体質に合ったお茶を選んでいますか?|鍼灸師が教える東洋医学から見た体質診断別、あなたにオススメのお茶
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口にするものが薬となる
「薬食同源(やくしょくどうげん)」という言葉をご存知ですか?
日本では「医食同源」と言われることも多いです。
東洋医学の発祥の地、中国では
「薬(医)も食(食物)も源は同じ」
口にするものが薬となるという考えが根付いています。
私の鍼灸院では、
自律神経失調症や
精神疾患(うつ病やパニック障害)の
患者さんが多くいらっしゃいます。
体質改善が必要な患者さんには、
問診で、必ず日頃の食事について
話を伺うようにしています。
なぜなら、そのような方の多くは、
パンや麺類など炭水化物中心の食事、
タンパク質不足、
お菓子やジュースなどの糖質の摂りすぎ。
など、食事が偏っている方が多いからです。
最近は、落ち着きのない子や
起立性低血圧の学生も多いのですが、
同様に食事の偏りが要因になっています。
病気が進めば、西洋医学の薬の治療も必要です。
ですが、身体を作るのは「食」。
食事を整えないままでは、
治療の効果も出づらくなるのです。
体質をしっかり変えていくには、
食生活全般の見直しが必要なこともありますが、
今回は、食養生の入り口として、
体質とお茶の関係についてお伝えします。
お茶はもともと薬だった
皆さんは普段飲んでいるお茶、
どのように選んでいますか?
お茶も中国で神農(しんのう)によって発見され、
薬として飲まれ、その後世界に広まりました。
神農は農業と医学の古代の神様。
木の根や草花をなめ、
毎日毒にあたりながら その薬効を
調べたと云われています。
ある日、偶然お茶の葉が入ったお湯を飲み、
体内の毒が洗い流されたことから、
毒消しの薬として
飲むようになったと伝えられています。
茶葉にはそれぞれ特性があり、
気血水の過不足を補ったり、
身体の寒熱を取り去るよう働きます。
お茶の持つ特性と、体質を知って、
季節や体質、体調に合わせたお茶を選んでみましょう。
お茶の種類と特性
茶葉は、発酵の度合いにより性質が異なります。発酵度合いが低いほど涼性で、
身体の熱を冷まします。
発酵度が高くなると温性になります。
発酵の度合いは下記の順に、
大きく6つに分けられます。
・緑茶
茶葉を発酵させない不発酵茶・白茶
新芽で作る軽発酵茶・黄茶
後発酵茶・青茶
半発酵茶・紅茶
完全発酵茶・黒茶
麹菌を加えた後発酵茶青茶の代表は烏龍茶です。
涼性のものと、温性のものがあります。
簡単な見分け方は、茶葉の色。
緑色の茶葉は涼性、
黒っぽいものは温性になります。
また、プーアル茶は黒茶の一種ですが、
例外に身体を冷やす涼性です。
春夏には、緑茶、白茶、黄茶
秋冬には、青茶、紅茶、紅茶
と季節による飲み分けることもできます。
参考:『東洋医学で食養生』高橋楊子、上馬場和夫著
お茶は必ずお湯で淹れる
食養生を考えた場合、お茶は温かいものが必須です。
中国茶器をご覧になったことはありますか?
湯のみは日本のものと比べて、
とても小さいのが特徴です。
これは、お客様に対する
おもてなしという意味もありますが、
常に熱い状態でお茶を飲む工夫なのです。
涼性のものは芽が含まれる茶葉が多いので、
80度程度のお湯で、
温性のものは沸騰したての
100度のお湯で淹れると、美味しくいただけます。
暑がり? 寒がり? 身体の寒熱による体質分類
東洋医学の一番の基本になるのが、陰陽論です。「陰(いん)」= 身体を潤し、冷やす
「陽(よう)」= 身体を温める
陰と陽はそれぞれ生命活動に必要なもので、
どちらかが増えすぎたり、
減りすぎたりすると不調が生まれます。
身体のなかの熱の量で、
「陰虚体質」と「陽虚体質」に分かれます。
体質は不変ではなく、
年齢や生活環境、
季節などにより変わることがあります。
目安となるのは、
その時のご自身の身体の状態。
常に、ご自身の感覚に
意識を向けるようにしたいですね。
陰虚体質
身体を冷やす水が減ると、
熱が旺盛になり暑がりになります。
この状態を陰虚(いんきょ)といいます。
陰虚の特徴
・のぼせ、ほてり・冷たい飲食物を好む
・口、目の乾き
・顔色が赤い
・寝汗をよくかく
身体を潤すには、緑茶、白茶、黄茶が向いています。
陰虚の症状にオススメ
・イライラ :ジャスミン茶・目の乾き、疲れ :菊花茶
・のぼせ、ほてり :ミント茶
陽虚体質
「気」や「血」が少なく、
身体を温めることができない状態を、
「陽虚(ようきょ)」といいます。
気虚と血虚からなりますが、
気血どちらも減っている気血両虚の方も多いです。
どちらの体質も
身体を温める、紅茶、黒茶がオススメです。
また、お茶に限らず冷たいものは厳禁です。
陽虚の特徴
・冷え性・だるい、疲れやすい
・胃腸が弱い
・むくみやすい
・頻尿、夜間尿
気虚の方にオススメ
紅茶、杜仲茶、ほうじ茶朝鮮人参をプラスすると
体力増進になります。
・動悸がする
・物忘れをしやすい
・抜け毛が多い
・顔色が白い
・爪が割れやすい
血虚の方にオススメ
黒豆茶、紅茶、ほうじ茶枸杞や棗は、
血を増やす働きがあるため、
上記のお茶に入れて飲むといいでしょう。
実も食べることができます。
月経周期に伴う身体の変化
女性の身体は年代だけでなく、月経周期によっても異なります。
月経中から排卵前までの低温期は、
気血を増やし、身体を温めるお茶を。
特に月経中は、出血により身体が冷えるので、
涼性のものは避けなくてはいけません。
排卵後から月経前の高温期は、
イライラを抑えるジャスミン茶など
体調に合わせて選んでみてください。
また、女性は更年期になると、
身体を潤す「腎」の力が減り、
陰虚体質になりがちです。
お悩み別アレンジ
・便秘
緑茶+ゴマ、はちみつ・冷え
紅茶+生姜またはシナモン・喉の痛み
白茶+すりおろした梨・生理痛
紅茶+棗、黒砂糖・食欲不振
紅茶+レモンまたは陳皮・胃もたれ
烏龍茶+山査子お茶の取り方の注意点
様々な効果があるお茶ですが、気をつけてほしい点があります。
プーアル茶など黒茶は、
脂肪分解効果が高いのですが、
空腹時は胃に負担がかかります。
食前は控えめに。
お茶に含まれるタンニンは、
鉄分の吸収を阻害します。
貧血の方は、食後の紅茶はやめましょう。
タンニン、テアニンが
薬の効果を薄くすることがあります。
お茶での服薬は避けましょう。
未病を治す東洋医学
身体の不調だけでなく、
東洋医学は「未病を治す」ことができる医学です。
まだ病気にならない状態=未病の状態
で対応ができるようにしたいものです。
食養生は欠かすことができない、
健康の基本です。
花の香りをつけた花茶は、
香りによるリラックス効果があります。
また、お湯の中で花や
茶葉が開く様を楽しめる工芸茶も
目を楽しませてくれます。
今は、ペットボトルのお茶も手軽に買えますが、ぜひ自分の身体の状態を感じ、
丁寧に茶葉から淹れてみて下さい。
その一手間が、
自分を大切に感じるきっかけになると思います。
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