私、保育園栄養士を辞めました。14年間栄養士をつとめた私が目の当たりにした保育園の給食事情のリアルな裏側と根深い問題とは。
『保活』という言葉は聞いたことありますか?
来年4月から入所が出来るように、毎年12月に保育園の希望の申し込みが始まります。
もう、7月申し込みまでに半年を切りました。
7月頃から、12月の申し込みまでに保育園探しの『保活』が始まっている時期です。
少子化と言われながらも、皆さんご存知かと思いますが、
待機児童も今はどこの市町村でも沢山保育園に入所出来ずにいる
子ども達が多くいる現状で、保活も大変苦労するかと思います。
そんな苦労をされたり、ずっと待ってやっと決まる・・・など、沢山の親御さんに私もお会いしてきました。
今回は、そんな保活中の方の保育園探しの参考にして頂きたく記事にしました。
保育園での保護者から言われる言葉
私は14年間保育園で栄養士勤務をしてきました。
入所する前には必ず、0歳児の赤ちゃんの離乳食の進みについてのお話、
食物アレルギーがあるお子さんと保護者の方とのお話、
障害があるお子さんの食事の対応についてなど沢山の保護者の方とお話してきましたが、
一番多いお話で、多くの方から言われる言葉があります。
保育園に入れて良かった。栄養管理がしっかりしている給食を食べてもらえる。
給食があることが何より嬉しい。
と、言われる事が多かったと思います。
私は14年保育園での給食作り、献立作りをしてきて
この、保護者の方からの言葉が最初は嬉しかった記憶があります。
ただ、現状や決まり事など色々と知っていくたびに、
保育園に入れて良かった。
栄養管理がしっかりしている給食を食べてもらえる。
給食があることが何より嬉しい
と言われるたびに、辛くなってきたのです。
その理由はこれからお伝えしますね。
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私、保育園の栄養士を辞めました。
そして、色々と工夫や改善をしてきましたが、やはり根本が変わらなければ何も変わらない・・・
と実感して、私は保育園栄養士を辞めました。
今後、本当の意味での食の安全・子どもの食事・大人の考える食育を
改めて考えるべきだと思っています。
保育園のリアルな現状
ここでお話する、保育園の給食のリアルな実状を知ったうえで保育園の給食でどんなものを出しているか注目して、保育園選びをしてもらえたらと思います。
保育園の栄養士の役割
まず、保育園の栄養士は栄養素や献立の組み合わせについてはプロなので考えられます。
ですが、その食材がどのように出来て、中に添加されているものについての知識は
ほとんどの方が無いと思われます。
私は自分が幼少期にアレルギー・アトピーがあり、
敏感な体質だったので気にしていくうちに知るようになりました。
保育園と幼稚園と子ども園の違い
幼稚園は文部科学省が管轄子ども園は、厚生労働省と文部科学省が管轄です。厚生労働省が管轄している保育園
厚生省が決めた給食のガイドライン
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/shokujiguide.pdf
保育園の栄養士はこういったデータや、
食品構成表というものを見ながら、日々の献立を考えています。
これは、国で決められた統一の内容です。
ただ、都道府県で土地の特性や、季節なども加味して多少違うところはありますが、
基本は、この決められた数値のなかで献立が決まっているのです。
食品構成表とは?
年齢に合った身体に必要な栄養素がバランスよく摂れるとされる指標です。表を見て頂くと、菓子・嗜好飲料・はもちろん入っていますし、
肉の所は加工品(ハム・ベーコンなど)
魚の所は加工品(はんぺん・ちくわなど)
も入っている数値になっています。
塩分量が保育園でも見直しが入り、
とり過ぎると生活習慣病のリスクをあげることが多くの研究や統計で示され、
食事摂取基準2015年度版では目標値が大きく下がったり、
カリウムが体内の余分な塩分を排泄する作用があるということから、果物や野菜を多く使う・・・
などの改善提案が出て、一斉に取り組む形となっています。
食物アレルギー・アトピー・喘息・花粉症の子どもが増えている。
一向にアレルギーの子どもは減らず、悪化し、増えていくばかりです。
食物アレルギーだけではなく、アトピー・喘息・花粉症なども多くなっている印象です。
障害があると疑わしいと判断される子どもも14年前より、
増えてきていると感じています。
減塩も大事、バランスよく食事をすることは大事だと思いますが、
もっと大切なことがあると思っています。
冷凍野菜、脱脂粉乳、お菓子、アイスクリームを幼児に与える教育。
私が見てきた保育園の実態
保育園では、(全てではないですが)脱脂粉乳を水で溶いて、
子ども達に牛乳だよ!と言って飲ませているところもあることを知りました・・。
生の野菜よりも安価な産地の不明瞭な冷凍の野菜を使用していることも多くあります。
パンも、スーパーやコンビニで売られている、パンを保育園で出したりしています。
そこに、マーガリンを塗って食べさせて居るところも殆どです。
おやつに、市販のお菓子・菓子パン・アイスクリームを子ども達に与えていますなど。
この実態を、どう思いますか?
私は子どものことを考えるのであれば、
これらをやめるべきなのではないかと思っています。
しかし、保育園だけが悪いのでは無いのです・・・
やめられない現状があるということを私は目の当たりにして愕然としました。
限られた予算が組まれていて、その中で予め決められた食品構成表を参考に
給食の献立を考えないといけないという背景があります。
ですので私も本来は「使用したくない」と思いながら、以前、使用していました。
それでも、0歳の離乳食だけでも多少は良いものを使用したいと思い工夫はしていましたが、
やはり予算の中では、限界がありました。
厚生省が決めたガイドライン通りに保育園の給食を作りますと
本当の意味での健康とはかけ離れてしまう、これが実態でしょう。
保育園に通う子どもたちの現状
朝食を食べなさい。
と指導しても、食欲が自然に沸く腸内環境になっていないから、朝も起きられない。
お菓子屋、砂糖の摂取が多いので、(子100人・大人20人の給食で白砂糖を24日間で8キロ使っていました)
子ども達の落ち着きがなく、先生のお話が聞けない、お友達とすぐケンカしてしまう。
アレルギーの子どもが、減らずに増えていき、
年齢が上がるにつれて、偏食が悪化する子どもが目立っていました。
これらの問題点となる、食の安全をもっと保育園は考えていかないといけないと感じています。
添加物が入っている食材、白砂糖の消費を抑える工夫、
などを出来る環境にしていくべきだと。
その為には、予算もその分必要なことです。
良いものを選びたい、白砂糖を辞めたい、無添加なものを選ぶにはコストがかかります。
食品構成表の見直しもするべきことではないかと思います。
なんの為の食品構成表なのか
食品構成表、食事摂取基準を満たさなければいけないので、脱脂粉乳(スキムミルク)を使用している施設は多いです。
牛乳や脱脂粉乳で、カロリーや栄養素を合わせているんです。
そうしないと、食品構成表、食事摂取基準が満たせないのです。
保育園には、年単位で『監査』があります。
その為、決められたルールから外れたことは出来ないのです。
そこまでして、合わせる必要があるものが子ども達にとって良いことだとは思えません。
以前は、役所から「スキムミルクや牛乳を沢山使ってカルシウム豊富になるから使用してください。」とサンプルが配られるほど推奨されていました。
最近では、大々的な推奨はないですが公立の保育園の献立は
必ず使用されています。
そして、3歳からの貧血と判断される子どもが多いです。
はたして牛乳は身体に良い?
https://macrobiotic-daisuki.jp/mama-kyusyoku-56003.htmlhttps://macrobiotic-daisuki.jp/gyunyu-kyusyoku-28122.htmlhttps://macrobiotic-daisuki.jp/nohomojinaiszugyunyu-62525.html
(以前IN YOUで取り上げた記事です)
皆さん、牛乳が健康に良い、給食でも飲まれているから!と思っていますか?
確かにカルシウムは豊富に含まれていますが、吸収率は悪く、
鉄の吸収を妨げる作用があることが分かっています。
ご存知の通り、成分にカルシウムは豊富に含まれていますが、吸収率は悪く、鉄の吸収を妨げる作用があるので、
結果継続的に飲むと骨粗鬆症の要因にもなりうると指摘もされていますね。
さらに、予算の関係で、低脂肪牛乳を子ども達に飲ませているところもあります。
こういった、現状を私は14年間見てきました。
現場でも実際に給食を作ってきたことで、
これでは子ども達の未来が危ないと危機感を感じました。
保育園選びの参考にして頂きたいこと
保活をしている方は是非、保育園を選ぶ際に、保育理念や施設も大切ですがどんな給食を出しているかを、
しっかり確認して選んで頂きたいです。
ここに記載されていることは、私が経験したことなので、しっかり探せば食材にオーガニックを取り入れ、
ナチュラルなものを提供するなど、食事に力を入れた保育園は沢山あると思います。
そして、そういったニーズが高まり、お子様を持たれるお母さまの間でも、
そんな考えがもっと定着して安全な給食が提供できる施設が増えることを願います。
先週末に行われた、IN YOU三周年アニバーサリーパーティーでは、
140〜150名以上の方が参加していました。
身体に本当に良いもの、オーガニック、無添加、などに、関心がある方が増えているのでしょう。
今後はもっともっと多くの方が興味を持ってもらい、本当の食の安全が広まっていって欲しいと思いました。
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