抗菌石鹸がアメリカで販売中止に!過剰な抗菌志向はアレルギーや花粉症などの原因になる恐れが!?
抗菌石鹸がアメリカで今後販売中止になった
昨年9月のニュースで、「抗菌石鹸がアメリカでは販売中止になった」という事が話題になったのをご存知でしょうか?
このニュースを聞いて抗菌石鹸を使っていた方は、ゾッとされたことでしょう。
IN YOUをご覧になっている方の中には、すでに使っていないという人も多いかもしれませんが、
まだ世の中には抗菌石鹸や抗菌グッズが溢れかえっています。
抗菌という文字が付いたグッズもたくさんあります。
本当に私たちは「抗菌」する必要があるのでしょうか。
・すでに抗菌商品を使っている
・使用していないが、本当に悪いのか知りたい
という方に、実態を知ってもらいたいと思います。
まずは今回の抗菌石鹸について、アメリカの決断を知っておきましょう。
アメリカはトリクロサンなどを含む抗菌石鹸の発売を中止
アメリカは平成28年9月2日に、「19種類の殺菌剤を含有する抗菌せっけんなどの販売を禁止する」と発表しました。
この理由は、これまで使用されていた抗菌石鹸について、優れた作用があるとは言えず、
むしろ人体にとって不利益となることがあると判明したからなのです。
19種類の殺菌剤のうちトリクロサンとトリクロカルバンという成分は、
固形石鹸や液体石鹸など非常に多くの商品にこれまで使用されてきました。
トリクロサンは殺菌効果があるとうたっている液体抗菌製品のなんと93%に含まれており、
すでに2000種以上が販売されているともいわれています。
免疫系やホルモンへの悪影響があることが示唆された
しかし実際には、抗菌作用については普通の石鹸での手洗いと比べて、より効果が高いということを裏付けるような科学的な根拠がないだけでなく、
免疫やホルモンなどへの影響があると考えられ、使用するデメリットの方が上回ると判断されたのです。
今回アメリカで中止された成分は次の19品目
厚生労働省HPより引用
気をつけるべきは石鹸だけではない
日本で主に使われているのはトリハロサンやトリクロカルバンであり、石鹸だけではなく、かなり多くの歯磨き粉や、マウスウォッシュ、シャンプー、制汗シートなどに含まれています。
免疫系への異常の恐れがある
アメリカの発表によると、「殺菌剤を使うことで耐性菌が増えるリスクがある」と報告されています。
抗菌剤を使った製品が増えてくるにつれて、長く使用されてきた抗生物質が今までのように効かない
抗生物質耐性菌が生まれていると指摘する研究報告あるといわれています。
トリクロサンはダイオキシンに変化し発がんする恐れ
今回、問題になったトリクロサンですが、常温ではダイオキシンに変化する恐れはありませんが、高温処理したときにダイオキシンに変化する可能性が示唆されています。
また、マウスによる実験ではトリクロサンによって肝細胞癌や肝硬変などが発症しやすくなったと報告されているのです。
参考:健栄製薬http://www.kenei-pharm.com/medical/countermeasure/sterilization/toxicity/10.html
Proc Natl Acad Sci USA.2014 Dec 2;111(48):17200-5. doi
トリクロカルバンは生殖関係に異常を起こす恐れ
米国立環境衛生科学研究所の報告によると、内分泌攪乱物質は女性と男性の受胎能の低下、少女の早発思春期、ならびに乳癌、卵巣癌、
および前立腺癌の増加を引き起こす可能性があるとされています。
他にも、甲状腺ホルモンの働きを阻害したり、
エストロゲンやアンドロゲンなどの生殖に関わるホルモンへの悪影響も示唆されています。
参考:AFP http://www.afpbb.com/articles/-/3005230?utm_source=yahoo&utm_medium=news
使用者の尿中からも検出、母乳中にも移行
米国疾病予防管理センター(CDC)の調査によると、成人の被験者の75%からトリクロサンの痕跡が検出されたと報告されています。
また、スウェーデンやオーストラリアの研究グループが行った調査でも、
臍帯血(さいたいけつ)および母乳から痕跡が検出されたと分かっています。
また、脂肪分への移行性が高いとされています。
論争はずっと以前より続いていた
市場規模300億ドルもある石鹸を扱う衛生製品業界と、抗菌石鹸反対論を述べる環境団体や科学者らはずっと対立していました。
双方で、根拠となる論文を出し合って、論争を続けていたのです。
しかし、最終的に勝者は後者の方で、消費者の安全を守る結末になりました。
トリクロサンは日本でも使われている
アメリカで禁止されたトリクロサンやトリクロカルバンといった成分を含む、抗菌石鹸などが販売されています。
「薬用」、「抗菌」などの表示がついているものは、
成分として何が使われているのかチェックすることが必要です。
参考:厚生労働省HP http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000138223.html
日本でも販売を切り替える方向で動きが始まっている
日本もアメリカの動きを受けて、平成28年9月30日に厚生労働省から、「日本化粧品工業連合会及び日本石鹸洗剤工業会は、これらの成分を含有する薬用石けんに関し、
これらの成分を含有しない製品への切替えに取り組むよう会員会社に要請」したと発表されています。
日本ではすでに流通していないものを含めてすでに800品目ほどが流通していると言われています。
厚生労働省としては、「これまでこれらの商品による健康被害は報告されていない」という見解です。
しかし、アメリカが発表した影響というのは、免疫系やホルモンへの悪影響ということで、
健康被害として報告されないレベルで影響している可能性も考えられます。
特に、石けんが原因ということを断定することが難しいこともあるでしょう。
だから、私たちは健康被害が無いからといって、安心することはできないのです。
現代では昔の人に比べてアレルギーを持つ人が増えたり、
自己免疫疾患やガンなど免疫が関係している病気が増えています。
これらの発症と抗菌石けんの関係を裏付ける報告はまだありませんが、
過剰なほどの抗菌志向になってしまった社会にも何か関係があってもおかしくありません。
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耐性菌は医療業界でも問題に
実際に、医療の世界でも抗生物質の過剰使用による耐性菌の出現が問題になっています。
抗生物質は感染症の治療や、感染を防ぐために使用されます。
例えば、肺炎になったときなどには原因菌を叩くために抗生物質を使うことが必要なのです。
しかし、軽い風邪でも抗生物質を使う、なんとなく聴くからといって漫然と抗菌目薬を使うなど、
長期間にわたって使用していると耐性菌といって、その抗生物質が効かない菌が出てきてしまいます。
菌は生きるために必死です。
ずっと抗菌剤を浴びていても、一部残っていた菌たちが、DNAレベルで変異を起こして、
その抗菌剤が効かないタイプになって増えてきてしまうのです。
そうすると、私たち人間は新しいタイプの菌にも効く抗菌剤を作り出したり、
耐性菌を生まないような抗生物質を作り出します。これでは細菌との戦いは終わりが見えません。
抗生物質信者があまりに多い日本
薬局で働いていると、風邪をひいた子供のお薬をもらいに来たお母さんが、
「どうして先生は抗生物質を出してくれなかったんだろう?!」とちょっと怒り気味に話すことがあります。
また、高齢者の方も「これを飲むとすぐに効くからお守りみたいなもの」といって、
抗生物質を飲みたがることがあります。
実際に必要なケースもあるかもしれませんが、
抗生物質は飲んだからといってすぐに良くなるという即効性が高いものではありません。
抗生物質は、ある程度の期間、抗生物質の血中濃度、
感染している組織での濃度を保つことで抗菌作用を発揮します。
だから、抗生物質を処方されたときには「必ず飲みきってくださいね」と薬剤師からも言われるのです。
途中で飲むのをやめることも、耐性菌を産んだり、
効果が不十分になって効き目が得られなくなることもあるので注意が必要なのです。
抗生物質は必要なときは使用を
抗生物質が必要でない状態にもかかわらず、漫然と使い続けることは耐性菌を発生させることにもなり、長期的にみるとデメリットにもなるので使用すべきときに使うことが大切なのです。
ただし、抗生物質が必要な疾患もあります。
先に紹介した、結核などの感染症、免疫力が重度に低下していて、
すぐに感染する恐れが高い場合などは抗生物質を使うことが必要です。
お薬は飲みたく無いから・・
といって、過度に薬を拒否することは場合によっては逆効果になることもあるので注意が必要です。
潔癖すぎて、フードアレルギーなどのアレルギー疾患が増加?!
薬局で仕事をしていて思うこととして、フードアレルギーを持つお子さんが増えているという実感があります。
昔からアレルギー自体は存在していましたが、発生頻度が増えているようです。
2013年の調査の時点で、すでに9年前の1.7倍もフードアレルギーをもつ子供が増えていたという実態があります。
これは約2倍ということで、急激な変化と言えるのではないでしょうか。
アレルギー増加には衛生仮説が関係している
日本のような先進国(経済的な)では花粉症、フードアレルギー、ぜんそくなどを持つ人が増えています。それに対して、衛生環境が良いとは言えない後進国では、これらの疾患を持つ人は少ないのです。
これは、衛生仮説が関係しています。
「乳幼児期の衛生環境が個体の免疫系の発達へ影響を及ぼして、
その個体がアレルギーになりやすいかどうかを決める」と言う仮説のことです。
乳幼児期はちょっと不衛生なくらいで良い?
小さい子供は泥んこになって遊んでるくらいの方が良い、なんてセリフを聞いたことはありませんか?昔の子供は砂場があって、泥んこになって遊んでいましたね。
でも今の子供たちは、潔癖社会に生まれて、細菌に触れる機会が減ってしまいました。
免疫学的にも、ヘルパーT細胞というものが関わっていることからも説明がつきます。
私たちの免疫を担っている、リンパ球には、
Th1(Tヘルパー1)細胞とTh2(Tヘルパー2)細胞という免疫を担当する細胞がいます。
Th1細胞:細菌やウイルスに対する免疫・防御機構を担っている
Th2細胞:寄生虫に対する免疫・防御、過剰になるとアレルギーを引き起こす
私たちはお腹の中にいるときは無菌状態です。
しかし、母親と赤ちゃんが免疫的に拒絶(異物と判断すると流産につながる)しないように、
Th1細胞は抑えられています。
そして生まれてから、様々な細菌に触れることによってTh1細胞は活性化してきて、
Th2細胞とのバランスが良くなります。
しかし、あまりに菌が少ない環境で育つと、Th1の活性化が起こらずTh2細胞が優勢な状態がつづいて、
アレルギーを起こしやすくなるという仮説が立てられています。
参考:渋谷内科クリニック http://shibuya-naika.jp/
現在では、これ以外にも乳幼児期の腸内細菌叢の悪化やディーゼル排ガス、
家庭環境の変化なども加わっていると考えられますが、
世の中が抗菌志向になってしまったことは少なからず関係していそうです。
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風邪で抗生物質を使うのは意味が無い?!
風邪の時に、抗生物質を処方されたことってありませんか?実は、この抗生物質は風邪に不要説があるのです。でも、間違いのないように理解してほしいと思います。
風邪の原因になるのは90%がウイルスです。
ウイルスというのは、細菌とは別の生き物です。
抗生物質は細菌に対して効くお薬ですが、ウイルスには無効です。
だから風邪で抗生物質を投与するのは意味がないのかというと、そうではありません。
風邪をひくと、粘膜などが感染しやすい状態となっていて、細菌への二次感染を起こしやすくします。
二次感染を起こすと、症状が悪化して治りが悪くなり、肺炎などに感染する恐れもあります。
二次感染を防止するために、抗生物質を使うことがあるのです。
風邪をひいたら、抗生物質や風邪薬を飲まなくても安静にしていれば、
通常は3、4日で自然治癒すると言われています。
だからお薬は仕事をどうしても休めない人や、
高熱を下げたい時などに対症療法として使うようにすると良いでしょう。
ただし、もともと何か疾患を持っている方や、免疫が低下している方、
乳幼児や高齢者では適切な治療を早めに受けた方が良いことも多いので、
安易に自己判断しないようにしましょう。
普通の石鹸を使った、正しい手洗い方法とは?
抗菌石鹸を使わなくても普通の石鹸で十分だと言われています。むしろ、どんな石鹸を使うかということよりも、洗い方やすすぎ方に気をつけた方が効果的とも言えます。
正しい手洗い方法を知っておくと、インフルエンザや風邪の予防に役立ちます。
1.しっかり泡を立てましょう。
2.その泡を使って、手のひらだけでなく、手の甲、指の間、指の先、手首までよく洗います。
3.泡が消えるまでよく洗います。
4.終わったら清潔なタオルなどで拭き取りましょう。
すべて行うと30秒くらいかかります。日常的な手洗いはこの程度で十分です。
消毒用のスプレーなどを使っている人もいますが、医療従事者や食品を扱う仕事をしている人でなければ通常は必要ありません。
参考:サラヤHP http://family.saraya.com/tearai/index.html
抗菌石鹸を使うより、免疫力を上げよう
抗菌石鹸や除菌スプレー、除菌ティッシュなどさまざまな除菌グッズがあり、空間を除菌するタイプなども販売されています。
ただし、実際にそれを使って病気の予防ができたというデータに基づいているわけではありません。
手洗いやうがいはもちろん大切です。
しかし、それと同じくらい、体の免疫力をつけておくことが大切です。
睡眠不足や、栄養不足、ストレスなどで免疫は低下します。
忙しい時に限って風邪をひく、という経験は誰しもあるかもしれませんが、そういう時は体の免疫が落ちているのかもしれません。
簡単にできる免疫を高める方法
免疫力の維持やアップには、養生することが大事です。
・体を冷やさない
・ストレスを溜めない
・よく笑うこと
・栄養バランスの良い食事をとる
・胃腸が疲れている時は胃を休める
・運動を適度にする(ハードすぎる運動は免疫が下がります)
頑張っている人こそ、免疫が下がっていることに気がつきにくいかもしれません。
ふとした時に鏡を見て、映った姿が疲れているように見えたら、ちょっと休息をとりましょう。
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私たちは菌のことを良い菌や悪い菌といって分類しています。
しかし、もともと地球上では良いも悪いも本当は無いはずです。
人間が不利益を被るのは、免疫が落ちたり、悪い菌の方が良い菌よりも優勢になった時です。
あれも悪い、これも悪いといって抗菌石けんなどで菌を完全に封じ込めようとしたり、
危険な石けんは怖いから既製品は使えない!
なんて、過剰に反応しすぎることも何か違う気がします。
マイナスなことばかり考えるのではなく、免疫力を高めたり、
良い菌の方を取り入れるようにするなどして、
地球の中の一つの生命体として生き残ることの方が賢明な気がします。
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