ぎっくり腰・腰痛の原因は冷えだった | 鍼灸師が教える冷えや疲れを直し、ぎっくり腰を予防する方法。
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突然に起こる腰部の激痛。
どこかへぶつけた訳でもなく、ちょっと前かがみになっただけなのに…
そう、「ギックリ腰」です。
厚労省の調査・平成28年の健康調査では、
男性の場合、身体の不調の訴えの
第1位が腰痛・2位が肩こり。
女性では、1位が肩こり・2位が腰痛です。
一生の間に7・8割の人が腰痛を経験すると言われていますが、
これは、人類が直立2足歩行を始めた代償ともいえます。
放っておけば加齢とともに筋力は衰え腰痛は出やすくなってきますので、
腰痛は避けたいし、なってしまった時には早期改善を目指したいものですね。
今日は、そんなにっくきぎっくり腰についてのお話です。
ぎっくり腰の原因
慢性腰痛とは違って、ぎっくり腰は突然にやってきます。
さっき迄普通に動いていたのに、突然の激痛で身体が動かせなくなります。
ぎっくり腰の原因は幾つかあります。
筋・筋膜性腰痛
腰部の筋肉や筋膜または、それらを貫く神経の炎症による腰痛です。筋・筋膜が急激に伸ばされて、小さな部分断裂が起こることもあります。
椎間関節性腰痛
椎間関節というのは、積み重なった腰椎(背骨)の後ろ側にある左右一対の関節です。その関節が椎間板と共に背骨の支持を行っています。ここが変性・劣化すると
少しの外力でも神経を刺激して腰痛を起こします。
腰椎椎間板ヘルニア
積み重なった腰椎の前側部分である椎体と椎体の間にある円盤状のものが椎間板です。椎間板は中心にあるゼリー状の髄核とそれを取り囲む繊維状の組織からなっています。
この繊維状の組織が外力や加齢により劣化断裂して中のゼリー状の髄核が出てきます。
それが神経に触れると痛みや痺れを引き起こします。
病院などでヘルニアと確定診断されれば、
それはぎっくり腰ではなくなり、治療法も変わります。
ぎっくり腰は、当初の痛みが激烈で動けないほどでも、数日で痛みが改善していきます。
無理せずに安静にしていれば、1~2週間ほどでほぼ元の生活に戻れます。
大切なのは発症後の対応です。まず基本は安静と固定です。
温めるか・冷やすか、という問題は、冷やしてください。
急性の炎症なので、例えば、熱いお風呂に長湯したりすると、
状態が悪くなり改善に時間がかかるようになります。
強い痛みが治まるまでの数日は冷やしてください。
あとはトイレと食事以外は横になって(膝を曲げて胎児のような姿勢が楽)いてください。
コルセットをつけると腰椎の不用意な動きが制限されて楽になります。
当初のこうした対応が、結局は早く治ることにつながります。
出来れば仕事を思い切って2~3日休んだ方が、会社にかける迷惑も少なくなります。
鍼灸治療もぎっくり腰には有効です。ただ効果がありすぎると、逆効果になることがあります。
どういう事かといいますと、痛みが軽減すると、治ったと思ってしまう人が結構いるからです。
痛みが取れただけで、損傷した組織の修復にはそれなりの時間がかかります。
鍼をすることで組織の治る時間が早くはなりますが、それでも一定の時間が必要です。
痛みは「動かずにじっとしていろ」という身体のメッセージなのですが、
それを鍼でとったために、ついつい動き過ぎて悪化してしまうのです。
その点を忘れなければ、鍼は有効な治療方法です。
慢性腰痛
ぎっくり腰のように、いつ起きたとはっきりしている腰痛以外に、慢性腰痛というのがあります。
なんとなく腰が重い、動き加減でちょっと痛い。
日常のふとした動作で腰に負担がかかり、常に腰が痛い、
あるいは原因は分からないけど何だか痛い、という事もあります。
最近は、腰痛の原因にストレスが多くかかわっている事が分かってきました。
痛みを軽減する脳内のドーパミンシステムという機能が、人間関係などのストレスにより上手く機能しなくなるのです。
そうすると少しの痛みでも強く感じるようになります。
そうして痛みの悪循環が起こります。
東洋医学の視点:日々の注意
いくら重いものを持っても体を捻じっても、ならない時にはならないのがぎっくり腰です。
逆に、ちょっと前かがみになっただけで、ギックリ腰が起こることもあります。
1つの症状が出る背景には、いくつかの要因があります。
東洋医学は、「内因」と「外因」という考え方をします。
内因というのは冷え性だったり、体力が落ちているなど、本人の問題です。
外因というのは外的な要因です。外的要因を外邪といいます。
外邪が身体の弱った時に、経絡に侵入して気血の流れを阻害して症状が出てくると、
考えます。例えば、外邪には風・熱などがあり、風邪・熱邪といいます。
風の強い寒い日に、疲れた身体で、外で力仕事をする。
そんな時には弱った身体(内因)に乗じて風邪が侵入します。
風邪が腰に至ればぎっくり腰になります。
ですから、ぎっくり腰のリスクを減らすには、
①過労時の力仕事は要注意
②寒い時の作業は暖かく
③冷え症の人は力仕事に要注意
など気を配ることで、ぎっくり腰のリスクが低くなります。
ちょっとした運動で腰痛対策
何もしないでいると日々腰痛のリスクが上がり、
思わぬ時にぎっくり腰になります。
誰でも、腰痛はすぐ隣にいます。
腰痛の素因である、冷えや疲れは、全身に巡る気・血の不足や
、肺で作られる陽気の不足が原因です。
気虚の方は、太った方・痩せた方どちらでもいます。
白っぽい顔つきで、声に元気がありません。胃の調子が悪かったり、
いつも倦怠感があります。
血虚の方は、めまいがあったり、手足の筋肉がつりやすくなります。
陽虚の方は、太っている方が多いです。普段から手足に寒さを感じる事が多いものです。
気血の不足や肺の働きが悪く陽気が少ない事が原因になる時には、
東洋医学的には、血を補うためには胃・脾を補う。
また消化吸収の良い物を摂取するという事になります。
気や陽気を補う為には、肺の働きを高めるように、ヨガや気功などの呼吸訓練も有効です。
腹式呼吸は全身に気血を巡らすことになるので、手軽でおすすめの運動になります。
ゆっくりと腹式呼吸を行う事で、気血の問題だけではなく、
腰部から下腹部にかけての背筋と腹筋を鍛える事も出来ます。
腹式呼吸で穏やかに鍛えた筋肉はウエイトトレーニングとは違い、
しなやかで柔らかな筋となります。
また、腹式呼吸を行う事は人間関係などのストレスを緩和する働きがあります。
更に腹式呼吸を行う事で、便秘の改善も期待できます。
1か月ほどで少し効果を感じるかもしれません。
毎日、あるいは週に3回以上行う事が必要ですが、
3か月ほどで、おなかの動く感じが良く分かるようになります。
その頃には、冷え症や疲れやすさも軽減して
慢性腰痛も改善が期待できます。
腰痛予防としても効果が出てきますので、継続をお勧めします。
腹式呼吸を行う
準備:仰向けになります。膝の下に丸めたタオルなど入れて、膝がわずかに曲がるようにします。
枕は低いものを首の下に入れる感じで、あまり高い枕は避けてください
両掌を重ねて、おへその少し下に置きます。舌の先を歯茎に軽く付けます。
腹式呼吸をしている間、舌はずっとその位置です。呼吸は鼻から行います。
呼気(息を吐く)
最初は吐くところからです。ゆっくり息を吐きながらお腹を凹ませます。手が自然に背中に向けてさがっていきます。
少し意識してお腹を凹ませてください。でも、力まないように。
吸気(息を吸う)
息を吐き切る少し前に吸う方に切り替えます。限界まで吐き切ると苦しくなるので、
少し余裕を持って呼気~吸気に切り替えてください。
ゆっくりと少しずつ息を吸います。
それにつれて、下腹部に置いた手が、せり上がるように、お腹を膨らめて行きます。
9割ほど息を吸ったら、またゆっくりと息を吐き始めます。
最初は3~5秒ほどかけて息を吐き、同様に3~5秒ほどかけて息を吸います。
吐く時間と吸う時間はだいたい同じにしてください。
時間は10分ほどで構いません。出来れば毎日行ってください。
ストレスなく生活を送ろう
上でお伝えした腹式呼吸は、
横になった時に、全身をリラックスさせ行ってください。
また、身体のどこにも力みがないようにするのもポイントです。
力が入ると上手く腹式呼吸が出来ません。呼吸は細く長くしてください。
腹式呼吸もそうですが、病は気から。
リラックスした状態で行いましょう。
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ー参考文献―
東洋医学 鍼灸治療編 代田文彦 学研
東洋医学見聞録上巻 西田皓一 医道の日本社
標準整形外科学 寺山和雄 医学書院
人類の進化における直立2足歩行の光と影 竹光義治
旭川医科大学研究フォーラム12 2011
厚生労働省 平成28年 国民生活基礎調査
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