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農場で育った子どもたちは喘息やアレルギー発症リスクが低いのはなぜ?親子でできる環境教育と食育をご紹介

農場で育った子どもたちは喘息やアレルギー発症リスクが低いのはなぜ?親子でできる環境教育と食育をご紹介


いまや現代病と言われる子どもたちのアレルギー性鼻炎や花粉症。

早いうちですと2歳から花粉症を発症したという話も聞きます。

さて、アレルギーに関して少し気になる話題が飛び込んできました。

「農場で生まれ育った子どもに喘息やアレルギー発症リスクが少ない」

過去に知人が、乳児期に家畜に触れる機会があると免疫がつくよ、とアドバイスいただいたことがありましたが、あながち間違ってはいなかったように思えてきます。

実際に海外の研究論文では「農場で生まれ育った子どもたちに喘息やアレルギー発症率が低い」という結果が出ていると発表されています。

そうは言っても自宅は農場ではないんだよね、という方も多いはず。

我が家も同じ、畑こそあれど家畜はいません。

そこで、今回お伝えするポイントは下記の3つ

・農場で生まれ育った子どもたちにアレルギー疾患発症率が低い
・住環境別で発症率が異なる理由
・親子で実践してみよう、自然と触れ合う環境教育と食育

ここは私の価値観かもしれませんが、五感をフルに使い体験する、ということは幼児期にとってとても重要だと考えます。

記事の後半で、環境教育についてもお話しますのでぜひ参考にされてみてください。

農場で生まれ育った子どもたちはアレルギー発症率が低い



今回のテーマ、家畜の住む農場で育った場合、アレルギー性鼻炎や喘息の発症抑制に根拠はあるのかを調べてみました。

乳幼児期に家畜と農場で生活するとアレルギー性鼻炎の発症が少なくなる傾向がある

スウェーデンのコホート試験で、12歳時点のアレルギー性鼻炎の発症リスクを調査した結果、参加した子ども4777人のうち22%はアレルギー性鼻炎の症状があると回答しました。

アンケートによると平均発症年齢は7,8歳で、何に反応するかという調査には花粉が85%、毛のある動物に34%、ダニが17%という結果になりました。

毛のある動物とは家畜も含まれます。

論文では、4歳から12歳のうちに継続して家畜と農場で生活をするとアレルギー性鼻炎の発症リスクが低下したことが発表されています。(※)

住環境別によってアレルギー発症率が変化する可能性がある理由



住環境によってもアレルギー疾患をはじめ、腸内細菌叢、腸管免疫系、気管支喘息との関わり方が異なってくることが疫学データでわかっています。

1989年イギリスの小児科では17,414人の小児を成人になるまで追跡し、アレルギー発症と住環境の関連性を調査したところ、都市部より農場で育った子どもの方が気管支喘息やアトピー発症頻度が低下したことがわかりました。

ここで気になるのが、都市部と農場にどんな違いがあるのかという点です。

都市部と農場の住環境の大きな違い

疫学的な調査によると、農場の子どものマットレスには細菌や真菌が多いことが認められています。
乳幼児期から部屋のマットレスに住む多様な微生物と触れ合うことによって、その後のアレルギー疾患の発症率が低い傾向が見られます。(※)

ロシアとフィンランドでは農場で育った子どもと農場で育っていない子どもの発症リスクの比較調査が行われました。

その結果、農場で育った子どもは農場に住む微生物と触れ合う機会が多く、ぜんそくやアトピー発症率が有意に低いということがわかっています。

都市部におけるアレルギー悪化の要因



厚生労働省の調査によれば、0歳から14歳の子どもたちの40%以上でアレルギー症状を持っていること、また中でも都市部に至っては4歳以下の子どもたちの51%が何らかのアレルギーで悩んでいるという状況です。

30年前と比較しても気管支喘息は10倍、アトピー患者数も5~10倍に増えています。

都市部で増加傾向にあるアレルギー症状の理由を調べたところ、

・排気ガスなどの大気汚染
・添加物だらけの食生活
・エアコンで家ダニが増加した

という環境の変化が理由としてわかっています。

住環境においては簡単に変えるというのは難しいかもしれませんが、食生活は変えることが可能です。

「食品添加物がアレルギー症状を起こしやすくする」ということについては、タール色素の赤色102号、黄色4号、黄色5号、保存料の安息香酸ナトリウム、パラベンがあげられます。

また、レトルト食品、抗生物質の過剰使用、防腐剤が含まれた食品などもアレルギー発症リスクが高まる原因として考えられます。

加工食品の摂取が多くなると、腸内バランスのアンバランス化が起きてきます。

わたしたちの体の免疫細胞の6割が小腸にあり、免疫バランスを整えています。

心がけたいことは、極力無添加の食品やオーガニック認証のある食材を選ぶこと。

さらに、乳酸菌やビフィズス菌などの有用菌が含まれる食品をとると花粉症予防にもつながることがわかってきています。

農場のホコリがぜんそくを予防している可能性がある



家畜の毛による微生物だけでなく、農場のホコリがぜんそく予防と関係しているのではないかという研究結果もあります。

アメリカのキリスト教の一派アーミッシュの子どもにぜんそくが少ない理由が、家の中にある特定の種類のホコリが関係していると研究で明らかになりました。(※)

アーミッシュの家のホコリには微生物生産物が豊富に含まれているとのこと。

ここで注意したいのは、アーミッシュの家は掃除が行き届いていない、ということではありません。

部屋は綺麗に掃除されており、目立つ汚れはなく清潔を保たれています。

では、ここでいうホコリとは何かということですね。

アーミッシュは単一家族の酪農場で生計を立ててて、農作業のため馬と生活しています。

さらに隣接する納屋があり、子どもたちは素足で納屋に出入りしているとのこと。

空気中やホコリの中に存在する微生物生産物が子どもたちに天然免疫力を与え、ぜんそくの発症リスクが低いということがわかりました。

アレルギーのリスクを抑えたい!家庭で実践できる環境教育と食育



私たちは生まれるまではお母さんのお腹の中で過ごします。

体内は無菌状態なので、生まれた瞬間から様々な微生物に遭遇し、体は慣れていき抵抗力をつけていきます。

乳児期は成長に伴い、微生物や細菌が体に侵入して免疫バランスが保たれていきます。

乳幼児期に食物アレルギーやアトピーを発症していたという子どもも、成長する段階で自然と発症しなくなったという場合、免疫細胞のバランスが整っているからと考えられています。

しかしながら、現代は食生活の変化による必須栄養不足などにより体内の免疫反応が過剰な状態になりがち。

結果的にアレルギーを発症しやすい体を自らが作ってしまう傾向にあります。

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アレルギー発症率の低下につながる?食生活の面で気をつけたいこと

農場が近くにないから対象外、というわけでなく、仮に何らかのアレルギーを発症してしまっても腸内バランスを整える食生活で重症化するリスクを避けられる可能性もあります。

生まれてからいかにたくさんの種類の微生物に遭遇する環境であるかが、後々のアレルギー発症率を低くするかにもつながると言われています。

都市部においてアレルギー症状を発症する傾向が高いのは統計でわかっていることですが、食生活においては場所関係なく意識できることです。

食生活についてまとめると

・無添加食材、オーガニック認証のある食品を選ぶ

・乳酸菌、ビフィズス菌などの有用菌を積極的に摂取する


上記以外にも、亜鉛の摂取がアトピー対策になるというお話もあるので、それはまた後日に詳しくお伝えできたらと思います。

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自然と触れ合う環境づくりや体験を増やしてアレルギー発症リスクを抑える



一部では過度な衛生管理も免疫バランスを崩すという意見もあります。

こんなご時世ですから、もちろんウイルス感染には気を配りたいところですが、住環境な過剰な衛生管理の徹底が微生物や細菌に触れる機会を減らしかねないということにも繋がります。

決して掃除が不要!ということではありません。

農場で生まれ育つ、という環境にない場合でも自然との関わりを増やす機会はたくさんあります。

1950年にデンマークで誕生した就学前教育として「森の幼稚園」があります。

森の幼稚園は名前の通り自然の中で活動する時間の多い自然体験型の幼稚園です。

本やイラスト、動画だけではなく、実際に様々な動物や植物に直接触れ合うことで、すべての生物には命があることを学び、自然を大切にしようという心が育まれることを目的としています。

幼児期から動物に触れる植物に触れることで、今回のポイントである後のアレルギー発症率を低くするという対策になり得るのではないかと考えます。

日本でも2007年に「森のようちえん全国ネットワーク」が設立され、自然の中で保育や野外活動を行なっている団体や個人の方が増えています。

近くに森がない!という場合も、森の幼稚園という名称だけではなく「自主保育」や「自然保育」「野外保育」「自然学校」などで検索するともしかしたらお住まいの近くで見つかるかもしれませんね。

(参考)先進的な諸外国における幼児期における環境教育の在り方と 我が国における今後の展望


最後に、私が実践している環境教育をお伝えしますね。

私の住む環境は都会でもありながらも10分も車で走れば山や川にたどり着く場所。

とにかく毎週、自然歩道をハイキングをするか、近くに牧場のある場所で森林キャンプをしています。

週末にどうしてもできないという日は、自宅の小狭い庭でテントを張り、子どもたちと素足で土の上を歩きます。

ここまでくると「ちょっと変わった人」と思われるかもしれませんが、整ったベッドで就寝するとは違った、比べものにならない心地よさを感じます。

環境教育についてまとめると

・乳幼児期から自然と触れ合う体験をする
・毎日は難しくても週に数回、大地に触れる


自宅が農場でなくても、環境教育は多方面からアクセスが可能です。

地球の微生物と共存する術は無限です。

あなたは、どんな方法で地球と触れ合っていますか。

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