自己肯定は免疫力を上げる!?ありのままの自分を受け入れる「セルフ・コンパッション」で、毎日をもっと幸せに
自己肯定は免疫力を上げる!?ありのままの自分を受け入れる「セルフ・コンパッション」で、毎日をもっと幸せに
みなさんは自分自身のこと、心からケアできていますか?
よく、日本人は自己肯定感が低いといわれますが、「最低限は不自由なく暮らせているし、不幸ではない」と思っている方も多いようです。
ところが、
2020年度版の世界幸福度調査(World Happiness Report 2020)によれば、156か国中69位。
しかも、年々順位を下げています。
複数あるスコア要素のうち、寛容さの低さが特に著しく、幸福度を上げられない大きな要因となっています。
他方、現在のコロナ禍において、欧米を中心に「セルフ・コンパッション」という概念が注目されています。
精神面・身体面の健康に深い関わりを持ち、さらには免疫力アップの効果があるといわれる、セルフ・コンパッション。
自己肯定感が上がるセルフ・コンパッションを実践すれば、毎日の暮らしがもっと楽に、豊かになるはずです。
自己肯定感を上げたい!セルフ・コンパッションとは?
セルフ・コンパッション(Self Compassion)は、2003年ごろから用いられはじめた、比較的新しい言葉です。
この概念の第一研究者、クリステン・ネフ博士によれば、定義は以下の通り。
「コンパッション(compassion)とは、困難を抱える人に対する共感や愛情、思いやりの気持ち。
セルフ・コンパッション(Self Compassion)とは、同様の感情を自分自身に向けることです」
つまり、自分自身に対し寛容な気持ちで親切に接する心、もしくはそのスキルを指します。
英語の言葉こそ新しいですが、実はセルフ・コンパッションは、仏教で説かれる「中道」「慈悲」「マインドフルネス」といった概念に着目したことから生まれました。
スピリチュアルな響きのように聞こえるかもしれませんが、心と身体の健康にまつわる研究が進み、数々のリサーチ結果が報告されています。
自己肯定感を高めるセルフ・コンパッションの、3つの構成要素
セルフ・コンパッションは、主に3つの要素で構成されているといいます。
- 自分への優しさ(Self-kindness)
自分の強み・長所を認め自分を慈しむこと- 共通の人間性(Common humanity)
「失敗や困難を経験するのは誰にでもあること」という逆境への肯定的な認識の仕方- マインドフルネス(Mindfulness)
今この瞬間への気づきを高め、「慈悲と慈愛の心」を育む
(引用:セルフ・コンパッション(self-compassion)とは? | EARTHSHIP CONSULTING)
近年は特に「マインドフルネス」という言葉をよく聞きますね。
自分自身の感情や状況を俯瞰し、観察することによって「慈悲・慈愛の心」が育まれます。
慈悲・慈愛の心は、自分か他人かに関係なく「思いやり」「親切さ」といったセルフ・コンパッションの概念に深く通じるのです。
自分が苦痛を経験したときに、寛容な心で「みんなそういうこと、あるよね」と自分自身に接すること。
他人からの評価を気にするのではなく、ありのままの自分を受け入れるスキルがセルフ・コンパッションです。
研究から見る、セルフ・コンパッションと健康の関係
2003年ごろから現在にかけて、個人の思考やストレス・仕事での対人関係・さらにはスポーツといった幅広い分野において、セルフ・コンパッションの効果が実証されています。例えば最近のある実験(※)では、135人の生徒を複数のグループに分け、セルフ・コンパッションの講義と自己批判(Self-criticism)の講義を受けさせ、それぞれの心拍数や発汗量を観察しています。
その結果、セルフ・コンパッションの講義を受けたグループは、自己批判の講義を受けたグループに比べ、心拍数や発汗量が落ち着いていました。
また別の研究(※)では、セルフ・コンパッションの実践によってストレスやイライラを抑えるだけでなく、
うつ病・消化器官の疾患・不眠症・体重増加といった、さまざまな病気のリスクを減少させる効果が見られました。
どのような心持ちでいるかによって、個人の健康や暮らしに大きな差が出ることを示しています。
自己肯定=ナルシストではない!自分を受け入れると、自然と周りを認められる
ところで、先ほどの概念の説明の中で、ネフ博士はこう付け加えています。
「セルフ・コンパッションは、他人に抱く共感や思いやりの感情を、自分にも同じように向けること。
自分本位・わがままで身勝手な感情とは異なります」
日本語で「自己肯定」と聞くと、メディアでの用いられ方から「犯罪などに通じる、ネガティブな概念」と思い込んでいる方もいるようですね。
しかしそれは「自負心」や「ナルシズム」に近いのではないかと思います。
自己肯定は、自分と誰かを比べて、相手に一方的な妬みや憎しみの感情を抱くことではありません。
もしくは、不健康な自己愛によって自信過剰になり、自分自身の可能性や能力を見誤ることでもありません。
また、自己肯定の和訳に「セルフ・ラブ」が用いられることもあります。
セルフ・ラブは「ありののままの自分を愛すること・健康な自己愛」を指しますが、そのためにはまずセルフ・コンパッションのスキルを得ることが必要だと思います。
自己肯定に繋がるセルフ・コンパッションとは、自分自身のいい面も悪い面も認め、寛容な心で接すること。
自分自身を認め、受け入れることで、自然と相手を認める気持ちが生まれれます。
自分を認めることで、初めて家族やパートナー・仕事での対人関係を上手に築けるようになるのではないでしょうか。
気づき① 北欧生活で感じた「自分の機嫌は自分でとる」の大切さ
ここで、筆者の体験談に基づく気づきをお話しさせてください。4年ほど前、北欧ノルウェーにしばらく暮らしていたときのこと。
ノルウェーで出会った人々は、揃ってみな穏やかで親切。いつも心に余裕があるように感じられました。
しかも個人のみならず、社会全体に似たような穏やかさを感じられるのです。
福祉国家として名が知られ、男女・マイノリティへの平等意識が高いノルウェーは、筆者が滞在した年の世界幸福度ランキングで1位を獲得しています。
なぜ、みんなこれほどまでに幸せでいられるのだろう?と疑問に思っていたとき、知人にいわれたこと。
「ノルウェー人はみんな、自分で自分の機嫌をとっているよ。周りにイライラをぶつけたり、理不尽に怒るなんて恥ずかしいことだから」
この”自分で自分の機嫌をとっている”という言葉を聞いて、なるほど、と腑に落ちたことを覚えています。
同時に、かつての自分が、機嫌をそこねて相手に八つ当たりをしたり、何も言わず黙り込んでしまったり、随分と理不尽なことをしていたものだなあ、と深く反省しました。
ですが、また当時に「自分で自分の機嫌をとれば、周りの人にやさしくできるし、結果的に自分自身も幸せでいられるのだな」とも感じたのです。
気づき② 瞑想体験で感じた「自分自身を観察すること」で生まれる”認め、受け入れる”心
しばらくして日本に帰国すると、すぐに筆者はある瞑想センターへ行きました。
インドを中心に世界じゅうで実践されている、ヴィパッサナー瞑想の10日間コースに参加するためです。
最も古い瞑想法のひとつといわれ、近年はやっているマインドフルネス瞑想に共通する部分があります。
10日間ひたすら自分と向き合う中で、だんだんと自分を俯瞰できるようになり、いつの間にか考え方が変わっていました。
「色々あっても、自分は自分。いいところも悪いところも、すべて受け入れよう」と思えるようになったのです。
自然と自分以外の人に対しても、同じように静観できるようになり、”認めて、受け入れる”ことが以前より難しくなくなりました。
自己肯定感が下がるのは、他人と自分と比べることで自分自身に失望したり、「自分にはできない」と諦めの感情が生まれるからだ、と気が付いたのです。
気づき③ロックダウン下で役に立った!「自分のいちばんの味方は、自分」というマインド
更に時は過ぎ、去年の秋ごろからリトアニアに暮らしはじめました。しかしまもなく、リトアニア全土のロックダウン期間に突入します。
さらに北欧の冬は本当に太陽の出る時間が少なく、現地の人でも季節性うつ病になることがあるほど。
ろくに友だちもいない中、筆者は毎日の瞑想を続け、常に「自分自身に寛容であること」を心がけました。
北欧で最も過酷といわれる冬の時期。そこに追い打ちをかけるように続く、ひとりぼっちのステイホーム生活。
そんな中で、常に自分自身を俯瞰し「今日もよくやっているよ、自分」と寛容に接し続けることが、自分自身の助けになっていると感じました。
食事・睡眠のバランスや、ときに蜜蝋キャンドルのような癒しアイテムの力を借りながら、体調を全く崩すことなく、今日まで過ごせています。
どんな環境にいても、自分を味方につけることで、心身ともに健康でいられるのだな、と実感しました。
少しずつロックダウン規制が解かれつつある現在も、セルフコンパッションのマインドは心がけるようにしています。
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無理なく始められる!セルフ・コンパッションを高める3つの実践
セルフ・コンパッションを高めるには、自分を俯瞰し、自分を知ることから始まります。
「知る」プロセスの中で見えてきた長所や短所、自分自身の構成要素を理解し、認めることが何より大切です。
自分を認めることで他人を認めることに繋がり、お互いの価値観を尊重できるようになるため、家族やパートナーとの関係づくり、仕事の対人関係・コミュニケーションにも効果的です。
毎日の習慣に少しずつ取り入れ、無理なく続けられる3つの効果的な実践方法を紹介します。
実践① マインドフルネス瞑想
マイクロソフト社のビル・ゲイツや俳優のエマ・ワトソンといった、数々の著名人が実践していることで話題のマインドフルネス瞑想。人によって実践法やルールは多少異なるものの、”今の自分”にフォーカスすることを重視しています。
日々の生活の中で、スマホやパソコン・本といったインプット手段に溢れ、なかなか「自分自身を観察する時間」を取りにくいもの。
だからこそ静かに自分と向き合う時間は、その日の状況整理のためにも、心身の健康のためにも大切です。
はじめは1日5分でも大丈夫。慣れてきたら少しずつ時間を延ばし、朝起きた後と夜寝る前に行うと、より効果的です。
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実践② ジャーナリング
平たく言ってしまえば「日記」なのですが、単なる日記とは少し違います。
ジャーナリングでは、その日の出来事ではなく、そのとき自分がどう感じたか?もしくは今どう感じているか?を綴ります。
文字に書き起こすことで、自分の状況を俯瞰でき「ああ、わたしはこんなことを感じたのだな」と理解できます。
毎日でなくても構いません。箇条書きでもいいんです。
とにかく自分の感情や状況をアウトプットし、今の自分を知ることが大切ですよ。
実践③ 日々の言葉を意識して「すみません」から「ありがとう」へ
日常のあらゆる場面で、つい「すみません」と言ってしまうこと、ありますよね。「言霊」というワードがあらわすように、思っていなくても口に出して言葉にすると、自然と心に影響するもの。
心から謝っているつもりはなくても、「すみません」を言い続けると、心にとても負担がかかってしまいます。
そんな時、「申し訳ない」から「ありがたい」の考え方にシフトしてみましょう。
ある調査(※)では、1日に「ありがとう」をいう回数が多い人ほど、ストレスが少ない傾向にあることが分かっています。
いつも「すみません」と言っていたところを「ありがとう」に切り替えると、幸福感がアップ。
自然と気持ちが寛容になり、ポジティブな考え方ができるようになるはずです。
自己肯定感を高めるセルフ・コンパッションは、健康と幸福への第一歩!
目に見える食事や、仕事パフォーマンスに直結する運動と睡眠を重視するものの、なかなかメンタル面まで目を向けられていない人は多いのではないでしょうか。
いくら上質な食事・物質的なアイテムを使っていても、心が健康でないと「やってられない!」と思う日が必ず来てしまいます。
セルフ・コンパッションのスキルを知っていれば、自分の良し悪しを認めて寛容に接することができ、どんな状況でも無理なく日々を過ごせるはず。
不安や焦りの感情が生まれても冷静に対処でき、自己肯定感が自然とあがります。
自分を味方につけて、心身ともに健康で幸せな毎日を過ごしましょう。
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「自分なんて」を卒業しよう。自己肯定感が高い人の思考習慣。生まれた時は皆持っている自己肯定感をシンプルな方法で取り戻すコツ。
<参考URLリスト>
Self-Compassion
15 Most Interesting Self Compassion Research Findings
四天王寺大学紀要 第 56 号(2013年 9 月)―ナルシシズムとセルフラブ、および、質的な性差に焦点を当てて―松 並 知 子
セルフ・コンパッション尺度日本語版の作成と信頼性,妥当性の検討
セルフ今パッション測定シート
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