です。
代謝で多くのエネルギーを使ったあとの身体は枯渇状態。
多少なりともカロリーや栄養を取らないと、身体は筋肉を分解しエネルギーを得る働きがおきます。

これをたんぱく分解と言いますが、
このたんぱく分解が起きてしまうと熱を生み出すための筋肉が減ってしまいますし。
エネルギーを生み出すための場所も少なくなってしまいます。

風邪が治った後の体力消耗が激しくなってしまい。
身体からウイルスや菌を追い出すことはできても、
そのあと失った体力を取り戻すための回復に時間がかかってしまいます。

お気づきでしょうか？

代謝をして武器をつくり細菌やウイルスと闘ったあとの身体は、
栄養不足の状態のため、
そのあとはしっかりと食べ物から栄養分を吸収し貯蔵するための、
消化の働きが重要になってくるんですね。

「悪いものを出したら
しっかりと良いものを入れてあげる」

これが私たちの身体を健康に保つためにもっとも必要なサイクルです。


入れるだけでもダメですし、
出すだけでもいけません。

「出して入れる」
「代謝排泄と消化吸収」

そのどちらに働きも正常に行われることが、生きる上で大切なサイクルになっています。

内臓を活発に代謝アップにおすすめのつぼ

鍼灸はつぼを刺激することにより、そのつぼに関係の深い臓器に血流を集めることができます。
この作用を使い胃腸や内臓系の血流を上げ代謝を高めることが可能です。

ここではそんな代謝アップにおすすめのつぼをご紹介します。

足三里（あしさんり）

胃経に属する足三里はひざのお皿のすぐ下の外側のくぼみから指３本分下がったところが足三里です。
胃のつぼの代表格とも言われ胃腸の不調のほか、足の疲れや慢性疲労にも効果があります。
副交感神経を上げる作用があり足三里の刺激で内臓への血流量が活発になります。

中院（ちゅうかん）

おへそのうえ指６本分うえにあるつぼ。
ちょうどみぞおちからおへそまでの距離の中間にあります。
胃痛のほか消化不良や食あたりにも有効です。

合谷（ごうこく）

手の甲がわの親指と人差し指の間のくぼみにあるつぼ。
押すとじーんと痛気持ち良さを感じるところです。
ストレスなどに効果的で血行促進と自律神経を整える効果があります。

まとめ

体調が悪い時に食欲がわかないのは、
それが理にかなった身体の原理だからです。

『食うな、動くな、寝てろ』

この実戦で身体の回復力は格段にあがります。

身体の自然なサインに逆らわず受け入れれば良いのです。
無理して食べたり動いたりしなくて良いのです。

身体がして欲しいように私たちは感じ動きます。

風邪による熱や咳、鼻水など。
どれも必要だから起こっている身体の自然な反応だということを理解しましょう。

身体が弱っている時はとにかく休めばいいのです。
ただただ何もせず身体を休めましょう。

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