近年スーパーでよく見かける「種なし果物」の危険な裏側。発ガン性リスクのある植物ホルモンやエックス線で処理を行うことも。
先日の2018年3月種子法廃止。お気に入りのそのお米、買えなくなっちゃう日も近いかも。種子法廃止に向け、わたしたちができること
こちらの記事で取り上げた問題も気にかかるところですが、
身近になってしまった“種無し果物”も気になるところです。
最近果物にもタネがないものもあります。品種によるものもあるかもしれませんが、
そもそも果物にはタネがないのが当たり前だと思っていませんか?
なぜこのように種が問題になるのでしょう。
近年スーパーでよく見かける食べやすい種無し果物
ブドウを食べる時に種まで一緒にかじってしまい「ううっ」となったり、
柿を食べようとして切ると硬い種でつっかっかってしまい「おいしょっ!」と掛け声上げながら切ったりというのはみなさん経験があると思います。
「果物は美味しいし好きだけれど、種が面倒くさくて・・・」
というニーズがあったのか、近年は種のない作物がスーパーでよく見かけるようになりました。ブドウ、柿、みかん、オレンジ、ゆず、きんかんに始まり、びわ、パパイヤ、スイカなどもあるようです。
食べやすいのは嬉しいですが・・・。
種の無い作物の安全性は大丈夫なのでしょうか?
ある時にふと「種の無い作物はどうやって作っていうのだろう?」と思いました。
作物は種から育っていきます。
そして成長し、種をつくり、子孫を残し、その命を繋いでいきます。
これは人間も同じですよね!
しかし、この種無しの作物は
“種”がありません!
一体どうやって作られているのでしょうか?種無し作物のつくられ方。
では、種はどうやって作るのでしょうか?
種の無い作物のつくり方をお話しするまえに、まずは受粉のお話しからしていきたいと思います。種子植物における受粉とは、雄しべの花粉が雌しべの先端につくことをいいます。
受粉をした花はやがて子房がふくらんでいき、そして実になり、その実の中には“種”があります。
受粉の仕方には“自家受粉”と“他家受粉”の二種類があります。
自家受粉とは、雄しべと雌しべが同じ花の中にあるもので、自然にお互いの花粉がふりかかります。
一方、他家受粉は雄しべと雌しべが別々の花、もしくは別々の木にあるので、虫によって運ばせたり、風で飛ばせたりして受粉させます。
余談ですが、ネオ二コチノイド系の農薬の使用で、花粉を運んでくれるミツバチが
減ってしまい問題になっているのはこのためでもあります。
雌木・雌木と雌雄が木で分かれている場合には、受粉樹を近くに植えて受粉させます。
このように受粉をして実を付ける植物が多いですが、中には“単為結果”という受粉をしない、
もしくは受粉しても受精せずに子房が膨らんで種のない果物になるものもあります。バナナやパイナップルがそれにあたります。
ここまでの受粉の説明で、実の成り方がお分かりいただけたかと思います。
では、ここからが本題です。
どのようにして種無しの作物を作っていくのでしょうか。
ブドウと柿の場合を例にとってみていきましょう。
【種無しブドウの場合】:化学合成農薬に分類される植物ホルモンで処理をおこなう
乳腺ガンや、肺腺ガンのリスクもある?
種無しブドウは“ジベレリン処理”と言われている作業をします。
なんだか不安な響きですが・・・。
この“ジベレリン”というものは“イネばか苗病”という病気の病菌からみつかった“植物ホルモン”のひとつで、
化学合成農薬に分類されるようです。
処理する時期や作物によって変わってきますが、主に以下のような作用があるとされています。
01.茎や葉を伸ばす(伸長成長促進作用)
02.受精なしに果実を大きくさせる(単為結果)
03.開花を早める(開花促進)
04.休眠中の種子を発芽させる(休眠打破)
(引用:奈良県ホームページ
この、
01番の“伸長成長促進作用”
と02番の“単為結実作用”
を利用して種無しのブドウは作られます。1度目は種無しにするために満開時期前にジベレリン液に浸し、2度目は粒を大きくするために使用します。
※ジベレリン処理の仕方については動画もありますので、興味のある方はご覧になってみてください。
動画引用:地方独立行政法人青森県産業技術センター
つまり、ブドウが自然に育って実をつけるわけではなく、
受精させずその作物のホルモンを人為的に調整して実をならせ、そしてそれを人為的に成長させているわけです!
またまた不安になってきますが・・・。ここで再び疑問が生じます。
種無しブドウを作るために、農家さんの手間をかけて使われるこの“植物ホルモン”の“ジベレリン”に副作用はないのでしょうか?
気になり調べてみると、“エジプトの動物実験でマウスにジベレリンを投与すると、乳腺ガン、肺腺ガンが見られると確認され、警告しています。”(引用:『農薬毒性の事典改訂版』三省堂)
とありました。
もともと“ジベレリン”が“病菌”から発見されていることを考えれば納得ができますね。
ちなみに、もともと種のないブドウの品種に「トンプソンシードレス 」や「フレームシードレス」「ヒムロットシードレス」などがあります。
全てのブドウが“ジベレリン処理”をされているわけではないので、
「この品種は、もともと種があるのかな?ないのかな?」
と意識して選ぶようにするとよいかと思います。【種無し柿の場合】:X線を照射することによって種をつくる機能をなくす。
柿の場合は品種によってかなり異なります。
・次郎柿・・・単為結果性が強いので受粉しなくても実がなる。
・平核無(ひらたねなし)・・・偽単為結果性。受粉するが成長の過程で胚の発育が止まるので種ができない。
・富有柿・・・受粉して実が育ち種ができる。
というのが本来ですが、スーパーでよく見る“富有柿”には“種が無い”ですよね!
と、いうことで調べてみると、柿に関しては詳細が少ないのですが、ブドウと同様に“ジベレリン処理”が、自然落下の防止が目的のようです。
また、一般に普及しているのかは公にされていませんが、2009年の朝日新聞には、
“種なし富有柿を実現、花粉にX線を照射”
という記事が掲載されています。ここには、“透過力の弱い軟X線を柿の花粉に照射し、種をつくる機能をなくして授粉する。
軟X線処理した花粉を授粉することで、味や実の大きさなど品種の特長を維持できた。
さらに、寿命が短い花粉を特殊な技術で冷凍保存することにも成功した。
これで農家はいつでも人工授粉できるという。”
引用:朝日新聞デジタル
ということも書かれています。
柿にX線を照射しているとは驚きの内容ですね!
このように、
自然の作物を人間が不自然に改良して種を無くしてしまっている
のですね。これを人間に置き換えて考えてみると、なんとも怖い話しです・・・。
もしこの“ジベレリン”が残留していたら、「全く影響がない」とは言えないかもしれないのです。
可能であれば、オーガニックの作物を選ぶようにしてくださいね。
作物を擬人化してみていくと、より種の重要さが伝わったかと思います。
今となっては種がある作物を探すもの大変になってきている種類のものもありますが、種有りの作物を食べた時に「種ってかわいいな」と感じるようになりました。
人間も自然の一部です。
作物も自然界も人間に置き換えて考えてみると、本来の姿が見えてきます。お野菜や果物を選ぶ時は、「これは人間にすると?」と、ひと呼吸おいて考えてみてから選ぶといいのかもしれませんね。
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