日本の住宅は北欧よりも10倍お金がかかる驚愕の事実!短寿命で高額な上、アレルギーの原因になるシッククハウス症候群などの深刻な問題を抱えた日本の住宅。健康的で長く暮らす為に考えたいこれからの家造りとは?
こんにちは、先日は雨で午後は農作業が出来ませんでした。皆さんは天気が悪い日、どう過ごしていますか?
私はこんな日は、図書館でこうして記事を書いたり、調べものをしたりして過ごしています。
日中は、こうして図書館などの公共施設で記事を書くことが多いです。
1960年代に建てられた私が現在住む家は、築50年以上が経ち、不具合も起きています。
最近は、高齢化により全国で空き家が増加しています。
私の住む信州では、都会からの移住を希望する人が、こういった空き家を探していることがあります。
地域のゲストハウスに数日間滞在しながら、空き家バンクなどの情報を得て、適当な住まいを探すのです。
長年空き家となっていた家は、傷みが激しくなっていることが多いので、移住を考えている方の多くがリフォームを検討しています。
最近は、プロのアドバイスも受けたり、友人や知人の手を借りて、ご自分でリノベーションにされる方も多いんですよ。
IN YOU読者の皆さんにも、移住や将来の空き家対策について考えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時、気になるのが、やはりシックハウス症候群などによる健康被害の問題ですよね。
家や公共施設、オフィスのシックハウス問題。本当に大丈夫なのか?
数年前に、建築業者さんにシックハウス症候群について質問したところ「今は、基準が厳しくなってるから、農薬の方がよほど人体に影響があると思う」と言われました。
確かに平成15年の建築基準法の改正で以前よりは有害物質に対する規制はきびしくなっていますが、対象となる薬品は2種類だけ。
本当にこれで十分と言えるのでしょうか。
私たちにとって、決して他人事では済まされない日本の住宅事情と問題点。
今日は、それを皆さんにお伝えしたいと思います。90年代から急増したシックハウス症候群
このシックハウス症候群という病名。一時期、ニュースや新聞ででも大きく取り上げられたので、ご存じの方も多いと思います
化学物質過敏症の一種であるこの病気が急増したのは1990年以降。
この時期から日本人の5%以上がシックハウスだと言われるようになりました。
シックハウス症候群の主な原因
① 建材や塗料、接着剤
② 畳や鉢植えの農薬、殺虫剤、シロアリ駆除剤
③ 防ダニ、防菌、防カビの処理薬品
④ 洗剤、漂白剤、芳香剤
発がん性、頭痛、疲労感をももよおす見ぬふりはできないシックハウス
シックハウス症候群の症状
シックハウスは、中長期的になると無視できない深刻な疾患の原因にもつながります。
特に家はずっと住むものですので、安易に決めるのは考えものです。
接着剤・防腐剤によるもの
ホルムアルデヒド:眼・鼻・喉への刺激、炎症 接触性皮膚炎 発がん性など
キシレン・トルエン:眼、気道への刺激 高濃度長期の暴露による頭痛、疲労、脱力感
他にも筋力低下や喘息、耳鳴りや不整脈などが引き起こされる化学物質があります。
参照:「お医者さんが書いた住まいの本」 服部芳樹+伊藤英門著
「100のキーワードで学ぶ世界で一番やさしい自然素材」落合伸光・大江忍・大場隆博・山田知平著
また2000年代には、欠陥工事によるトラブルも増加しました。
日本弁護士連合会の「欠陥工事110番」には、2日間で700件を超える相談が寄せられたほどです。
下記をご覧ください。平成12年 手抜き・欠陥工事によるトラブル相談 ワースト5
1.基礎 基礎の亀裂、鉄筋の露出及び腐食、粗悪なコンクリートなど 141件
2.骨組 仕口・継手接合不良、部材が細い、補強金物取り付け不良、紡績不良 126件
3.地盤 不同沈下、水はけの悪さ、湿気、土地造成不良、擁壁の水抜き不良 112件
4.外壁 外壁材の亀裂・浮き・剥がれ・反り・塗装剤の剥離、塗りむら 89件
5.屋根 雨漏り、防水工事不良、屋根の不陸、軒の垂れ下がり、塗りむら 78件
引用、参照:「誰も泣かさない家づくり―いま喜ばれている住宅システム―」宮本仁之著
建設費が日本の半額!?100年持つ北欧住宅。
デンマークでは日本の10分の1で家を建てることができ、年間2兆1,600億円も節約できる
シックハウスや欠陥工事など多くの問題を抱えてきた日本の住宅。
建設工事にも巨額の工事費用が発生します。
では、建築費は適正だったのでしょうか?
一般的な住宅が耐用年数20年である日本の住宅と、100年持つといわれる欧米の住宅と比べてみましょう。
日本とデンマークの住宅 年間建設費と年間償却費
日本式:
160万戸×3,000万円=48兆円(年間建設費)
48兆円÷20年間=2.4兆円(年間償却費)
デンマーク式:
160万戸×1,500万円=24兆円(年間建設費)
24兆円÷100年間=2,400億円(年間償却費)
引用:「北欧に学んだ住まいづくり 優れた住環境は社会を変える」 前田勇著この計算に基づけばデンマークでは日本の10分の1の金額で家を建てることができ、年間2兆1,600億円も節約できていることになるのです。
また平均的なサラリーマンの年収は1970年代から90年代にかけて約3倍の伸びであるに対し、住宅建築費の伸びは約4倍。収入が住宅建築費に追いついていませんでした。
こうして一生懸命に働いて、貯蓄して・・
借金までして無理をして建てた家が、アレルギーや病気の原因になるシックハウスや欠陥工事などの問題を抱えていたら、たまったものではありません。
もうこんな安全性が低い上に高価な家づくりとは「さよなら」したくないですか?
もし今、あなたが家の新築やリフォームをお考えなら、安全で快適な住まいを得るために、出来ることを考える必要があるのです。
家は建ててから後悔しても、巨額な財産を失った後の祭りになります。
その為に必要な貴重な情報を今日はお伝えしたいと思います。
自然素材の家に住もう!
シックハウス症候群では、特にクロスや壁紙など、広範囲に使用される素材に注意が必要です。現在は和紙やオーガニックコットン100%の壁紙、でんぷん糊など安全性に配慮した自然素材の家づくりが見直されています。
こうした自然素材の家を建てるには、まだ一般的な工務店では難しいので、専門知識をもった業者に依頼することが大切です。
省エネや断熱性、環境への負荷なども考慮しバランスの良い家づくりのプランを提案してくれる業者であれば、尚良いですね。私がおすすめするのは天然住宅という、施工業者さん。
読者のみなさんは既にご存知かと思いますが、環境活動などに携わっている田中優さんが共同代表を務めている会社です。
建材や建具もリユースしよう。
日本の家は木造住宅が大半ですよね。私たちの家造りに使われている木材、どこから来ているかご存知ですか?シックハウスが問題となっていた1990年代の日本国内における丸太輸入量は35.1%で世界第1位。
木材全般でも、世界の11%を輸入しています。
木材全般の輸入がもっとも多いのはヨーロッパ、その次にアジアと続きますが、日本はアジアの総輸入量の半分以上の木材を輸入していました。
平成8年には1年間で約8984立米もの木材が国内に輸入されました。
私たちの住宅建設に必要な木材は、1棟あたり12~13立米。
国産より安いというだけの理由で輸入されたこの木材は、短期間で建築や取り壊しを繰り返した末に原生林の消失や少数民族の立ち退きを招き、大規模災害の要因となってしまいました。
このようなことを再び繰り返さないために、私たちが出来ることはなんでしょうか。
長野県諏訪市には、取り壊された建物に使用されていた木材や建具をレスキューし、販売しているお店があります。
服や日用品は、誰もが当たりまえにリユースするようになりましたが、木材のリユースはまだまだ珍しいですよね。
ReBuilding Center JAPAN
海外の森林を伐採して作られた貴重な木材や建具。
古い風合いも楽しみながら、大切に使うことで、海外は勿論、日本国内での過剰な森林伐採による災害の増加を防ぐことができるのです。
家の建築やリフォームを考えている方は、一度建材や建具のリユースについて、施工業者さんに相談してみてはいかがでしょうか?
特に有害物質の残留が不安な方は、安全性について確認してみてくださいね。
家は私たちの大切な資産の一部
イギリスでは、家も古い家も資産価値のある財産として大切に扱い、住み替えの際も日頃から手をかけている人達が多いことで知られています。
ですが、日本もまた伝統的な古民家には、100年持つだけの立派な建築法が用いられているのです。
私の友人は現在、ご両親が取り壊そうとしていた築100年以上の古民家を再生し、小さな体験宿を経営しています。
日本の伝統的な家屋は構造がしっかりしている反面、寒いのが難点。
そんな家も環境や健康に配慮した方法でリフォームすれば、私たちにとって充分に快適な家となる可能性があるのです。
そして、一人の力であっても、こうした事例が増えれば社会的にプラスになることは言うまでもありません。
同じお金を使うなら、環境と健康に配慮したものに投資したいところです。
折角なら、家や住宅も子どもや孫の代まで長く大切に引き継がれるようなものにしていきたいですよね。
経済的利益優先の、高価で脆く短命な住宅に慣らされてしまった私たち。
もう1度、自分達にとって本当に快適で暮らしやすい家とはどんなものか、考えてみませんか。
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