食後のひどい眠気・午後に異常な眠気に襲われる人必見。東洋医学から考える「眠気」とは。「気」の正体と眠気の関係。人は生まれながらに気の量が決まっている!?
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食事の後の異常なねむ気に襲われる。夏の午後はとにかく眠い。・・・
ランチ後のあらがえないほどの眠気。
「血が胃に集まって消化活動してるから、しょうがないんだ」とわかっていても、
仕事中の眠気はほんとにつらいですよね。
夏はいつも眠気に襲われて、特に午後2~3時は眠気のピーク。
そんな方もいらっしゃると思います。
「こんなに眠たいなんて疲れているんだな~」とぼんやりと感じていても、
なぜ疲れるとそうなるのか?
そしてそんな眠気の対策はどうしたらいいのか?
わからず私も過ごしてきました。
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意外に身近な「気」
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「気」っていう言葉、どんなイメージを持ちますか?
漢方を勉強するまでの私は、ちょっと縁遠いイメージを持っていたのですが、
家族の闘病、そして自分の体調不良(胃痛)を経験して
「気」で考えたほうが理にかなうことって多いんだなあと実感しました。
例えば、周りに長生きの家系ってありませんか?
食事のあとはすごく眠たくなる!ってことも、よくあること。
これら、実は「気」が関係してるんです。
今回は、健やかに生きるための知恵でもある、東洋医学の「気」の考え方をご紹介します。
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「気」のつく言葉の多さ
気が立つ 気がふれる 気を抜く 気が重い 気性が荒い 元気 勇気 気構え ・・・
普段なにげなく使っている「気」の付く言葉。
昔から人は「気」という言葉を使って、その人間の状態を表現してきたのです。
先天の気 後天の気って?
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東洋医学では産まれるときの「先天の気」
産まれてからの「後天の気」それぞれの気の概念があります。
この概念、調べてみると、うなずけることが沢山あるのです。
産まれたときに与えられた「先天の気」
まず「先天(せんてん)の気」という概念。
東洋医学では「陰陽論」という考え方がひとつの基本となっていて、
両親の陰陽(陰は女 陽は男)が合致し、生命が生まれ、
そのときに命の炎を両親から受け継ぐとされています。
西洋医学的に例えると、この受け継がれる状態は「遺伝子情報」の概念に近いですが、
「気」はエネルギーのイメージがより近く強いかもしれません。
健やかな両親から、たっぷりの先天の気を受け継いで
元気な新しい命が生まれる、というイメージです。
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生きながら取り込まれる「後天の気」
もうひとつ「後天(こうてん)の気」という概念があります。
これは、食事によって、体の中にとりこめられる気のこと。
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3つの「後天の気」とは。
①宗気(呼吸)
まず一つ目は「宗気(そうき)」
呼吸と関係していて、血を全身にめぐらす作用のある気でもあります。
②衛気(防御)
二つ目は「衛気(えき)」
外からの攻撃(たとえば病気や過剰な寒暖など)を防いで体をバリアのように守る気のことです。
③営気/栄気(体の栄養)
そして「営気/栄気(えいき)」
血と一緒に体の中をめぐっている気で、栄養の作用、例えば体を養うエネルギーがあるとされています。
少しイメージがしづらく、また出展によってそれぞれ解釈や概念に差異がありますが、
つまりは、誕生から今こうして私達が生きているのは色々な「気」が関わっている、ということなのです。
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病気がちだったけど長生きした私の家族
私にはとても体が弱い家族がいます。
その家族は、小さな頃からよく貧血になり、学校集会や朝礼などでも倒れていました。
さらにとても偏食で不摂生な生活を続けており、精神的にも不安定。
本人も家族も、ケアに難儀することが多々ありました。
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なかなか妊娠できず、悲しいこともあったのですが、不妊治療のすえ子供3人出産。
ガンや肝不全、腎不全、骨粗しょう症による大ケガなど、
本当に病院のお世話になることの多い家族で、とうとう意識不明で救急搬送され「もう厳しいかもしれない。覚悟を」と医師に言われたのですが、
その後、奇跡的に意識が回復。
医師も「正直驚いています」と首をかしげるような出来事でした。
一時は余命数時間を宣告されながら、結局そのあと1年、
退院し、介護つきではありましたが自宅で生活を送ることができました。
意識不明のときには臨死体験をしたそうです。
よく聞きますが「寝ている自分を別の自分が上から見ている」というもの。
それを聞いて「ほんとかいな」と思いましたが、「自分でも嘘っぽいからイヤなんだけど」と
話していたので、不思議な話ですが、それくらい、本人は本当にこの世とあの世をさまよっていたのだと思います。
健康で長生き家系の「先天の気」を受け継いで復活した家族
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家系はそもそも長生きで、祖父は90歳を越えても健在。
先天の気は、両親から新しい命の個体の「腎」に、その先天の気を注いでいるとされています。
両親の燃える火を子供に受け継ぐイメージです。
もともとの体の弱さがありつつ、不摂生もたたり、一時は危篤にまでなったのに、
見事復活して1年を自宅で過ごすことができた私の家族は、長生き家系である両親の先天の気を、たっぷりと「腎」にたくわえてうまれたのだと実感しました。
医者も首をかしげた復活は、この先天の気の概念ならしっくりと腑に落ちることができたのです。
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「食」が大切な後天の気「食べないと死ぬ」ということ
逆に言うと、私の家族は、偏食を正し、もっと摂生した生活をしていればさらに長生きできたはずです。
倒れたときはほとんど食事を拒んでいた状態でした。
東洋医学で、後天の気は、食べ物が主となって作られています。
「食べないと死ぬ」ということです。
この食べ物を消化吸収するのが、東洋医学では「脾」という臓が司っているとされています。
(胃腸をはじめとする消化機能のことを「脾」という臓が行っている、と考えられています)
つまり、この「脾」の動きが落ちていると、食べ物をうまく消化吸収できないので、後天の気が弱くなるのです。
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あなたの胃腸、暑気あたりで弱ってませんか?
冷たい食べ物ばかり食べて胃腸を冷やしすぎていたり、暑気あたりで食欲が落ちたり。
そんな夏は、胃腸が弱って、食べ物から充分な気を取り込めない状態に陥りがちです。
体が充実していれば、消化活動も通常とおり行えますが、
疲れていれば消化するのに精一杯。
それで食事のあと疲れて眠たくなってしまうのです。
この理論でいうと、もともと胃腸が弱いと、気をつけて生活していないと眠たくなりがちだ、とも言えます。
私も夏が苦手で、暑い時期は慢性的に眠たいです。
もともと胃が弱く「脾」の力が弱いので、うなずける話です。
また、たとえ胃腸が強い人でも、スタミナ料理と冷たいスイーツやギンギンに冷えたビールなどで胃腸をいじめると
「眠たさ」という感覚で、脾や体が、SOSを出し始めるかもしれません。
冷える食べ物ばかりではなく、きちんとバランスの良い食生活をとり、
充分な休息をとって、体を休めながら食べ物から気を補うこと。
これらが東洋医学の面から見た養生で、家庭でできる手当てなのです。
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午後2~3時は最も陽気が強い時間
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中国で古くから伝わり、東洋医学のベースである「陰陽論」では、
午後2~3時は一日の中で「陰陽」の「陽の気」がとても強い時間帯です。
東洋医学では、この時間に眠たくなるのは「体が疲れていると、陽の気に体が負けてしまい、眠たくなってしまう」という考え方をしています。
だいたい昼下がりは眠たいものなのですが、夏が苦手な人は、暑さと湿気でバテやすく、特に夏のこの午後の時間帯の眠気が強いと考えられます。
※年中午後に異常な眠気に襲われる人は、一度食事と睡眠など生活を見直すと同時に、受診してみる必要があります。
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その眠気、体からのSOSかも?
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目をさます嗜好品などで、ガツンと一発で眠気を吹き飛ばす方法もあります。
けれど、ちょっと待って!
まずはその眠気、暑気あたりなどで体が疲れている状態だという事実に気づいてケアしてあげたいものですね。
そして、ゆっくり休息時間をとって、胃腸と体に良いものをバランスよく摂取する。
「単なる眠気だ」と見過ごさないで、きちんとケアして体をいたわってあげてくださいね!
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