ジャンクフード税、砂糖税ってなに?国民を病気から守る世界の税。日本はどうなる?
世界にあるさまざまなな税金
世界には様々な税金が存在します。
日本で、私たち一般消費者に関わりが深い税金といえば「消費税」や「酒税」、「たばこ税」あたりでしょうか。
しかし、世界に目を向けてみると、各国で食に関する様々な税金が存在しています。
あなたはいくつ知っていますか?
ジャンクフード税
ジャンクフードに税金を課税することで国民の食生活改善を目指した
2009年、世界で最初に「ジャンクフード税」の課税指針を表明したのは台湾。
台湾というのが意外な感じもしますが、実は台湾の子どもたちの25~30%が肥満とされ、肥満問題が深刻化していたのです。
そこで、ジャンクフードに税金を課税することで、国民の食生活改善と肥満率の低下、さらに資金不足に陥っている国民健康保険制度の救済策として導入を表明したのです。
具体的には、砂糖が多く含まれた飲み物やキャンディー、ケーキ、ファストフードやアルコールなど、不健康みなされる食品に特別税をかけるというもの。
その後、2010年には国民4人に1人が肥満という統計が出たルーマニアも、ジャンクフード税の導入を発表。さらには、2015年4月にはアメリカでもジャンクフード税が導入されました。
海外サイト「Fitness Frenzie」で発表されたランキングでは、アメリカは世界2位の肥満大国。
(ちなみに1位はメキシコです。)
アメリカ全土ではなく、西部のアリゾナ州など先住民居留地ナバホ自治区などで導入され、対象は炭酸飲料やスナック菓子、ファストフード、揚げ物など。
逆に、健康的な食品の購入促進のため、2014年に野菜や果物の課税を廃止するという流れもありました。
ポテトチップス税
ハンガリーにて実施。国民の肥「満防止を目的とした方策。
2011年、ハンガリーにて施行された「ポテトチップス税」。
国民の肥満防止を目的にして、塩分・糖分を多く含む食品、清涼飲料水を対象に課税。
具体的にはスナック菓子、クッキー、炭酸飲料など。
2008年WHOの統計によると、ハンガリー国民の肥満率は男性26.2%、女性20.4%。
この結果からこのような税金導入となったと考えられます。
ソーダ税
2012年1月1日、砂糖が添加された炭酸飲料に課税するという「ソーダ税」をいち早く導入したのがフランス。
この税金は肥満防止と緊急財政計画の一環として導入されたもの。
その背景として1997-2009の間に、フランス人の平均体重が3.3kg増えたという問題があったようです。
肥満が社会問題になる前に、手を打ったというところでしょうか。
この税金導入に関しては、大手飲料メーカーが猛反対、さらには「飲料水が肥満に与える影響は少ない」という医者による発言があったりと、様々な物議を醸しました。
フランスに続き、アメリカ・バークリー市でも、2015年1月ソーダ税を導入。
「高カロリー飲料の消費が減って、健康な人が増える。その結果、医療費が削減できて生産性も高まる。経済成長にも効果的な税だ」として、住民投票にて75%の賛成で可決された。
アメリアでは各地域でソーダ税の導入が検討されているが、飲料業界の反対などによりなかなか展開できていないのが事実のよう。
もともと、バークバレー市は全米でも健康志向が高い地域であったことが、ソーダ税導入の成功へとつながったとされている。
脂肪税
心臓疾患やがんを引きおこす高脂肪食品に対する税。
2011年10月からデンマークで施行された通称「脂肪税」。
その内容は、飽和脂肪酸が2.3%以上含まれる食品に対して課税するというもの。
飽和脂肪酸が多い食品とは油、バター、ラード、ショートニング、肉など高脂肪食品とされるもの。
心臓疾患やガンなどを引き起こす原因となるものが多く、デンマーク政府は、国民の健康を改善し、平均寿命を延ばすことを目的として導入を決定。
しかし、脂肪税挿導入以降、食品会社の管理費用増加とそれに伴う雇用の悪化、さらに食品価格高騰により消費者が安く食品を買うため近隣国で購入するなど、マイナス要素が多かったため2012年12月末に廃止となった。
今、注目すべき税金は「砂糖税」!
イギリスでは2018年4月に導入決定。
2018年4月から「砂糖税」導入を決定したのはイギリス。肥満率の高さが導入理由とされ、小児肥満症の対策を目的としています。
これは、飲料に含まれる糖分に課税するというもので、フランスなどで施行されているソーダ税と同じような課税です。
日本にも「砂糖税」に関する動きが。
この「砂糖税」に関しては、日本でも社会的な動きがあります。厚生労働省の有識者会議で、「国民の健康を守るために、砂糖に課税してはどうか」という内容を盛り込んだ提言書がまとめられたというのです。
たばこや酒、砂糖への課税強化の流れ!?
提言案では、健康を損なう可能性があるたばこやお酒、砂糖への課税強化が求められました。
それにより、国民の病気を予防する、年々増加する医療費を抑える、新たな財源の確保などの効果が期待されています。
具体的に、砂糖にはどんな害があると言われているのか…
ご存知の方も多いと思いますが、改めてこちらを参考に。
体に悪い白砂糖はガンのエサ。慢性的な砂糖中毒でも簡単に白砂糖断ちする方法。
マクロビオティックでは白砂糖を使用しない理由は、今後一般常識化する
7年後、健康な体でいたいのなら知っておくべき砂糖のリスク。
食に関する税金は、今後、国民の健康を守るためのマスト項目になるか!?
世界の国々で施行されている食に関する税金制度。
タバコ、お酒、砂糖に限らず、他にも課税対象となり得るものが、今の日本には多いのが現実。
日本においてはまだきわだって食に関する税法がないようですが、
国民の健康を守るための1つの方法として、とても効果的ではないかと思います。
ガンの原因になるとされる「化学物質」の規制は?
戦後、食品添加物を含む化学物質の使用増加と共に激増した、生活習慣病患者や、生活習慣病に関連するガン患者など。かつてガン大国とも言われたアメリカが「化学物質」を規制することでガン患者が減ったという事実から、ガンの新規患者が年間100万人を超える日本でも効果的な方法になると考えます。
日本の高校生の4割超が生活習慣病予備軍!
厚生労働省研究班の調査で、高校生の4割超が高血圧、高中性脂肪、高血糖などの基準を超えた生活習慣病予備軍になっているという驚きの事実が明らかになりました。
中でも、“テレビの長時視聴”、“朝食を抜く”などの生活習慣がある子のほうが、数値が悪かったという結果が。
この問題には、食が大きく関係しているのは明らかです。
これからの未来を担う子どもたちの健康を守るためにも、様々な角度からの予防が必要です。
最後に
税制の意味
正しい知識を得て、自ら予防できる人は健康を守ることができ、知識がない人は健康を害していく…。
それでは、ますます2極化は進むばかり。
国が税制という形であれ、国民の健康増進のため改革を起こすことは、大きな意味を持つでしょう。
このような健康問題が溢れる現代だからこそ、【食を大切にする】ということはとても重要です。
マクロビオティックな生活をすることは、健康維持にとても効果的なものの1つです。
実践した人は、それを体感することができるでしょう。
一人ひとりが健康に対する意識を上げ、それを家族や大切な人たちに広めていくことで改善できることがたくさんあると思います。
これからの日本の社会を作っていくうえで、今何を大切にするのか、今何を学ぶべきなのかを考えていきたいですね。
私は、息子が高校生になった時に、生活習慣病になってほしくないです。
だからこそ、今何をするべきなのかを真剣に考えたいと思います。
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