カルシウム=牛乳の概念は、もう捨てよう。日本人の体質にマッチしたカルシウムの摂取方法と、現代人の体を養う「ごま塩」のチカラ。
お家の冷蔵庫にはミルクはありますか?
「カルシウム」といえば牛乳やチーズを思い浮かべる方も多いでしょう。
子供の成長期に欠かせない、精神の安定、安眠、骨そしょう症の予防など、
カルシウムに期待するところは大きいですね。
小さい頃から「カルシウムをとれ」と言われ、毎日牛乳が支給されてきた経験からも、
冷蔵庫にはいつも牛乳やチーズを常備している家庭も多いと思います。
しかし、ご存知の方も多いかと思いますが、
マクロビオティックの考え方では、動物性のカルシウムはあまりお勧めしていません。
物にもよりますが、植物性のカルシウムなら比較的安全で良質な補給ができるでしょう。我が家の冷蔵庫には、牛乳はありません。
子どもたちも、成長期だからといって牛乳を与えていませんでしたが、植物性のカルシウムで、十分に育ちました。
カルシウムの働きは、骨を強くするだけじゃない!
私たちが摂取したカルシウムは、その99%が骨や歯に貯蔵されます。
残りの1%は血液に乗って全身を巡ります。
そして、筋の収縮やホルモンの分泌、血液の凝固や止血などの機能を果たしています。
その他、心臓の規則正しい拍動にもカルシウムが関与していて、生命維持のために重要な働きをしています。
骨に蓄えられたカルシウムは、血中カルシウム濃度が下がってくると、副甲状腺ホルモンが指令を出して、骨からカルシウムを溶かして調達します。
常に、適量のカルシウムが体内を巡るよう、骨が貯蔵庫の役割を果たしているのです。
その他、胃液の分泌調整や鉄の代謝補助などの働きもしています。
また、マグネシウムと協同して、筋肉の緊張や神経の興奮を落ち着かせる作用もあります。
しかし、カルシウムは食品からの吸収率の低い栄養素です。
牛乳や乳製品でも約50%しか吸収されません。
通常の食事でも25〜30%程度と言われています。その上せっかく吸収蓄積されて骨の一部になっても運動不足などで骨への負荷が減れば簡単に流れ出てしまいます。
もともとカルシウムの摂取がしにくい日本の土壌
日本は雨が多く降りますが、地形上、雨水が比較的すぐに海へ流れるため、土壌中のミネラルがあまり水に溶け込みません。ヨーロッパなどの平坦な地形では、雨水がゆっくり地層をとおって湧き出すため、ミネラルがたっぷり溶け込んだ硬水になります。
ミネラルの中でも、カルシウムとマグネシウムの含有量が硬水・軟水の決め手。
一般に硬度120mg/1未満が軟水、300mg/1以上が硬水。
日本の水はほとんどが軟水です。
そうしたことから、日本ではカルシウムを摂り過ぎる心配よりも、むしろ意識して摂った方が良さそうです。また、カルシウムとマグネシウムは兄弟ミネラルとも呼ばれていて、相性が良く一緒にとると吸収率が上がります。
交通事故で複雑骨折した時に食べたくなったもの。
動物性カルシウムはリサイクル品!?
私は小学生の頃、交通事故で左大腿骨を複雑骨折して、3ヶ月入院をしました。複雑骨折だったため、少し時間がかかると言われ、母は心配して、カルシウム製剤(牛骨粉)を私に飲ませました。今思えば、あれは牛の骨から作られた“お下がり”でした。
私も、早く回復したくて母の勧めるままに飲んでいました。
3ヶ月後、無事に退院できましたが、骨の質が良かったかどうかはわかりません。
牛は牧草を食べて乳や自分の骨をつくります。
人間がその乳や骨を利用してカルシウムを摂るとしたら、二次的なカルシウムになりますね。
そのころの私は、いつもの朝食に飽きて、一人だけ「コーンフレークに牛乳をかけて食べたい」とか、
「梅干しは嫌い」「納豆は食べられない」と、わがままを連発していました。
なのに、家族と離れて病室に一人でいた時に無性に食べたいと思ったのは、
梅ぼしが入って大きめの海苔に包まれたおにぎりでした。
海苔もカルシウムがたっぷり。
私の体が本能的に、良質のカルシウムを欲しがっていたかもしれません。
母にリクエストすると、喜んで作ってきてくれました。
おふくろの味の勝利ですね。
日本人の良質なカルシウム源
地形や気候が変われば、そこで育つものも違ってきます。
もともと土壌や水にカルシウムが少ない土地で暮らす日本人は、何を食べてカルシウムを摂ってきたのでしょう。
酪農の歴史は近年ですから、牛乳でもチーズでもありませんね。
一番に思いつくのは、島国日本では周りが海ですから、魚は食べていたでしょう。
その魚は小魚を食べ、小魚は藻や海藻を食べて自分の骨を作ります。
ですから、人間がそれを利用してカルシウムを摂るのは、やはり二次品、三次品になります。
良質でしなやかな骨を作るなら、処女性の高いカルシウムがオススメです。
実は植物の体にも多くのカルシウムが含まれています。
特に、青菜や海藻、ゴマにカルシウムが多いのです。
つまり、海藻や青菜やゴマが、しなやかで強い骨を作ります。
青菜の中でも、大根葉はカルシウムがたっぷり。
小松菜も多いですが、とれない時期は、海藻やゴマなどの乾物を利用してもいいですね。
毎日コンスタントにカルシウムを摂るためには、ふりかけとして常備しておくと重宝します。
ゴマ塩を作ってみよう!
ゴマ塩作りは、ちょっと修行僧のような気分で楽しいもの。
先に述べたように、カルシウムの多いゴマとマグネシウムを含む自然塩は相性のいい組み合わせです。
常備しておけば、忙しい日もご飯が進みます。
作り方(作りやすい分量)
1.厚手の鍋に塩(大さじ2)を入れ、木べらで混ぜながらサラサラになるまでから煎りする。塩が熱いうちにすり鉢に移し、細かく摺る。
2.1の鍋に黒いりゴマ(大さじ8)を広げて火にかけて、空煎りする。パチパチと言い出したら、火から降ろす。
3.2のゴマを3分の1ずつ1のすり鉢に加え、油が出ないように手早くすり合わせる。3回に分けて混ぜ合わせ、塩とゴマが完全に混ざったら出来上がり。冷蔵庫で1ヶ月保存可能。
オススメの使い方
カルシウムの働きは広範に渡りますが、細かいことが気になって眠れないといった陰性タイプの不眠症や、
体調が整わない時の微調整にこのゴマ塩を使うことがあります。
もし市販のものを買うときも、必ずこだわったものを選んでください。
面倒な方は市販品でも大丈夫ですが、一般に国内で消費されているごまのうち、99.9%が海外から輸入されたものですので、安ければ安いほど、その安全性には疑問符が残ります。
市販のゴマ塩は、塩分が高く、ゴマは摺れていないものがほとんど。
ゴマは種子なので、殻を十分に取らないと、栄養として吸収されずに、そのまま排出してしまいます。
選ぶなら、ゴマは信用できる国産品を使用しているものを。
本当に良質なゴマは、真っ黒で濃厚、香りも豊かです。
塩も、精製されたものであればNGです。
マクロビお手当てにも活用。
「胡麻塩」ですっかり気分が落ち着いた!
子育て時期に、マクロビのサークルを始めていた頃でした。同世代のママ友の一人が、ストレスからか過呼吸や心気亢進の症状を抱えて、夜に家に訪ねてきました。
子連れでしたが、これからまだ車を走らせて自宅へ帰る途中です。
途中休憩をしないと辛そうな様子でした。
家に上がってもらい、ゴマ塩を頓服してもらいました。
なんと、その後、気分が落ち着いたので、自力で車で自宅に向かうことができたのです!
普段はご飯のお供に食べることができますが、このように応急の時も役に立つので、常備しない手はないですね。
ただ、時間と気持ちに余裕がない時は、無理せず出来上がっているものを利用してもいいでしょう。
ゴマは、カルシウムの他に、60%ほどの脂質(リノール酸・オレイン酸)や、抗酸化作用の強い成分ゴマグリナンを含んでいます。
ですから、毎日摂ると、生活習慣病の予防やアンチエイジングの効果も期待できるでしょう。
牛乳は、私たち日本人が本当に飲むべき飲み物なのでしょうか?
日本人が昔から摂ってきたカルシウムは、日本人の体にフィットするはずです。
乳製品が好きな方でも植物性の良質なカルシウムを摂ることを始めてみませんか。
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