管理栄養士に聞いた、冬こそ注意したい「ビタミンC」摂取テクニック
ビタミンCが美容や健康に良いという話は有名だと思います。
ところで皆さんは、ビタミンCがどのように美や健康に役立つかをご存知でしょうか?
今回は、ビタミンCの美容・健康効果と、寒い時期に摂取する場合に知っておきたいプチテクをお伝えします。
ビタミンCは、身体の中でどんな働きをするの?
ビタミンCには、脂質の代謝や鉄の吸収を助けるなど様々な働きがありますが、
今回は美容の視点での働きについてお話をしていきます。
美容に関するビタミンCの働きを以下に2つまとめました。
①肌に弾力を与えるコラーゲンの生成に関係する
女性の興味を惹いてやまないコラーゲンは、肌にしなやかさと弾力を与えるといわれるたんぱく質です。
コラーゲンがイマイチ何か分かりにくい方は、ベッドのスプリングをイメージしてください。
あなたは、家やホテルのベッドにダイブをした経験はありませんか?
ダイブをした時、スプリングはあなたの体重で一瞬だけ縮みますが、
すぐに衝撃を吸収して元に戻ろうとあなたの身体を跳ね返したはずです。
コラーゲンもこのスプリングと同じで、
元気な状態であれば弾力のある若々しい肌に、
逆に衰えてしまうと長年使ったマットレスのようなたるみ肌につながります。
驚くことになんと、私たちの体内のたんぱく質の30%以上はコラーゲンです。
日ごろから、ビタミンCをしっかり補給することはコラーゲンを育て、美肌につながるとされています。
②「抗酸化作用」で細胞膜を守るビタミンEをサポートする
抗酸化作用を持つビタミンにビタミンEがあります。
美容の視点でいうとビタミンEは
細胞膜が酸化によってボロボロにならないよう、活性酸素などから細胞膜を保護する役割があります。
例えるなら、プリンセスに老化の魔法をかけようと企む魔女と戦う王子様のような存在です。
その際にビタミンEは、細胞膜が酸化されないように自分が身代わりになって酸化されてしまいます。
そこで活躍するのが、同じく抗酸化作用を持つビタミンCです。
ビタミンCのすごいところは、酸化されてしまったビタミンEがまた働けるように再生してくれることです。
あなたの中での「ビタミンCって、何となく美容に良さそう」というイメージが、
「すごいビタミンなんだ!!」と変わったでしょうか?
まとめると、ビタミンCをこまめにチャージしておけば、身体の中のビタミンEも元気に働けるようになり、
一石二鳥ということになります。
ビタミンCが不足するのはこんな時
ビタミンCの効果をお伝えしたところで、次は、ビタミンCがどういう時に不足しやすいかをお話していきます。
ビタミンCが不足しやすい人の特徴とは?
ビタミンCが不足しやすい人の特徴には、
・風邪やインフルエンザなどの感染症にかかっている
・ストレスでイライラしている
・睡眠不足で疲れを感じている
などがあげられます。
新年から年度末にかけては、社会人の方も学生の方も忙しくなりがちです。
ですので、あなたの身体の中では多忙なスケジュールに身体が耐えるために
たくさんのビタミンCが使われている可能性があります。
本番までの準備に頑張り過ぎて、会議や取引先との商談、卒論発表の日にうっかり風邪を引いてしまったり、
本番が終わったら気が抜けて体調を崩したということを避けるためにもビタミンCの摂取を意識してみましょう。
ビタミンCが不足しやすい生活習慣とは?
生活習慣によって、ビタミンCの必要量は変わっていきます。
ビタミンCが不足しやすくなる生活習慣とは、
・過度なダイエット
・睡眠不足
・飲酒
・喫煙
などがあげられます。
あなたには、あてはるものがあったでしょうか?
IN YOU読者の方ならタバコを吸われる方は少ないかもしれませんが、
喫煙者は非喫煙者よりもビタミンCの消費量が1日当たり約35mgも多いことが分かっています。
35mgのビタミンCとは、皮なしりんごで換算するとなんと約3.5個分にもなってしまいます。
しかもタバコは吸っている本人が吸う煙よりもまわりの人が吸ってしまう副流煙の方が有害とされ、
ビタミンC不足はタバコを吸っている人の周囲にまで及びます。
あなたは、家族や友人など身近な人が喫煙者ですか?
それとも職場や分煙のない飲食店、街中の喫煙所の近くを歩くなどタバコの煙を吸ってしまう環境に身を置いてませんか?
当てはまることがあった方は、ビタミンCを摂取してあな自身の身体をケアしてあげましょう。
ビタミンCは、どのくらいの量をどのようなペースで摂ればいいの?
続いては、気になるビタミンCの理想的な摂取方法や摂取量などについてお話をしていきます。
ビタミンCの摂り方のポイントとは?
「厚生労働者」が発表している目安によれば、15歳以上の女性の場合、ビタミンCの1日の推奨量は100mgとなっています。
ですが、100mgのビタミンCってイメージしにくいですよね。
分かりやすく例えるなら、
・中くらいの温州みかん 約4個分
・皮なしのりんごなら 約10個分
となります。
もちろんビタミンCは今、紹介した温州みかんやりんご以外にも含まれています。
むしろ、他のビタミンも補えるよう様々な果物や野菜を食べることがおすすめです。
ちなみに最近のあなたは、ビタミンCの量は足りていますか?
せっかくの機会なので、昨日と今日で食べた食事を思い出してみてくださいね。
あなたは、
「ビタミンCは水に溶ける」
「摂り過ぎても、尿から排泄されるから大丈夫」
という話を聞いたことがありますか?
確かに厚生労働省は、「通常の食品からはこれまで(ビタミンCの)過剰症がなかった」と発表しています。
ですが、過剰症がないから大丈夫と思っている方にお伝えしたいことがあります。
それは、ビタミンCの摂り過ぎは酵素を必要以上に使ってしまうということです。
どういうことかというと、ビタミンCの体内への吸収率は、1日200mgの摂取までは90%といわれています。
ところが、摂取量が1日1g以上になったとたん、吸収率は50%へと大きく下がってしまいます。
この吸収率を再び上げるためには、余分なビタミンCを尿などから体外に排出する必要があります。
私たちの身体では、尿や汗など代謝を促すために酵素が使われているため、このビタミンCの排出によって、
本来ならば使わなくてよかった酵素が余分に使われてしまいます。
そうなると代謝酵素の不足によって、不調が出てこないとも限りません。
昔からの言葉で、「腹八分目」といわれるように、
ビタミンCを摂りたいからと無闇に食材を食べ過ぎるのは控えましょう。
ビタミンCを効率よく摂取したい時の、
おすすめの食事法
さてここからは、気になるビタミンC摂取のための調理法とおすすめの食材をお伝えしていきます。
インフルエンザなどの感染症予防や寒さによる冷え対策にもなる冬場におすすめ、
ビタミンC補給にもぴったりの食事法とは、一体どのようなものなのでしょうか?
冬に熱に弱いビタミンCを温かいメニューで食べるプチテク
ご存知の方もいるかもしれませんが、ビタミンCは、
・熱に弱い
・食材から水に溶け出し、失われてしまいやすい
というような調理の難しさに特徴があります。
そのため、ビタミンCのおすすめの摂取法には、
野菜や果物を生で食べるサラダや野菜スティックなどがしばしば紹介されています。
ですが、空気が底冷えするような寒い冬には、やはり温かな料理でビタミンCを摂取したいもの。
そこでおすすめの食材が、芋類です。
実は、芋類に含まれるビタミンCは、
デンプンによって保護されているために加熱してもほとんど壊れないという特徴があります。
そしてあまり知られていないのですが、サツマイモやジャガイモはビタミンCが豊富な食材です。
ビタミンCの含有量を同じ重さのりんごと比較すると、なんと約5倍もあることをご存知でしょうか?
ですので、サツマイモやジャガイモなどを身体が温まるようなスープやシチュー、
おでんや煮物の具材として活用すると、ビタミンCをしっかり補給しながら身体も温められてよいのです。
☆おすすめレシピ「豆乳さつまいもポタージュの作り方」☆
ちなみに体温が1℃上がるだけで、人間の代謝は12~13%も上がるといわれています。
冷え性の方でダイエットをしたい方は、極端な食事制限をするよりも土台となる身体を温めてあげることを
優先するとよいでしょう。
ビタミンCをサプリメントや加工食品で補ってもいいの?
できればビタミンCの摂取は、適切な食材や料理を通じて行うのが理想ですが、
今の忙しい生活の中では毎日、自分の食事にそこまで気を遣うことはなかなか簡単ではありません。
そんな場合には、ビタミンCの補給にサプリメントや加工食品を上手く利用するのもひとつの手だと思います。
ただし、サプリメントや加工食品選びにはポイントがあるのでご紹介しましょう。
化学的な合成ビタミンCには要注意!
厚生労働省によれば、ビタミンCの吸収率自体は、食品もサプリメントも同じくらいだそうです。
しかし食材中のビタミンCは水に溶けやすく、熱に弱い特徴があるため、
調理の過程でその一部がほぼ必ず失われてしまいます。
最近では48℃以下の低温で調理されるローフードも注目を浴びていますが、
いきなりローフードの習慣を取り入れるのは、人によってはハードルが高いという場合もあるでしょう。
これらのことを考え合わせると、食事で補えないビタミンCをサプリメントで補うことがあってもいいと私は思います。
ですがここで注意したいのが、合成ビタミンです。
よく清涼飲料水で無果汁なのに「レモン〇個分のビタミンC含有」と書かれていることがあります。
これは一見、身体に良さそうですが、野菜や果物に含まれる天然のビタミンとこの場合のビタミンは多くの場合、別物です。
現在、合成ビタミンのほとんどは海外で作られているのですが、
製造過程で不純物が混入する懸念が残ります。
さらに、より食品に近いもので、その土地で育ったものを食べるという意味では、
・天然由来100%の原料
・クラフト栽培やオーガニック栽培された原料
・国産の原料
・安心できる品質の外国産食材
からつくられたサプリメントを選ばれることをおすすめします。
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腎臓の機能に障害がある人は、過剰症に注意しよう!
健康な人であれば過心配はありませんが、
腎臓の機能に障害のある人は1日数g以上のビタミンCを摂取することは避けましょう。
なぜなら、腎シュウ酸結石のリスクが高まるという報告があるからです。
また、その他の不調として、吐き気、下痢、腹痛といった胃腸への影響も心配されています(※1)。
そのため、腎臓の機能に障害がある人は、
サプリメントを試す前に注意事項の確認や、かかりつけ医に相談されることをおすすめします。
もちろん、健康な方も用法や容量を守って上手に活用してくださいね。
頑張るあなたの身体にビタミンCのプレゼントを
ビタミンCは、こまめに毎日の食事から補給することが大切です。
最後に、もう一度今回の記事について、おさらいをしましょう。
■ビタミンCは、お肌のコラーゲンをつくる材料になる。
■ビタミンCは、細胞膜を酸化から守るビタミンEの働きをサポートする。
■健康な人の場合、ビタミンCに過剰症はないが、酵素の節約のために摂り過ぎには気を付ける。
これからの季節は、年度末に向けてますます忙しくなる時期です。
特に女性は男性よりもホルモンの影響を受けやすいので、ビタミンCの力を借りて頑張るあなたを癒してあげませんか?
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<参考文献>
・厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2019年版)』水溶性ビタミン
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