小麦粉が私たちの体に悪影響を与えてしまう本当の理由。グルテンフリーやグレインフリーを実践する前にぜひ知って頂きたいこと。私たちの体は穀物と共に生きてきた。
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グルテンフリーが叫ばれるようになって・・。
グルテンフリーという言葉は海外では既に一般的な所ですが、
今や日本においても健康志向の人たちの間では常識となりつつあります。
「グルテンが腸に悪影響を与える」という事実については、IN YOUの読者の皆さまも既にご存知でしょう。
一般的に、グルテンはリーキーガット症候群(腸漏れ症候群)を引き起こす原因の一つと言われており、
実際にその通りであることも明らかとなっています。
しかし、「グルテン=体に悪影響がある」と極端に避けてしまうと、
見えてこない真実もあるかもしれません。
そこで、今回は「小麦粉が体に悪影響を与えてしまう本当の理由」、
「体に良い玄米の選び方や扱い方」、「私たちの体が穀物を必要とする理由」について、
お伝えしていきたいと思います。
「グルテン=悪者」と決める前に、もう少し考えてみたいこと。
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野生種から栽培種へと移り変わった小麦の話。
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既にご存知の方も多いと思いますが、そもそも穀物の大半は今のような栽培に適した品種ではなく、
野生種として様々な場所に生育していました。
野生種のままでは大量生産に適さないという理由があり、今のように栽培に適した品種、
つまり栽培用に改良された品種が出回るようになりました。
この品種改良によって大量生産、あるいは美味しく感じる事が出来るように穀物が変化していったわけですが、
その過程で生まれた一つの有名な問題が「小麦の高グルテン含有化」です。
元々の小麦(今では古代小麦と呼ばれています)は現在主流となっている小麦ほど
多量のグルテンを含んでおりませんでしたが、「食べることによって、
脳が幸福感を得るように改良された」のが、今の小麦と言われています。
これは、グルテンが体に悪影響を与える最たる理由として挙げられるものです。
私たちの腸は「この不自然なバランスのグルテン」を消化するのに適していないと考えれば、
腸に悪影響を与えると言われても、確かに納得がいきます。
製粉方法の変化が「腸に残る小麦粉」を生み出している。
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穀物の食べ方は「粒食」あるいは「粉食」のどちらかが選択されるわけですが、
小麦は固い外皮に包まれているというその構造から「粉食」に適していると、今では言われています。
紀元前三千年の頃には小麦を粉砕して食べるという文化が出てきているわけですが、
果たして今のように「微粒子」にまで細かくしていたのかと問われれば、その答えはNOと言えるでしょう。
粉砕するようになったとはいえ、長い間「石臼」で挽くという伝統的な製法が選択されてきたため、
比較的近年までは今のような微粒子に加工することは難しかったのではないでしょうか。
偏に、今のような微粒子にまで加工できるようになったのは、ある時期を境にして、
「ロール式製粉機」が発展を続けてきたからです。
ロール式製粉機が進化を続けた結果、今のように微細な状態にまで粉砕することが
できるようになったのですが、ここで2つのデメリットが生じることとなります。
一つは「粒子が均一で、あまりにも細かくなりすぎた」ということ。
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従来の石臼式製法では、現在のように均一で細かな粒子にまで粉砕することは
なかなか難しかったものと思われますが、
現在のロール式製粉機では簡単にそれが実現可能です。
ロール式製粉機で出来上がった小麦粉はきめ細かく一見美味しそうに見えますが、多くのグルテンを含み、
かつ均一な微粒子であるが故に
「水を使ってこねると粘り気が強く、粒が細かいほど張り付く」のが特徴となっています。
ナノサイズにまで粉砕した小麦粉を使ってパンの生地を作ったところ、
こねた生地が手にまとわりついて離れず、
仕方なく包丁でこそぎとったという話もありますが、
もしこのような現象が消化管において起きているのだとすれば、
確かに「腸内にはりついて炎症を起こす」と言われても、納得がいきます。
そして、もう一つは「小麦に含有されるふすまや麦芽等の胚種がほとんど取り除かれる」こと。
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玄米と精白米を比較すると、精白米の方が血糖値の上昇が急となることは今では一般的ですが、
これは小麦粉における精白粉、全粒粉の関係においても同じことが言えます。
また、玄米同様、小麦は全粒粉の状態で摂取することにより
「消化吸収するために最適な成分バランス」でいただくことができますので、
小麦を摂取するのであればやはり全粒粉という形の方が、栄養も豊富で望ましいものと考えられます。
ちなみに、全粒粉の場合はできるだけ玄米同様栽培時に薬剤不使用とされているものを選ぶことが
健康のために大切なポイントです。
果たして、グルテンそのものが悪なのか。
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小麦に関してはグルテンそのものが原因と考えるよりも、あまりにも極端な小麦のグルテン含有量、
またとても細かい粒子に加工されることによって「強い粘り気」を生み出す要素が付加されたことが、
グルテンが腸に悪影響を与える主な原因ではないかと考えられます。
このように考えてみると、グルテンが体に悪影響を及ぼす根本的な問題は、
小麦に含まれるグルテンの含有量が増えてしまったという事実だけでなく、
挽き方などの近代的な加工方法にも、その一因があるのではないかと思います。
摂取した穀物は私たちの体でどのように活用されているのか。
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穀物を主食としている民族が多いのは周知の事実ですが、最近では炭水化物等が体に悪影響を及ぼす
という考えのもと「グレインフリー」を実践する方もいらっしゃるようです。
もう少し身近なところで言えば「ロカボ」もそうですが、
果たして私たちにとって炭水化物は本当に悪い影響を及ぼすのでしょうか。
結論から言えば、炭水化物は私たちにとって脳や肉体を機能させるための大切なエネルギーであり、
更に言えば、摂取する炭水化物の摂取量を極端に制限するとホルモンバランスが崩れ出します。
また、糖質などが不足すると、私たちの体は筋肉を分解してでも糖を生み出そうとします。
つまり、体のバランスが崩れ、代謝能力が低下してしまうのです。
糖質、炭水化物を減らすことは確かにヘルシーなのかもしれません。
しかし、私個人の意見としては、もし体型を変化させたいという目的で炭水化物などを制限するのであれば、
そのようなことを行うよりも「腸内細菌群のバランス(量だけでなく種類も大切です)」を整えた方が、
炭水化物や脂肪分の処理効率が高まるため、効果的にダイエット効果を得ることができるでしょう。
もちろん、あまりにも摂りすぎている場合は減らした方がいいので、その辺りは注意しておきたいところです。
ちなみに、もし炭水化物の悪い影響を及ぼす可能性を挙げるとすれば、
それは質の悪いもの(薬剤の使用、遺伝子組み換え、極端な品種改良)を摂取しているか、
あるいは炭水化物を極端に摂りすぎているか、
恐らくどちらかのパターンに当てはまる場合が多いのではないでしょうか。
いずれにせよ、幾つかの限られた要素をもって「炭水化物は体に良くない」と結論付けることは、
非常に難しいものと思われます。
何よりも、穀物を主食として、長期に渡り生きながらえてきた人類の歴史こそが、
その事実を裏付けていると言えるでしょう。
主食となる「玄米」の扱い方、改めてまとめてみました。
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玄米を食する時に気を付けた方がいいこと。
健康志向の方にとって、今やなくてはならない存在である玄米ですが、皆さんもご存知の通り、玄米を食べるためには気を付けておかなければいけない
と言われるポイントがあります。それは、以下の5点となります。
1.フィチン酸によるミネラルキレート作用
2.発芽抑制因子アブジシン酸による有毒性
3.残留農薬による害
4.上手く炊けていないことによる消化不良
5.天日干しではなく高温乾燥しているもの
まず、1のキレート作用ですが、これは今ではあまり害はないと言われています。
その理由は2つあり、1つは玄米に含まれるフィチン酸が微量であること。
もう1つは玄米に含まれているフィチン酸は既にヌカに含まれるミネラルを抱えているため、
体内からミネラルを奪う可能性は極めて低いと考えられることです。
2に関して言えば、玄米のみならず様々な穀物、豆、ナッツ類にも含まれていること、
玄米は熱をしっかりと加えて調理することから、基本的に問題ないと今では言われる機会が増えてきています。
3は非常に大きなポイントです。玄米のまま食べる場合は付着した農薬害を避けるため、
できるだけ自然栽培、無農薬で栽培されたものを食べるようにした方がいいでしょう。
無農薬でないお米を選ぶ場合は、少しでも精米した方がよいものと思われます。
4も大切です。一定時間水に浸して発芽モードにしてから炊く、
あるいは圧力鍋などを使って炊くなど、柔らかい状態にして炊くことをお勧めします。
上手く炊けていない場合は本当にしっかり噛まないと、
栄養成分を吸収することができなくなってしまうためです。
5が大切な理由は、高温乾燥をさせている玄米の多くが「発芽モードに切り替わらない」からです。
単純に美味しさが半減すること、栄養成分を充分に摂取できない可能性が高いことから、
できるだけ避けた方がいいでしょう。
玄米の美味しい炊き方。
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私が個人的にお勧めの炊き方は、以下の2種類です。
1. 発芽モードにさせてから炊く
お米の品種等によって変わりますが、一般的には積算温度が「100℃」を超えると発芽モードに入ると言われています。
私は玄米を炊くとき、自宅のヨーグルトメーカーで33℃3時間の保温後、
土鍋で炊くという方法を取っていますが、
これでも炊きあがりはもちもちで甘く仕上がっています。
2. びっくり炊きにする
びっくり炊きとは秋田県に伝わる伝統的な玄米の炊き方。長時間水に漬けることなく、短時間でふっくらもちもちに仕上げることができるため、忙しい方にとってはとても便利な炊き方です。
玄米を軽く洗ったあと、普通にお米を炊く様な分量(お米の1.2倍〜1.5倍程)で水を入れ、
強火で一気に炊き上げます。
水分がなくなってパチパチという音が聞こえ出したら、蓋を空けて「差し水」をします。
その時に入れるお水の分量はお米の0.8倍〜1.2倍程度、
水を入れた後はしっかりとかき混ぜるようにしてください。
再びぐつぐつと沸き出したら弱火にし、水分がなくなるまでゆっくりと炊き上げます。
最後の蒸らしは5分程度で構いません。
慣れないうちは少し焦がしたり、硬く炊けてしまうこともあるかもしれませんが、
慣れるとかなり楽に美味しく玄米を炊き上げることができます。
土鍋炊飯派のみなさまには、とてもお勧めの炊き方です。
炊き方に関して、余談ですが私自身は炊飯器の使用をあまりお勧めしません。
その理由は、炊飯器の大半が「テフロン加工・フッ素コーティング」されているからです。
そして、何よりも「土鍋の方が美味しくふっくらと炊きあがる」ように感じるためです。
個人的な趣味かもしれませんが、一度土鍋で炊飯を始めると、なかなか炊飯器には戻れません。
炊飯器は確かに便利なのですが、お米を土鍋などで炊く様になると
「お米を炊くという行為も立派な調理」であると感じるようになるのです。
お米の洗い方、水分量、火加減、蒸らし加減、これでお米の炊きあがりが全く違うわけですから、
ボタン1つで炊飯してしまうというのは、なんだかインスタントで勿体ない様な気がしてしまうのです。
最後に
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既に皆さまもご存知のことが多かったかもしれませんが、
その中でも様々な新しい事実を少しでもお伝えできていれば幸いです。
穀物は人類を含む様々な生命体にとって、古来より共に生きてきた大切な資源であり、生命線の一つです。
今では、人が栽培・販売するために様々な手を加えていますが、
やはり穀物が持つ本来の栄養価を充分にいただこうと思えば、
栽培方法から加工方法に至るまで、しっかりと拘っている方から購入するようにしたい所です。
また、加工に関しては伝統的な製法の全てがベストな選択とは限りませんが、
長きに渡り伝えられてきた技術には、
それ相応の意味があるのだということを、私自身も改めて学ばされました。
人類の歴史に欠かせない穀物という存在。
その貴重な命を日々いただいているという事実に、改めて感謝したいと思います。
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