最新研究論文からわかった、日本人のがんの意外な原因と治療法
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こんにちは、現役医学生のさとしです。
皆さんは「感染症により、がんが発生することがある」
ことをご存知でしょうか。
肝炎ウイルス感染やピロリ菌感染など、
多くの方ががんとは無関係と思いがちな病気に、実はがんの発生源が
潜んでいることが研究によって明らかになってきました。
この記事では、そういった感染症発のがんについて詳しくご紹介していきます。
日本人に多い、感染症からのがん発生
まずは日本人のがんの原因のうち多いものを男女別に見てみましょう。「国立がん研究センターがん情報サービス」によれば、
男性では
1位が喫煙(29.7%)
2位が感染(22.8%)
3位が飲酒(9%)
女性では
1位が感染(17.5%)
2位が喫煙(5%)
3位が飲酒(2.5%)
と報告されています。
IARC(国際がん研究機関)による報告書「World Cancer Report 2003」によれば、
感染が原因となるがんは
日本→20%
先進国→9%
発展途上国→23%
と推計されており、
日本は先進国の中で、
感染によるがんが特に多いと言われています。
がんに関係が深いとされる3つの感染症
現状、以下の細菌・ウイルス感染ががんの発生に深く関与しているといわれています。①B型・C型肝炎ウイルス(HBV・HCV)
→肝がん
②ヘリコバクター・ピロリ菌
→胃がん
③ヒトパピローマウイルス(HPV)
→子宮頸がん
その他にも、
ヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型(HTLV-1)は
成人T細胞白血病・リンパ腫の発生と関係があるとされています。
いずれの場合も、
感染したら必ずがんになるわけではありません。
それぞれの感染の状況に応じて適切な対処をすることでがんを防ぐことにつながります。
肝がんの原因となる感染①肝炎ウイルス
国立がん研究センタ-によれば、
B型・C型肝炎ウイルスは肝がんのリスクを上げることは”確実”と評価しています。
そして日本には
HBV(B型肝炎ウィルス)の感染者は150万人、
HCV(C型肝炎ウィルス)感染者は200万人いると言われています。
そして肝炎ウイルス検査を受け、早期の発見と治療ができれば、
C型肝炎ウイルスの場合は、治せることが多いとされます。
研究論文「Tanaka et al. Int J Cancer 2004」によれば、
B型・C型肝炎ウイルスマーカー(ウイルスに感染により血清中に出現する特有のたんぱく(抗原・抗体)や
ウイルスの遺伝子のこと)が陰性の人と比べて、陽性の人の肝がんのリスクは100倍を上回る
との報告があります。
また研究論文「Ishiguro et al. Cancer Lett 2011」によれば、
B型・C型肝炎ウイルスマーカーが陰性の人と比べて、
両ウイルスの重複感染があると肝がんのリスクが46.6倍に高まるそうです。
さらに研究論文「Ishiguro et al. Eur J Cancer Prev 2009」には、
肝がんの約8割がB型またはC型肝炎ウイルス陽性者から発生する
と報告されています。
つまり、これらの肝炎ウイルスに感染していなければ、
肝がんの発生は少ないと言えるのです。
B型・C型肝炎ウィルスは主に血液経由で感染する
B型・C型肝炎ウイルスは主に血液を介して感染します。また、B型肝炎ウイルスの場合は、性的接触を介しても感染します。
具体的な感染ルートとしては
・出産時の母子感染、
・輸血や血液製剤(ヒトの血液を原料に作られる医薬品)の使用、
・まだ感染リスクが明らかでなかった時代の医療行為による感染などが
考えられます。
特に、中高年の方は、かつて受けた医療行為によって、
知らぬ間に肝炎ウィルスに感染している可能性もあります。
地域の保健所や医療機関で一度は肝炎ウイルスの検査を
受けることが推奨されており、もし陽性であればさらに詳細な検査が必要です。
C型肝炎ウイルスの治療法とは?
研究論文「Yoshida et al. Ann Intern Med 1999」によれば、C型肝炎ウイルスの場合は、インターフェロン治療※でウイルス駆除に成功すると
肝がん発生リスクが1/5になると報告されています。
※インターフェロン治療・・・インターフェロンは、ウイルス感染に細胞が反応して作られるタンパク質。
ウィルスを攻撃したり、その増殖を抑えたりするこのタンパク質を薬として体内に大量に入れることによる
治療法が「インターフェロン治療」
また研究論文「Hayashi et al. J Hepatol 2014」によれば、インターフェロン治療※と他の抗ウイルス薬を
組み合せた最新の治療法ではウイルス駆除率が約9割になるとの報告があります。
さらに研究論文「Kumada et al. Hepatology 2014」によれば、
インターフェロン治療が不可能または、効果がなかった場合でも、
副作用の少ない口から服用する経口薬のみによる治療が2014年9月から可能となり、
ウイルス駆除率は8~9割と報告されました。
B型肝炎ウイルスの治療法とは?
B型肝炎ウイルスの場合、ウイルス駆除はかなり困難ですが、インターフェロンあるいは抗ウイルス薬を用いることによってウイルス量を減らすことができ、
それによって肝がん発生リスクが減少すると報告されています。
胃がんの原因となる感染②ヘリコバクター・ピロリ
国立がん研究センターによれば、
ヘリコバクター・ピロリ菌が胃がんのリスクを上げることは”確実”と評価しています。
日本人のヘリコバクター・ピロリ菌への感染率は先進国の中でも非常に高く、
50代以上では70-80%、
30代未満では50%未満
と言われます。
言うまでもなく、ピロリ菌感染検査による早期発見・治療が重要です。
研究論文の「Sasazuki et al. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 2006」によれば、
日本人中高年を対象とした研究では
ヘリコバクター・ピロリ菌が陰性の人と比べて、
現在陽性の人は胃がんのリスクが10倍である
だといいます。
しかも、日本人中高年のヘリコバクター・ピロリ金の感染率は非常に高く、
胃がんでない人でも4-9割の人が感染者とされています。
また感染の有無にかかわらず、予防には禁煙や生活習慣の見直しが重要だと言えるでしょう。
特に、感染していることが既に分かっている方は、生活習慣に注意するだけでなく
定期的な胃の検診を受けてがんの発生の有無をチェックするようにするようにしたいものですね。
ピロリ菌の除菌療法について
研究論文の「Ford et al. BMJ 2014」によれば、(胃酸の分泌を抑える薬と抗生物質などを使用する)「ピロリ除菌療法」により胃がんのリスクが低下する
と報告されています。
ただし除菌をしても将来的に胃がんが発生するケースもあるので、
定期的な検査を継続することがとても重要です。
子宮頸がんの原因となる感染③ヒトパピローマウイルス
国立がん研究センターは、ヒトパピローマウイルスが
子宮頸がんのリスクを上げることは”確実”と評価しています。
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性交渉により感染することが
知られています。
また、性交経験のある女性のほとんどが、
一生に一度はHPVに感染するといいます。
研究論文の「Onuki et al. Cancer Sci 2009」によれば、
国内の調査で細胞学的に異常のない女性の場合、
15~19歳で35.9%、
20~29歳で28.9%にHPVが検出された
と報告されています。
特に、性交渉の活発な年代では
感染は珍しいことではありません。
ただし、多くの場合、感染してもHPVは自然に消滅します。
しかし、繰り返し感染をおこして長期持続的に感染した場合、細胞が障害され、
その後、子宮頸がんになってしまうことがあります。
HPV感染や初期の子宮頸がんは症状が少ないため、
気づかぬ間にがんが進行している場合があります。
そのため、禁煙や定期的ながん検診がとても重要です。
子宮頸がん治療のワクチンについて
研究論文の「Onuki et al. Cancer Sci 2009」によれば、子宮頸がん(浸潤がん・・・「浸潤」とは元々のがん細胞が周囲の組織や臓器に直接広がっていくこと)の
人の67%がHPVに感染していると報告されています。
それゆえ、ワクチンの予防効果は7割と推計されているのです。
そして以下のウイルスの型と疾患の関係が知られています。
HPV16,18型→子宮頸がん
HPV6,11型→尖圭コンジローマ(リスクは低い)
現在、4種類に対するワクチン(HPV6,11,16,18)が国内で接種可能です。
子宮頸がんワクチンの使用には注意が必要
なお、子宮頸がんワクチンは慎重に使用する必要があります。日本産科婦人科学会、日本小児科学会、日本婦人科腫瘍学会は、
ワクチンの推奨接種年齢を11~14歳とする共同声明を発表しています。
研究論文の「Konno et al. Int J Gynecol Cancer 2010」によれば、費用対効果の面からは
45歳まで接種を推奨しています。
また国際的には、世界保健機関のWHOによるWHO position paper, 2014によれば、
ワクチンを国のプログラムとして行うことを推奨しており、
適用年齢の範囲は9-13才を第1の候補と定めています。
さらに研究論文の「Konno et al, Hum Vaccin Immunother 2014」によれば、
日本人女性においてもHPVワクチンの効果が高いことに加えて、
HPVワクチンと深刻な副作用などに因果関係がない事が示唆されています。
しかし一方で、上記ワクチンの危険性やリスクついて問題視する声も挙がっています。
副反応の発生頻度等がより明らかになるまで、定期接種を積極的にに推奨することは差し控えられています。
ワクチン問題は近年、賛否が分かれ、ネットでも問題になっていますが、安易に推奨も反対もできるものではありません。
十分な副作用への理解と、複数の意見を聞いた上でリスクとメリットとのバランスを考え、慎重に自己責任で検討いただくことが重要です。
食べ物や食生活もがん予防の重要ポイント
がんの予防や治療は技術的に可能になりつつありますが、
食べ物や食生活によって、そもそもがんになりにくい体を作ることが大切なことは言うまでもありません。
がんに限らず、病気は患者本人だけでなく看病や付き添いをする周囲の人に大きな負担となります。
今や人生100年時代と言われます。
より上質な暮らしを目指して、普段の生活習慣を通じ、自然な形でがんを防いでいきたいものですね。
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参考文献:国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 日本人のためのがん予防法
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