ちょっと待った!その頭痛薬。治すどころか、むしろさらなる頭痛を招いているかもしれません。東洋医学から考える根本的な頭痛の原因と、改善方法とは
頭痛外来に通院しているが、病院では話を聞いてくれず、薬はまとめて1か月分だされるだけ。
頭痛薬の副作用に苦しんでいるので、ほぼ毎日飲み続けていた市販の頭痛薬を断ち切りたい。
生理前後に必ず訪れる頭痛に頭痛薬を飲んでいるが、なんとかさよならしたい。
朝起きたら薬を飲んで、就寝前にも飲んでいる薬漬けの毎日が不安で仕方がない。
病院に通わず、薬に頼らなくても大丈夫になりたい。
こんな現代人がとても増えていますよね。
でも具体的に何が原因なのかわからず不安な日々を送っていることと思います。
今回は、そんな不安にお応えするため、
頭痛薬に頼りっぱなしの毎日の危険性と、そんな日々から解放されるために必要なことについてお伝えします。
流れるCMに騙されていない? 頭痛薬を頻繁に飲むことの危険性とは
頭痛を我慢しないで快適生活!
・・・なんて、頭痛薬のうたい文句を聞いたことはありませんか?
薬局や薬の宣伝には、
●痛みの元となるプロスタグランジンという物質の生成を抑える
●副作用が少ない
●効き目の速さと効果が大事
●胃にやさしい工夫
●早めの服用がポイント
●痛みは我慢しないで!
●用法・用量や、使用上の注意を守って正しく使えば大丈夫です
などの説明が誇らしげに書いてあります。
しかし本当の意味で健康になりたいIN YOUの読者さんには、正直にお伝えします。
残念ながら、全てが不健康への入り口です。
そもそも、痛みというのは身体が健康ならば起こりませんし、痛みをごまかして原因を改善しなければ悪化するのは当然と言えますね。
さらに、副作用のない薬は存在しないというように、どんなに少ない量であっても、副作用はなくなりません。
なぜなら、薬は全て身体にとっては自然なものではないからです。
もちろん、本当に夜も寝られないくらい辛いときは一時的に痛みを抑えることも必要だとは思いますし、気合で我慢しろとは言いません。
ですが、その痛みを誤魔化し続け、薬で痛みを抑え続けていれば身体はどうなってしまうのでしょうか?
頭痛を抑えたくて飲んでいた頭痛薬がまさかの頭痛の原因になっていたケース
頭痛薬に頼ることの弊害とは・・・!
知人の話です。
10代の頃から酷い頭痛持ちで、薬を手放せなくて悩んでいました。
はじめは効き目もよかったようですが、
次第に、薬の効いている時間も短くなり、毎日のように頭痛に悩まされるように・・。
それでも、薬を飲んだ安心感で毎日過ごしていました。
しかし、余りに異常な頭痛の回数と、増えていく薬の量が心配になり、他の治療法を探していたそうです。
その途中で、薬物乱用型頭痛という名前を知りました。
日本頭痛学会の定義によれば、
●月に15日以上の頭痛がある。
●頭痛薬を月に10日以上飲んでいる。
●3ヶ月以上、定期的に頭痛薬を服用している
●一種類以上の頭痛薬を服用している
とあり、自分に当てはまっていることばかりで驚愕したそうです。
薬物乱用頭痛が治る過程
日本ペインクリニック学会誌 / 早期公開 / 書誌より抜粋(境 徹也, 澄川 耕二)薬物乱用頭痛とは,頭痛治療薬を頻用する結果生じる難治性の頭痛である.今回,複数の頭痛治療薬の頻用が誘因と疑われた薬物乱用頭痛に,ガバペンチンが有効であった症例を経験した.症例は50歳,女性で,中学生の頃から片頭痛を自覚し,市販複合鎮痛薬にて自己対処していた.
しかし,12年前に市販複合鎮痛薬を毎日内服するようになり,6年前よりリザトリプタンを毎日,ロキソプロフェンを月に10日以上使用するほど頭痛は悪化していた.当科受診時,患者は連日性の頭痛を訴え,その性状は持続的な締め付け感を伴うものであった.薬物乱用頭痛についての患者教育を行い,リザトリプタンとロキソプロフェンの内服中止と頭痛日記の記載を指導した.
5週間後,リザトリプタンとロキソプロフェンの内服を中止でき,ガバペンチンの内服を開始した.11週間後,持続的な締め付け感を伴った頭痛は拍動性の頭痛へと変化し,その程度は軽減した.
と報告されています。
簡単に言うと頭痛薬を減らしたほうが頭痛がマシになったという報告です。
頭痛薬を飲んだ後のことを気にしたことはありますか?
薬の服用は胃が荒れるので、胃薬が出されます。
さらに肝臓で分解される際に解毒酵素のチトクロームが消費されます。
このチトクロームは鉄分が中心なので、貧血の症状が現れることもあります。
ですので、人によっては鉄分のサプリを出されることもあり、どんどん身体には多くの人工物が取り込まれ肝臓を疲労させます。
薬を飲むことで逆効果になったり、飲みすぎると別の病気の原因にもつながりかねないということ。
根本的な頭痛の軽減には頭痛薬を減らすことが重要ですね。
薬物乱用頭痛の治療法とは
薬物乱用頭痛への心身医学的考え方とアプローチ(<特集>頭痛の心身医学)より抜粋(花岡 啓子)
偏頭痛などの頭痛に急性期治療薬を連用することによって引き起こされる薬物乱用頭痛の治療では乱用薬物の中止が不可欠であるが,単に指導,指示,管理だけでは断薬は容易ではない.また,離脱1年目の再発率は38%,4年までは42%との報告があり再発防止も大きな課題である.離脱療法導入と維持には生活・服薬指導や薬物療法などの身体医学的治療のみならず受容,支持,保証,セルフモニタリング,スケーリング,自律訓練法,認知行動療法,解決志向アプローチ,交流分析,再決断療法などの心身医学的アプローチが不可欠である.離脱成功例は病態の理解と自発的な断薬の決心と実行ができたことが共通点である.薬物乱用頭痛の治療にはディスカウント理論に基づいた気づき・理解・決心・実行の4段階の治療戦略と自発性を促す心身医学的アプローチが有効と考えられる.
簡単に言うと、薬物乱用頭痛の治療法は、精神面の改善が不可欠であるということですね。
特に頭痛薬に依存性は高く再発率の高い疾患であるため、一人で頑張らずに周りの人の助けを借りると良いでしょう。
一人でやり遂げる方もいますが、薬を依存していると、そこから抜け出すのはとても難しい可能性があります。
禁煙の治療にも近いので、難しいときは素直に周りの人に助けてもらいましょう。
自分の力で頑張りたい人には東洋医学の知恵がおすすめです。
なぜなら、普段の生活習慣の改善がメインだから実行しやすいのです。
東洋医学なら体質からの改善を目指します
まずは、頭痛の根本的な原因を分類しましょう。
- 気候に左右される頭痛
- 内臓が弱っている頭痛
東洋医学では、頭痛は上部の症状なので風との関係が強いとされています。
「風に傷られると、先ずこれを上に受く」
と古来から言われ、風に侵入されると
- 頭痛
- 肩こり
- めまい
その中でも、
- 酸素が足りない緊張性頭痛は寒さが原因で強い痛みを伴います
- 熱を伴う偏頭痛は頭痛とともに発熱や喉の痛み、咳、痰など症状を伴います
- 身体に熱がこもっていると身体のダルさと頭が重く締め付けられるような痛みを伴います
対処法としては、
- 酸素の不足には血流の改善のために腹部を温めます
- 熱を伴う場合は、おでこを冷やし水分を体重の3%を目安に飲みます
- 身体のダルさが強いときは炭水化物を減らす
また、10代の頃から続く頭痛や社会人になったのがきっかけで起こり始めた頭痛は内臓疲労を疑いましょう。
肝が原因となるもの
主な原因は
- ストレス
- 過労
- 目の使いすぎ
これらは、ドロドロ血の原因となり刺すような頭痛を起こすケースもあります。
頭に熱が昇り偏頭痛の原因となります。
東洋医学では、瘀血(おけつ)と呼ばれる状態です。
目を休ませる時間を作って水分の摂取量を増やしましょう。
胃の弱りから起こるもの
主な原因は、
- 暴飲暴食
- 夜遅くの食事
- 野菜不足
消化吸収の能力が落ちている状態です。身体に熱がこもりやすくなる原因でもあります。
東洋医学では、脾胃虚弱と呼ばれる状態です。
空腹の時間を増やしましょう。可能なら夜ご飯から朝ご飯までの間が12時間くらい空いていると良いですね。
大腸の弱りからくるもの
老廃物の排泄が滞っているので、慢性的に疲労を感じます。
鉄分の吸収が低下するので、酸素不足の原因になります。
- 冷え
- 脂質やアルコールの摂り過ぎ
- 消化不良
腸内環境が乱れている状態なので、整えることが大切です。
東洋医学では、気虚(ききょ)と呼ばれる状態です。
白湯を多く飲み、腸内環境の改善のために発酵食品を意識して摂りましょう。
生活習慣から身体を改善するには
そもそも、頭痛が長期に渡って治らない人は悪い生活習慣に心当たりはありませんか?
多くの人はドキッとすると思います。
とは言え、自覚があることばかりとは限りません。
例えば、
- 食事は満腹になるまで食べている
- 水分を摂るのは喉が渇いてから
- 下痢や便秘はいつものことなので気にしていない
などは、日常でよくある話に見えますが、実は極めて不健康なことなのです。
現代人は知らずのうちに健康を害していると言われます。
昔から腹八分目には医者いらずという格言があります。
また、喉の渇きのサインは年をとるごとに衰えるので、喉が渇いてから飲むのでは水分不足になりがちです。
そして、下痢や便秘は腸内環境が整っていれば起こりません。
東洋医学における身体を改善する知恵
腸内環境の改善には白の野菜がお勧め
白の野菜の代表選手には
- 白菜
- 大根
- 玉ねぎ
- レンコン
- ネギ
これらの食品には
- 血流をサラサラにするアリシン
- 消化を助けるジアスターゼ
- 豊富な水分
- ミネラル
- 身体にこもった熱をとる
- 血流を良くする
- 腸内環境を改善する
体質にもよりますが、寒い季節は、みそ汁やスープにして汁ごと頂くのが理想的です。
まとめ
頭痛を治すために薬を飲むという行為は一般的になりつつありますが、根本的な改善には決してなりません。西洋医学の全てが良くないとは言いませんが、何も原因を考えず頼りっきりになっている状態は望ましいとは言えません。
ごまかしているどころか、身体を悪化させているとも言えます。
頭痛は身体からのSOSなので、原因を特定し改善することが大切ですね。
多くの場合は知らずにしている生活習慣にあります。
東洋医学における名医とは予防できる医師を指します。
- 体重の3%を目安に白湯を摂る
- 腹八分目にして空腹の時間を作る
- 白い野菜をみそ汁やスープで飲む
その上で、自力での改善がどうしても難しいと思われる人は薬物乱用頭痛の治療を行っている善良なクリニックなどを探すと良いでしょう。
また、強い痛みや、あまりに酷くなる場合、吐き気を催す場合などあ重篤な場合は自己判断ではなく専門家に相談しましょう。
生活習慣を見直す癖をつけられたら、自分で身体を守ることができるので
まずは習慣を改めるところから始めましょう。
白い野菜を探してみよう
ご紹介するのは、農薬や化学肥料を使わない熊本産のレンコンを使ったレンコンパウダー。
レンコンは昔からおばあちゃんの知恵で粘膜のトラブルに取り入れられてきた食材。
このレンコンパウダーは一年中レンコンの成分を手軽にいただけるので、常備しておくと助けられます。
このレンコンは、一般のレンコンとは異なり、在来種にもこだわっているのが特徴です。
日本で昔から作られてきた在来のレンコンを農薬や化学肥料を使わないで栽培しているから、レンコン自体のパワーが他とは違います。
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