地球温暖化が進むにつれてどんどん増える大水害。災害が起こりやすい場所と、もしもの時のための事前準備・対策をお伝えします
地球温暖化が進むにつれてどんどん増える大水害。災害が起こりやすい場所と、もしもの時のための事前準備・対策をお伝えします
今年は5月から30℃を超える真夏日がありました。
また、沖縄・奄美から東海地方は5月に梅雨入りし、平年よりも大幅に早い時期から梅雨入りしている状態です。
さらには、既に埼玉や沖縄などで大雨警報も発令されています。
近ごろ、50年に1度と言われるほどの雨が毎年のようにどこかで降るようになりました。
2018年の国土交通省の資料によると、2000年代に入ると時間雨量50mmを超える短時間強雨の発生件数は1970年代から80年代の発生件数の約1.3倍になっています。
梅雨もシトシトと降る雨ではなく、大量の雨が一気に降るようになった印象です。
現在の日本では、いつどこで台風や大雨の被害を受けるかわかりません。
今回は、これからの台風シーズンに向けて、命を守るためにできることを紹介します。
水害の恐ろしさ
近年、毎年のように記録的な水害が発生しています。
恐ろしいのは、水害の発生回数が増えたということだけではなく、これまで水害があまり起こらなかった地域でも水害の被害がでていることです。
参考までに、近年発生した水害を見てみましょう。
近年の水災害
★2014年(平成26年)8月豪雨(広島土砂災害)
広島県広島市で1時間降水量101mmという猛烈な雨。安佐南区などでは土砂災害が発生し、死者77人、住家全壊179棟を出す被害。
★2015年(平成27年)平成27年9月関東・東北豪雨
台風・前線の影響で、西日本~北日本の広い範囲で大雨となり、茨城県常総市では、鬼怒川の堤防が決壊。常総市の面積の約3分の1にあたる約40㎢が浸水する被害が生じるなど、2万棟近くの住家が被害。
★2016年(平成28年)台風第10号
台風が東北太平洋側に直接上陸したのは、気象庁が統計を開始して以来初めて。岩手県岩泉町では、小本川が氾濫し、グループホームに水が流れ込むなど、東北・北海道の各地で死者・行方不明者27人、500棟を超える住家全壊を出す被害が発生。
★2017年(平成29年)九州北部豪雨
福岡県と大分県を中心とする九州北部で発生。福岡県で37人、大分県で3人の計40人の死亡が確認される。
★2018年(平成30年)西日本豪雨
台風7号および梅雨前線等の影響により発生。西日本を中心に多くの地域で河川の氾濫や浸水害、土砂災害が発生し、死者数が200人を超える甚大な災害となる。
★2019年(令和元年)東日本台風
静岡県や関東地方、甲信越地方、東北地方などで記録的な大雨。広い範囲で河川の氾濫が相次いだほか、土砂災害や浸水害が発生。死者は105人。
★2020年(令和2年)令和2年7月豪雨(熊本豪雨)
西日本や東日本で大雨となり、特に九州では4日から7日は記録的な大雨となった。熊本県を流れる球磨川水系の計13箇所で氾濫・決壊。死者84人。
引用:
内閣府「水害被害(風水害・土砂災害)」
気象庁「災害をもたらした気象事例」
広島県広島市で1時間降水量101mmという猛烈な雨。安佐南区などでは土砂災害が発生し、死者77人、住家全壊179棟を出す被害。
★2015年(平成27年)平成27年9月関東・東北豪雨
台風・前線の影響で、西日本~北日本の広い範囲で大雨となり、茨城県常総市では、鬼怒川の堤防が決壊。常総市の面積の約3分の1にあたる約40㎢が浸水する被害が生じるなど、2万棟近くの住家が被害。
★2016年(平成28年)台風第10号
台風が東北太平洋側に直接上陸したのは、気象庁が統計を開始して以来初めて。岩手県岩泉町では、小本川が氾濫し、グループホームに水が流れ込むなど、東北・北海道の各地で死者・行方不明者27人、500棟を超える住家全壊を出す被害が発生。
★2017年(平成29年)九州北部豪雨
福岡県と大分県を中心とする九州北部で発生。福岡県で37人、大分県で3人の計40人の死亡が確認される。
★2018年(平成30年)西日本豪雨
台風7号および梅雨前線等の影響により発生。西日本を中心に多くの地域で河川の氾濫や浸水害、土砂災害が発生し、死者数が200人を超える甚大な災害となる。
★2019年(令和元年)東日本台風
静岡県や関東地方、甲信越地方、東北地方などで記録的な大雨。広い範囲で河川の氾濫が相次いだほか、土砂災害や浸水害が発生。死者は105人。
★2020年(令和2年)令和2年7月豪雨(熊本豪雨)
西日本や東日本で大雨となり、特に九州では4日から7日は記録的な大雨となった。熊本県を流れる球磨川水系の計13箇所で氾濫・決壊。死者84人。
引用:
内閣府「水害被害(風水害・土砂災害)」
気象庁「災害をもたらした気象事例」
毎年、甚大な被害が出ていることがわかります。
いずれの災害も、ニュースで被害状況を見た人は多いのではないでしょうか。
また、「史上初」「過去最大」といったワードがたくさん発せられ、昔では考えられなかったことが起こっています。
これから本格的な台風シーズンを迎える中、日本全国、次はどこで大規模な水害が起こるのかわかりません。
水害で被害が発生しやすいのはどこ?身近にある危険個所
前述の通り、日本では毎年水害による甚大な被害が発生しています。
では、どのようなところで災害が起こっているのでしょうか。
こんなところが危ない!水災害が起こりやすい場所とは
災害の発生リスクというのは、地形と大きな関係があります。
自分が住んでいる場所が災害が発生しやすい場所なのか確認してみましょう。
山のふもと
地すべりやがけ崩れが起こりやすく、土石流が発生するリスクがあります。
扇状地
山から流れる川によって運ばれた土砂から作られているため、降水量が増えると洪水が起こりやすい地域です。
谷底
山と山に挟まれた狭い地域の場合、川が氾濫しやすい地形です。
三角州
川が運ぶ土砂が堆積して平坦な地形になっているため、河川の洪水や液状化が起こりやすい地域です。
地下鉄・地下街
都市部で川が氾濫し、水が地下に入ると、地下鉄や地下街の空間を通って被害が広がります。
地すべりやがけ崩れが起こりやすく、土石流が発生するリスクがあります。
扇状地
山から流れる川によって運ばれた土砂から作られているため、降水量が増えると洪水が起こりやすい地域です。
谷底
山と山に挟まれた狭い地域の場合、川が氾濫しやすい地形です。
三角州
川が運ぶ土砂が堆積して平坦な地形になっているため、河川の洪水や液状化が起こりやすい地域です。
地下鉄・地下街
都市部で川が氾濫し、水が地下に入ると、地下鉄や地下街の空間を通って被害が広がります。
個人的なイメージとして、水害は自然が多くある地方に発生するイメージがありましたが、都市部でも被害が発生する可能性があることがわかります。
さらに、近代化した都市部はアスファルトやコンクリートで覆われているため、水が地面にしみこみません。
そのため、川に雨水が集積され川の増水につながっています。
日本はもともと降水量が多い地域で、昔から水害に悩まされてきました。
そのため、地名に水とのかかわりが反映されていることがあるそうです。
さんずいなど水が関係する漢字が多く使われている土地は、注意が必要です。
例えば、「池尻」にはさんずいが付いた漢字が使われており、水がたまりやすい場所を表しています。
自分が住んでいる地名が水に関係する方は、その土地の災害の歴史を調べてみるのもよいでしょう。
これから台風本番の季節!私たちができる水災害への備えとは
もうすぐ梅雨が明け、夏が訪れます。今年も多くの台風が発生し、日本に上陸するでしょう。
また、線状降水帯やゲリラ豪雨の多発で水害発生の危険性が高まる季節です。
水害は地震に比べると発生が予測しやすい災害ですので、普段からできることを確認し、備えておきましょう。
ここでは普段からやっておくべき水害に対する備えを紹介します。
水害に対する7つの事前準備
溝の掃除
家の周りの溝は定期的に掃除しましょう。ゴミがたまっているとスムーズに水が排水されずあふれてきます。不要なアンテナを外す
戸建ての場合は、アンテナが折れて飛んでいく可能性もあります。そのほか、植木鉢や置物なども強風で飛ばされるので注意しましょう。ハザードマップを確認
自治体が発行するハザードマップで、自分が住んでいる地域が洪水、土砂災害警戒区域ではないか確認しましょう。洪水発生時は急速に水位が上がり、濁流が発生します。
思っている以上のスピードで状況が変化するので、警戒区域に住んでいる人は事前に避難することが大切です。
食料、飲料水の備蓄
最も大切なのは飲料水の確保です。3日~1週間は生活できるように備蓄しておくことが望ましいとされています。
一人1日あたり約3Lの水を必要とするので、3人家族であれば3日分で約27Lの水が必要です。
その他、食料は保存がきくレトルト食品、缶詰を備えましょう。果物の缶詰やお菓子は疲労回復にも役立ちます。
衛生用品の備蓄
下水や水道が止まると、トイレも流れず、手も洗えません。薬や絆創膏、簡易トイレや生理用品を備えておきましょう。生活用品の備蓄
ガスや電気が止まると、調理もできず、夜は真っ暗になります。懐中電灯や情報を収集できるラジオを準備しましょう。貴重品
最近はキャッシュレス化が進んで、現金を持ち歩かない方も多いでしょう。しかし、災害時は電気が使えないため、現金でお金を持っておくこともおすすめです。
その他、ラジオや筆記用具といったアナログ製品は災害時に強いので持ち出せるようまとめておきましょう。
これらの備蓄は、定期的に賞味期限や使用できるか確認を行いましょう。
期限が迫った食べ物は、普段の生活で消費し、新しい備蓄を補充する「ローリングストック法」がおすすめです。
年に1回電気もガスも使わない、「災害想定日」を作って生活してみると何が必要か実感できるかもしれませんね。
水災害で避難する時に気を付けたいポイント
早めの避難を行う
今まで災害にあったことがないと、不思議と「自分は大丈夫」と思いがちです。水の動きは予想するよりも早く変化します。
「気づいたときには避難できない」という状況を避けるため、自分は大丈夫という根拠のない過信は捨て、早めに避難しましょう。
また、2021年から避難勧告が廃止されました。
避難指示がでたら必ず非難をしましょう。
避難するときは集団で
仮に道路が冠水して、水位が低いからと言って侮ってはいけません。水位が30センチでも歩けなくなることがあり、流れが早ければくるぶし程度の深さでも危険です。
避難する際はなるべく集団で声を掛け合って非難しましょう。
移動するときは皮膚の露出を避け、外傷から身を守りましょう。
防災はとにかく「早めが大切」です。
災害が発生すると、皆さん危険意識が高まるため防災グッズや保存食が品薄になり、どこも売り切れ・・・と言うことがよく起こります。
日頃からの備えが大切です。
水害が起こっていないときこそ、水害の対処法を考えておきましょう。
非難に関しても、浸水した水位が30センチを超えると、水圧でドアが書かなくなる可能性があります。
停電や水の影響で外に出られなくなる可能性がありますので、エレベーターや車での非難は危険です。
慌てる前に、日ごろからの備えや事前学習が最も大切です。
今後も増える水害の危険
気象庁の発表によると、日本の平均気温は100年あたり1.24℃上がっています。
気温が上昇すると、海の温度も上がり、蒸発する水蒸気の量が増え、空気中に存在できる水蒸気の量が多くなります。
空気中に存在できる水蒸気の限界量を超えると、雨となって地上に降り注ぐのですが、空気中の水蒸気量が多くなっているのでよりたくさんの雨が降るのです。
また、海面の温度が上がると熱帯低気圧に水蒸気がたくさん供給され、台風が大型化します。
このため、最近では勢力を保ったまま日本に上陸し、甚大な被害をもたらしているのです。
さらに、このような台風は経路が複雑で進路予想も困難になり、被害が大きくなる一因となっています。
温暖化が進むにつれ、水害による被害はさらに甚大になる可能性があります。
温暖化の原因は温室効果ガスですが、現代の私たちの生活は温室効果ガスの排出を伴うものばかりです。
車を運転する、テレビを見る、コンビニでお菓子を買う、これらの行為はすべて温室効果ガスが排出されています。
豊かな生活を得た代わりに、私たちは未来の生活環境を犠牲にしているのです。
しかし、便利な生活を享受するばかりではなく、少しでも未来を良くする行動が必要ではないでしょうか。
まず、無意識についけているテレビや電気をOFFにしてみる、いつも車で行っているところに歩いて行ってみる。
少しずつでも自分にできることからやってみませんか?
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参考:『水害の大研究 なぜ起こる?どう備える?』河田恵昭
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