ストレスや生活環境が生み出すうつ症状|どんより気分を吹き飛ばす食生活のポイントとは
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ストレスや生活環境が生み出すうつ症状
どんより気分を吹き飛ばす食生活のポイントとは
こんにちは。
「不安だ」「何をやっても楽しくない」
「何かと罪悪感を感じる」
「眠れない、いくら寝ても足りない」
「体が痛い」「食欲が減った/増えた」
「体重が急に減った/増えた」
この中にひとつでも当てはまるものはありませんか?
それ、もしかしたら「うつ」かもしれません。
日本ほどではないものの、
私が住むここカナダでもうつは深刻な問題です。
特に冬の時期はうつが多いと言われています。
今回は北米で進められている、憂うつな気分を撃退する食生活をご紹介します。
☆音声版はこちら☆
冬のカナダで激増するうつ症状「ウィンター・ブルー」と季節性のうつ
冬の長いカナダでは、25~30%のカナダ人がウィンター・ブルーという症状にかかると言われています。
これは「寒く暗い冬に精神的にネガティブになってしまうというもの」で、
いつもより気分がどんより沈んでしまい、「楽しもう!」というつもりでも気分が乗らなくなってしまいます。
それが慢性化してしまうと(毎年季節の変わり目にうつになることを繰り返してしまうと)、
季節性のうつ(Seasonal Affective Depression:SAD)と呼ばれる状態になります。
これは、秋から始まり、春が来るまでその状態が続きます。
これらの冬のうつは本当によくあることで、
私の身の回りの人々にも多く見られ、私自身も経験者です。
「最近あの人様子が変だね…怒ってるのかな?」
「冬だからね~」
という会話は毎年、珍しいことではありません。
私自身も冬になると、
せっかくの休日なのに何もしたくない、気力がわかない、
何をしようにも自信が持てない、など
夏には考えられないようなひどくネガティブな気分にさせられます。
その主な原因は短い「日照時間」。
太陽の光に当たらないことが、精神に悪影響を与えているのです。
対策のためには、太陽の光に出来るだけ当たるようと言われますが、
雪が降る日の空は大抵どんよりと暗いもの。
さらに気圧の低さが重なると、気分はさらに一層沈みます。
そして雪に閉ざされた地域では、家から出ることもできず、
楽しみも限られているのが現実です。
そのため、私の周りのカナダ人たちは、
憂うつな気分をある程度が受け入れつつも、
太陽の光を出来る限り浴びるように意識しています。
ただ、日光浴はその日の天気に左右されてしまう面があります。
そこで、「食生活」に少しの工夫をプラスすると、憂うつな気分を吹き飛ばすことができるようです。
ご存知でしたか?日本人のうつの多さは世界的に有名です
厚生労働省によると、2017年の調査で精神疾患の患者数は約419万3千人。
そのうち、躁うつ病を含む「気分・感情障害」が約124万6千人で最多と言われています。
うつ病の有病率は6.7%、15人に1人が生涯に1度はうつ病にかかる可能性があります。
海外の人たちと、各国の人々に典型的な性格の傾向や働き方などについて話すと、
皆が口を揃えて、
「日本人は真面目で頑張り過ぎ(働き過ぎ)」「優しくて色々と気にし過ぎ」
「だから、自殺率ランキングとか精神疾患ランキングとかで、上位にランクインしちゃうんだよ」
と言ってきます。
個人差はあることはもちろんですが、やはり、日本人の典型的なタイプはこういうものなのかもしれません。
皆さんも多少なりと思い当たることはあるのではないでしょうか。
そして日本人のうつの発症は、生活環境などが変わる「春」が一番多いと言われています。
新しい職場や学校などの慣れない環境の中で生活することが知らないうちに大きなストレスとなっていくことがあるのです。
カナダ人にならって食生活を工夫することで、うつになりにくい体作りをしていきましょう。
日本人のうつ防止のための食生活のポイント
それでは早速、日本人に多発する春のうつを防ぐための食生活のポイントを順にご紹介していきましょう。ポイント1:「幸せホルモン」セロトニンを作る
「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンについて聞いたことがある方は多いかと思います。
三大神経伝達物質の一つで、精神状態と密接な関係があります。
そのセロトニンが脳内で不足すると、憂うつな気分が加速すると言われています。
セロトニンは体内で合成されるのですが、太陽の光を浴びるとそれが活発化します。
このセロトニンを作るのに必要なものは、トリプトファンというアミノ酸の一種、炭水化物、ビタミンB6です。
イライラすると、ごはんやパスタ、パンなどの炭水化物を無性に食べたくなる方はいらっしゃいませんか。
これは、セロトニンが炭水化物から合成されることを考えれば、ごく自然な現象です。
セロトニンが体内で不足していることで、脳がそれを増やそうとしているためなのです。
トリプトファンはどのような食材から摂るとよいか?
セロトニンの合成に関わるトリプトファンは、魚介類や、たまご、肉類など、高タンパク質な食材に豊富に含まれると言われています。また、大豆製品やかぼちゃの種にも豊富に含まれています。
☆トリプトファンの摂取におすすめ!「自然栽培大豆の豆腐」
☆トリプトファンの摂取におすすめ!「自然栽培大豆の生おから」
☆トリプトファンの摂取におすすめ!「自然栽培の蒸し大豆」
トリプトファンが体内で足りていないと、特定の食べ物を無性に食べたくなったり、それがうつ症状を引き起こすこともあるので、こまめに補給するようにしましょう。
ポイント2:血糖値の急激な上昇を防ぐ
血糖値の急激な上昇は、うつ病のリスクを上げると言われています。
砂糖を多くとると体はインスリンを出して血糖値を正常にさせようと働き始めます。
しかし、この作業がかなり体を酷使します。
糖質を摂ることで一気に血糖値が上がり、インスリンによって今度は血糖値が急降下。
この血糖値の急激なアップ・ダウン(血糖値スパイク)が、イライラ、不安感、疲労感などの原因になっているのです。
特に急降下後の低血糖の状態は、ひどくなると震えやめまいなども引き起こすなど、症状が悪化していきます。
また、そのアップ・ダウンを繰り返していると、うつ病のような状態になってしまうのです。
(実際、低血糖が原因にも関わらず、精神科へ行くと、その症状から「うつ病」「統合失調症」などと診断された患者さんもいるようです)。
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ポイント3:オメガ3脂肪酸を積極的に摂る
さて、ポイント1と2で憂うつな気分を作り出す体内の仕組みについてざっくりと分かったところで、次は、何を食べて対策していけばいいかという問題が気になりますね。
そこでおすすめしたいのが、「オメガ3脂肪酸」です。
オメガ3脂肪酸は、脳にとてもいいことはご存知の方も多いと思います。
しかしそれだけでなく、オメガ3脂肪酸は(ポイント1でご紹介した)「幸福ホルモン」セロトニンを増やし、イライラした気分を沈めてくれ、血糖値を調節するホルモンの分泌を促進してくれる作用があると言われています。
オメガ3脂肪酸が含まれている食材は青魚が有名ですが、他にも以下のようなものがあります。
ナッツ類
特にくるみにはオメガ3が豊富に含まれており、ある研究では、毎日くるみを1/4カップ食べていた人は、食べていない人に比べて26%もうつ病のスコア(うつ病に関する要素)が低かったことが分かっています。
また、ナッツ(特にくるみ)を食べている大人は、そうでない人に比べて、楽観的で、活動的、高い集中力があり、何事にも興味を示す(前向き)という事が証明されています。
★世にも貴重な野生の国産和くるみ
種子類
種子類では、チアシードとフラックスシード(亜麻仁)がおすすめです。大さじ1杯のチアシードには、大人が1日に必要なオメガ3の量の63%が含まれています。
スムージーに入れたり、プディング(容器にチアシード、それの3倍ほどのミルク、甘味付けにハチミツなどの甘味料を少し入れて混ぜ、冷蔵庫に一晩入れておいておく)で人気ですが、毎日は飽きますので、サプリメントで摂る人も多くいます。
また、大さじ1杯のフラックスシード(亜麻仁)には、大人が1日に必要なオメガ3の量の39%が含まれています。
こちらはクッキーやパン作りの際に混ぜて使うことが多いようですが、サプリメントで摂ることの方が簡単です。
どちらも青魚を食べられないヴィーガン・ベジタリアンにかなり人気があります。
葉物野菜
葉物野菜の中でも濃い緑の葉物野菜には、「アルファ・リノレン酸」というオメガ3脂肪酸の仲間が含まれています。
(オメガ3は、海洋性オメガ3のDHA・EPAと植物性オメガ3のアルファ・リノレン酸:ALAとに分けることができます)
クレソン、芽キャベツ、ほうれん草、ケールには、そのアルファ・リノレン酸が豊富に含まれているので、積極的に食べるべき野菜たちです。
ただ、それらの野菜に関わらず、できるだけたくさん食べることが大切です。
というのも、葉酸不足もうつ状態の引き金になる可能性があるといわれているからです。
葉酸、そして食物繊維も、精神の安定に一役買ってくれるそうなので、野菜はできるだけ食べるように心がけたいですね。
※葉酸は、枝豆・モロヘイヤ・パセリ・ほうれん草・アスパラガス等の野菜に豊富に含まれている他、海苔やわかめ等の海藻類、大豆などの豆類にも含まれています。
番外編:目でも楽しめるものを摂ってみる
ここまで「物理的に何か食べる」ということをお伝えしてきたのですが、やはり人間ですし(特に女性は)「目で見たものに幸せを感じる」ということも大いにあると思います。
たとえば、リラックスできるハーブティーをただ飲むというのではなくて、ちょっと見た目も楽しめるようなものに変えるだけで、心で幸せを感じることができます。
昨年は春に緊急事態宣言が発令され、今年もまた首都圏で発令されるということですが(2021年1月6日現在)、外出自粛で家にこもりきりの時にこのような「目でも楽しめて、身体にも良い」食べ物や飲み物があるだけで、本当に心が癒されるものです。
上記のハーブティーは「バタフライピー」という植物が含まれるもので、普通にお湯を入れると青色なのですが、レモンを入れるとこんな色に変わります。
ほら、とっても美しいんです。
特に女性であれば、これだけでも本当に心が癒され、外出自粛のストレスを少しでも和らげることができるんです。
「ただ食べる」だけでなく、ちょっぴり「見た目の美しさ・かわいらしさ」なども取り入れることで、ストレスフルな自粛生活も快適に過ごす助けとなってくれるものです。
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うつになりたくないのなら、こんな食生活は今すぐにやめましょう!
実は私たちが何気なくやっている食生活が、憂うつな気分に拍車をかけてしまっていることがあるのです。以下のような食生活に当てはまる方は注意してみてください。
避けたい!「甘いものが欠かせない食生活」
先ほどご紹介したように、血糖値のアップ・ダウンは精神状態に大きな影響を与えます。
できるだけ血糖値を安定させるためにも、過度の糖質の摂取(甘いものばかりの食生活)は控えるように心掛けてみましょう。
ここで重要なのは「私たちは気付かないうちに砂糖を摂ってしまっている」ということ。
健康そうに見える、グラノーラバーやエナジーバー、ハチミツでローストされたナッツなどにも大量の砂糖が入ってしまっています。
また、はちみつやコーンシロップなどの他、HFCS(ぶどう糖果糖液糖)、スクロース(しょとう)、マルトース(麦芽糖)、ラクトース(乳糖)、フルクトース(果糖)、デキストロース(ぶどう糖)などにも注意が必要です。
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避けたい!「精製された穀物ばかりの食生活」
真っ白な小麦粉、白米、(全粒粉でない普通の)パスタやパンなど、精製された穀物(炭水化物)類は全粒粉のものと比べて栄養価が低く、
ビタミンB不足をたらします。
また、糖質が多く含まれているので、血糖値のアップ・ダウンが激しくなることが予想されます。
ポイント2でご紹介した通り、それは精神に影響を与えますので、穀物類はできるだけ全粒のものを選び、血糖値の上昇を緩やかにすることで
精神を安定させましょう。
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避けたい!「アルコールの摂取」
適量のアルコール(1日グラス1杯の赤ワインなど)は身体にも精神にも良い効果をもたらすと言われていますが、もし憂うつな気分を解消したいなら、控えた方がいいかもしれません。アルコール飲料には、糖質が含まれているものが多い、という理由のほか、アルコールが持つ抑制作用で、「幸せホルモン」のセロトニンを減らしてしまうといわれているからです。
避けたい!「カフェインの大量摂取」
1日の始まりにコーヒーを飲む方も多いと思います。
仕事を始める前にコーヒーを飲むと、気持ちがシャッキッとして、いいですよね。
ただ午後になると、疲れを感じませんか?
そして、もう一度気合を入れるために、またコーヒーを飲みたくなりませんか?
実は適度なカフェインの摂取は、精神的にいい影響を与えるとされているのですが、摂りすぎや、カフェイン中毒は、精神的に悪影響を与えます。
というのも、カフェインは交感神経に働くため、アドレナリンを多く出し、一時的に興奮状態にさせてしまうのです。
うつ状態だと、症状を悪化させてしまう原因になってしまいます。
またうつ病でなくても神経が過敏になり、感情のコントロールが難しくなるので、日々の憂うつな気分を解消させたい方は、コーヒー2~3杯を目途に、摂り過ぎに注意してください。(エナジードリンクも強いカフェインが入っています、常用している方は気を付けてみてくださいね)
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時代の雰囲気に気分を落ち込ませることなく、コロナ禍を元気に乗り切りましょう!!
昨年は新型コロナウイルスが全世界中で猛威を振るい、2021年1月となった今でも収束は見えず、不安な毎日を過ごされている方が少なくないことと思います。
もし、今回ご紹介した、うつ予防のための食生活のポイントの中で「これならば私にもできる!」というものがありましたら、ぜひご自身の暮らしに取り入れ、可能な限り、気分爽快な毎日をご自身で作り出してみてくださいね。
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