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ゲノム編集食品の真実|医学博士が問題点とゲノム編集の全てを徹底解説!

scientist with green apple

「ゲノム編集技術(ゲノムを思い通りに改変できる技術)」は、生命科学や医学研究の分野で大きなインパクトとともに飛躍的な研究成果をもたらしました。
これまで、遺伝子の改変はその技術上の制約から、限られたモデル動物(動物実験に役立つ動物)のみでしか行うことができませんでした。
ゲノム編集技術はそこにブレイクスルーをもたらし、これまでの技術的な制約を解決し、従来よりはるかに簡単かつ迅速に様々な動物種での遺伝子の改変を可能にしたのです。
そのため、数年後にはノーベル賞を確実に取得するだろうとも言われています。

しかし、その技術の加速度的な発展に議論とデータの蓄積が追い付かず、その大きな「可能性」という光の部分が孕む、「安全性の問題」という影の部分が色濃くなりつつあります。
特に、農学(農業・林業・水産業・畜産業などに関係する学問)や私たちの生活の核となる食事にもたらされる影響は計り知れません。
技術の発展に対する議論の遅れは、各国の規制の足並みの乱れや、消費者への理解をおざなりにしてきた政策にも表れています。

そこで今改めて、「ゲノム編集」という技術について、食の安全というオーガニックの原点に立ち戻り、これがどのような技術で何が問題なのか、そして、私たちはこの技術どどう向き合って行けば良いのかを考えみたいと思います。

そもそも「ゲノム」とは?「遺伝子」や「DNA」とはどう違うの?


「ゲノム編集」とか「遺伝子組み換え」といった言葉をニュースなどで耳にして、何となく意味はわかるけれど、正確な定義やそれぞれの違いはあまりよく分かってないという方のために、「遺伝」とは何か、というところから始めてみたいと思います。

「遺伝」とは親から子へ伝わる特徴のこと

まず、「遺伝」というのは親から子へと伝わるいろいろな特徴のことです。
つまり、「遺伝情報」とはその特徴の情報を意味しています。

遺伝情報の実体=DNA

その遺伝情報の実体がDNA(デオキシリボヌクレオチド)という分子です。
DNAはアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)という4種類の「塩基」と呼ばれる物質が結合して出来ており、その4種類の塩基の配列のパターンこそが「遺伝情報」です。

では、このDNAの4種類の塩基の配列はいったいどのようなものなのでしょうか。

私たちのカラダの設計図&取扱説明書である「遺伝子」

私たちの身体が形作られ、活動できているのは、タンパク質のおかげです。
前者は「構造タンパク質」呼ばれ、身体を作っている分子のこと。後者は「機能タンパク質」とよばれ、酵素や抗体など体内で起こる、あらゆる反応を担っています。

DNAの塩基配列は、どんなタンパク質をいつ、どこで、どれくらい作るのかという情報が書かれている、いわば「私たちの身体の設計図であり取扱説明書」なのです。

そして、タンパク質に関する様々な情報が書かれている(コードされている)塩基配列のことを「遺伝子」と言います。
例えばヒトでは31億個のDNAが配列しており、その中に25000個の遺伝子があることが分かっています。

「ゲノム」とはその個体が持つ全ての「遺伝情報」のこと


約70億個あるヒトの細胞。そのすべての細胞は基本的には同じDNAの塩基配列を持っています。
遺伝子に記された身体の設計および取り扱いの全情報、つまり、一つの個体が持つ全ての遺伝情報を「ゲノム」といいます。

全生物の「ゲノム」を解き明かす装置が誕生


ひとりの人間の遺伝に関する全情報である「ゲノム情報」は、究極の個人情報であると言えます。
そこにはその人の身体の特徴や能力、病気への抵抗性など様々な身体や健康に関する情報が全て記されているからです。

ヒトの全遺伝子を解読しようとする「ヒトゲノム計画」

「ヒトゲノム計画」は、1990年にアメリカで始まった、ヒトの全ての塩基配列(遺伝子)を解読しようとする研究です。
10年以上の月日をかけて行われ、2003年に完了しました。
その結果、ヒトの全遺伝子数が判明し、どこに、どのような遺伝子が記されているか、さらにはその遺伝子がコードするタンパク質の形や役割が解明され始めました。

生命の設計図の高速解読装置「次世代シーケンサー」の開発

「ヒトゲノム計画」は、世界中に大きなインパクトを与えるものした。そしてこの「ヒトゲノム計画」をさらに先に進める技術として新たに開発された装置が「次世代DNAシーケンサー」です。

DNAシーケンサーとはDNAの塩基配列を解読する装置です。
「次世代DNAシーケンサー」はこれまでよりはるかに高速、高精度かつ低価格で塩基配列(遺伝子)を解読できる能力をっています。
そのため、「ヒトゲノム計画」で10年かかったヒトの全塩基配列の解読が、「次世代DNAシーケンサー」を使えばわずか10日間で完了することができます。
また、解析にかかる費用も数十万円となり、誰でも自分のゲノム情報をこれまでより比較的簡単に入手できるようになりました

家畜や農産物の生命現象までを解き明かす「次世代シーケンサー」

この「次世代DNAシーケンサー」の使用範囲は生命科学、医学分野にとどまりませんでした。
そして次々と、様々な生物のゲノム情報が解読されていったのです。
そこには、家畜や農作物も含まれており、加速度的に品種改良が進むきっかけとなりました。

「ゲノム情報」とは、先に述べたDNAの塩基配列ですので、見た目にはA、T、G、Cの羅列にすぎません。
しかし、ここにこれまでに積み重ねられてきた遺伝学、分子生物学の知見と、ビックデータを高速で解析する高性能のインフォマティクスの技術が合わさることで、家畜や農作物のすべての生命現象を知ることができるようになったのです。

DNAの突然変異を利用して行われる、農作物や家畜の品種改良

手間も時間もかかる農作物や家畜の品種改良

農作物や家畜における品種改良とは、優れた形質(その個体の特徴、性質や形のこと)を持つ個体どうしを掛け合わせ、より優れた特徴を持つ個体を作り出すことです。

例えば、日本の名産品である米を例にとると分かりやすいでしょう。
寒さに強いもの、甘みの強いもの、たくさん実をつけるもの、疫病や害虫に強いもの、そういった米作に有益な形質を持った個体を掛け合わせることで、様々な米の品種が作り出されてきました。

突然変異がもたらす形質の変化

この品種改良というのは、遺伝子の突然変異を利用しています。

一つの細胞が二つに分かれることを「細胞分裂」といいますが、細胞分裂の際にDNAは倍に複製されます。
※もし複製されないと、分裂する度にゲノム情報は半分になってしまいます。
また同じ細胞分裂の際にDNAの塩基配列が間違えられたり、飛ばされたりすることで、重複して複製されてしまうことがあります。
この現象を遺伝子の「突然変異」といいます。


この突然変異が、ある特定のタンパク質の重要な遺伝情報の配列に入ってしまうと、そのタンパク質の機能が変わってしまい、それによって個体の形質(特徴や性質、形のこと)に変化が起きる場合があります。
そして、この突然変異によって優れた形質が生み出されることがまれに起こるのです。
(逆に致命的な形質の変化を起こすこともあります。)

ただ、このような突然変異は全く偶然に起きるものなので、狙って起こすことはできませんし、ましてや優れた形質の獲得につながることはほとんどないのです。

この偶然の結果を、ヒトは品種改良に利用してきました。

品種改良では、たくさんの種や個体を使い、交配を行います。
その結果、新しく誕生してきた個体に起きる突然変異によって、育種上、優れた形質を持って生まれた個体を選び出すという「選抜」を行います。
種類によってはたくさんの子孫を得ることができる植物ですが、それでもやはり植物の品種改良には手間と時間とコストがかかります。
牛や豚などの家畜の場合はかかる手間暇はさらに膨大なものになります。

農業関係者がこういった苦労を重ねた結果、現在の優れた品種は確立されているのです。

人為的に品種改良を効率化する技術「遺伝子組み替え」


技術の進歩によって育種(農作物や家畜の改良品種を作り出すこと)に対する社会の要求は高まり続ける一方です。

放射線や化学物質により、突然変異を人為的に誘導する技術の誕生

既に書いたように、従来の品種改良の方法では時間もコストもかかってしまいます。
そこで、DNA配列を損傷する放射線や化学物質を用いて突然変異を人為的に数多く引き起こす技術が開発されました。
この方法では、突然変異が起きる場所は偶然に頼っているものの、突然変異が起きる確率は上がるため、優れた形質を持つものができる可能性が高まります。

品種改良のさらなる効率化を目指す「遺伝子組み換え」の技術

しかし、放射線や化学物質を使う方法も運と偶然に頼るものであるため、手間とコストと時間がかかってしまうことに変わりはありません。
そこで、優れた形質を持つ個体が現れるのを待つのではなく、自らの手で作ってしまおうという試みが進められました。
それが「遺伝子組み換え作物Genetically Modified Organism(GMO)」です。

すでに多くの記事で触れられていますが、代表的な「遺伝子組み替え作物」には、
・除草剤耐性作物
・害虫抵抗性作物
・耐病性作物
・ストレス耐性作物

などが挙げられます。

これまでの品種改良と明確に異なるのは、作物のゲノムの中に別の個体の遺伝子を人為的に組み込んでいることです。


「遺伝子組み換え」の方法は次のようなものです。
まず、上記の「除草剤耐性」「害虫抵抗性」「耐病性」「ストレス耐性」のような形質を持つようにデザインされた遺伝子(例えば、殺虫作用を持つタンパク質を発現する遺伝子)を、植物細胞の中に導入します。
すると「相同(そうどう)組み換え」という現象が起こり、導入した遺伝子が植物のゲノムの中に組み込まれ、その遺伝子によるタンパク質を作り出すようになります。
これによって、目的の形質を持った新しい作物を作り出すことができます。

しかし、その遺伝子組み換えも効率がさほど良いものではない上に、その個体が本来持っていない外来の遺伝子を組み込むことによる、予期せぬ環境や食の安全性への危険性が危惧されています
これらの作物の有用性については、その安全性についての研究データの蓄積を待って議論を進めるべきだと思います。

「ゲノム編集技術」を活用した、最新の「品種改良」

意図的にデザインされた形質を、さらに効率的に生み出す品種改良

そして近年、人工ヌクレアーゼ(DNAを切断する酵素)を用いた「ゲノム編集技術」が確立され、生命科学や医学分野のみならず、その汎用性の高さから農学分野への応用が試みられるようになりました。
※ZFNやTALEN、CRISPER/CAS9というヌクレアーゼは「部位特異的ヌクレアーゼ」と呼ばれ、ある特定の塩基配列を標的として切断ができます。

これまでの研究によって、様々な作物のすべてのゲノム情報が解読され、どこにどのような機能を持つ遺伝子があるのかが既に分かっています。
その情報と、この人工ヌクレアーゼの技術を用いれば、標的となるタンパク質の機能を促進したり、抑制したりすることで目的の形質を持った個体を作り出すことができます。

例えば、ミオスタチンというタンパク質は筋細胞の増殖や成長を抑制する働きがあることが分かっています。
そこで、この遺伝子の機能をゲノム編集技術によって抑えると、筋肉量の増加した個体を得ることができるのです。

「ゲノム編集技術」を利用することで、例えば「畜産」においては、受精卵に直接変異を導入し、その個体を使うことができるようになったため、かかっていたコストも時間も大幅に削減できるようになりました。

2種類ある「ゲノム編集食品」

農作物の品種改良に関わる「ゲノム編集技術」には、大きく分けて、2種類の遺伝子の改変の方法があります

1種類目の方法
これまでの突然変異による品種改良と同様の方法です。
標的となる遺伝子の特定の部位を切断すると、細胞にもともと備わっている塩基配列の修復機構が働きますが、その際に塩基の欠損、挿入といった突然変異が起こることがあり、この機構を利用した方法です。

◆2種類目の方法◆
遺伝子組み換え技術と同様に、切断した部位にデザインした外来の遺伝子を導入する方法
です。

実は、この2つの方法の違いが、「ゲノム編集作物」の表記義務や申請、審査において問題となっていることをご存知でしょうか。

例えば、先ほどの2種類目の方法で作られた農作物の場合は、表示と申請、安全性の審査が義務付けられています。
これに対して、前者は表示や、申請、審査が義務付けられていません。
同じ「ゲノム編集食品」なのに、なぜでしょうか。

食品の表示や審査を行う場合ば、第三者による検証が行われる必要があります。
しかし、この前者の方法による「ゲノム編集食品」は、ゲノム編集によって作られたものかどうかを確認できないのです。

前者の作物の場合、数塩基の変異を誘発しただけで、外来の遺伝子を導入しておらず、人工ヌクレアーゼを発現する遺伝子も、品種として確立する過程で取り除かれてしまっています。
この数塩基の変異は「自然の状態」でも起こり得るもので、ゲノム編集によって起きたものかどうかを検証することができないのです。
検証できないものは審査できず、審査ができないものは表示を義務付けることもできない、ということです。

この現状に対して私たちは何ができるでしょうか

「ゲノム編集食品」に対して私たちはどう対応すべきか


このように様々な問題を抱えている「ゲノム編集食品」について大切なことはまず、その現状を正しく理解することでしょう。

現状では、数塩基の変異を誘導したことによる「ゲノム編集食品」については、届け出制にはなっているものの、表記や申請を義務付けることは困難です。

また、「ゲノム編集食品」のリスクとしてよく挙げられる「オフターゲット(目的とする配列以外の塩基配列に、意図しない突然変異が導入されること)」は改善されつつあります。
技術向上により標的以外の場所への変異が起こりにくくなっていること、品種として確立するまでの過程で、目的以外の形質が現れている個体は排除されていることがその理由です。

外来の遺伝子を導入したゲノム編集作物については、従来の遺伝子組み換え作物と同様に安全性審査が必要とされていますので、こういった食品を避けつつ、その安全性について注意深く動向を見守っていく必要があります。

数塩基の変異を導入したゲノム編集作物については、検証ができないなら仕方ない、ではなく、その上で私たちに出来ることを模索していくべきです。

消費者の感情として、ゲノム編集作物かどうかを知らないまま食用してしまうことに不安を覚えることは当然です。
その不安は、安全性に対する知見と議論の不足によるものでしょう。
安全性の試験は現在、世界中の研究機関によって行われており、随時その報告はなされていくはずです。

そして、日常生活でも議論は行われるべきで、正しい知識を持ち、冷静に議論することで消費者のゲノム編集作物に対する意識は成熟して行くに違いありません。
特に、食に対する意識が高く、オーガニックに興味のある読者の方々は、積極的にその先頭に立つべきです。
安全性試験の結果の蓄積の必要を訴え、消費者意識の成熟を待たない拙速な市場への導入には待ったをかけるべきですし、パブリックコメント(国の行政機関が政令や省令などの案を事前に公表し、それに対する意見や情報を広く国民か募集する手続き)という仕組みを通じて消費者から声をあげることも可能です。

ゲノム編集作物の持つ問題点と可能性について、俯瞰的に見つめ、深い議論を交わしていくことが食に高い意識を持つIN YOUジャーナルの読者の方々に求められているのだ、と私は思います。

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