未発酵の豆は実は消化に悪いって本当?豆の弱点とデメリットを上手に補う「発芽豆」の作り方
良質な植物性のたんぱく質に、ミネラル分も豊富な豆類。
大豆や黒豆、小豆や緑豆、ひよこ豆やレンズ豆豆腐や納豆、味噌、豆乳、大豆粉、おから、もやし、春雨などなど
言うまでもなく、私たちの生活には欠かせないものですよね。
健康への意識の高いINYOUの読者の方は特に、豆を積極的に食べているという方も多いことと思います。
特にビーガンの方などにとっては、たんぱく質補給に豆類は欠かせないものです。
発芽していない豆って消化に悪いの・・?
でも豆って実は消化に悪いとか、ミネラルの吸収を阻害するとかって
聞いたことありませんか。
これは一概に、嘘とも言い切れません。
じゃあ結局豆は身体に良いの?悪いの?となってしまいそうですが、私個人としては
豆は栄養豊富で素晴らしい食品なことは間違いないとは思っていますが
健康的に頂くには、少し知識も必要かなと思っています。
今回は、そんな豆の特徴についてと、
未発酵の豆でも、栄養価アップして消化吸収しやすくする裏技
「発芽豆」の作り方についてのお話です。
日本人なら知っておきたい
豆類の特性
発芽豆のことに触れる前に、少し豆の特性を知っておきましょう。
豆類は植物性のたんぱく質だけでなく、
食物繊維が食品の中でも群を抜いて多く含まれています。
小豆、いんげん豆には、なんとごぼうの約2倍、さつまいもの約3倍もの食物繊維が含まれるほど。
また、ビタミンB群やビタミンE、カルシウムや鉄分などの栄養素も補給できます。
イソフラボンやサポニン、黒豆のアントシアニンなども注目すべき成分ですよね。
抗酸化作用や、血液をサラサラにしてくれる効果、デトックスの効果など、
様々なうれしい効果が期待できます。
ただ調理法によっては
腸粘膜を傷つける可能性も無きにしも非ず?
ただ、一つ知っておいてほしい注意すべき特性もあります。
豆類が含む、レクチンとサポニンという成分には、身体にうれしい効果もある反面
食べすぎると細胞膜を溶かす力があると言われていて、体質によっては腸粘膜を傷つける可能性もあるということ。
注意:もちろん食べる量、食べ方、体質によっても大きな個人差がありますから、
必ず傷つけるとまでは言えません。ただそのような側面も持っているよ、いうことを念頭に置いておく必要性があります。
前回の記事で、リーキーガット症候群について執筆しましたが
詳しくはこちらの記事をご覧ください。)
このリーキーガット症候群の症状を悪化させる食品にも豆類があります。
(*繰り返しになりますがレクチンやサポニンが体に悪いだけの成分ということではありません。ただ、もし腸に重篤な疾患や、ダメージがある方の場合は出来れば発酵食品中心にし、極力控えた方が賢明かもしれません。)
これらの成分は発酵させること、発芽させることにより分解することができます。
また、しっかりと浸水(12時間以上)させて加熱することも有効です。生のナッツなどもそうですが、軽く嗜好品としていただく程度ならあまり神経質になりすぎる必要はないと思います。
適量なら問題ない体質の方もいらっしゃると思いますが、一つの知恵として習得しておいて損はないでしょう。
昔から受け継がれてきた、豆を利用しているものと言えば
日本のパワーフードとしてお馴染みの、味噌や納豆、醤油などの発酵食品ですよね。
昔の人は豆の特性をよく理解されていたのだなと感心させられます。
発芽豆はそんな豆のデメリットを補い
栄養価もアップさせる優れもの!
発芽玄米や発芽大豆、スプラウトなど、発芽によって栄養価を高めた商品も多くありますよね。
発芽の第一人者である信州大学名誉教授、農学博士 茅原紘先生も以下のようにおっしゃっています。
大豆は発芽することにより、フィターゼという酵素が活性化しミネラルが体に吸収しやすくなり、すぐに使えるミネラルの量が増えてきます。マルヤナギ
発芽によって大豆たんぱく質はペプチドやアミノ酸へ分解されるので、腸壁から吸収されやすくなることがわかっています。
マルヤナギ
マルヤナギ
目で見える変化はそんなに大きいものでなくとも、種の中で起きている変化はとても大きいものだということなのですね。
また、豆を発芽させて作るもやしも、ひょろりとした見た目からは想像もできないほど栄養が豊富な食材。
「生命の芽」と言われるほどの万能食品で、種子のときにはほとんど含まれないビタミンCやアミノ酸の一種であるGABAなどが、発芽の段階で急速に増加する。青い森の食材研究会
種である玄米や豆類には、ミネラルの吸収を阻害するフィチン酸が含まれていますが
フィチン酸を分解してくれる効果も期待できます。
(フィチン酸はデトックス効果があるという見方もあり、メリットも多くありますので
目的によって使い分けると良いですね。)
豆のデメリットを上手に補いつつ、
たんぱく質を吸収しやすい形に変え、さらにGABAや葉酸などの栄養価もアップさせてくれる
そんな一石三鳥の方法が、今回ご紹介する
「発芽豆」
です。こんなに簡単!!
発芽豆の作り方
発芽豆の作り方は本当に簡単。
基本的には朝晩にお水をあげるだけです。
豆によって、発芽のスピードは違いますが、
早いものでは1日、遅いものでも5日ほどで発芽します。
①まず、豆を選別します。傷ついているもの、皮がむけているものは除けておきます。(豆が腐りやすくなるため)
②豆を洗って、半日~一日水につけます。
③豆をざるにあげて、平らなお皿やバットなどに豆が重ならないように広げ、ふきんをかけておきます。
④朝晩一回ずつ、お水をあげます。
豆をざるに入れて水を張ったボウルにざぶんとつけたら、またお皿やバットに戻してあげます。
⑤写真のように小さな芽が出てくればOK。
注意点
◎夏場は腐りやすいので、気づいたときにお水をあげるようにすると良いです。
◎一日外にいて暑い部屋の中に置いたままになってしまうときは、
発芽は遅くなりますが、冷蔵庫へ入れてあげると良いです。
豆の選び方 安心安全なものを選んでください。
また、豆はかならずオーガニックのものを選びましょう。
お勧めは以下のようにオーガニック認証がついた豆です。
オーガニックブロッコリースプラウト&オーガニックチアシードスプラウト栽培キット
2色のオーガニックレンズ豆スプラウト&オーガニックひよこ豆スプラウト栽培セット!
芽が少し出たくらいが食べごろです。
緑豆だと1日で芽が出てきます。黒豆や大豆は3日ほど。
一番時間のかかるのは小豆で、5日から一週間ほどが目安です。
発
芽豆の頂き方
そして、これが断然美味しい!
普通のお豆と、食感が全然違います。
豆ともやしの中間のような香りがします。
シンプルに蒸したり、ソテーしたものがおすすめ。
茹でても良いのですが、水を吸っているため、火の通りも早いですし
蒸したほうがより発芽豆の美味しさを感じられると思います。
ごはんと一緒に炊く場合も、下茹で不要でそのまま入れれば良いのでお手軽です。
(豆の分米の量は減らして炊いてくださいね。)
以下は豆を使ったおすすめのレシピ。
発芽豆で作ると、より美味しくなって栄養価もアップ。
おすすめレシピ一例
◎ひよこ豆のカレー炒め◎黒豆かぼちゃ
◎小豆ポタージュ
すぐに使わないという場合は、いったん蒸してしまってから保存するのがおすすめです。
発芽がすすむと味が落ちます。
ちなみに発芽がこのまま進むともやしになります。
発芽させすぎたという方は、そのままもやし作りに挑戦するというのも良いですね。
元気な体を作る
ちょこっとのひと手間
発芽玄米や、豆乳ヨーグルト甘酒や塩こうじ、ぬか漬けやザワークラフトなど。
お家で手作りできて、身体に良いものはたくさんあります。
ただ身体に良いことは分かっていても、手作りとなるとハードル高く感じている方も多いかもしれません。
でも、今回ご紹介した発芽豆のように、作ってみれば意外と簡単に作れてしまうものです。
発芽豆は豆さえ買ってくればできて、失敗も少ないので、
手作りに苦手意識を持っている方でも始めやすいかと思います。
ほんのちょっとのひと手間で自分や家族の元気な身体を作る。
自分の手で作った食は、自分の手で身体を作ってるという心地良さがあります。
皆様のより健康でより楽しい毎日のお役にたてますように。
IN YOU Marketで安全な種を購入し、自宅栽培をはじめよう
お家で今すぐプチ家庭菜園!
こちらの栽培用種子は、ヨーロッパの有機認証を受けた、安心安全な種。
農薬や化学肥料を使わずに栽培され、採取され、
遺伝子組み換えや化学種子消毒がされていない、
人と環境に優しい種なので、食べるの安心ですね。
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