あの有害な除草剤を100円ショップやコストコもついに販売中止か|未だ国際基準より低く設定された日本のネオニコチノイド残留基準値の驚くべき実態とは?
新元号・令和と共に始まった10連休もあっという間に終わりましたね。
IN YOU読者の皆さんは、そろそろいつもの日常に慣れてきたころでしょう。
さて、連休中は、いつもよりテレビを観る時間が増えた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私は、連休中にテレビを観ていたところ、ちょっとショッキングなCMを目にしてしまいました。
皆さんもご覧になったでしょうか?
それは、なんとあの悪名高い除草剤のCMです。
「庭に生えたしつこい雑草も、根から簡単に枯らすことができる」と告げる女性のナレーション。
雑草に困っている主婦の心に訴えているかのような演出。
EUを始め、世界各国で規制の動きが強まっているにも関わらず、
日本では便利さだけが強調されている現実をまざまざと見せつけられました。
昨年、Rという除草剤を発売したM社に大して、アメリカ人男性がで悪性リンパ癌発症の原因となったことを理由に訴訟を起こし、
三億円の損害賠償命令が下されたにも関わらず、日本では当たり前のようにCMが流れ未だホームセンターでも販売されています。
除草剤の危険性は、食の安全が気になるIN YOU読者の皆さんにとっては、当然無視できないものですよね。
こうした私たち消費者の危機感を敏感に察知した大手100円ショップは、昨年該当除草剤の販売中止を表明。
更に、今年1月にはアメリカのショッピングセンター「コストコ」が該当除草剤の販売中止を表明しました。
しかし、日本政府は、こうした自主規制や世界各国による農薬規制の流れに逆行し、便利さばかりを強調し、農薬の使用拡大を進めているのが実状です。
中でも、一番気になるのが、残留農薬の問題ではないでしょうか。
私たち消費者の健康への影響を防ぐために設定されているこの農薬残留基準値は、農薬取締法に基づいて規制されています。
では、実際に農薬残留基準値はどのように設定され、検査が行われているのでしょうか?
その実態を詳しく見てみましょう。
■日本の残留農薬検出、どの位あるの?
皆さんは、日本の作物で残留農薬がどの程度、検出されているかご存知ですか?
平成19~24年度に神奈川県で行われた検査では160検体以上の作物の中から、28の検体で農薬が検出され、残留農薬基準値を超えた例は1件のみでした。
しかし、そもそもの残留基準値の設定が甘かったとしたら、どうでしょう?
本当に私たちの健康を守れる基準値と言えますか?
神奈川県衛生研究所 食品中の残留農薬検査
http://www.eiken.pref.kanagawa.jp/005_databox/0504_jouhou/0601_eiken_news/files/eiken_news161.htm
食品の安全性を確保し、人体に健康被害を及ぼさないことを目的として設定されている筈の残留農薬基準値は、作物や食品、農薬の種類ごとに決められています。
内閣府にある食品安全委員会では、以下のように、人が一日に摂取しても、
生涯に渡り健康に影響がないとされる一日摂取許容量(ADI)を定めて、それを元に残留農薬基準値を設定しています。以下の図を見てください。
出典:東京都保険福祉局 東京都食品安全FAQ
https://www.foodfaq.metro.tokyo.lg.jp/modules/faq/?action=Detail&faqid=6
残留農薬基準値は、この一日摂取許容量の80%以下に設定されています。
農水省は、仮にこの残留農薬基準値を若干超えた食品を摂取したとしても、健康に悪影響を及ぼす可能性は極めて低いとしています。
では、実際に健康に影響を及ぼすことはないのでしょうか?
残留農薬基準値は、農産物や、農薬の種類によって検査方法や値が違います。
この基準値や検査方法は、どのような手順で決められているのでしょうか?
■国際基準より低く設定されたネオニコチノイド残留基準値の驚くべき実態!
残留農薬基準値は、OECD(経済協力開発機構)により国際的な計算方法や策定基準が定められています。
この策定基準に基づけば一つの作物につき8検体以上の検体を使った試験が必要となります。
しかし、日本は2017年に登録されたネオニコチノイド系農薬スルホキサフロルで行われた試験はお米の場合、4検体のみ。
他の作物では1~2検体のみしか行われていなかったのです。
更に農水省は、農家へ残留農薬の検査へ赴く際に事前通告を行っていたのです。
これで、私たちの健康を守るために万全の対策がとれていると言えるでしょうか?
あなたは、どう思いますか?
■衆議院インターネット中継 2017年3月8日 (水) 農林水産委員 民進党岡本充功議員 http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&media_type=fp&deli_id=46759&time=3346.6
実際には、このような国際的な基準や検査方法に基づかないまま、
日本の農薬残留基準値は決められているのです。
2012年にアメリカ米国小児科学会は、農薬暴露により発達障害や脳腫瘍などの原因となるとしています。
■第45回日本毒性学会学術年会 農薬ネオニコチノイドの曝露にる哺乳類の脳発達への影響—自閉症、ADHDなど発達障害急増のリスク因子—木村-黒田 純子, 黒田 洋一郎https://www.jstage.jst.go.jp/article/toxpt/45.1/0/45.1_S5-2/_article/-char/ja/
■地上よりも影響が大きいドローンによる農薬空中散布。止められるのは、あなたです!
高齢化が進む農家の作業効率を高めるという名目で進められているドローンによる農薬空中散布。
人の手による噴霧器を使った農薬散布よりも、周囲に拡散しやすい散布方法です。
既にお米では、ネオニコチノイド系農薬の空中散布が法的に認められていることは、以前、こちらの記事でお伝えしましたよね。
■今激減するミツバチ。その裏側ではドローンで高濃度農薬の散布が続々実施されています。
次々に最新技術が導入される日本の農業は一体どこへ向かうのか。
https://macrobiotic-daisuki.jp/drone-117759.html更に農水省は、2019年3月に「農業用ドローンの普及拡大に向けた官民協議会」設立会を開催するなど、より農薬が拡散しやすい空中散布の普及を進めています。
今後は、補助者なしでの農薬空中散布が許可され、更にはドローンによる夜間飛行も可能となります。
通常よりも希釈濃度が高いこのドローンによる農薬空中散布。
疑問だらけの残留農薬基準値や検査の元でも、安全に運用されるでしょうか?
農水省では、2019年06月07日まで無人マルチローター(ドローン)による農薬空中散布ガイドラインに関してパブコメを募集しています。
「周囲に拡散しやすい空中散布は危険だからやめてください。」
「現在の、残留農薬基準値の下での空中散布は不安です」だけでもOK。
あなたの意見を農水省に伝えましょう。
無人マルチローターによる農薬の空中散布に係る安全ガイドライン(案)についての意見・情報の募集について
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550002890&Mode=0
■農薬に頼らない栽培方法を学ぼう!
残留農薬基準値の緩和は、その食品を食べた人だけなく、使用された土壌や散布した人にも深刻な影響を及ぼします。
出きる限り農薬の散布を少なくすることが、持続的で安全な農業に繋がりますが、慣行栽培を行う農家が、有機や自然農法に切り替えていくことは簡単ではありません。
では、私たち消費者や自分の健康はもちろん、日本の農地、生産者を守るためにできることはなんでしょうか?
近年は、日本で農薬販売を推進してきたJAも地域によって、自然農や有機栽培を取り入れていることは、既に皆さん、ご存じですよね?
このオーガニックな農法を見直す動きは、日本で農業を専門的に学べる農業大学校にも広がっています。
山梨や埼玉、兵庫などの農業大学校では、社会人むけに週末や短期の有機農業コースを開設しています。
こうした有機コースを開設した農業学校では、チェーン除草など農薬に頼らない農法を学ぶことができます。
■このままでいいの?終焉を迎えつつある日本の農薬が安全だと言える時代。
大手100円ショップがネオニコチノイドの販売中止を表明したとはいえ、まだまだ根強い「日本の農薬は正しく使えば安全だ」信仰。
世界各国より高い農薬基準値を超えた作物が出荷、回収される度に、
繰り返し告げられる農水省からの「基準値を超えた野菜を摂取しても、健康に影響はありません」というコメント。
あなたは、そのまま鵜呑みにできますか?
私たち消費者の健康を守るためにある農薬基準値が、国際基準を満たさない方法で設定されている実状。
「予防原則はどこにいったの?」と思いませんか。
オーガニック志向の強いヨーロッパだけでなく、戦後日本に農薬を普及させたアメリカでさえも、農薬規制が強まっている近年。
それに比べてこの国はいかがでしょうか。
私たち日本の消費者も農薬の安全性に対する意識を変えていく必要があるのです。
あなたが今できることはなんでしょうか?
この記事を読んだ人にオススメのオーガニック商品
【IN YOUMarket限定】予約販売開始!一袋で400回使える。 常識を覆す!完全オーガニックなのに1回あたり21.75円の洗剤。by HAPPI
¥ 1,296 ~ ¥ 27,229 (税込)
オススメの記事
脳や神経、胎児にも。人体に悪影響がある「ネオニコチノイド系農薬」って?まだよく知らない…という方へ。実は身の回りに溢れている?!恐ろしい危険性をご紹介します。~ネオニコチノイド系農薬入門 中級編~
あなたはどう思いますか?世界と逆行して次々進む日本のネオニコチノイド農薬規制緩和。
発がん性が指摘され健康被害の訴訟が相次ぐ農薬グリホサートが大手製粉会社3社の小麦粉から検出か。 その毒性と消費者が食の安全を守るためにできることとは?
本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ
この記事が気に入ったら
いいね!しよう