海外から帰国し3年経過した私が感じる依存症や薬物への日本の認識不足の実態|日本人の深刻な無知さとは
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日本に帰国して3年、海外との依存症への知識の遅れなど、大きなギャップを感じて戸惑う。
日本へ帰国して3年目を迎えます。そんな中、最近日本社会が抱える問題について考えさせられる場面に遭遇する機会が多く、
海外での経験との違いに戸惑いを感じることも多くあります。
例えば、「煙草」に関する意識の違い、「依存症」と名前のつくものへの認識、
「薬物」の問題などがそれにあたります。
とくに日本では、アルコール依存症への理解、覚せい剤などの
薬物使用への知識がまったくないと言っても過言ではありません。
実際に欧米と日本を比較した場合、日本では無知であるにも関わらず、
薬物依存の問題を大げさに捉え、アルコールとタバコに関する問題を軽視しがちな傾向にあります。
残念なことに、現在の日本では、これらの問題を「悪いこと」「怖いもの」
といったような漠然としたイメージで片付けてしまいがちです。
日本できちんと教育がなされていないことや社会がそれを
無言で受け入れてしまっていることなど、私たち日本人の考え方などにも問題があるとは思います。
しかし、まずは、ひとりひとりの無知を少しずつ正していくことが大切です。
日本社会で生きていく上では何も疑問を持たないようなことでも、
外の世界に少し目を向けるだけで、概念が覆されるようなこともあります。
何となく話題にしにくいから無知でいるままでいるのではなく、
社会の中のひとりひとりの権利と責任として考えていくべきテーマなのではないでしょうか。
日本ではなかなか正しく認識されていない数々の「依存症」
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さまざまな「依存症」への理解が低く、公に議論もおこなわれにくい日本。
欧米では当たり前のように学校での教育に組み込まれている事柄でも、
日本では十分に教育がおこなわれないことも少なくありません。
アルコール依存、タバコ依存、薬物依存、ギャンブル依存、セックス依存、人間関係の共依存など、
さまざまな依存症があり、主に、物資依存・プロセス依存・関係依存の3種類に分類されます。
依存症にも数多くのものがあり、根本的な原因を見た際にも、
精神疾患や精神障害などと関連のあるものも多くあります。
とくに、日本では、法律で禁止されているわけではない
アルコールやタバコなどに関する依存が、クリアに見えにくい問題となっているように感じます。
よりよい社会を目指すためには、私たちの目の前にある依存症を正しく知ることが大切ではないでしょうか。
アルコールに依存するということは何も特別なことではない
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日本では、欧米に比べて、アルコールに依存するという事実を
「特別なひとだけの問題」と捉えがちな面があると感じることが多くあります。
しかし、実は、自分では気が付いていないだけで、
アルコールに依存してしまっている方も多くいるのが日本の現状とも言われています。
みなさんは、アルコール依存症というものがどのようなものがご存知ですか?
お酒を控えようと思っていても飲んでしまう、二日酔いが嫌なのについ飲んでしまう、
飲みに行くときには記憶がなくなるまで飲みたくなってしまうなど、
自分ではお酒を飲むという行為を楽しんでいるつもりでも、
歯止めがきかないようであれば、それは依存症とも呼ぶべきものと言えます。
日本では、アルコール依存症への治療も世界に遅れをとっていると言われていますが、
誰にでも起こりえる依存症だということを知っておくべきではないでしょうか。
また、血液成分異常・造血機能障害・脂肪肝・小腸炎・
睾丸萎縮・末梢神経症・アルコール性痴呆・アルコール性小脳変性症など、
アルコール摂取により引き起こされる健康障害は大小さまざまなものがあります。
禁断症状の強さはヘロインやニコチンなどよりも強いと言われ、
それらと同様にやめることが難しいともされるアルコール。
アルコールがもたらす悪影響は私たちが考えるよりも深刻で、
アルコール依存症は決して特別なものではないということを、今一度認識しなおすべきかもしれません。
他国に比べ、アルコールの入手が比較的容易な日本
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多くの欧米人が日本の居酒屋にいる人々や夜の街を見た際に、
「アルコールに依存している人が多い」と感じることをご存知ですか?
現在、日本では、およそ百万人がアルコール依存症のトリートメントを受け、
千万人が潜在的な依存症であるとも言われています。
アルコールを購入する際の年齢確認も欧米と比べた場合、
とても厳格とは言えず、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなど、
24時間お酒を購入できる環境も整っています。
さらに、居酒屋などに行けば、「~分飲み放題」というサービスも珍しくはなく、
社会全体が飲酒を推奨しているようにさえ感じることもあります。
欧米ののほとんどの先進国では公共の場での飲酒が禁止されていますが、
日本では禁止されていないなどの違いもあり、日本に訪れた欧米人が驚くことも少なくありません。
このように、なぜか飲酒を続けることへの危機感が薄く、
アルコール依存症への認識が薄い日本。
日本では、ストレス緩和のために飲酒をするケースが多いように感じますし、
アルコールを摂取することに対する知識も十分ではないと感じることが多くあります。
決してアルコールが悪というわけではありませんが、
「アルコールは規制されていないからよい」と考えるのではなく、
真実をきちんと自分で見極めることが大切なのではないでしょうか。
根強く残っている日本人のタバコへの認識不足と依存の問題
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近年のタバコの増税や規制強化を受けながらも、先進国の割に、いまだに喫煙率が高い日本。
とくに、若い世代の喫煙率や男性の喫煙率が高いと言われています。
また、欧米に比べて誰にでも安価で入手が可能という事実もあり、
アルコールと同様に比較的誰でも入手しやすい環境もあります。
200種類もの有害物質を含むタバコが容認され続けるこの国。
タバコの3大有害成分と言われる、ニコチン・タール・一酸化炭素は、
依存性が高く、発がん性が懸念される物質も入っていますが、
その他にも200種類もの有害物質が含まれていることをご存知ですか?
中でもニコチンは、薬物依存で問題になるヘロイン・コカインよりも高い依存危険性を持つとも言われ、
コカイン以上の禁断症状が出ると言われているだけではなく、
ニコチン依存症の克服には時間と精神力を要するとも言われています。
禁煙後進国として遅れを取り続ける日本
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欧米の先進国のように、国ベースで大々的な規制がされていないため、
各地方自治体に判断が委ねられている部分もあり、その規制もまちまち。
分煙や禁煙を義務づけている店舗などが欧米よりも少ないのはもちろん、
取ってつけたようなその場しのぎの分煙スペースを設けているようなところも少なくありません。
主流煙・副流煙がもたらす影響の教育が徹底されている欧米に比べると、
まだまだ人々の認識も甘いところもありますし、
禁煙後進国としての汚名はすぐには返上できそうにありません。
薬物に関する正しい知識を身につけることも社会のためには必要かもしれない
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アルコールとタバコに関しては、みなさんがある程度の知識をお持ちかと思いますが、
日本が本当に遅れを取っているのは、薬物依存への知識。
欧米とは異なり、日本ではきちんとした薬物への教育がおこなわれていないため、
必要な最低限の知識もなく、欧米人が驚くほど無知な大人が多いことで有名です。
実際に、日本で先行してしまっている麻薬などの薬物へのイメージに、
「とても悪いもの」「怖いもの」「危険なもの」などがありますよね。
映画などで薬物を使用するシーンを見ても、日本人には「?」としか映らないことが多いのではないでしょうか。
生涯における薬物の経験率を見てみても、日本は世界の主要先進国の10分の1以下。
しかし、薬物を「何も知らないし怖いから使ったことのない」という日本の判断と、
「その薬物がどういうものであるか、
依存性の怖さまでを知っているからこそ使わない」という欧米の判断では、
そもそもの判断の価値が異なると言えます。
薬物を正しく知ることはもちろん、悪影響や依存症についてしっかりと考えることも大切
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ヘロイン・コカイン・覚せい剤・LSDなど、さまざまな名称のものがあるのをご存知の方も多いかと思います。
しかし、ベースとなる知識のない私たち日本人には、
これがすべて同様の「危険なもの」に感じられるのではないでしょうか。
薬物は、「興奮作用」「幻覚作用」「抑制作用」を持つものと、
大きく3種類の作用を持つものに分けることができます。
「興奮作用」のある代表的なものでは、覚せい剤・コカイン・MDMAなど、
「幻覚作用」では、LSD・大麻・MDMA、「抑制作用」では、
ヘロイン・アヘン・睡眠薬などがあげられます。
依存性の強さで見た場合も、アルコールやニコチン依存と同程度とも言われており、
薬物使用で本当に怖いのは、LSDなどの副作用の幻覚・幻聴・フラッシュバック現象、
覚せい剤の虚脱感、コカインに代表される慢性毒性などとも言われています。
悪寒・嘔吐を伴うとされるヘロインの禁断症状は、アルコールに次ぐ強さとも言われていますので、
アルコール依存症も重大な依存症であることがうかがえます。
多くの危険な薬物は違法ですし、心理的に「よくないもの」という認識が多いのが、
日本人の薬物に対する考え方かと思います。
多くの情報が錯綜する現代こそ、薬物に対して無知のままでいるのではなく、
具体的に何かどう体に悪影響を与えるのか、
使用するべきではない背景をしっかりと知っていくことが重要だと言えます。
サプリメントなどの身近なものこそ、きちんと「理解」して選ぶことが大切
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コーヒーやお茶など多くの嗜好品に含まれているカフェインが、
興奮剤としての作用を持つことをすでに多くの方がご存知のことと思います。
もちろん、体質的に合わないという方もいらっしゃるでしょうし、
高濃度のカフェインが胎児の発育などに悪影響を及ぼすおそれがあることも
知られていますので、摂取を控えているという方も多いことと思います。
程度や副作用は違えど、私たちの体に何かしらの作用をもたらすのが、さまざまな薬物。
日本では普通に販売されている睡眠薬や咳止めなどの薬にも、
海外では安全性を疑問視されるものや推奨されないものが含まれていることもあります。
覚せい剤と似ている成分のエフェドリン、モルヒネに近い成分のコデインなどもそうですし、
抗生物質の間違った使用方法や消費者側の誤った認識などからも、
日本はまだまだ認識が遅れている部分があるなと感じることが多くあります。
情報を知らない消費者は、どうしたらいいのか?
できるだけ無闇に薬を服用しないようにすることはもちろんのこと、お医者さんにかかる際もきちんと薬について耳を傾けることが重要です。
まず、かかりつけ医を選ぶ際にも、きちんと治療方法や薬について、
細かい説明をしっかりとしてくれるドクターを選ぶこと。
薬の効果だけではなく、薬の副作用までを知ろうとすること。
簡単な解決策となりえる薬に頼らず、オルタナティブとなる方法を考えること。
不明な点は納得のいくまで説明を受けるなど、
その時々の状況や最善策を理解するための小さな努力も必要になります。
また、ダイエット薬・サプリメント・鎮痛剤などの場合、
副作用が懸念される物質やできるだけ摂取を控えたい物質などが含まれていることもありますので、
きちんと成分を理解し、信頼のおけるものを利用するなどをひとりひとりが意識することも必要です。
何となく知識がないまま判断をするのではなく、しっかりとその判断を裏付ける知識を身に付け、
自分の意志で必要なもの・不要なものをひとつずつ選択していくことが大切なのです。
社会の抱える問題はもちろん、アルコール依存やニコチン依存からはじまり、
私たちにも身近な食の問題など、もっと議論されるべき問題がたくさんあります。
情報を知らないという曖昧な状態のままに何かを「だめなもの」と決めつけてしまうのではなく、
その理由をしっかり把握しようとすること、そしてその上で、
よくないと判断したものを「不要なもの」と位置づけることが大切なのではないでしょうか。
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