『悪くなるまで気づかない』沈黙の臓器肝臓。毎日の食事にごまを取り入れることで手軽に肝機能ケア
私たちの体の中には消化や吸収、代謝や呼吸を行う様々な臓器があります。
心臓、肺、胃などの働き、調子はいつも意識できるものです。
それは不調が出ると痛みや苦しさをすぐ感じられるから。
ですが、肝臓が体の中でどのように働いて、どのように疲労しているのかは自覚することができません。
「肝っ玉」「肝が太い」という慣用句にも使われるように、肝臓は人体の重要な臓器の一つです。
日々担っている仕事がたくさんあります。
ですが、この肝臓はやっかいなことに病気になっても自分で訴えてはくれません
。肝臓が痛い、肝臓が苦しい、という体験をしたことがある人はいないはずです。
状態が悪くなっても自覚できないので、気づいた時には肝硬変や肝がんなどい進行してしまい、
治療が難しくなる場合もあり、要注意な肝臓。
肝臓の悲鳴を事前にキャッチすることはできず、悲鳴を上げるころにはもう重症化してしまっています。
そうなる前に、手軽な食材で肝機能低下を防ぎましょう。
おすすめなのはごまです。ごまがどのように肝臓に働くのか、肝臓を守ってくれるのか解説していきます。
痛みを感じない「沈黙の臓器」肝臓
肝臓の不調が見過ごされてしまう原因に、肝臓には神経が通っていないことがあります。
痛みを感じる機能がないので、症状がかなり重くなるまで病気が見つかりません。
そもそも肝臓とは、体の中でもかなり元気な臓器です。傷
ついても自分で修復する力を持っていて、全体の8割の容積が牛慣れても元の大きさに復元可能と言われています。
なかなかのタフネスと言えますね。タフなだけに、体の中で肝臓が担っている仕事はたくさんあります。
アルコールを分解して有害な物質を体外に排出したり、
体を作る細胞の原料であるたんぱく質をアミノ酸から合成します。
また、グリコーゲンやビタミンを蓄えておいて、必要に置いて血液を通し全身に運ぶ役割も持っています。
他にも脂肪の消化、吸収を助ける胆汁も肝臓で作られています。
このように日々ハードワークをしてくれている肝臓が病気にかかるとどうなるでしょうか。
様々な仕事が滞ってしまい、多くの不調が現れることは簡単に予想できますね。
気づかないうちに悪化している肝機能
肝臓を傷つけるものとして一番最初に思いつくものに、アルコールがあると思います。
ですが、肝機能を阻害するものの7割は、ウイルス感染などの感染症です。
あるいはストレスの多い生活や、睡眠が十分ではないこと、
栄養バランスの乱れた食事や運動不足も肝臓に負担を掛けてしまいます。
普段からハードワークを続けている臓器なので、必要以上にストレスをかけるべきではありません。
ですが、現実は仕事や子育てなど高ストレス社会です。なかなか自分の体をいたわることもできないものでしょう。
そのため、知らない間に傷ついていった肝臓が、ある日様々な症状で悲鳴を上げ始めます。
そうなってやっと病気であることが分かるのです。
しかも症状が出ることにはかなり悪化しているケースも少なくありません。
身体がだるくなる、食欲がなくなる、顔や白目が黄色っぽくなる黄疸の症状が見られるなど、外見的な変化が現れたら要注意です。
すぐに血液検査を行って肝臓の状態を調べてもらうべきです。
重篤な場合はそのまま入院、手術などにつながることもあるかもしれませんから。
肝機能が衰えると増えてしまう悪玉コレステロール
肝臓の働きが鈍ることで心配されるものの中に、悪玉コレステロールの増加があります。コレステロールや脂質の一種で、善玉コレステロールは脂質を減らす働きがありますが、
悪玉コレステロールは逆に全身にコレステロールを運搬してしまいます。
血液中の脂質の異常があっても自覚症状がない場合がほとんどですが、
放置すると血管の壁に血液中のコレステロールが付着して動脈硬化が進行し、
心筋梗塞、脳梗塞、下肢の動脈閉塞など、
命に関わる病気や日常生活に支障をきたす病気を起こしやすくなります。
引用 医療法人社団 心とからだのげんきプラザ
悪玉コレステロールが増えることで、動脈硬化が起こりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞など、生活習慣病の原因となってしまうのです。
ごまに含まれるセサミンが肝機能を助けてくれます
肝臓をいたわる生活をするためには、適度に体を動かし、
ストレスをためないようにすることが基本ですが、食べ物に気を遣うことも重要ですね。
肝機能を助けてくれる食品はいろいろとあります。
細胞の原料となるたんぱく質を中心に、血流をよくするビタミンB群や、粘膜を保護するビタミンA、
活性酸素の活動を抑えるビタミンCなどをよく取るといいでしょう。
中でも、ビタミンB1を多く含んでいるごまはミネラルも豊富で、
和え物や炒め物など使い勝手もいいので食事に取り入れやすくおすすめです。
ごまの中に1%含まれるセサミンの肝臓保護効果
ビタミンB1だけでなく、ごまの成分の1%をしめるセサミンも、肝機能を助ける重要な役割を持っています。
最近の研究では、セサミンは肝臓の活性酸素を除去する働きがあることが分かりました。
人間に激しい運動をさせた時、ゴマの成分である「セサミン」を投与した場合としない場合、
そして活性酸素を防ぐと言われているビタミンEを投与した場合の3パターンで活性酸素の量を計りました。
大学の学生数10人に実験台になってもらったんですが、セサミン、ビタミンE、それに偽錠剤(プラセボ)それぞれを全く同じ形状にし、
運動する2時間前に飲んでもらいました。
もちろん、本人達にはどれを飲んだか知らせていない。実験をしている院生も知らない。
知っているのは私だけ。だいたい心拍数が1分間に160拍くらいのペースでエアロバイクを20分間漕いでもらって、活性酸素を計量したんです。
結果は別表の通り、セサミンを飲んだ人は、何も飲まない、
いわゆるプラセボを飲んだ人の3分の1の量まで活性酸素を抑えることができるということが分ったのです。
引用 こだわりアカデミー 森谷敏夫
https://www.athome-academy.jp/archive/medicine/0000000202_all.html
活性酸素とは本来体を守るために働いてくれるものですが、数が増えたり活動量が増えたりすると、通常の細胞まで攻撃してしまいます。
その活性酸素の働きを穏やかにする効果があるものが、ポリフェノールです。
ですがセサミンはポリフェノールとは異なる働きをし、特に肝臓でその真価を発揮するのです。
というのは、通常ポリフェノールは身体の中に入るとすぐ体内の活性酸素と戦い始めますが、
セサミンは肝臓にたどり着いた時初めて抗酸化物質へと変化するのです。
肝臓専門の抗酸化物質と言えます。
細胞を傷つける活性酸素を除去してくれるので、肝臓がへとへとになるのを防ぎ、
体調維持のための本来の仕事を行えるようにしてくれるのです。
セサミンが主成分のゴマグリナンはコレステロールを除去してくれる
肝機能が衰えると悪玉コレステロールが増えて動脈硬化が起こると述べました。セサミンから成るゴマグリナンという成分には、血中のコレステロールを溶かす力があると言われています。
そのため、セサミンが肝臓の届くときに、
肝臓にたまってしまった悪玉コレステロールの量を減らし、全身に運ばれていくのを防ぎます。
このほかごまが持っている不飽和脂肪酸も、
悪玉コレステロールを減らして余計な脂肪の蓄積を防ぐ効果があることが分かっています。
毎日の小鉢料理にごまを使って肝機能を保護
ごまは、料理に使いやすいすりごまの状態で100~200円程度で市販されており、手に入りやすい食材です。
そのためどんな料理にも活用できます。
簡単な方法に、おひたしなどを作るときの水分を抑えるための衣として最後に和えたり、
味噌と混ぜゴマ味噌を作り、野菜炒めの味付けにするなどがあります。
あまり料理をしないという方でも、レトルトのスープや、
インスタントラーメンを食べるときに振りかけるだけで栄養価がぐんと高くなります。
毎日でも食べたい常備菜、もやしと紫蘇とごまの塩ナムル
肝臓をいたわる成分の中に、ビタミンB1、B2などがあります。また、フラボノイドという成分の一種であるルテリオンも肝機能障害の侵攻を防ぐ効果があります。
ビタミンB群をバランスよく含んでいる野菜は、もやしです。
安定供給、安定価格の野菜なので、どんな時でも手に入る食卓の助っ人とも言えます。
ルテリオンを多く含んでいるのは紫蘇で、こちらは独特の香りが食欲を増して、
体力が衰えているときに食べるのが良いとされています。
もやし、紫蘇、ごまの組み合わせは肝臓保護のための最強タッグと言えるでしょう。
簡単な料理方法は、すりごまと塩とゴマ油で和えて作るナムルです。
もやしは一袋を茹で(レンジなら600Wで2分)、
紫蘇3枚程度をは好みの細さに刻み、すりごま、ゴマ油で和えて好みの塩加減で整えます。
簡単に作れて冷蔵庫で4、5日保存できるので、思いついた時に作り置きして毎日の常備菜にしてみてください。
日常的に食べておきたいスーパーフードごま
ごまは肝機能を助けるだけでなく、低糖質でダイエットにも向いており、不飽和脂肪酸を含んでいるので体脂肪を減らす効果も期待できます。
一年中安定供給されていて、保存も聞くので毎日の料理に取り入れやすい利点もありました。
文字通り体の中で「きも」として働く肝臓。重い症状が発症する前にいたわってあげなくてはいけません。
和え衣、スープの薬味、ふりかけ感覚で毎日の食事に使ってみてください。
その他トーストに載せたりお菓子の材料になったり、
工夫すれば毎日食べても飽きないオリジナルメニューが作れますよ。
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