本当の美しさって一体何?正解なんて存在しない、個性と多様性が尊重されるみんなのための美の時代
本当の美しさって一体何?正解なんて存在しない、個性と多様性が尊重されるみんなのための美の時代
春ですね。
すべての生き物が芽吹き、移り変わっていく時期になりました。
咲き誇る桜に足をとめ、その美しさにひと息をつかれる方も多いのではないでしょうか。
さて、「美」というのは本来とても主観的なもの。
生まれ育った文化や肌の色、体形によってその基準はさまざまであるはずなのに、どうしてメディアなどで私たちが普段目にするものは
細い・色白 etc..
こうまでも統一的なのでしょうか。
100人いたら、100通りの美しさがあっていいはず。
その一方で、大手海外ブランドが、腕毛の処理をしていないナチュラルなままの女性モデルを起用したりと、その動きは少しずつ変わりつつあります。
全ての人に自分に合った「美」を見いだして楽しんでほしい。
今回は、その変化を紹介していきたいと思います。
一般的な「美しさ」は皆のものではない
業界大手ユニリーバが宣言した“normal”へのNO!見かけの美しさはもう古い?
イギリスを拠点にワールドワイドに展開するユニリーバは、今月9日に「ノーマル」という言葉を全世界の自社の美容製品の宣伝・販売・パッケージから取り除くことを発表しました。
また、それに伴い、広告等に載せる写真の体形・肌の色等の修正や加工を禁止し、色んな人種や体形の人の登用を増やしていく意思を述べています。
同社が10000人に行った調査では、実に10人のうち7人の人が、美容製品のパッケージに記載されている「ノーマル」という表記には、否定的な影響があると語っていることが明らかになっています。
さらに、74%以上の人が美容業界に対して、単なる見かけの美しさではなく、心から気持ちよくいられることへのシフトを求めていることも分かっています。
毎日、目にする広告や使用する製品には、私たちが思っている以上に影響力があります。
特定の人だけではなく、例えばLGBTQIA+コミュニティの人たちを登用したり、年代もさまざまな人びとが宣伝に起用されることによって、既存のこうあるべきという思いこみが変わる大きな一歩になるのではないでしょうか。
参考:ユニリーバ
“小さなひと”シネアド・バークが語る「平等な美しさ」とは
突然ですが、みなさんはアイルランド出身のシネアド・バークという女性をご存知ですか。
教育者であり、作家でもあり、社会を変える活動を続ける彼女はまたVOGUE誌の表紙を飾ったことのあるモデルでもあります。
骨の形成が阻害される軟骨無形成症をもつ彼女の身長は105センチ。
装うことが大好きな彼女にとって、欲しい服が全て体に合わないのはとても悲しいことでした。
そして、デザインがインクルーシブ(すべての人を含むこと)ではないことを身をもって学びます。
自身を「ケオスクリエーター」と語る彼女は、現在 “Titling the Lens” (レンズを傾けて)というコンサルタント会社を経営しています。
教育、提唱、そしてデザインを通じて、障碍を持つ人だけではなく、すべての人に平等で利用しやすいもの・ことのアイディアを届ける、それがこの会社の活動です。
美からは少し話がそれますが、TED Talks “なぜデザインは全てのひとを含むべきなのか?” では、自身がニューヨークに1人で旅をしたときの空港のデザインについて語っています。
またコーヒーショップでのドリンク注文から公衆トイレの使用にいたるまで、それらのデザインが全ての人に使いやすいようにできていないこと。
そして、それが彼女のような立場にある人にとってどれほど大変で、時として人としての自尊心すら奪う可能性があるかということ。
普段の生活の中では、実際に自分がその立場にたたない限り、相手の置かれた状況を理解するのは難しいことです。
そして、障碍があるなしに関わらず、好きなものを装いおしゃれを楽しむ権利は誰にでも平等であるべきです。
「目をあけて周りを見て欲しい」
そう彼女は訴えています。
【出典】
The Guardian
Sinéad Burke
VOGUE
一般的な「美しさ」にとらわれない!ボディ・ポジティビティ(Body positivity)って何?
このところ、Body positivityというハッシュタグをSNSで見かける機会が増えてきました。
これは、社会的にいわゆる美しいと思われている標準に捉われず、すべての人が自分のボディイメージに肯定的な気持ちをもつ権利があることを訴えている活動です。
現実的ではない、細すぎる体形へのあこがれの危険性を語ったり、みんながそれぞれの体形・外見にたいして自信をもつことができるようにサポートしたりと、その活動は多岐に及びます。
だれしも、自分の体形の好きな所や・これには少し納得できないなと思うパーツがあるのではないでしょうか。
意識を無理やりに変えなくても、少しずつ私はわたしでいいんだと悩みながら進んでいくのが、結論として「自分を愛する」という事に繋がるのではないかと思います。
【参考】very wellmind
美しさに対するOwn choice~脱毛するかしないかは他の誰でもないわたしが決める
全てはここから始まった
突然ですが、みなさんは海外の脱毛事情をご存知ですか?
海外出身のわたしの友人の多くは、腕の毛は基本そのまま、腋毛は剃るときもあるけど伸ばしているときもある、足の毛は人によって剃る・残すさまざまです。
わたしは、20才の時に北海道のバイト先で出会った自分以外全員の女性が何らかの脱毛処理を腕・足に施していることに衝撃をうけたほど、ある時期まで脱毛とは無縁の生活を送っていました。
しかし悲しいかな、いちど気付いてしまった「毛が生えているのは恥ずかしい」という意識はわたしの中に深く深く沈んでいき、今もとぐろを巻いています。
それからは、周りの人の脱毛事情が気になって仕方がなくなりチェックし、日本に限って言えば十中八九、わたしの年代の人は脱毛処理を行っているのではないかという結論にたどり着きました。
とはいうものの、脱毛サロンに通う事にそもそも疑問があったのと、「毛は抜くと太くなる」という母の教訓から、特にこれといった手足の脱毛処理をすることもなく、3年という月日が、半ば開き直りの心情とともに過ぎ去っていきました。
そして迎えたポルトガル生活。学校でチェックしたのはもちろん他の人の「毛事情」です。
衝撃をうけました。足の毛がみんなわんさか生えています。中には剃っている人もいますが、わたしのクラスでは20数人いる女性のおよそ半数以上がそのままです。
そして彼女たちは足に毛が生えているといったことで自分を恥ずかしく思う様子など微塵もありません。力強いアーティストたちです。
外国にいるという解放感?と長年のひそかなる憧れ、つるつるの足を手に入れたいと思ったわたしは、一念発起して昨年の11月に某メーカーのワックスを買い、脱毛に挑戦してみることにしました。
結果は、上々でした。
痛みもあまりなく、もともと毛が薄かったのも相まって、ことのほか呆気なく済みました。
嬉しくなったわたしは、その夜友人宅で催されたお誕生日会でその出来栄えを複数の友人に自慢します。
そして、わたしは予測もしていなかった会話に遭遇します。
シモーネの場合
オーストリア出身、私の通うサーカス学校ではエアリアルシルク専攻の彼女は、賑やかで素敵な笑いをもつ強いひとです。
彼女はなんと過去に毛が生えていることに関する恥やそれで判断されることへの疑問・憤りを誌に綴りインスタグラムにあげています。
その中から、特に心に残った数章をご紹介します。
シェイビング
毛が生えているのは、成熟した大人の女性として当たり前のことであって、わたしたちは生まれたての赤ちゃんではないのだ。
見かけがいいと思う人がいるからというだけで、それが一体なんだというのだ。
もしかしたら、あなたは毛が生えている=女性らしくないという考えにしばられ、素晴らしいひとを見逃しているのかもしれない。
毛を剃る・剃らないは、個人の選択にゆだねられるべきであって、生えているからといって、公衆の面前で恥ずかしい思いをする・させられるべきではないのだ。
マリンの場合
マリンもオーストリア出身で、学校ではエアリアルシルクと空中ブランコを専攻しています。
数年前、脱毛に疑問を感じた彼女は、1年ほどまったく足の毛を剃らずに放置し、1年後ワックスで脱毛しbefore afterの写真をインスタグラムに投稿しています。
彼女たちに共通するのは、既存の意識に疑問を持ち実践し、世間に訴えかけるつよさ。
そして、口をそろえて言うのは、
『この問題は本人の選択であって、毛が生えている・生えていないで判断されるべきではない』
と言います。わたしも賛成です。
その後、わたしは再び足の毛をワックスで脱毛しました。
ですが、混みあがってきたのは別に生えていたっていいじゃないかという気持ち。
足がつるつるだと自信が出るのも間違いではありません。
ですが、それだけではないと思うのです。
わたしの韓国の友人は、肌が敏感なため、いかなる脱毛方法も肌にあわず、そのままで生きています。
剃りたいときには剃るし、脱毛したい人はすればいい。
ただその選択が、他の人がそうしているから、社会的に恥ずかしいからという理由からきているのであれば、一度立ち止まってみて欲しいのです。
なぜそう思うのか・思わされているのかと。
「美」は自由であっていい!自分らしい美しさを見つけよう
これは、脱毛だけに関することではありません。
当たり前とはなんなのか。
わたしたちが普段美しいと思っている考え方は、実のところ、とてもとても狭いものではないか。
そしてごく一定の人以外を省いてしまっているのではないか。
誰かのまねをするのもいいけれど、なにより自分が本来持っている肌の色や・体形に寄り添った美しさを見つけていってもらえたらなによりだと思います。
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