ビタミン剤を複数・過剰摂取していませんか？ビタミンはなんでも大量に摂ればいいは大間違いなその理由

健康意識の二極化が進む、健康格差が激しい日本。ー栄養格差も？

ビタミンは「たくさん摂る」が基本だと思っていませんか？

今の日本では、食品があふれかえり、もはや飽食です。



炭水化物やジャンクフードなどの栄養素が欠如したものばかりを日々食べてビタミンやミネラルなどの栄養が
極端に偏っている方も多い中で、中には日頃からオーガニック食材などで
しっかりとバランスよく食事がとれていれば、ビタミン欠乏症とは無縁の方もいるかもしれません。



そのような方々の中には、健康について意識し、いくつものビタミンのサプリメントを複数合わせて飲んだり、
普段の食生活に気を遣っている方も多くいらっしゃるのではないかと思います。

IN YOUでもビタミンの記事は以前にいくつか公開しています。
わっと驚くだけで体内の5個分のレモン分のビタミンを消費？！市販栄養・美容ドリンクの落とし穴と、緑茶の20倍ものビタミンCを持つ｢柿の葉茶｣の効果と作り方

ビタミンCは健康体な人と不健康な人では必要量が違う。「市販の合成ビタミンC」の落とし穴。良質なビタミンCを常に摂取しなければならない理由とは

健康格差という言葉が叫ばれる今は栄養不足の方と栄養過多の方と両極端な時代です。
そんな現代だからこそ、ビタミンの過剰摂取ということが起こり得ます。

体内に余分に蓄積されたビタミンは、もしかすると健康を促すよりも、不健康へ傾きかけているかもしれません。

知らず知らずの間に、体に余分な栄養素、蓄積されていませんか？

今、どのくらいの人がサプリメントを飲んでいるのか

大手メーカーの調査によると、毎日サプリメントを摂取していると答えた人は約4割にのぼり、
そのうちの半数以上が女性だということです。
美容や健康維持、疲労回復など理由は様々ですが、
約7割の方が、1日に1〜2種類、しかし中には10種類以上摂取されている方もいるようです。
出典元：アサヒグループ「第427回　サプリメントを飲んでいますか？」

そもそも、ビタミンってどんなもの？

ビタミンって、言葉はよく聞きますが、体内ではどんな存在なのでしょうか。

ビタミンは、エネルギー源や体をつくる成分ではありませんが、人が健全に成長し、
健康を維持する働きをしています。つまり、ビタミンは他の栄養素がうまく働くために
機械の潤滑油のように働いています。

引用元:グリコ「栄養成分百貨」

ビタミンは体内では生成できず、摂取するしか方法がありません。
他の栄養素の代謝に関わる重要なものなので、なくてはならないものです。

ビタミンの種類やその特性とは

水溶性ビタミン　ビタミンC、B群、ナイアシン、パントテン酸、葉酸　　　
　　　　　　　　
ビオチン

脂溶性ビタミン　ビタミンA、D、E、K

に分類されます。

どちらのビタミンも腸で吸収され、水溶性は尿と一緒に排出されます。
脂溶性は、過剰に摂取されたものは、肝臓に貯蔵されます。

日本人のビタミン、足りている？

厚生労働省の平成26年度の調査によると、ビタミン類の中で推奨量から大きく下回っているのは、
ビタミンAというデータが出ています。

しかし下限値は大きく超えており、欠乏症の症状が出る数値などではありません。

この調査の場合のビタミンA摂取量は、緑黄色野菜などに含まれるカロテンという、
ビタミンAに生成される成分は含まれていません。
従って、実際には、どのくらいのビタミンAが体内で活性化されているかというのは、
データのみではわからないのです。

参考元: 厚生労働省「栄養素等摂取状況調査の結果」

どんなサプリメントをどれくらい飲むべきなのか？

ビタミンのサプリメントには、一般的に販売されているものは、大きくこの2種類に分けられます。

マルチビタミン

マルチビタミン、つまり、すべてのビタミンが摂取できるサプリメントで、
なかには、1日に必要な量のビタミンが摂取できるというものもあります。
もちろん、1日分含まれてはおらず、補う程度の量がバランス良く入ったものなど、様々です。

単体のビタミンサプリメント

単体のサプリメントは、例えば、ビタミンCのみのサプリメントです。しかし、パッケージには、
大きく、「ビタミンC」と書かれていても、単体のビタミンCだけではないことも多くあります。
裏をよく確認してみると、様々なビタミンも一緒に配合されていたりします。

このように、たくさんの種類のビタミンサプリメントがあるなか、
あなたの持っているサプリメントは、何が入っていますか？
実は無駄に実は何種類も重複していて、
過剰に摂取している可能性があります。




毎日仕事のデスクワークでのパソコン作業、長時間の同じ体勢。体に負担もかかります。
そんな不調のために、製薬会社の眼精疲労や肩こりに効くというお薬のCMをよくみかけます。

ビタミンのサプリメントも飲んでいるけど、なんとなく体がだるいし、朝起きても疲れがとれていないからなど、
今飲んでいるものに加えてどんどん追加して飲まれたりされていることはないでしょうか。

実はそのような商品の中身も、ほとんどがビタミンで構成されている可能性が高いです。
それも、体に蓄積され安やすい、脂溶性ビタミンが多く含まれているものもあります。



ヘルシーな食生活を気にされているという方の中には
小腹がすいたときのおやつとして、健康や美容意識の高いかたは、
アーモンドなどのナッツ類を食べられる人も多いのではないでしょうか？
しかし、特にアーモンドには、脂溶性ビタミンである、ビタミンEが多く含まれています。

アーモンド100g中、30.3mgのビタミンEの成分が含まれています。
ビタミンEno摂取の目安量は成人男性だと、6.5mg、女性だと6.0mgが目安量とされています。

単純計算すると、だいたいアーモンド20粒程度で、1日のビタミンEの目安量が摂取できることになります。
出典元：　食品成分データベース
　　　　グリコ　「日本人の食事摂取基準」

ちなみに、先ほどお話しした、日本人のビタミン摂取量では、
ビタミンEは推奨量程度を摂取できている人が比較的多いのです。
サプリメントで摂取した上、おやつからも、
多くのビタミンEを摂取している可能性があります。

脂溶性のビタミンの問題点：外に出にくい性質を持っている

サプリメントを摂取しすぎることによる健康被害も

脂溶性のビタミンは、一旦体内に入ってしまうと、水分に溶けにくいため、
なかなか体の外に出るチャンスがありません。
そのため、必要量以上のものは、肝臓に貯蔵され続けます。

通常、ビタミンAの過剰摂取は、普段の食事では起こりませんが、
近年では、サプリメントの摂取によっての健康被害が報告されているようです。

ビタミンAの過剰摂取では、皮膚細胞が、ビタミンAを代謝できなくなった場合に起こる現象が、
皮膚炎を誘導するとした論文も発表されています。
出典元：東京大学「過剰なビタミンＡが引き起こす皮膚炎の原因を解明～線維芽細胞が司るマスト細胞の組織特異性のかく乱～」

また、最近、厚生労働省の発表によると、

「推奨量の 2 倍程度(1,500μgRAE/日)以上のレチノール摂取を
30 年続けていると、推奨 量(500μgRAE/日)以下しか摂取していない人に比べて
高齢者の骨折のリスクが 2 倍程度になる」

という報告もあります。
レチノールとは、ビタミンAに含まれる成分です。
引用元：厚生労働省「栄養素等摂取状況調査の結果」　


ビタミンEについては、今まで過剰症というものは症状として報告されず、出現しないとされてきました。
しかし近年、ラットでの研究が進んでおり、骨粗鬆症を促すという報告がされているものもあります。

もちろん、人への影響やその量はまだ研究途上ではありますが、どちらにせよ、
過剰に摂取すると、健康被害が起こる可能性はあるようです。
また、出血リスクが高まるとして、脳卒中などの原因になる可能性もあることが示唆されている文献もあります。

出典元：日本薬学会『ビタミンEの過剰摂取と骨粗しょう症』

水溶性ビタミンについて：体質や状態によって摂取すべき量は異なる。

水溶性のビタミンは、水に溶けて、尿と一緒に排出されます。
最近では、健康と美容のために大量のビタミンCを摂取される方もいるようです。

しかし、ビタミンCは大量に摂取すると、体質によっては下痢を起こしてしまうことがあります。
ストレスがより多い人や、タバコを吸う人、お酒を飲む人、
すでに病気の人はビタミンCをより消費してしまい、より多くの量を必要としておりますが、
ストレスが少なく、毎日栄養を偏りなく摂取する健康体の人であれば、
適度な量で問題ないとも言われています。

これは、「腸管耐容量」という、
腸管が耐えうる限界値を超えてしまった場合に起こります。

この腸管耐容量は人によって違い、それぞれ摂取できる量は異なります。
栄養を効率よく摂取しようと、
サプリメントでビタミンを補っているつもりが、
むしろ他の栄養も吸収できない状態にしているかもしれないのです。




ビタミンを補うためにのむサプリメントですが、体に必要以上に過剰に摂取してしまっては意味がありません。
またそもそもビタミンが足りなくなってしまう健康状態にも問題があるという
根本的なところを考える必要があります。

毎日の習慣で、ビタミン摂取ができ、なおかつ他の栄養素も同時に摂れたらうれしいですよね。

そこで、粉末の緑茶はいかがでしょうか？

いつもは茶葉にお湯をいれて、お茶がでるのを待って飲む。
これが普通ですよね。

でも、お茶に含まれるビタミンや食物繊維などは、ほとんどが茶葉に残っているのです！

しかし、粉末にしたお茶なら、そんな栄養も余すことなく頂けます。
しかもお湯を入れて溶くだけ。ゴミも出ず、片付けも不要です。

お値段もお手頃なのもうれしいポイントです。

粉末の茶葉、栄養は？

粉末の茶葉には、カテキンやビタミンCは言わずと知れた緑茶の栄養価ですが、それ以外にも、
カロテン（ビタミンAの元）
食物繊維
なども豊富み含まれます。

緑黄色野菜がなかなか食べる機会が少なく、不足しがち、という方も、粉末の茶葉なら摂取できます。
もちろん使うときは残留農薬の心配がない、オーガニックのものを。

アレンジも無限大？

毎日のオフィスでのコーヒーを、時々粉末緑茶に変えてみたり、そのままお茶として頂くのはもちろん、
豆乳に入れたり、バナナやヨーグルトなどとスムージーに加えてみたりと、お手軽にアレンジもできます。

豆乳にはビタミンEが、ヨーグルトにはビタミンDが含まれているので、よりバランスも良くなります。
無農薬栽培の茶葉を使用したものや、低カフェインのものも販売されていますので、
体質やライフスタイルに合わせて選んでみてはいかがでしょうか。

最後に

ビタミンの過剰摂取について考えてきました。大量生産されている低品質なものもありますが、
中には良質なサプリメントもあります。



ですので、体質や状況によって飲んだ方がいい場合もあり、
決してサプリメントを飲むことがいけない訳ではありません。

しかし、いろいろなビタミンを、バランス良く摂取したいからといって、いくつものブランド、
たくさんのサプリメントや健康食品でメンテナンスをしているつもりが、
その中のどれかが、過剰になっている可能性もあるので、あまりにも摂取しすぎている方は
飲み合わせのバランスを見たり、ご自身の体に不調がないかどうか今一度確認してみると良いでしょう。

どのような内容のものを、どのくらい飲んでいるのか。
他の食習慣で、十分補えている可能性はないかを、
少し考えて頂くきっかけにして頂ければと思います。
できれば、おいしく、食べ物から摂取できることが一番良いのです。

自然の力に勝るものはありません。

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