毎日吸い込んでいる空気が及ぼす作用と空中の有害物質を出来る限り吸い込まない方法。
誰も汚れた空気を吸いたくない!と思うのは当たり前ですよね。
しかし、きれいな空気と汚れた空気を選り分けて吸うことはできません。
近くでタバコの煙が煙っていたら吸いたくなくても、吸ってしまいます。
ヒトは、一生に約3億リットルの空気を肺に取入れ、全身の細胞に酸素を供給しています。
人間は、自然界に存在しない化学物質を多く作り出し、快適空間を創ってきました。
その結果、空気中に汚染物質が存在し、その空気が健康に悪影響を及ぼすとしたら、どう思われますか?
今回は、休むことなく吸っている空気に関して、関心を持ってもらえれば幸いです。
空気の「質」に注目
空気は生き物
地球が誕生したのは約46億年前とされています。原始地球の大気は、水素とヘリウムが主成分でした。
やがて強い太陽風によって吹き飛ばされ、どろどろのマグマの玉のような原始地球は水蒸気と炭酸ガスに覆われ、水蒸気の濃縮によって海が形成されました。
この海に二酸化炭素が溶け込み、水蒸気の光分解によって酸素が少しずつ作られるようになりました。
約4億年前に酸素濃度は10%程度になったと考えられています。
現在の空気の組成(成分と体積百分率)は
酸素 O2 20.93%
窒素 N2 78.10%
アルゴンAr 0.93%
二酸化炭素CO2 0.035%
ネオンNe 0.0018%
ヘリウム He 0.0005%
クリプトン Kr 0.0001%
キセノン Xe 0.000 009%
再認識しましょう…空気の大切さ
「食べ物が無くても5週間、水を飲まなくても5日くらいは生きる」と言われています。しかし、5分も呼吸を止めれば死に至ります。
シックハウス症候群や花粉症などのアレルギー疾患がきっかけになり、
部屋の空気の汚れがクローズアップされ
「我が家の空気はどうなの?」
「家族の健康をこのまま保てるの?」
と空気の“質”に関心が高まってきました。
生きて行く上で必要不可欠な大切な空気について水と同じように、ただあれば良いだけなく、より健康的で安心できる良質さを求める事が大切です。
室内空気は、室外よりも汚れている!
空気の主成分は、酸素と窒素、アルゴンです。
しかし、室内の空気になるとこの成分以外に目には見えないホコリ、
花粉、ダニの死骸やフン、カビ、タバコの煙、細菌や生活で発生するガス(一酸化炭素・窒素酸化物など)が紛れ込んでいます。
特に最近の住宅は、気密性が高く、計画的に換気を行わない限り、
健康的な室内環境であるとは言えません。すなわち思った以上に汚れているのです。
米国消費者連盟(Consumer Federation of America)では「室内の空気は、換気が足りない場合、室外の空気の10倍も汚れていることがある」と報告しています。
室内にいる時間は15時間以上
NHKの生活時間調査(2000年)によると、成人が室内で過ごす時間は、
1日平均15時間以上というデータがあります。仕事をされている方の平均は1日13時間14分。
主婦や高齢者の場合20時間23分になり、外で仕事をされている方には意外な数値になっています。
これだけ長く室内に居るのですから室内空気の「質」に関心を持つのは自然なのです。
大きな問題は室内空気の汚れ
換気
最近の住宅は、気密化と密閉性が向上し冷暖房も普及したため換気の回数が減っています。そのため建築基準法で換気設備の義務付けされ、
高気密・高断熱の住宅やマンションには24時間換気できる事も定められています。
ただ揮発性の有機化合物の対策には、換気だけでは不充分です。
色々な室内空気の汚れ
以前は室内の汚れと言えば、タバコの煙が一番でした。しかし最近は、ダニやカビなどのハウスダストや花粉なども汚染の原因になってきました。
これらは、不快感だけでなく種々のアレルギー発生の誘発因子になっています。
高気密住宅やマンションは、ダニやカビが発生しやすい温湿環境になりやすく、
窓を開いたり換気扇を使って空気の入れ替えが必要です。
しかし、室内環境を健康的な状態に保つ事はできません。
シックハウス症候群
シックハウス症候群は、住居に由来する様々な健康障害の総称です。原因は、新建材や塗料などに含まれる化学物質で、その症状は室内では強くなります。
あいまいな室内環境ルール
多くの人が集まる建物には「ビル衛生管理法・建築物衛生法」によって室内基準が決められています。しかし、一般の住宅には建築基準法で建材の一部使用制限や換気設備の義務化はありますが、管理などに明確な規定はありません。
そのため室内環境を保つためには「自分の空気は、自分で守る」という意識を待つ事が大切となりました。
汚れは身近なところに
「タバコを吸わないから部屋の空気は汚れていない」と思う方の多いのではないでしょうか?実は、汚れの発生源はタバコだけではありません。
身体から出るフケやアカ、化粧品からの微量物質、繊維クズ、外部から付着したホコリ、ペットの抜け毛や細菌、
ダニの死骸やフン、掃除機をかけて舞い上がるホコリ、壁紙や建築部材からの化学物質など数え切れない発生源が室内のあらゆるところにあると言っても過言ではありません。
室内空気の汚れの状況を常に意識することは、健康で快適な毎日を過ごすために大切な事です。
汚れの大きさ
主な汚れの種類は、チリやホコリなどのハウスダスト、タバコの煙、花粉、ダニ、カビ、ウィルス、建材からの化学物質と様々です。
大きさは、目に見えるホコリから超微小な細菌までとかなり異なり、
ダニの死骸が0.5mm、そのかけらやフンは数マイクロメーター(μm)、花粉は5~100μm、タバコの煙は0.01~1μmです。
(1マイクロメーターは1mmの1000分の1の単位)また、浮遊粉塵と呼ばれる空中にただようホコリは、大きさ0.1~数10μm以上。室内空気には、多種多様の物質が潜んでいるのです。
室内空気を汚す、主な物質
ハウスダスト
いわゆるチリやホコリでカビやダニの発生源になります。
大きいのは掃除機で吸い取れますが、小さくなると空中に浮遊し呼吸器官に入り病気の一因となります。
タバコの煙
喫煙者が吸い込む主流煙よりも、副流煙の方が有害物質を多く含み非喫煙者にとっても大敵です。
さらにニコチンや種々の発がん性物質・発がん促進物質・一酸化炭素などの有害物質も含まれています。
タバコ1本当り主流煙1に対して副流煙に含まれるニコチン量は、2.8倍、
タールは3.4倍と報告されています。
『「喫煙と健康」喫煙と健康問題に関する報告書(厚生省偏・昭和62年)』
花粉
スギやヒノキ花粉はよく知られていますが、年中様々な花粉が飛散しています。排ガス(Nox)
自動車の排ガスに含まれる窒素酸化物の事で、外気を汚し、特に都心部や道路沿いに暮らす方々に影響が心配されます。化学物質
新建材や接着剤、塗料などに使われているホルムアルデヒドやトルエンや揮発性有機化学物質が室内環境に影響します。ダニ
家庭内には約150種類のダニが生息し、数は数千万以上と言われています。そのダニは、ふとん、カーペットや畳、クッション、ソファー、カーテンなどに生息しアレルギー性鼻炎や喘息の原因となります。カビ(胞子)
空中に浮遊する胞子(3~30um)は、喘息やアレルギー性鼻炎の原因となります。ウィルス
空中には多くの細菌が浮遊していますが、時には有害なウィルスがあり、せきやくしゃみ、会話中の口から浮遊する場合があります。ペット
室内犬や猫だけでなく種々のペットの毛やフケがダニやカビの増殖が原因となり、感染症を引き起こす可能性もあります。室内環境を改善しましょう!
室内空気の汚れを防ぐには、掃除をする事、換気を良くすることが大切です。
しかし、冷房や暖房のきいた部屋の心地よさが換気よって奪われることを考えると躊躇します。
また、外部からの汚れた空気の流入もあり考えものです。
さらにカーペットやクッション、家具の裏、衣服、化粧品、人体(フケやアカ)などの空気の汚染源がある以上、空気の入れ替えだけでは不十分です。
空気をきれいにする方法
掃除
掃除する際は、汚れの粒子を発生させるカーペットやクッションなど室内全体を常に清潔に保つ事が大切です。しかし、掃除機によっては微細なハウスダスト・花粉・ダニの死骸まで吸い取れないのが多いようです。
換気
定期的に新鮮な空気を取入れて入れ替えるが大切ですが、冷暖房の心地よさや外部から汚れた空気が入り込むことあります。また、防犯上や騒音、プライバシーの点からも何度も窓を開閉するのは怠りがちになり理想的な換気は難しいと言えます。
空気清浄機
室内空気の汚染物質である微小なゴミや微細な細菌、タバコの煙などを取り除く方法として空気清浄機が注目されています。吸い込んだ空気中の粉塵を捉え、ろ過をしたきれいな空気を送り出す仕組みで室内空気を清浄します。特長としては、
手間がなく、住宅環境にも関係なく、いつでもどこでも空気を効果的に清浄できることです。
時代のニーズに合っている空気清浄機
近頃は、健康・清潔志向の高まりと花粉症などのアレルギー患者の増加により、
健康や清潔に役立つ家電製品が注目されています。そして多くの方が健康を意識し、そのためにお金をかけるようになってきました。
こうした状況で、清潔な空気を作る空気清浄機の販売台数は、年々増えています。
雑菌・細菌・アレルゲンが除去できる、微細なゴミが取れる、脱臭機能がある、など健康的なイメージが定着し、さらに購入動機にもなっています。
注目の機能はアレルゲン除去
健康志向の高まりと共に数年前から各社とも色々なアプローチで差別化を図ってきました。マイナスイオン効果が注目され、その後、活性炭方式やプラズマ方式、オゾン触媒方式などの脱臭機能も本格化しています。
現在では、脱臭機能はもちろんのこと除菌機能やアレルゲンやホルムアルデヒド対策機能を備えた高付加価値の製品も増えています。
さらに電気代やメンテナンスコストも安く、静かなものといったニーズにも対応している製品が多くなっています。
空気清浄機のポイント
なんといっても空気清浄機を選ぶポイントは、きれいな空気をどれだけ作り出す事ができるのか?
どれだけ短時間に部屋の空気をきれいにして脱臭できるのか?
空気清浄機の清浄機能を作り出すには、大きくイオン式と機械式があります。
イオン式の原理は、電磁波を発生させ除去成分を電極に引き付ける方法です。
簡単にいえば、下敷きを擦ると静電気が発生します。
この下敷にホコリが引っ付くのと同じです。
あるメーカーのパンフレットには「強毒性鳥インフルエンザウィルス(A型H5N1)液をペトリ皿に入れ、〇〇〇を3時間照射すると100%分解・除去できる」と記載されています。
これは「空気の流動がない状態で、汚染成分の除去に3時間もかかる」ということ意味します。
この実験結果は事実と思いますが、部屋で動かなく長時間汚染成分の中で居る事は現実的でありません。
機械式は、フィルターを用いて強制的に空気を吸い込む方法で、イオン式より清浄能力があります。
どちらの方式でも清浄能力がはっきりわかる数値で示されていることが大切です。
指標は、CADR(Clean Air Delivery Rate:クリーンエア供給率)
CADRは、フィルターそのものの除去能力や風量を測るだけでなく「きれいな空気をどれくらい送りだせるか!!」
を測定し、その数値が空気清浄機の性能の評価基準になります。
一般的な空気清浄機の性能評価には風量が使われています。
これでは、きれいな空気が実際に送り出されている確証はありません。
したがって、CADRが大きい数値程、空気清浄能力が高いことになります。
この能力を保つために使用されるのがへパフィルターです。
へパフィルターは、病院での手術室の室内環境を清潔に保つために使われる高性能フィルターです。
このへパフィルターが多量に使われている一般家庭用空気清浄機を第一のポイントで選びましょう。さらにその空気清浄機によるアレルゲン物質・ウィルス・真菌(カビ)・細菌・花粉・化学物質など多くの汚染成分の除去能力を開示されていることも重要です。
私たち人間や動物は、酸素がなければ生きて行くことができません。
その酸素と一緒に取り込まれる空気中の異物や汚染物質によって、肺に負担がかかっています。
肺を正常に機能させ病気を防ぐには、自然豊かな所に居たり、きれいな空気を体内に取り入れ続けて健康的で素敵な人生を過ごされることを願っています。
IN YOU Marketで空気も変わる!
天然のリフレッシュ消臭・芳香スプレーゲット!
おすすめの記事
医療機関や代替治療でも注目を浴びるヨガの新たな可能性。初めての方でもすぐ実践できるヨガ流簡単呼吸法をお伝えします。人工的な香りから化学物質過敏症を発症し、人生を狂わされた人の事例をご紹介します。人工的に作られた「いいニオイ」の正体。香りがある日突然人生を狂わせてしまうかも。
市販の制汗剤で乳がん発症リスク、アップ?!体内外からベトつく腋臭や臭い汗を止めるオーガニックな簡単お手入れ方法
参考資料
「室内空気汚染のおはなし」 環境科学フォーラム 編 日本規格協会 発行「越境する大気汚染」 畠山 史郎 著 PHP新書 発行
「室内空気汚染のメカニズム」池田 耕一 著 鹿島出版会 発行
この記事が気に入ったら
いいね!しよう