「本みりん」と書かれているのに、実は本みりんでないものも出回っています。安全で本物のみりんの選び方。
本みりんにも伝統的製法ではないものがある?!本みりんにもさまざまな種類があるのはご存じですか?
私たちが日ごろ愛用している伝統調味料はいくつかありますが、みりんもそのひとつ。
みりんは発酵調味料としてみなさんもご存じで、なじみが深いものですが、一言でいってもさまざまなものが市場にあり、その定義があいまいなのが実態です。
「本みりん」というラベル。
でもこれらの基準は特になく、メーカーの自己申告制度だとご存知でしょうか?
以前、このINYOUの記事で、【みりんは本みりんを選びましょう】
という内容の記事を書きましたが、実はみりんは、醤油や酢などのような原材料を統一するために定められたJAS認定はありません。
本みりんに至っても【本みりんである正しい定義】も残念ながらないのが実態で、全てメーカーによる自己申告であることはご存じですか?
古来からの伝統的製造方法で製造されている「本当の本みりん」は、砂糖代用や低GI値食品としても注目を集めており、さまざまな調理効果などからも是非おすすめしたい伝統発酵調味料です。
今回は、【本当の本みりん】の正しい選び方、市販されているみりんの見分け方、ラベルなどの見かたなどを正しく知り、伝統的製法で作られた本当のみりんを選ぶ際の参考にしていただきたいと思います。
↓↓ 過去記事はこちら ↓↓
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乳製品・卵・砂糖不使用!【煮切りみりん】でつくる簡単スイーツ「みりんブラマンジェ」の作り方
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まずはおさらい。市販のみりんは大きく分けて3つに分類されています。
【本みりん】とは?
本みりんは、蒸したもち米、米麹、本格焼酎もしくは醸造アルコールを原料にし、40日~60日間かけて糖化・ 熟成させます。
熟成中に、米麹の酵素が、もち米のデンプン、タンパク質を分解し、各種糖類、アミノ酸、有機酸、香気成などを生成し、本みりん特有の風味が生まれます。
本みりんに含まれたアルコール成分は、調理過程においていくつかの調理効果メリットを生みだします。
アルコール度数は13~14%が多く、酒として分類、飲用することができ、酒販売の許可を持つ店舗での取り扱いとなります。
古くは料理以外にも白酒やお屠蘇の材料として使われてきました。
【発酵調味料】と【みりん風調味料】とは?
「本みりん」に類似した調味料として、「みりん風調味料」と「発酵調味料」があります。
いずれも本みりんより安価に販売されていますが、製法や成分が全く異なります。
(上記図を参照してください)
★ 発酵調味料
本みりんと同様の製法であり、アルコールを含みます。
しかしながら、酒税法対策としてアルコールでの販売を防ぐため、食塩を添加した「不可飲処理」をしています。
そのため酒の販売免許が不要となり、調味料売り場で販売することが可能となります。
塩分を含んだ調味料のため、調理の際には塩味調整が必要となります。
この発酵調味料は【醸造調味料】などとも表示され、アルコール分が5~10%ほどの低い物もあります。
そしてみりんだけでなく、料理酒などもこの【発酵調味料、醸造調味料】に分類されます。
食塩を含み、調味料として売られている点では、みりんと同様となります。
★ みりん風調味料
安価に仕上げるため、添加物が多く使われています。
糖類の添加、みりんのような飴色の色味をつける目的やうまみを出すための化学調味料など。
価格は伝統的な手法で作られた本みりんの10分の1程の価格です。
アルコールがほぼ含まれず、調理効果は全くありません。
味も単調で、みりんで仕上げたような奥深さはなく、とても飲用もできません。
本みりんと類似調味料では決定的な調理効果の違いがあります。
【本みりんの成分】
1)糖分(グルコース、オリゴ糖、イソマルトースなど9種類以上の糖分)
2)アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸、ロイシンなど18種類以上の天然アミノ酸)
3)有機酸(乳酸、クエン酸、ピログルタミン酸など)
4)香り成分(フェルラ酸エチル、フェニル酢酸エチルなど)
【本みりんの調理効果】
1)砂糖と比べ、まろやかさと柔らかさをもった上品な甘みをつける。
⇒ブドウ糖やオリゴ糖の多糖類の糖で構成
本みりん・・・・ブドウ糖やオリゴ糖などの多種類の糖類
砂糖・・・・・・成分がショ糖のみで強い甘み
2)照りや艶の効果
本みりんは、お酒+糖類では代用できない照りとツヤを食材の表面につけます。
醤油などと組み合わせるとその違いは歴然で、いわゆる「酒+砂糖+しょうゆ」の組み合わせよりも、「本みりん+しょうゆ」の組み合わせのほうが効果があります。
3)煮くずれ防止効果、味の浸透をしやすくします。
本みりんの糖とアルコールが煮物などの際に煮くずれを防ぎます。
また、食材の旨み成分を逃すこともなく、見た目も美しく仕上げます。
★ 肉・魚など・・・・糖類・アルコールの作用で、肉や魚の筋繊維の崩壊を抑制します。
★ 野菜など・・・糖類・アルコールの作用で、でんぷんの流出を抑制、煮崩れを防ぎます。
★ 調理の味付けが早く均一に仕上げます。
4)うまみとコクをつける
アミノ酸、ペプチドなどの旨み成分と糖類、その他の成分が深いコクと旨みをつくりだします。
★ アミノ酸・・・旨み・風味を出し、奥行きのある味に仕上げます。
★ 有機酸・・・・塩や酢カドをとってまろやかにします。
★ 糖類・・・・・上品な甘みをつけます。
5)消臭効果
熱を加えることにより、素材に染み込んだアルコールが蒸発、その際に魚や肉などの臭みも同時に消してくれます。
それでは本題。本みりんなのに本みりんでない?【伝統的製造方法で作られているものと、そうでないもの】とはどういうこと?
伝統的な製法で作られた本来のみりんは、もち米、米麹、米焼酎(乙類)を原料としています。
しかしながら、本みりんの中でも、安価で押さえるために輸入米や醸造用アルコールや糖類などで作られているものがあります。
これは、酒税法に基づいているため違法ではありません。
ですが、お酒と考えるなら、純米酒の定義は米だけで、ラベルに純米とある場合、醸造アルコールが使われることは認められません。
醸造アルコールの原料は主にサトウキビの糖蜜です。
従って全て米由来でないのに純米を名乗れる、ということは「本みりん」の定義はあくまでも酒税法に基づいているだけで、原料に関してはあいまいだということになります。
また、輸入原料の中には遺伝子組み換えである可能性も当然ながら否定できないものがあることも現状です。
伝統的な製法でつくられたものはいたってシンプル 表示を良く見て誠実な表記ものを選ぶこと
前述にあるように、みりんはJAS法による使用原料の義務はありません。有機のものも同様です。
基本的に発酵調味料は原料がシンプルであればあるほど、伝統的な製法で作られていると思っていいと思います。
また、質のよい原料や手をかけられている時間の分、価格に比例します。
価格が高いといって敬遠するのではなく、信頼や手間暇をかけられたものへの対価です。
わたしたちが消費する、ということは、その誠実な原料や時間、メーカーへの信頼と、この先への投資でもあるのです。
さまざまな製品が存在する、ということはその分消費需要がある、ということにほかなりません。
わたしたちの今後の課題は、与えられたものをきちんと選ぶ知識を持つ、その上で自分自身の選択に責任を持つということ。
選ぶのは自分自身です。
それぞれのライフスタイルによる選択の自由はありますが、正しい知識を持った上で選択することと、無知なことで選択をすることの違いは、積み重ねられ大きなベクトルの差となって現れることでしょう。
大人であるわたしたちは、自分で選択することができますが、子どもは自分で選択することができません。
与えられたものをそのまま口にします。
このことが、この先どのような形で表れていくのか。
何百年と積み重ねられたどの事にも勝るエビデンスを持った発酵調味料が教えてくれると私は思っています。
なによりも、生産者の方の思いが込められ、誠実な形で作られたものは、理屈抜きに美味しい。
ストレートに形となってあらわれます。
消費は共感です。
あなたは何に共感し、消費しますか?
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