現代人の4人に1人はかかっていると言われる「機能性ディスペプシア」って一体何?現役鍼灸師が伝えるオススメの食事と習慣。
胃弱は絶対に治らないのか?
整腸剤や胃薬を飲んでも体調不良が続く。
ピロリ菌や胃カメラの検査は異常なし。
決定的な病という訳ではないのだが、消化系に何らかの問題がある人が増えています。
今回は、現代人の4人が罹っていると言われる検査では異常は見つからないにもかかわらず不調が続く「機能性ディスペプシア」の対処法についてお伝えします。
機能性ディスペプシアとは
機能性ディスペプシアとは聞きなれない病名ですが、現代人の四人に一人はかかっていると言われます。
機能性ディスペプシアFDの成因としては,胃十二指腸運動機能の異常,胃酸や脂肪に対する知覚過敏、ピロリ感染など胃および十二指腸粘膜の炎症,遺伝的素因、ストレス、消化管ホルモンの関与などがこれまでの検討で明らかにされているが,単一の病因で説明することはできないことが多い.
機能性ディスペプシア(FD)の現状と展望~ 春間 賢
簡単に言うと胃腸そのものには異常は発見されないが、何らかの理由で胃腸の機能が低下している状態です。
原因を特定できないために難治性と考えられています。
主な症状は、
● 胃もたれ
● 腹痛
● 膨満感
などの胃下垂に似たものです。
機能性ディスペプシアの原因
主に2つの原因が考えられており、
● 胃の機能低下
● 神経の過敏に分けられます。
胃は食事をとると胃壁の緊張が緩んで広がるのが普通ですが、上手く胃が緩まずに腸に送られて行かないと、お腹が張った感じや痛みなどの症状が起こります。
そういった胃の筋肉の動きを改善する時には消化管の運動機能を高める薬が処方されます。
また、胃酸が分泌されることで痛みが起きたり、
十二指腸にたくさんの胃酸が流れ込むことで、吐き気が起こったりする場合は胃酸の分泌を抑える薬が処方されます。
また、神経の過敏とは患者さんがストレスなどにより、さまざまな刺激に対して敏感となっている状態です。
そのため機能性ディスペプシアのように検査上は何の以上も見つからない時には抗うつ薬などの精神面の薬で改善する場合もあります。
機能性ディスペプシアになりやすい生活習慣
機能性ディスペプシアを誘発しやすい生活としては、
● 睡眠不足
● 不規則な食生活
● 偏食
などの生活習慣や食習慣の乱れが原因である場合が多くあります。
さらに揚げ物やファーストフードのようなカロリーが高く、
脂肪の多い食事は余計に胃もたれや胃の痛みの原因となります。
基本的には高カロリー脂肪食を避けることは大切です。
薬を飲んでも改善が見られない人の多くは食事の改善も必要となります。
結局のところ、自分の容量を超える食事量を摂取していれば、身体には不調が現れます。
さらに人間の身体は、消化と排泄に多くのエネルギーを必要としているので、
消化力が低い人が多くの食事をとれば、消化にエネルギーを使われ過ぎて胃腸は疲労します。
ですが、筋肉疲労と同様に内臓の疲労は検査には、異常は現れないので原因不明とされやすいのです。
東洋医学から見た機能性ディスペプシア
東洋医学では胃もたれとは胃や十二指腸の運動機能の低下により食事が残っているような状態と考えます。
そのため、みぞおち付近の痛みや腹部膨満感は消化管の運動機能を向上させることを第一とします。
痛みや膨満感の改善のためには、
消化管の機能の向上と排出の機能向上を目指します。
単純に消化管が上手く動かないのは、
排泄機能が働かず渋滞している可能性が高いからです。
加えて体質も重視します。
痩せた女性や高齢者とがっちりとした筋肉質の男性では状態が違います。
女性のなかでも、
● 冷え性
● 胃に水が溜まる
● 胃もたれ
● 月経痛
などの症状を訴える人には消化機能の向上を目指します。
暑がりでのぼせやすく痛みや膨満感が強い人は熱を発散させて神経の興奮を鎮めます。
胃の働きは、
1. 拡張して食物をいったん貯える
2. 胃酸を分泌して消化する
3. 少しずつ十二指腸へ送る
というシステムを順序よく行います。
こられの働きは人が無意識で行う自律神経や消化管ホルモンが行います。
そのため自律神経が乱れている人はこれらのシステムが誤作動してしまうのです。
機能性ディスペプシアでは
● ストレスなどによる緊張状態が自律神経の乱れを招く
● 胃の蠕動運動が低下し胃壁を保護する粘液の分泌が低下する
● 胃の知覚過敏を起こす
● また自律神経の悪化を招く
などの悪循環が起こっていると考えています。
東洋医学の機能性ディスペプシアを改善するための養生法
機能性ディスペプシアの治療は、まずは生活習慣の見直しと改善です。
胃の機能を整えるポイントは、極めてシンプルで、
● 休息
● ストレスの発散
● 十分な睡眠
となります。
緊張状態は胃の運動を低下させ、胃酸分泌を亢進させることになります。
基本的に朝食は抜かず、食欲が無い場合でも100%のオーガニックジュースや暖かいライスミルクなどで糖質や脂質を補給しましょう。
もしくは、そもそも朝にお腹が空かない人は朝食の12時間前は食事を摂らないでください。
朝食が朝の7時なら夕食は夜の7時までに終えておくという事です。
基本的に糖質や脂質などのエネルギー源がないと身体の回復が行われないので、
活動前にはエネルギー源を補給しておかないと身体は回復しません。
機能性ディスペプシアの方が避けるべき食べ物と、オススメの食事内容
疑われる人は下記のような食品、
● 白砂糖
● 揚げ物
● 食品添加物や残留農薬のある食事
● 刺激物
などの分解に時間がかかるものは控えましょう。
さらにタバコは有害金属のカドミウムが含まれるので機能性ディスペプシアの方は特に控えましょう。
また、白砂糖を含む生クリームやチョコレートなどは、食べすぎないほうがいいですが、食べる時間にも注意が必要です。
3時のおやつに食べるくらいは消化力が高いので問題はなくても、晩ご飯の後に食べるのは大問題です。
人間の消化力が最も高まっているのが12時~15時くらいなので、
その時間に食べても平気でも、消化力が落ちる17時以降に食べ過ぎれば胃には多くの負担となるからです。
ストレスや怒りも機能性ディスペプシアの一因に
東洋医学では機能性ディスペプシアはストレスから出る怒りの影響から消化器系が失調すると考えます。
そのため、ストレスの発散は重要です。
東洋医学における胃にかかるストレスとは思い煩うことになります。
人に気をつかう人ほど胃を病みやすく、上手く怒りを出せない人もまた消化器系を弱らせやすいとあります。
そのため大切なのは
● くよくよしない
● 適度な運動で汗をかく
● 大声で歌う
などの発散も大事になります。
胃は機能が低下すれば回復させるために多くの血流を送ります。
結果として胃には多くの熱が溜まるので、熱を吐き出すことが有効なのです。
また、胃に熱が溜まっていると生あくびやため息が出やすいのも特徴です。
普段から胃弱でため息が多い人は声を出すのが一番の養生法になります。
たくさん話したり歌ったりすることが胃の熱を吐き出し、胃の機能回復を促します。
まとめ
機能性ディスペプシアは異常が見つからない疾患です。そのため安易な薬の服用では変化が起こらない事も多々あります。
大切なのは胃腸の機能低下が起こる原因を特定して、しっかりと対処していく事になります。
基本的には胃の負担を和らげて、ストレスを発散させ、消化に負担のないオーガニックな食事をすることが、
胃の機能を回復する近道だと言えるでしょう。
体調バランスを整えよう
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