世界基準の食事管理ガイドライン「PFCバランス」で自分の体質やライフスタイルに合わせた食事バランスを考えよう
マクロビオティックの世界では、食事摂取のガイドラインとして以下のようなグラフがよく使われています。
マクロビオティックを実践されている方が多いIN YOUの読者さんは、
一日の献立を決める際に上記のようなグラフを基準に何を食べるのかを決められているのではないかと思います。
このような基準は食事をコントロールする上でとても大事になってきますよね。
ところが僕はマクロビアンではないので、上記の食事摂取基準は使いませんし、
マクロビオティックについても勉強中でございます。
そこで、今回は僕がよく使っている、というよりも世界基準となっている食事管理ガイドラインPFCバランスについて紹介していこうと思います。
PFCバランスとは
PFCバランスは三大栄養素のエネルギーバランスを示しています。
- Protein タンパク質 1g=4kcal
- Fat 脂質 1g=9kcal
- Carbohydrate 炭水化物 1g=4kcal
これらの三大栄養素は唯一カロリーを持つ栄養素で、そのカロリー量は上に示したとおりです。
一日の総摂取カロリーの何%がどの栄養素に由来するべきものなのかPFCバランスにより管理します。
PFCバランスでは摂取すべき食材の指定はなく、三大栄養素のみにフォーカスした栄養摂取基準です。
ですので、様々な国、人種の人に対してフレキシブルに適応することがこのPFCバランスの魅力ですが、ここでは三大栄養素についてしか言及していないために、ミクロ栄養素が疎かになってしまう場合もありますので注意が必要です。
PFCバランスでは、これにより定められたバランスを保てば何を食べてもと言うようなものではなく、
- 三大栄養素はこのくらいのバランスで摂取しましょうね。
- でも、他の栄養素については国に定められて基準などに従い適度に摂取してください。
三大栄養素を管理する理由
三大栄養素は別名をマクロ栄養素と言うように、摂取量が多い主要栄養素です。
そして、これらの摂取がオーバーした場合はそれらが体の一部として作り変えられるために、理想の体を作るためにはこれらの栄養素を管理する必要があります。
摂取カロリーが消費カロリーをオーバーした際には、
過剰した分のカロリーが身体の一部として合成されますので、
摂取カロリーがどの程度どの栄養素に由来しているかによって、どのように身体に合成されるかが変化します。
- Protein タンパク質
- Fat 脂質
- Carbohydrate 炭水化物
タンパク質は主に筋肉を構成する栄養素です。
また、血液中でバランスを保っているアミノ酸達のもととなる栄養素ですので、欠乏するとそれらのアミノ酸のバランスを維持するために筋肉が分解されてしまします。
過剰した分は全て筋肉として合成されるわけではありません。
筋肉として合成される場合は、特別なトレーニングをおこない筋肉が合成されるような刺激を与えている場合で、それ以外は肝臓により脱アミノ化(タンパク質特有の分子である窒素を取り除く)されブドウ糖、もしくは脂肪酸としてエネルギーとして利用されるか、もしくは体脂肪として合成されます。
この脱アミノ化では、肝臓や腎臓など様々な内臓に負担を掛けてしまうため筋肉のためだからとタンパク質を過剰摂取することは非常に危険です。
三大栄養素の中で最もカロリーが高い栄養素です。
摂取量が増えるともちろんその分摂取カロリーも跳ね上がりますので、注意が必要な栄養素です。
ゆえに、ダイエットをおこなっている人は脂質を特に避けようとしますが、過剰に減らしてしまうのも問題になります。
脂質は体脂肪を構成する他に、関節の潤滑油、もしくは細胞壁を形成する栄養素ですので、欠乏すると関節痛、肌荒れなどの症状が起こります。
また、体内のホルモンと深く関わっていたり、体脂肪の分解を促進する働きがあるので、脂質だからと忌み嫌わず、適切な脂質を適切な量摂取する必要があり、PFCバランスではそれをコントロールしています。
エネルギーとして使われるのが主な役割な炭水化物ですが、過剰した分は体脂肪として合成されることが多い栄養素です。
即席のエネルギーとして肝臓と筋肉にグリコーゲンという形で貯蔵することもできますが、その量は500g前後と少なく、大きく過剰すると殆どは体脂肪になります。
また過去の記事でも紹介した通り、炭水化物は体脂肪や筋肉の合成のトリガーとなるホルモンであるインスリンを分泌させます。
ゆえに、上手にコントロールすることで筋合成も可能ですが、体脂肪が増えてしまう原因でもあります。
このようなことから、それぞれの三大栄養素のバランスをコントロールすることで理想の体型を作ることができます。
PFCバランスの管理例
次にPFCバランスの管理例を紹介します。
人間には個体差があるため”One size fits all”、つまり一つの基準が全ての人間に当てはまるということはありません。
どんなバランスで三大栄養素を摂取すれば良いのかは自分の体質、ライフスタイル、目的に合わせて選択する必要があります。
ここではいくつか例を挙げますが、他にもネットで検索したり人に聞いてみたりと、様々なPFCバランスに触れ合いそれらを自分で精査していく必要があります。
大手お菓子メーカー「江崎グリコ」のホームページでは、理想のPFCバランスを
- Protein タンパク質 13-20%
- Fat 脂質 20-30%
- Carbohydrate 炭水化物 50-65%
ここから、自分の体質やライフスタイルに合わせてPFCバランスを変化させていきましょう。
- Protein タンパク質
- Fat 脂質
- Carbohydrate 炭水化物
欠乏すると筋肉が分解されてしまう恐れがあります。
減量中などで摂取カロリーは低くなっている時は高く、増量中などで摂取カロリーが高くなってる時は低くしましょう。
PFCバランス以外の摂取基準として、体重1kgに対して1-2gというものがあります。
欠乏すると身体に様々な悪影響を及ぼしますが、摂取カロリーを抑えるために量を減らしたい栄養素です。
最低でも15%を切らないようにしましょう。
基本のエネルギーとなる栄養素ですので、この炭水化物の量を変化させて摂取カロリーをコントロールすることが可能です。
他の2つの栄養素が欠乏してはいけないので、上限は65%程度に設定しましょう。
以下、いくつかPFCバランスモデルを紹介します。
・ダイエット中
ダイエット中は摂取カロリーを制限するため、栄養不足になりがちです。
ですので、特に大切な栄養素であるタンパク質の割合を少々高めに設定しています。
・増量中
スポーツなどで筋増量を図りたい方は摂取カロリーを高めに設定してください。
脂質を上手に使うと摂取カロリーを簡単に増やすことができますが、なるべく良質な脂質(オリーブオイルなど)から摂取するようにしてください。
筋肉を増やすためにタンパク質が過剰しがちですが、他の栄養素をしっかり取っていれば問題ありませんので割合は適度に設定してください。
・瞬発系スポーツ競技者
瞬発系スポーツでは主に炭水化物をエネルギー源として運動しますので、炭水化物をしっかりと摂取しましょう。
また、筋肉量もとても大切な要素ですのでタンパク質の摂取も欠かせません。
・持久系スポーツ競技者
瞬発系スポーツ競技者のPFCバランスと比べ、脂質の割合が高くなていることがわかります。
持久系競技では消費カロリーが非常に高いためにしっかりとカロリーを摂取する必要があり、そのためには脂質がとても優秀な栄養素だからです。
また、長時間の運動になると糖質よりも脂質がエネルギーとして使われやすくなるため、脂質の摂取量が高く設定してあります。
インテルFC所属の長友佑都選手に至っては、炭水化物をほとんど摂取しない(P:25% F:70% C:5%)異常な食生活を送っていて、ケトジェニックダイエットと呼ばれています。
PFCバランス実践例
最後にPFCバランスの実践例を紹介します。一日の総消費カロリーが2,500kcalでダイエット中の成人男性を例として紹介します。
ダイエット中ですので、PFCバランスは上記のモデルの中からダイエット中(P:25% F:15% C:60%)のものを使用します。
ダイエットをするために、
摂取カロリー<消費カロリー
の式を成立させますので、消費カロリーから-300kcalしたもの(2,200kcal)を目標摂取カロリーとして設定します。
2,200kcalの25%がタンパク質ですので、
2200/100×25=550
550kcalがタンパク質由来のカロリーになります。
タンパク質は1g=4kcalですので、グラム数に変換すると
550/4=137.5
137.5gがタンパク質の目標摂取量になります。
2,200kcalの15%が脂質ですので、
2200/100×15=330
330kcalが脂質由来のカロリーになります。
脂質は1g=9kcalですので、グラム数に変換すると
330/9=36.6g
33.6gが脂質の目標摂取量になります。
2,200kcalの60%が炭水化物ですので、
2200/100×60=1320
1320kcalが炭水化物由来のカロリーになります。
炭水化物は1g=4kcalですので、グラム数に変換すると
1320/4=330
330gが炭水化物の目標摂取量になります。
いかがでしたでしょうか。
PFCバランスによる三大栄養素の目標摂取バランスを見てみると、マクロビオティックで推奨されている食事摂取バランスと非常に似ていませんか?
名前や指導方法こそ違えど、基本的な栄養学では同じようなことを目指しているのではないかと僕は考えています。
マクロビオティックを実践されていない方は是非、実践されている方も他の世界ではこんなことを考えているんだ、という風に参考にしていただければ幸いです。
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栄養価が一般のものより高い!
農薬や化学肥料は使わず、無除草の農法を守って
大切に育てられています。
玄米を食べながら、三大栄養素のバランスをコントロールして理想の体型を作りましょう!
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