酒は日本が誇る伝統的な芸術品!健康効果が期待できる本来のお酒の選び方と、微生物から学ぶ「人間が目指すべき世界」とは
酒は日本が誇る伝統的な芸術品!健康効果が期待できる本来のお酒の選び方と、微生物から学ぶ「人間が目指すべき世界」とは
皆様は「お酒」に対して、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
・具合が悪くなる
・頭が痛くなる
・血圧や血糖値が上がる
・肝臓や心臓にも負担がかかる
・病気に繋がる
だからお酒なんて飲むものじゃない、美味しくないと思っている方も多いのではないでしょうか。
実は私もその一人でした。
正直「日本酒」なんて全く興味がありませんでした。
主婦である私は、家族のために健康的な食事を作りたいと思って、これまで色々学んで取り組んできました。
そんな中で発酵食品と出会い、味噌、醤油、みりんなどの調味料の原材料が大事なのだと知りました。
腸内フローラ(腸内に個々の菌が集まってできた複雑な微生物群集)のことを知り、
「あぁ、そうか。健康の鍵は微生物にあるのか」と思いました。
ではお酒は?料理酒はどうだろう?
そんな疑問から「お酒」について調べてみたのですが、お酒は日本が誇る伝統的な芸術品であり、戦前は「百薬の長と呼ばれるほどの健康食品」であったのだということを知りました。
では、お酒はなぜ「体に悪い」というイメージがつくようになったのでしょう。
本当に体に良い日本酒を選ぶにはどうしたら良いのでしょうか。
ぜひこの記事を最後までお読みいただき、参考にしていただければ幸いです。
日本酒をたしなむ人は、まったく飲まない人より長命?
文部科学省の調査によると、米と麹のみを原料とした「純米酒」には、
・血行を良くして血圧を下げる
・善玉コレステロールを増やして血糖値を正常に近づける
・がん細胞の増殖を抑制する
・糖尿病予防になる
・大腸菌や赤痢菌などの発育防止効果がある
・うつ病改善効果
・シミの減少
・皮膚の保湿、保温
・生活習慣病(血栓、動脈硬化、骨粗鬆症など)の改善
といったこれまでの思い込みを覆すほどの効能があるのです。
(寺田啓佐著「発酵道」スタジオK より)
驚きですよね!
もちろん飲みすぎることはリスクがありますので、ご注意ください。
伝統的な酒造りと酒税法
「お酒」が日本で造られるようになったのは弥生時代。
古事記や日本書紀、魏志倭人伝などには、お酒にまつわる様々な逸話が残っています。
かの有名なイザナギノミコトとイザナミノミコトが酒を交わす様子が記されていたり、大和時代にはヤマタノオロチ退治でお酒が使われたという伝記があります。
この頃に登場するお酒というのは、主に「どぶろく」という酒のことではないかと言われており、昨今、私達がよく知っている麹を使用した日本酒というものは奈良時代に入ってようやく大陸から伝わり、やがて平安時代に入ってからが主流となっていったようです。
そんな時代に生きた人々の各家庭では「どぶろく」を造るのがごく当たり前だったそうです。
日本におけるどぶろく作りの歴史は稲作とほぼ同起源であるといわれています。
どぶろくの起源については諸説あり、中国の揚子江/黄河流域の稲作文化の直接伝播(紀元前3500年頃)に伴って伝わったという説や自然発酵による独自の発生説など諸説あるようです。
Wikipediaより
古来は来期の豊穣祈願のため、その「どぶろく」を神社にお供えする風習があり、現代でも40以上の神社でどぶろく祭が行われているそうです。
そう、「どぶろく」を造ってお祝いやお供えすることはまさに神事(カミゴト)だったのです!
しかし昭和28年以降、法律の改正により、税務署から免許を得ていなければアルコール1%以上含む飲み物を作ることができなくなりました。
これが「酒税法」です。
政府の目論見は、税金の徴収を強化する為でした。
この規制に関して「どぶろくは日本の伝統食文化であり、これを禁ずるのは精神的自由権などの憲法に違反する」として、
酒づくりの自由化を主張した裁判なども行われましたが、改正されることはありませんでした。
その後、酒造税は政府にとって主要な税収源となりました。
戦後の酒造り
戦後、酒造りには欠かせない米が不足したことから、水で薄めた「三倍増醸清酒(三増酒)」や「アルコール添加」されたお酒が生まれました。
アルコールと水でかさ増ししたお酒は当然薄くなってしまうので、ブドウ糖や水飴などの醸造用糖類やコハク酸、グルタミン酸ソーダなどで味が整えられました。
この製法で造ると三倍量のお酒ができる為、コストが安く量産でき、かつ美味しいお酒が出来るということで、当時、殆どの酒蔵がこの製法でお酒を造っていたといいます。
これが戦後しばらく飛ぶように売れたため近年までその生産は続き、いまからおよそ約15年前の2006年に、ようやく酒税法が改正され、三増酒は清酒と認められなくなりました。
ところが、実は今も二倍までなら認められているようで、現在も「二倍増醸清酒(二増酒、アル添酒)」は販売されています。
また、本来の酒造りではお米を精米して洗米した後に、一定の決まった時間水に浸しておきその後蒸米にします。
しかし、これがとても難しく時間もかかるため、水と一緒にミキサーのようなものにかけデンプンを分解する酵素剤を加えてから蒸す「融米造り」という方法や、精米した米を200~400℃の熱風にあて、麹や酵母と一緒に仕込むと容易に酒ができる「焙炒作り」なども考案され、現在、これらの方法で生産されているお酒は数多く陳列されています。
微生物が酒を作る
現代でも酒造の大半は麹を水に浸漬する時にあらかじめ人工的につくられた乳酸を添加しています。
この製法を「速醸作り」と言います。
この製法で造ると、乳酸菌の増殖と乳酸の生成にかかる時間が大幅に短縮できるのです。
酒蔵は1年に1回、保健所の指導の元、塩素を使った殺菌消毒をしなければなりません。
しかしそれをすることにより、そこに住み着いている微生物は皆いなくなってしまいます。
本来、酒蔵というのは菌を育てていかねばならないところ。
なのに、そのせっかく住み着いた菌たちをみな、殺菌処理して全滅させてしまうのです。
そうすると翌年に酒を仕込む際、また新たな菌を発生させなければなりません。
これでは菌の力が弱くても仕方がありません。
そのためにそのお酒には雑菌がわきやすく、速醸作りを採用せざるを得ないというのがひとつの理由とも言えるようです。
人工的な乳酸を添加したお酒は微生物たちにとっては少し住みにくい環境。
そのためさらに発酵力を高める必要があり、「コハク酸」や「協会酵母」を添加して発酵を促進させます。
これについて、腸が腐るという病気を克服したのち、速醸作りをやめ、本物の酒造りを目指した「寺田本家当主、故寺田啓佐」氏は、
ご自身の著書「発酵道」の中でこう仰っておられます。
酒は杜氏(とうじ)たちが手間暇かけて、並々ならぬ苦労で製造にあたってくれているというのは事実なのだが、実は酒造りを行っている張本人は別にいた。それは酒蔵に住む微生物である。
酒造りの工程で活躍してくれる微生物たちだ。
麹菌、硝酸還元菌、乳酸菌、酵母菌など、微生物たちのたくさんの生命のおかげで酒はつくられていく。
微生物の分泌物のなかにはいろいろなスグレモノがある。アミノ酸、有機酸、多糖類、ビタミンなどの生理活性物質。
この物質は体の細胞を蘇らせるような働きをする、いわゆる抗酸化物質で、体の酸化を防ぐ、体をさびさせない物質である。
いろいろな微生物が参加してできた酒には、たくさんの生命が宿っている。
農薬や化学肥料を使用しないで栽培された米で酒を造ると、そうでない米で作った酒とは微妙に味の違いがでる。
まさにこれは、微生物にいいエサが与えられた結果なのだ。
実をいうと、発酵のための環境を整えるのには、もっと大きな影響を及ぼすものがある。
それは人間の「言葉」や「意識」である。
「儲けよう」「利益を得よう」といった意識と「みなさんのお役にたつように」といった意識では、まったく違う環境が生まれ、それに呼応するように微生物は働いて、全く違う酒ができるのだ。
酒蔵の微生物が教えてくれた人間の生き方「発酵道」より引用
酒造りに添加物を利用せざるを得ない理由
長い長い歴史と、伝統ある酒造りですが、その中でずっと解決できない大きな問題があったといいます。
それが「火落ち菌」の存在です。
製造の過程で生まれるアルコールによって多くの雑菌は死滅していきますが、火落ち菌はそのアルコールでは死滅せず、一度発生するとその年の酒全部を悪くしてしまうという、酒蔵にとっては生死に繋がるほど、恐ろしいとされていた菌です。
これまで酒造方法について色々触れてきましたが、人工的な乳酸を添加したり、醸造アルコールを添加したりする製法を採用せざるを得なかったのも、美味しいお酒を安定して造りたいと願う、蔵人たちの願いから生まれたものであったに違いありません。
さらに三倍醸造酒の存在は、戦後、酒蔵で生きる人々の生活を大いに救ってくれました。
これらは必要だったから生まれ、そして時代を経て役割を終えていった。
まるで麹菌から硝酸還元菌へ、そして乳酸菌へ酵母菌へとバトンタッチして命を繋いでいく微生物たちの姿にそっくりです。
必要だった進化、そして本物の酒へ
ここまでお読みいただいて、皆様はどうお感じになられたでしょうか。
今回、麹と水だけで造られた「純米酒」こそ、本物のお酒であるのだとお伝えしました。
純米酒は、ポジティブな言葉や、感謝の気持ちがこもっている波動水とも言えないでしょうか。
そう考えると、古来より、神事に必要不可欠とされていた「どぶろく」の意味が分かる気がします。
「どぶろく」に規制が入り、酒税法がはじまり、そして戦争へ。
過去はとても暗い時代でした。なんとかして生き抜いていかねばならない時代。
先人たちは生きることに必死だったのです。
そのためには、「儲けたい」「利益を得よう」という念は必要だったのでしょう。
そして「火落ち菌」の存在。
菌を排除して、良い菌だけをと「良い・悪い」を分別しようとする。
なんとか成功しなければならない、なんとか生き抜いていかねばならない。
そのために添加物は必要なのだ、腐敗を防ぐために必要なのだと訴える記事は少なくありません。
しかし、古来の人たちは教えてくれました。
「発酵すると腐らない」ということを。
「発酵」とは微生物たちの調和のとれた世界。
そしてその微生物たちは人間の波動で元気になったり、元気を失ったりするのです。
私がこれまで学んできた中で思ったことは、ウイルスや微生物は、役割を終えたらそれ以上でしゃばったりしないということ、
それらはもしかしたら、人間に「気付き」と「新たな発酵(変化)」をもたらすために現れているのかも知れないと、思わずにはいられないのです。
そして私は微生物の世界は、「相互扶助」つまり、真の「愛と調和」の世界で成り立っていると考えています。
もしかしたらそれは「人間が目指すべき世界」とも言えるのかも知れません。
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