春は溜め込んだ毒素を自然に排出する季節。デトックスに役立つ山菜のチカラ。
冬の間ため込んだ老廃物をせっせと排出する季節、春。
冬の間は、クリスマス、忘年会、お正月、バレンタインなどイベント事も多く、普段より甘いものや油っぽいものを食べたり飲んだりする機会が多いもの。
食べ過ぎは胃腸に負担がかかりますし、アルコールも肝臓を酷使しますので、 体は想像以上に老廃物を溜め込んでいます。
それに加えて、ただでさえ新陳代謝が衰える冬は運動不足も重なり、体の巡りが悪くなってしまっています。
今、季節も冬から春へと移り変わり、体もメンテナンスが必要になる時期です。
本来、春は冬に溜め込んだ老廃物を排出し、身体の巡りを整えるデトックスの季節とされています。
動物は寒くなる冬までに栄養を溜め込み、冬眠に備えます。
人間も同じように、冬には寒さから身を守るために代謝機能が低下し、脂肪を溜め込むようになるのです。
冬に太りやすいのは、この本能の働きのため。
そして徐々に暖かくなる春は、代謝機能が活発になり、冬に溜め込んだものを一気に排出するような仕組みになっています。
デトックス力の高い野菜が春に旬を迎えるのも、体に今必要なものだから。
山菜は栄養が凝縮された日本のスーパーフードだった。
山菜は、寒い冬の間に土の中で命を育むような強い植物で、新芽などは特に成長のための栄養が凝縮されています。
栽培したものではなく、山の自然の恵みのものなので、尚のことですね。
冬眠から目覚めた熊が、一番初めに口にするのはなんとフキノトウなのだそう。
自然界で暮らす動物は、誰から教わる訳でもなく身体で感じて生きていますから、本当に理にかなっているなぁ、と感心してしまいます。
わたしたち人間も、流行りのスムージーやジュースクレンズでのデトックスもいいですが、日本ならではの旬の食べ物で身体を整えるのが一番。
【代表的な春の野菜・山菜】
あざみ・あしたば・アスパラガス・うど・うるい・かたくり・からし菜・キャベツ・行者にんにく・グリーンピース・クレソン・こごみ・さやえんどう・じゃがいも・セロリ・ぜんまい・そらまめ・たけのこ・玉ねぎ・たらの芽・つくし・菜の花・のびる・パセリ・ふき・みず・水菜・山わさび・よもぎ・ルッコラ春野菜・山菜の効果効能
昔から、「春は苦味を盛れ」と言い伝えられており、「夏は酸味、秋は辛味、冬は脂肪、と季節ごとに自然の恵みを食べよ」ということがいわれています。⚫︎体の中蓄積された老廃物を体外へ出す手伝いをしてくれる
春野菜・山菜には独特の香りや苦味があります。その苦味こそが、「植物性アルカロイド」に由来するもので、植物が昆虫や外敵から身を守るための自己防衛手段なのです。
これが、腎臓の濾過機能を向上させ、不要な老廃物や毒素を体外へ排出してくれる「解毒作用」や、「新陳代謝を促してくれる働き」を持っています。
⚫︎精油にも含まれる香りの働きでリラックス効果や炎症を抑える効果がある
セリやセロリ、あしたばなどセリ科の野菜の香りの成分には、精油成分の「テルペン類」が多く含まれています。テルペン類は、「高血圧予防」、「抗炎症作用」、「リラックス効果」、などがあります。
⚫︎解毒の役割を担う肝臓の機能を高めてくれる
キャベツや菜の花などのアブラナ科の野菜には、「グレコシノレート」という辛味の素になる成分が含まれており、これは「肝臓の解毒機能を強化」することがわかっています。
一年中大好物のトマトを食べるとカラダが冷えて、見えない不妊の原因になるケースも・・
その季節毎に、体が必要としている栄養素を多く含んでいるのが「旬の野菜」たちです。
今では、ハウス栽培によって、一年中トマトやピーマン、ナスなどがスーパーに並んでいますが、これらの野菜にも役割があるので、旬でない時期に食べ続けていれば体に不調が出てきます。
旬を意識した食材を選ぶだけでも、体は元気になってくる。
植物たちはそれ程の力を持っています。
最近、不妊で悩む知り合いの女性に普段食べている物を聞いてみたら、秋も冬も一年中トマトを食べているという方がいらして「冷えの原因はそれだ!」と、寒い時期はトマトを控えるようにお伝えしました。
トマトを食べないようにしたら少ししてから妊娠した!という嬉しいエピソードもあります。
「通年食べていても何もなく元気だよ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、少なからず体には影響があるのです。
トマトは内臓を冷やす、陰陽五行でもそういわれています。
ほてる夏には頼りたい食材ですが、寒い冬には向きません。
旬のものを食べる事にはひとつひとつ意味があります。
ただ、気を付けて頂きたいのは、良いからといって「同じものばかり食べない」ということ。
山菜も、食べ過ぎるとお腹を壊す可能性もあるで、食卓には違う食材も使用するように意識したり、連続で同じ野菜を使わないように、ローテーションする。
代表的なふきやタラの芽、コゴミ、ウド、タケノコなどはこの時期スーパーにも並ぶようになってきていますが、折角ですから家族で山菜採りへ出掛けるのもいいですよね。
山に自生しているものは栽培物に比べて栄養価もパワーも違います。
気温も暖かくなってきたので、運動も兼ねて行かれたらとてもリフレッシュになりそうです。
ただ、どうしても注意したい所はそのスポット。
山は放射能の残留や数値が特に高い場所なので、放射能についてしっかりと下調べをして行かれるか、その手のことに詳しい専門家から検査済みのもののみを買う、など注意するに越したことはありません。
山菜の調理法
さて、山菜が体にいいことはわかったけれど、「調理法がイマイチ?」という方も多いと思います。コゴミやクレソンなどのように、下茹でが不要なものもありますし、天ぷらにする場合は生のままで大丈夫なものもありますが、山菜はアクやエグミが強いので基本的には軽く茹でてから調理します。
ほとんどの山菜がお浸しや煮物、油炒め、酢の物、汁の実、天ぷらなど調理法も幅広いです。
ウドの皮は捨てるのではなく金平にすると美味しいですし、ふきのとうを細かく刻んで味噌と和えるふき味噌は日持ちもするのでお勧め。
子供の頃、山菜の苦味があまり好きではなかったですが、歳を重ねていくにつれ美味しさがわかるようになるもの。
解毒作用や新陳代謝の促しが必要になってきたからこそ、体が自然に欲するのでしょうか。
人間の身体は、本当に良くできているな、とつくづく感じます。
春は、一年の体調を左右する大切な季節ともいわれているので、旬の短い山菜や春野菜を味わいながら体内をデトックスし、新たなきもちで過ごしてくださいね。
体の中から、細胞レベルで美しく健やかに。
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