糖質は必須栄養素ではなかった!血管をボロボロにする過剰血糖を防ぐため控えるべきものと、ケトン食の有効性とは。
食べ物に含まれる栄養素によって私たちは生きることができています。
その栄養素の内、三大栄養素のタンパク質、脂質、糖質(ブドウ糖)がエネルギー源となります。
長時間、仕事や勉強を続けて疲れてくると次第に甘いものを欲しくなることがありませんか?
これは、脳がブドウ糖を唯一のエネルギーにしているからと言われています。
理由は、「血液脳関門という脳の関所を脂質は通過できず、ブドウ糖だけが通れるから」です。
しかし、これが誤りであることが多く報告されるようになりました。
糖質は必須栄養素でない
食事からわざわざ糖質を摂取する必要はない
身体を作っている栄養素の構成率(%)は、水分60~70、タンパク質15~20、脂質10~15、
ビタミン・ミネラル5、糖質(炭水化物-食物繊維)1です。
そして、脳は体重の2%の重量しかないのにエネルギー消費量は18%もあります(心臓は11%)
すなわち脳が多くのエネルギーを消費するのに糖質の構成率が低すぎるのです。
また、タンパク質と糖質のエネルギー発生量は1g当たり4kcal、脂質はその倍の9kcal。
糖質を脳が正常に機能するため使うには、エネルギー効率が悪いのです。
このことから脳にとって唯一の栄養素ではないことがわかります。
すなわち必ず食事から糖質を摂ることはありません。
なぜならヒトは、自力で糖質を作る能力を持っているからです。
糖質は体内でブドウ糖として利用されています。
このブドウ糖を体内でつくる仕組みを「糖新生」といいます。
肝臓でアミノ酸(タンパク質)とグリセロール(脂質)を材料としてブドウ糖をつくるのです。
糖新生は一部、腎臓でも行われます。
アミノ酸の出所はおもに筋肉。
筋肉はタンパク質、すなわちアミノ酸の固まりで、機能を維持するためにつねに分解と合成をくり返す新陳代謝を行っています。
その際に分解されたアミノ酸の一部を拝借し、肝臓はせっせとブドウ糖をつくるのです。
一方、グリセロールの出所は脂肪細胞。脂肪細胞に入っている中性脂肪が分解されると脂肪酸とグリセロールになります。このグリセロールからも肝臓はブドウ糖をつくるのです。
(斎藤糧三 医師「腹いっぱい肉を食べて1週間5kg減!ケトジェニック・ダイエット」より)
血管をボロボロにする過剰血糖
お茶碗一杯のご飯には、何と55グラムの糖質量が!!
血糖の基準値は、80~100mg/dlです。
これは血液100ml当たりに含まれるブドウ糖量です。
そしてヒトの血液総量は4~5リットル(L)なので、仮に5Lとするとわずか5g程度。
これだけ低いレベルで維持されても健康な状態が保たれるのです。
例えば、お茶碗1杯のご飯(約150g)には約55gの糖質が含まれています。
驚かれませんか?
一気に10倍以上の糖質が血管内に入り込むので、危険な状態になって当然なのです。
この時、膵臓からインスリンが多量に分泌され、一部は筋肉にグリコーゲンとして貯蔵されますが、
多くは脂肪細胞に取り込まれ中性脂肪に変わります。
糖質を多量に摂取すると脂肪の蓄積が起こり、
肥満や糖尿病、動脈硬化など多くの病気の原因となります。
(「nico2015.5 クインテッセンス出版(株))」より引用)
低血糖にならないの?
なりません。
人によっては、よく糖質をしっかり摂らないと低血糖になると言われていますが、これは明らかに間違っています。先ほども記載しましたが、ヒトには自力でブドウ糖を作る「糖新生」という働きを持っています。
したがって低血糖になることはありません。
しかし、糖尿病の方が血糖降下剤を間違って使用した場合には、低血糖を起こすこともあります。
肝臓に蓄えられるグリコーゲン(糖質)は、わずか70~80g程度です。
この程度を1日の食事で補っていれば低血糖で倒れることはありません。
脳のエネルギー
もう一つのエネルギーが「ケトン体」
脳のエネルギーには、糖質以外にもあります。それがケトン体です。
糖質制限をするとグルカゴンやアドレナリン、成長ホルモンが分泌され、蓄えている中性脂肪が分解されます。
中性脂肪は、脂肪酸とグリセロールにさらに分解されます。
そして、脂肪酸はエネルギー源として利用されると同時に、一部は肝臓でケトン体になります。
この脂肪酸から作られるケトン体もブドウ糖と同じように、血液脳関門を通れるのです。
中性脂肪は、肝臓に蓄えているブドウ糖と比べると約200倍も体内に貯蔵しています。
考えるとわかると思いますが、脳が正常に機能するために、どちらのエネルギーが効率的なのか理解できると思います。
ケトン体はあらゆる細胞でエネルギー源となりますが、なかでもケトン体を使うのは心臓と腎臓、そして脳の神経細胞です。
心臓も腎臓も脳も24時間ノンストップで働いています。糖質をカットすると、休みなしでフル稼働するこれらの組織にケトン体を供給するため、中性脂肪がどんどん分解されて消費します。
(斎藤糧三 医師「腹いっぱい肉を食べて1週間5kg減!ケトジェニック・ダイエット」より)
糖質は、まったく不要なの?
ブドウ糖が脳にとって唯一のエネルギーではないので大丈夫です。
では、ケトン体だけで、私たちの体に、ブドウ糖は不必要なのでしょうか?
ブドウ糖を必要とする細胞は、赤血球です。ただ赤血球は肝臓での糖新生によってエネルギーを補給できるので、しっかり機能することができます。
要は、ブドウ糖が脳にとって唯一無比のエネルギーではないのです。
もし、あなたの身近にブドウ糖が脳にとって唯一の栄養素という医者や栄養士が居たら疑ってください。
もう少し勉強されてはいかがですか?と進言ください。
ケトン体って何?
さて、ここまで随分ケトン体という言葉がでてきました。ではケトン体っていったい何なのでしょうか?
簡単に言えば、アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸の三つの物質の総称です。
ブドウ糖が不足してくると、蓄えられた中性脂肪がエネルギー源となります。この時に肝臓で作られるのがケトン体です。
血液中のケトン体が多くなると
血液中のケトン体が増加し基準値※よりも多くなっている状態を「ケトーシス」と言います。この働きは、飢餓状態になっても生れるようにヒトが持っている非常手段です。
ケトーシスの状態になる食事を「ケトン食」と言います。
ケトン食をすると中性脂肪が分解され、ケトン体が主となるエネルギーとして使われます。
例えば、ダイエットとは体重を減らすのが目的でなく、体脂肪を落とすことですので、ケトン食を適切に行えば、ダイエット効果が期待できます。
ただ、ダイエットをする時に注意すべきことは、筋肉量を維持し基礎代謝を保つ必要があります。
それには、アミノ酸を多く含む食事し、優先的にアミノ酸が使える身体作りが大切です。
手軽に筋肉量を維持するために、プロテインサプリメントを上手に摂取するのも一つの方法です。
(※基準値130μmol/L未満)
タンパク質が不足すると
(「マイベストプロ神戸 ベストヘルスパートナー Health&Fine 加藤 晴之」)より
ケトン食をすると(※適切な指導の下で)
ケトン食とは、糖質の摂取を極力控える食事を指します。近年「理想の健康食」とも言われ始めています。
ケトン食の効果がはっきりしているのは
Ⅱ型糖尿病の改善
認知症予防
動脈硬化予防
ガンの予防
ダイエットや美肌、アンチエイジング
ケトン食で注意することは
ケトン食をすると炭水化物を極端に減らすため、
最初、頭がボーっとしたり、頭痛や下痢、脱水症状、集中力がなくなってイライラすることもあります。
またケトン体は肝臓で作られますが、同時に酢酸も産生します。
この酢酸によって血液が酸性になり最悪のケースでは、腹痛、嘔吐、吐き気、さらに悪化すると昏睡状態になることもあります。
現在、糖尿病など生活習慣病で治療中の方は、適切な医者の指導の下で行ってください。
特に以下の疾患の方は原則NGです。
Ⅰ型糖尿病
脂肪酸β酸化障害
カルニチン欠損症
ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症
ポルフィリン血症
ケトン食を始める前に‥
ケトン食を行うことは、エネルギーのほとんどを脂肪酸で賄います。
したがって適切な脂肪酸の摂り方がキーポイントになります。
脂肪酸を大きく分けて不飽和脂肪酸(常温で固まらない脂)と飽和脂肪酸(常温で固まる脂)があります。
不飽和脂肪酸‥
一価不飽和脂肪酸‥加熱しても酸化しにくい脂で適当に摂取した方がいい成分
オメガ9系脂肪酸(オリーブオイル)多価不飽和脂肪酸‥
①オメガ3系脂肪酸(DHA・EPA・αリノレン酸)‥積極的に摂る脂で炎症を抑え悪玉の脂質を減少させるクリルオイル、魚油(イワシ・サンマ・サバなど)、シソ油
えごま油、アマニ油など
②オメガ6系脂肪酸(リノール酸等)‥ 動脈硬化の原因の一つになり極力控える
ひまわり油、ゴマ油、コーン油、紅花油、大豆油、綿実油など
飽和脂肪酸‥
①中鎖脂肪酸(MCT※)‥脂肪組織に沈着しにくくエネルギー源になる②長鎖脂肪酸‥動脈硬化の原因の一つになり極力控える
牛・豚の脂身、バター、ラード、ショートニング、マーガリンなど
※MCT : Medium Chain Triglycerid
ケトン食を始める3ステップ
では、ケトン食を始めてみましょうか!!
まずは
糖質を抑える
主食と間食を抑え、エネルギー源を糖質に依存しないために◎積極的に摂っていい食品
野菜(葉もの)、海藻、きのこ、大豆製品(豆腐・納豆・おから)、ナッツ、アボカド、魚介類、鶏肉、
卵、水、お茶・コーヒー・紅茶、オメガ3系脂肪酸(DHA・EPA)
IN YOUオススメのケトン食サポート食品
ここでは、IN YOUが推奨するケトン食を始める際に揃えておきたい、低糖質で高い栄養素を持つ、
オーガニック・無添加のサポート食品をお伝えいたします。
・オーガニックコーヒー
・無農薬のしいたけ
・乾燥たもぎたけ
・大豆パウダー
・大豆ヨーグルト
・オーガニックモリンガ
・無農薬の野草パウダー
・自然栽培味噌
・ビタミンC
・マルチビタミン
〇摂っていいが控えめに
肉(牛・豚)*、乳製品、果物、根野菜、イモ類、蒸留酒(ウィスキー・焼酎は控えめに)、エキストラバージンオリーブオイル
(※1週間に500g以内、脂身を避け、遺伝子組換えの作物を餌や肥料として使用されていない、ホルモン剤や抗生物質などが使われていない物を選んでください)
△極力控えめに
主食(ご飯・パン・麺類・ピザ・ナン)、和菓子・スウィーツ類、加工肉、ビール・ワイン・日本酒、乳酸飲料、スポーツドリンク、ジュース類、オメガ6系脂肪酸 (リノール酸など)
×基本的に摂らない
菓子類、ドライフルーツ、白砂糖、合成添加物※※石油成分を原料とする合成添加物は、身体に摂り込まれると分解されにくく脂肪細胞に蓄積します。
ケトン食を行う場合、特に注意が必要です。
主食をどうしても食べたい時は、玄米や全粒粉のパン、低糖質米、低糖質ふすまパン、低糖質麺などの未精製の穀物を極少量になさってください。
中鎖脂肪酸(MCT)を摂る‥一日60~80mlでエネルギー源をケトン体に移行する
サプリメントでも栄養を補給する‥栄養素は必ず確保しなければなりません。
必要なサプリメント※は、マルチビタミンミネラル、植物性プロテイン(タンパク質)、
オメガ3系脂肪酸(DHA・EPA)、プレバイオティックス、繊維質
※ケトン食に詳しい医師に確認してもらってください。
最近、健康で長寿の人生を過ごすために糖質制限をより厳密にしたケトン食が有効と言われる様になりました。
飢餓状態でケトン食を行えば、ケトン体を増加できると前述しました。
この時に機能するのがサーチュイン遺伝子(長寿)です。
この遺伝子をしっかり使って素敵で健やかな毎日を過ごされることを願っています。
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ケトン食、糖質制限、玄米菜食など情報があふれているからこそ知っておきたい日本人ならではの特異な体質とは糖尿病、アトピー、認知症の予防治療食になるケトン食・糖質制限は不健康な人類を救うスゴイ食生活だった。
糖質=体に悪いと思ってませんか。良い糖質の選び方って?糖質の特徴を知り賢く食事に取り入れる方法
参考資料
「腹いっぱい肉を食べて1週間5kg減!ケトジェニック・ダイエット」斎藤糧三 医師 著 発行 ソフトバンク新書
「ケトン食ががんを消す」 古川 健司 著 発行 光文社新書
「炭水化物が人類を滅ぼす」 夏井 睦 著 発行 光文社新書
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