春に向けてのスキンケアは今から始めよう！パリ在住ライターが解説、フランス人女性に欠かせない「バラの女王・ダマスクローズ」の素晴らしい効能と取り入れ方

ファッション雑誌などで、フランスのコスメの話題がよく取り上げられていますが、フランスの方たちの日常のメイクの基本は、ファンデーションは塗らず、アイメイクを重点に置いたナチュラルメイクという事をご存知ですか？

また、日本とフランスでは、美意識に大きな差があります。

日本では、”美白”ですが、フランスでは”小麦色の健康的な肌”に、みんな憧れており、日本とは全く逆なのです。

しかも、コスメを選ぶ際も、しみシワをかくすために、どれだけカバー力があるかより、いかに顔色がよく見えるかを重点に選びます。

なので、ファンデーションを塗らず、日焼けを好むフランス人にとっては、日頃のスキンケアがとても重要になります。

今回は、フランスで昔から伝わる「バラの女王 · ダマスクローズ」を使ったスキンケアをご紹介します。

フランス人女性のスキンケアに欠かせないダマスクローズ

日頃のスキンケアをとても重要視するフランス人女性は、肌に負担が少ない、オーガニックの商品を選択する傾向があります。

ここ最近、新型コロナウィルスの影響もあり、去年に比べると、オーガニックコスメが増え、専門店でなくてもオーガニックコスメを簡単に格安で購入する事ができるようになりました。また、自然や環境にいいコスメも販売されています。

すでに古代から肌の再生作用や抗菌作用があることから、クレオパトラやマリー・アントワネットをはじめ、多くの女性に愛用されてきた「バラの女王 · ダマスクローズ」。

春になると、花粉や大気汚染、春風などの影響を受け体全体にダメージを受けやすい季節に変わってきます。

日本でも購入しやすくなったダマスクローズの効果を取り入れて、今から春に向けたスキンケアをしましょう。

ケミカルに頼らないスキンケアで70歳を超えても、もちもち肌の義理の母

私の義理の母も、特別な日以外はスッピンのような薄化粧です。70歳を超えていますが、しみやシワが目立たない、もちもち肌を保っています。

この、もちもち肌の秘密は、植物から作られる天然化粧水でケミカルに頼らないスキンケアをしているからなのです。

フランスでは世代を問わず、昔からダマスクローズの花びらと天然水だけで作られている化粧水が使用されています。

このダマスクローズウォーターは、天然保湿成分がたっぷり含まれているので、お肌を清潔に保って引き締め、潤いを与えてくれます。

義理の母曰く、フランスの水は肌荒れの原因になると言われる『硬水』（ミネラルが多く含まれる）のため、水道水を使わずに、ダマスクローズウォーターなどの化粧水を使用するようにしているとのこと。

確かに、フランスの水は硬水です。硬水で洗髪すると髪にごわつきが出てきます。体を洗う時も、肌が乾燥した肌触りになります。

軟水の日本よりも、より十分なスキンケアをしなければ肌が荒れてしまいます。

なので、昔から伝わる天然成分を使った肌に負担のかからないノンケミカルな商品を選んでスキンケアすることが日常になっているのです。


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ダマスクローズは、どのように採取されて生産されるのでしょうか？

私の住むフランスでは、ダマスクローズのコスメなど天然成分を取り入れた商品の生産が盛んに行われています。

旅行シーズンの春から秋にかけてバラを観賞しながら、どのように栽培生産しているか生産者の丁寧な説明を受けながら見学することができます。このことは、地域の活性化に繋がっています。

ダマスクローズは、香りが最も強くなる早朝に手摘みで摘まれます。

ダマスクローズの花は、精油（エッセンシャルオイル）1kgに対して4tの花びらを採取しなければならないため、貴重で高価な精油なのです。

この精油は、水蒸気蒸留法で生産されます。

原料のダマスクローズを蒸留釜に入れて水蒸気を送り込み、芳香成分を蒸発させます。

蒸発した水蒸気は植物から出た香り成分と一緒に冷却槽を通り、冷却されて液体になると精油と水分の2層に分かれます。

表面に浮いた水に溶けない層が精油で、残った芳香水がダマスクローズウォーターになります。

•　精油とは、抽出した植物のさまざまな薬理作用のある芳香成分を高濃度に含んでいます。

•　ダマスクローズウォーターとは、水蒸気蒸留法によって精油を抽出するときにできる水分には、ダマスクローズの芳香成分がわずかに溶け込んでいます。この水が「ダマスクローズウォーター」です。刺激性が低いので全てのタイプの肌に使用できます。

出典 : 
lejardindarcane.fr
terredalchimie.com

ダマスクローズの8つの使用法と素晴らしい効果

１、肌を奥深くまで洗浄してくれる

ダマスクローズは天然の抗菌剤です。肌を清潔に保つことができます。

ダマスクローズウォーターやダマスクローズ配合の化粧水を使用することで、この効果を得ることができます。コットンにたっぷり含ませて、朝晩、洗顔してください。

脂性肌の人には特にお勧めです。この水が効果的に毛穴を引き締めてくれます。

２、保湿効果が期待できる

ダマスクローズのクリームを体全体に塗ることで、お肌の調子を整え、潤いもしっかりと保てるようになります。

ダマスクローズには、肌を滑らかにしたり、肌を活性化させたりと、多くの美徳成分が含まれています。

また、この成分のおかげで、若々しい肌を保つことができるのです。

３、アンチエイジングにも嬉しい

ダマスクローズ成分入りのコスメを使用することで、抗酸化物質が豊富に含まれているので、アンチエイジング効果を得ることができます。肌の老化を抑制してくれるのです。

また、必須脂肪酸が高濃度に含まれているので、肌内部の水分が蒸発するのを防ぐ脂質バリアを改善し、真皮にある肌のハリをつくる線維芽細胞の質を高め、コラーゲンの生成にも効果を発揮します。

その結果、表皮がふっくらとし、顔色がリフレッシュされ、すぐに輝きが増します。また、ビタミンEが含まれているため、フリーラジカルからも保護してくれます。

ダマスクローズは妊娠線を目立たなくする効果もあります。


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４、敏感肌の方にもお勧め

ダマスクローズは、敏感肌の方でも使用することができます。

また、傷を治すために使うことができるため、ニキビができてしまった時のフェイスケアにもおすすめです。

その抗菌性は、口内炎や皮膚潰瘍にも効果を発揮します。

５、日焼け後のスキンケアにも最適

日焼け後は、スキンケアをしなければなりません。

特にダマスクローズウォーターは、太陽が肌に与える有害な影響に対抗する効果があります。肌を癒すことができるのです。

６、ヘアケアにも効果が期待できる

冬の乾燥、大気汚染で、頭皮が敏感になっていると感じたら、ダマスクローズ成分入りのシャンプーなど、ヘアケアコスメを使用しましょう。

炎症を治療し、健康な髪を取り戻すお手伝いをしてくれます。

また、血行を促進して毛根を強化することで抜け毛を防ぐことができます。

７、頭痛を和らげてくれる効果も

片頭痛の場合は、ダマスクローズの成分を湿布に浸して、おでこに当てて下さい。

シトロネロールが豊富に含まれているので鎮痛・鎮静効果があります。

このシトロネロールは、γ-アミノ酪酸（脳を抑制する神経伝達物質）なのです。

８、リラックス効果

ダマスクローズの香りで癒し効果を得ることができます。

お風呂に半リットルのダマスクローズの水を入れて休んでください。心の底からリラックできます。穏やかさがよみがえり、余分な緊張をほぐしてくれます。

出典 : paysdegrassetourisme.fr

ダマスクローズの様々な商品

化粧水、乳液

ダマスクローズを使ったコスメで代表的なのは、ダマスクローズウォーターを使った化粧水です。

ダマスクローズウォーターは収れん作用があり肌を清潔に保つのに良いとされています。

ダマスクローズの化粧水にはダマスクローズウォーターを配合したものと、100％ダマスクローズウォーターのものがあります。

ダマスクローズ成分入りの乳液もあります。

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ボディージェル、ボディークリーム

ボディージェルやボディークリーム、バスソルト、入浴剤としてもダマスクローズは人気があります。

ボディージェルは、お肌の潤いを逃がさずに、優しく体を洗うことができます。

冬場の乾燥する季節は、ボディークリームでお肌にバリアを作って下さい。

日々のスキンケアが、春から夏を乗り超えることのできる強い肌を作っていくのです。

ダマスクローズの配合率が多い商品を選ぶと、肌をすばやく潤すことができます。

シャンプー、リンス

ダマスクローズのシャンプーは、外気の汚れの付着などによる髪や頭皮のダメージを受けた部分を修復してくれます。

頭皮の炎症を抑えたり、フケの原因になる細菌の発生を防ぎ髪の毛を健やかに保ってくれます。

シャンプーで、頭皮に入り込んだ、ホコリや花粉などを洗い流し、リンスで潤いを補給しましょう。

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食用ダマスクローズ

ダマスクローズは、料理にも使用できます。

マカロンなどのスイーツやジャム、ハーブティーなど、皆さんも、一度はローズ入りの食品を口にした事があるのではないでしょうか？

ダマスクローズは、消化不良が解消され、便秘にも効果があります。

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天然成分のダマスクローズを使用した商品を選びましょう。

消費者として、ダマスクローズについて詳しくないと、ダマスクローズのデザイン入りのパッケージングで、あまりの可愛さに、成分を確認せずに買ってしまう消費者がいらっしゃいます。

実は、ダマスクローズの成分は含まれておらず、人工ローズの香料だけということがよくあります。もちろんダマスクローズの効果はありません。

また、ダマスクローズのエッセンシャルオイルを水に数滴だけ混ぜて、ダマスクローズ入り、と販売している商品もあります。配合率が少ないと、良い効果を得ることはできません。

商品を購入する際には、成分表を必ず確かめましょう。

ダマスクローズの由来

人類最古の花として知られているバラは、ペルシャが原産地とされています。

考古学者によると、バラの精油を初めて開発したとされる医師イブン・スィーナーがいるペルシャと、中国の2つの流域で発展したと言われています。

ペルシャが徐々にダマスカスにまで帝国を拡大していくと、バラの栽培が広まり、繁栄していきました。

中世、十字軍の時代、フランスの騎士達がダマスカスに遠征したときに、シリアからバラを持ち帰りました。

騎士ロベール・ド・ブリーは、1254年頃に十字軍から帰還し、フランスのプロヴァン（Provins）の街へ、ダマスクローズを持ち帰ったとされています。

プロヴァン（Provins）はその後、フランスのバラ生産の中心地となります。

13世紀に都市が繁栄したことで、フランスにバラが広められたとされています。その当時から、すでにフランスでは、バラは軟膏や皮膚の治療薬の調製に使用されていました。

出典 : oden.fr

ダマスクローズウォーターの作り方

ダマスクローズウォーターを手作りすることができます。

材料

•　バラの花びらまたはバラのつぼみ　100g
•　沸騰水　250ml

作り方
1.　花びらをすべて丁寧に洗います。
2.　蓋付きの耐熱ガラス瓶に花びらを入れます。
3.　耐熱ガラス瓶の中の花びらに熱湯を注ぎます。
4.　冷やして、12時間休ませます。
5.　綿や麻のガーゼで水をろ過します。
6.　ろ過したローズウォーターは、殺菌したガラス瓶に入れ、蓋をしっかり閉めて保管してください。
7.　食用のアルコールを10ml入れると、約10日間の保存が可能です。

出典 : consommerdurable.com


ケミカルに頼らずに、植物成分の効果を十分にいかしてスキンケアする事は難しい事ではありません。肌に負担をかけずにケアしていく事が大切です。

自分に合うオーガニックでノンケミカルのコスメを見つけ、季節の変わり目の肌不調を起こさないように、春に向けて、美肌対策をこの時期から始めましょう。

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