肉食は、心疾患や脳血管疾患リスクを高めるのか?肉がもたらす血液異常の危険性。飽和脂肪酸とコレステロールの関係性。
皆さんこんにちは。
暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。
夏といえば海や川辺でのバーベキューが定番で、皆さんも家族やお友達とバーベキューの予定があるのではないでしょうか。
バーベキューと言えば、やはりお肉やソーセージなどが定番ですが何事も食べ過ぎはいけません。
お肉だけでなく、魚介類やお野菜、きのこなんかも美味しいので是非バランス良く食べていただきたいと思います。
現在は、様々なハリウッドスターやアスリートが健康や環境への配慮から、動物性食品を摂取しないヴィーガンというライフスタイルが流行しつつあります。
また、日本ではマクロビオティックをはじめとした食事療法を中心とした長寿法が有名ですが、こちらでもお肉などの動物性食品の過剰摂取について考慮されているようです。
その一方、近年日本でも、「糖質制限」を行う人が増えてきており、野菜中心から、肉中心の食生活に切り替えたという声もちらほら聴くようになりました。
肉は豊富なタンパク質を含む一方で、いくつかのリスクがあることも指摘されています。
海外のデータから、菜食により病気になるリスクが減少するということも言われてきました。
なぜこのような、いわゆる「菜食」が健康だと言われているのでしょうか。
日本人の死因
皆さん御存知の通り、日本人の死因の第一位にあるのが悪性新生物、つまりがんです。
癌による死亡率は30%にも及びますので、約3人に1人はがんが原因でなくなってしまうことになります。
死因の第二位に当たるのが心疾患、第三位が肺炎、第四位が脳血管疾患となっています。
心疾患、脳血管疾患は別の症状として扱われていますが、高血圧や脂質異常症がこれら2つの疾患の原因となっています。
肉食がもたらす血液異常
動物性食品に発がん性物質が多く含まれていることから、菜食になることでがんを防ぐことが出来ると言われています。
中でも、お肉を手軽に食べることが出来るハムやソーセージといった加工肉食品には、保存料や着色料といった発がん性のある化学添加物が使用されていることや、
そもそも食材自体にも発がん性があるという説も、あるようです。
しかし今回はがんではなく、肉食が血液異常の原因となり、心疾患、もしくは脳血管疾患の原因となる可能性について紹介したいと思います。
初めに結論から言うと、
動物性食品に含まれる飽和脂肪酸が血中の悪玉コレステロール値を高め、高血圧や動脈硬化のリスクを高めてしまうんです。
コレステロールとは
コレステロールという言葉を聞いたことは皆さんあるのではないでしょうか。
更に、それがなんだか身体に悪影響を及ぼすことも、なんとなく知っていることかと思います。
コレステロールとは脂質の一種で、主に動物性食品に含まれます。
特に卵黄に多く含まれ、卵黄を使って作るマヨネーズなどの過剰摂取はコレステロールを大量に摂取してしまうことから問題視されています。
それにより、コレステロール0のマヨネーズなどがいかにも健康そうに見えてしまいますよね。
しかし、このコレステロール自体は決して身体に悪い成分ではありません。
コレステロールはテストステロンなどの性ホルモンの材料となるために、身体を大きくしたいアスリートやボディビルダーは積極的に摂取することが多いです。
日本ではコレステロールが多く含まれることから、卵は1日1つまでなどと言われていますが、ボディビル界では朝食に卵を6つ以上食べることは常識ですし、映画ロッキーではロッキー・バルボア役のシルベスタスタローンが生卵を5つ飲み干すシーンが有名です。
過去にテストステロンを高める方法を紹介した記事でも解説しましたが、コレステロールと亜鉛、タンパク質の摂取に加え筋力トレーニングなどの運動と睡眠を上手にコントロールすることで体内のテストステロンレベルを高めることができます。
コレステロールを沢山摂取するボディビルダーの血液を調べてみたところ、特にコレステロールや中性脂肪の異常は見つからなかったという研究もあります。(1)
このように、コレステロールの多量摂取というのは血液異常の要因とはなりえないんです。
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善玉コレステロールと悪玉コレステロール
コレステロールには、善玉コレステロール(HDLコレステロール)と呼ばれる身体に”良い”コレステロールと、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)と呼ばれる身体に”悪い”コレステロールが存在します。
上記の例で挙げたようなコレステロールを多量に摂取する人たちは善玉コレステロールが多くあるので、上手にホルモンの材料として利用できるんですね。
では、これらの違いは一体何なのでしょうか?
卵などの動物性食品に含まれるコレステロールは悪玉で、植物性は善玉??
いいえ違います。
実は、コレステロールが善玉か悪玉かは体内に入ってから決まるのです。
コレステロールはブドウ糖や脂肪酸のように、体内に貯蔵するためのシステムがありません。
(ブドウ糖はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に、脂肪酸は体脂肪として貯蔵されます。)
ですので、体内に存在するコレステロールのうちの約50%は血液中に浮遊することで存在しています。(残りの50%は細胞膜などを構成しています。)
しかし最初にも紹介した通り、コレステロールは脂質の一種、つまり油ですので、この状態では水である血液に上手に混ざることができません。
そこで活躍するのがリポタンパク質(lipoprotein)です。
コレステロールをこのリポタンパク質で覆うことで、血液に混ざることができ身体のなかを循環できるようになるので、このリポタンパク質は言わばコレステロールの“スーツケース“です。
もうお気づきかと思いますが、コレステロールの種類はこのタンパク質(スーツケース)の質により決定します。
善玉コレステロール、別名HDLコレステロールの”HDL”はHigh-density lipoproteinを意味します。
つまり、高密度のリポタンパク質であり、頑丈で立派なスーツケースであることを示します。
一方、善玉コレステロールはLDLコレステロール。
Low-density lipoprotein、つまり低密度のリポタンパク質で覆われたコレステロールは、壊れかけのスーツケースに包まれて、過酷なベルトコンベアの旅をさせられているのです。
血液にもたらす悪玉コレステロールの影響
壊れかけのスーツケースで行なう長い長いベルトコンベアの旅では、途中でスーツケースが壊れてて中身が飛び出してしまうという事件がしばしば発生します。
血中でLDLコレステロールのリポタンパク質が壊れて、中身のコレステロールが血液にさらされてしまうのです。
血液にとって異質(油)であるコレステロールは、血液に溶け出すことができないために血管壁などにへばり付き血液の流れを制限してしまうのです。
このようなコレステロールが一箇所に固まり、血栓となるとそれにより血液の流れが悪くなるために高血圧になったり、また完全に血管を塞いでしまうと脳梗塞、心筋梗塞になってしまいます。
決してコレステロールに罪はなく、問題はそれを輸送するためのリポタンパク質にあります。
コレステロールを摂取した後、それが善玉となるか悪玉となるか、頑丈で立派なスーツケースで運ばれるのか、壊れてかけのスーツケースで運ばれるのかを決めるのには別の要因があるので見ていきましょう。
脂肪酸とコレステロール
善玉コレステロールか、悪玉コレステロールか、これらを決めるのにとても関連が深いとされているのが脂質です。
脂質は消化されると脂肪酸として体内へ吸収されますが、この脂肪酸にもいくつか種類があるので紹介します。
- 飽和脂肪酸 主に動物性食品に含まれる脂肪酸で、常温で個体であることが多い”脂”です。
- 一価不飽和脂肪酸 一箇所のみ二重結合を持つ不飽和な脂肪酸で、常温で液状の”油”です。
- 多価不飽和脂肪酸 2箇所以上の二重結合をもつ不飽和な脂肪酸で、常温で液状のことが多い”油”です。
酸化しずらい安定した構造を持ち、エネルギーとして利用しやすいですが、過剰に摂取すると悪玉コレステロール値を増加させる恐れがあります。
飽和脂肪酸同様、エネルギーとして利用されることが多い一方で善玉コレステロールを増加させる働きを持ちます。
植物に多く含まれます。
体内で生成できない種類の多価不飽和脂肪酸もあり、食事から摂取する必要がある必須脂肪酸として定められいます。
エネルギーとしての利用よりは、体内で代謝をサポートするピタミンの様な働きがあることから「ビタミンF」などと呼ばれることもあります。
主に体脂肪の燃焼作用があります。
植物(種子類)や魚類に多く含まれます。
この様に、コレステロールの種類と脂肪酸の種類は非常に関連深くなっています。
血液異常の原因となる悪玉コレステロール値をコントロールするためには、コレステロールの摂取量の管理ではなく、脂肪酸の摂取管理を行ったほうが効果的です。
悪玉コレステロールを減らすためには。
非常に長く、難しい話が続いてしまいましたので、最後にまとめたいと思います。
まず、コレステロールは主に動物性食品に多く含まれます。
これの摂取が悪玉コレステロールを増加させるとよく勘違いされがちですが、決してそうではありません。
コレステロールの摂取は確かに血中のコレステロール値を上昇させますが、悪玉コレステロール値の上昇に加え、善玉コレステロール値も上昇させるために特に問題は起きません。
善玉コレステロールは、血管に付着した悪玉コレステロールを肝臓に再び運んでくる役割を持つために、これら2つのコレステロール値のバランスが崩れない限りは疾患として現れません。
この善玉、そして悪玉コレステロール値のバランスを崩す原因となるのが飽和脂肪酸です。
脂肪酸はその構造から3種類に分類することができますが、それぞれを過剰摂取した場合のコレステロール値に与える影響は以下のようになっています。
- 飽和脂肪酸 善玉コレステロール値を低下させ、悪玉コレステロール値を上昇させる。
- 一価不飽和脂肪酸 悪玉コレステロール値を低下させ、善玉コレステロール値を上昇させる。
- 多価不飽和脂肪酸 善玉コレステロール値、悪玉コレステロール値を共に低下させる。(2)
コレステロール値のバランスを崩し悪玉コレステロールを増加させ、血液異常による心疾患や脳血管疾患のリスクを高めてしまうのは、コレステロールではなく飽和脂肪酸が原因です。
飽和脂肪酸はこの夏、バーベキューなどで特に消費量が増える肉類(加工肉食品は特に)、に多く含まれる脂肪酸です。
現代社会では食の欧米化に伴い、牛、豚、鶏といった動物のお肉を食べる機会が増えてきました。
このような飽和脂肪酸も、本来はエネルギーとして利用しやすい優秀な脂肪酸ですが、過剰してしまうと身体に悪影響を及ぼしてしまうようです。
これが今現在、菜食のほうが健康であると言われている理由ですが、なにも全員が100%の菜食であるヴィーガンになる必要もありません。
動物性食品の摂取量を少しだけ管理してみることで将来の自分の健康を守ることに確実に繫がります。
この機会に今一度、お肉の消費量を見直してみてはいかがでしょうか。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
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おまけ
コレステロールは動物性食品のみから摂取が可能で、全く動物性食品を摂取しないヴィーガンに取り組んでいる場合、コレステロールの摂取は非常に難しくなります。その場合コレステロール値が低下し、テストステロンなどの性ホルモンの生成量が減少するのではないかと心配される方がいらっしゃると思ったので、おまけとして、その可能性を否定させていただきます。
コレステロールは基本的に体内でアセチルCoAより生成されるものが大部分をしめ、食事からのコレステロール摂取量の摂取は微々たるものです。
食事によるコレステロール摂取量が上昇すると、体内での生成量が減り、食事によるコレステロール摂取量が減少すると体内での生成量が増えます。
この様に体内のコレステロール量はバランスを保たれるので、食事によるコレステロール摂取量が減少したとしてもテストステロンなどの性ホルモンが減少し、身体に悪影響を与えることはありません。
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(3)
参考文献
- T L Bazzarre, S M Kleiner & M D Litchford (2013): Nutrient intake, body fat, and lipid profiles of competitive male and female bodybuilders.
- F H Mattson and S M Grundy (1985): Comparison of effects of dietary saturated, monounsaturated, and polyunsaturated fatty acids on plasma lipids and lipoproteins in man.
- Monroe B. Rosenthal, M.D., R.James Barnard, Ph.D.’Correspondence information about the author Ph.D. R.James Barnard, David P. Rose, M.D., Ph.D., Stephen Inkeles, M.D., John Hall, M.S., Nathan Pritikin (1985): Effects of a high-complex-carbohydrate, low-fat, low-cholesterol diet on levels of serum lipids and estradiol
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