2019/02/15

薬剤師が教える靴下の穴の場所から紐解く体の不調。化学繊維が体の解毒機能を鈍らせているかもしれない。

NOZOMI

「漢方」に携わって約10年。大手漢方薬局勤務を経て、現在は薬剤師兼物書きのたまごです。漢方薬局での相談件数は3000人以上。この経験を生かしてもっと多くの方に健康になってほしい、漢方を身近に、そしてもっと手軽に始めてほしいと思い、文章で伝えることにしました。個人的に体質を見てほしいという方のために、スキル出品サイト「REQU」で漢方的体質チェックも行っています。「REQU」また、ブログも始めました。ブログ

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本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ

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こんにちは！
薬剤師のＮＯＺＯＭＩです。
まだまだ寒いですが、店頭は春物が増えてきて、華やかになってきましたね。
今は、防寒や断熱素材のインナーが増えて、
季節にかかわらずおしゃれを楽しめるようになっていますよね。
ですが、肌に触れるそのインナー、本当に安全ですか？？

漢方薬局勤務時代、
防寒素材のインナーでひどい湿疹に悩まされている方の相談を受けたことがあります。
原因は、インナーと判明した後も、湿疹やひどい痒み、乾燥がなかなか治らず、
漢方薬を頼ってご相談いただいたのを覚えています。

東洋医学では、どちらかというと、
肌トラブルも身体の内側からのヘルプのサインと捉えていましたが、
昨今、このように外からの刺激でもダメージを受け、回復しない方が出てきました。

もちろん、外からの刺激に強いからだを作ることは大事ですが、
肌に直に触る部分はケアすることも必要です。

では、衣類の肌へのダメージはどのようなメカニズムなのでしょうか？

肌トラブルの原因は実は衣類からだった！？

肌は、れっきとした排毒器官！！靴下の穴から分かるあなたの不調

皆さんは、一度は靴下に穴が開く経験ありますよね？
どの部分に穴が開いていましたか？

私は、昔、親指のところばかり穴が開いていました。
このころは、歩き方のせいだとばかり思っていました。
ですが、漢方に携わるようになって、体質がだんだん変わっていくと
ここ数年、冷え取り靴下で五本指ソックスを履くようになってからは、小指ばかり穴が開きます。

調べてみると、親指は、消化器、小指は、腎・生殖器でした。
私が、漢方薬に携わるようになったのは、持病ともいえる消化器と、
それに伴って、婦人科の症状をどうにか安定させたかったためです。

そして、確かに、昔は消化器の症状が強かったのですが、
食養生をするようになり、消化器の症状は安定するようになっています。
ですが、ストレスのため、婦人科の症状の方が強くなっていた時期と穴が開く時期が重なっていたのです。

靴下の穴と、身体の不調は次の通りです。
親指の外側：消化器
親指の内側：肝臓
人差し指：肺
中指：心臓
薬指：肝臓
小指：腎臓・生殖器・膀胱
かかと：腎臓・生殖器・膀胱

では、何が原因で穴が開くのでしょうか？

答えは、汗です。

汗も毒素の一つです。
汗は、体温調節のほかに、老廃物を排泄しています。
うまく汗が蒸発しないと、臭いやべたつきが生じてしまうのも老廃物が含まれているためです。

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毒素を循環させている！？今、主流の防寒インナーの危険性

排毒の観点からすると、靴下も含めて、肌に密着させるインナーは、
汗をうまく蒸発させて、通気性が良いことが大事になります。

ですが、今の主流は真逆の傾向に・・・・。

この冬も大活躍だった防寒インナーは、吸湿発熱のメカニズムで熱を発生させています。
吸湿発熱とは、水、つまり液体が気体に変わる時に発生する熱のことです。
この熱を使って、防寒していたのです。
では、水は・・・？というと、空気中にも含まれていますが、
インナーの場合は、人体から発生する水、つまり、汗です。

インナーに使われる主成分として、レーヨンという化学繊維は吸湿性に優れているため、
本来は、蒸発して消えていく汗を吸湿して、気化熱を発生させます。

そう、汗がインナーと肌の間で循環してしまっています。

先ほども言いましたが、汗には老廃物が含まれています。
身体から老廃物を出すために汗が出ているのに、
また肌の間にくっついてしまうと、かぶれや汗疹が発生しやすくなります。

また、代謝が落ちていて汗がかきにくい人は、肌の乾燥が起こります。
なぜなら、本来の肌は、もっとミクロな視点で言うと、細胞のほとんどが水分です。
汗として出ないのならば、インナーが接している細胞から水分を奪ってきます。
その為、肌がカサカサになります。
ひどい場合だと、乾燥している状態で、インナーとの摩擦で赤く擦れたり、熱がこもりすぎて炎症になります。

飲み薬、塗り薬でもよくならない方は、
今一度、自分のインナーを見直してみてもいいかもしれませんね。

シルクのような肌を目指すなら、シルクを取り入れよう

ある意味、異類補類かもしれませんね。

シルクとは、どんな成分なの？

シルク・絹とは、天然の動物性の繊維です。
蚕が作り出す繭が原料で、主成分はたんぱく質です。

シルクの主成分であるたんぱく質は、人間の肌に近いシルクたんぱくであり、
医療現場でも見直されているそうです。

カイコは，約2ヶ月のライフサイクルを持ち，その間に約0.5 gのシルクタンパク質を合成し，
繭を形成するために1500 mにおよぶ一本の繊維を紡糸する。

繭糸は，中心にフィブロインタンパク質からなる繊維を形成する核と、
その周りを取り囲み、繊維を強固に接着して、
繭を形成するセリシンタンパク質からなる鞘で構成されるコア－シェル構造をしている。
通常，セリシンは，精練処理（沸騰弱アルカリ水）により取り除かれ，
われわれがシルクとして利用する絹糸となる。

絹糸を構成するフィブロインタンパク質は，H鎖とL鎖タンパク質が、
ヘテロ二量体を形成しており，その中のH鎖タンパク質は，
アミノ酸配列が（Gly-Ala-Gly-Ala-Gly-Ser/Tyr）である六量体が高度に繰り返された結晶領域と，
それらをつなぎ、そのアミノ酸配列が良く保存された親水性の高い非晶領域からなる一次構造を持つ。

すなわち，結晶－非晶，あるいは、親水－疎水のブロック共重合体とも見なせる。
結晶は，逆平行βシート構造が主体となる。この特異的な構造により，
シルクの持つ独特な力学的物性や吸放湿性等の性能を発揮しているものと考えられる．

引用：『バイオマテリアルとしてのシルク利用』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gomu/87/10/87_428/_pdf

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肌に近いシルクだからできること

シルクは、原料が蚕の繭であるように、大量生産には向いていません。

先の文献でも、

『シルク繊維は，その風合い，手触り感，光沢，あるいは吸放湿性という。
独特の性質を有し，繊維の女王としての地位は未だ譲らない．』

と述べられるているように、手触りから、見た目、そして、繊維としての機能はピカイチです。

特に、吸放湿性は、高い湿度の時は湿気を吸収し、乾燥している低湿度の時は、
水分を放出するので、常に一定の状態を保てるようになっています。
そこが天然素材の良いところです。

レーヨンが、非可逆性、一方通行だとしたら、シルクは可逆性で、行ったり来たりできるのです。
しかも、行ったり来たりするとはいえ、毒素は循環しないのが特徴。

冷え取り靴下を履いたことのある方は、お分かりだと思いますが、
冷えが改善する前は、靴下の1枚目（シルク）は、異様に穴が開きませんか？

これは、毒素が出て、かつ外に放出しようとした証。
そして、冷えが改善していくにつれて、靴下にも穴が開きにくくなります。
汗に含まれるというより、身体全体の毒素が少なくなってきた証拠とも言えます。

この反応は、肌と本当にそっくりです。
身体に毒素がすごく溜まっていたら、ニキビや肌荒れができますが、
きちんと内側・外側のケアをしていると、症状が治まってきます。

もともと身体には排毒機能が備わっているのです。

排毒機能を損なわず、かつ、肌に近いシルクと、
毒素を循環させ、肌を傷つけやすい化学繊維。
あなたはどちらを選びますか？？