分子栄養学に振り回されないで！栄養素を数字で見ているだけでは健康から離れて行く。体を応援できる本当の食・生活習慣とは

分子栄養学の考え方が広まり、分子栄養学に興味を持ったり、実際に学び実践されている方もいらっしゃると思います。

分子栄養学で成果を上げられているドクターや専門家の方々もいらっしゃることは承知の上で、健康を望むあなたに、お伝えしたいことがあります。

体に良いと言われている単一の栄養素を摂るだけで、本当に健康になれるのでしょうか。

今回は、栄養学界のアインシュタインと言われる、T・コリン・キャンベル氏の著書と、私が長年研究してきた健康の本質とは何かという事を織り交ぜながらお伝えしていきます。

栄養素をしっかり摂らないと人は健康になれないのか

「現代人は栄養失調である」

これは、よく聞かれる言葉だと思います。

糖質や脂質の摂取量は増加しているが、ビタミン・ミネラル不足だから現代人は病気になるのだ。

だから「サプリが必要だ」と栄養学の専門家は言います。

野菜も、スーパーに並ぶような慣行農法で作られたものは栄養価が少なく、お肉・お魚・卵もホルモン剤、抗生物質、重金属の問題があり、食べるのをためらう。
だから、安心安全で質の高いサプリで栄養素を摂取する事が望ましい。

確かにその通りかもしれません。

人間は食べた物で作られる。

だから、

身体の材料となるタンパク質、
細胞膜やホルモンの材料になる脂質、
エネルギーとしての糖質、

そして、これらを効率よく代謝せるためのビタミンやミネラルを摂取する事で、身体が本来の機能を発揮し、健康になっていく。

そのために、現代社会にはサプリが必要。

ということです。

人間の身体は本当に言われているほどに栄養素が必要なのだろうか

少食や不食の人達は、確実に現代の栄養学で言われているだけの栄養素は摂っていないと推測されます。

しかし、少食や不食の人達が、病気になりやすく短命というわけでもありません。

ちなみに、不食の人達は世界中に10万人はいると言われています。

彼らは、特異体質なのかもしれないですし、ちょっとしたコツで誰もが不食になれるかもしれません。


ここで私が言いたいのは、

人間の身体は、理論上、実験上正しいと言われている事が、全ての人間にとって立証されるわけではないということです。

少食の著書「無病法～極少食の威力」で有名なルイジ・コルナロは、一日にわずかなパンとスープ、お肉、卵黄1個　総量350gとワイン400㏄がベストな量で、これ以上食べると、体調が悪くなったそうです。

無理せずに一日1食で移行できる人もいれば、1食にすると血糖値が不安定になり、体調を崩す人もいます。

糖質制限で体調が改善され、何年続けても平気な方もいるし、

糖質制限を続けることでより体調が悪化する方もいる。

あなたの身体を食事法や食べ物に寄せるのではなく、

あなたの身体に必要な食べ物を食べる事が、何よりも大切な事なのです。


「じゃあ、私にとっての必要な食べ物ってなんなの？」

と思うことでしょう・・・。

そこで次に、

「どのように自分に合った食べ物を探していくのか」

をご紹介していきます。

どの栄養を吸収するかはカラダ次第

分子栄養学を始めとした栄養学は、単一の栄養素に意味があるように錯覚させます。

単一の栄養素をサプリで摂取しても、残念ながらあなたが期待している効果を得られる可能性は低くなります。

私も経験があります。

たるみによる毛穴を改善したくて、たんぱく質とビタミンCを一緒に摂取したら（タンパク質とビタミンＣでコラーゲンが生成されると言われています）お肌よりも爪が丈夫になって割れなくなったとか、

健康のために玄米菜食にしたら、アトピーや抜け毛が治ったとか。

「ここに効いて欲しい！！」という私の願いは、残念ながら叶えられることは少ないというのが現状です。

もちろん、食事を改善すると、どこかの不調が消え全体的に健康になっていくので、もちろんそれでいいのですが、

栄養療法で不調を改善しようとした時に、理論上はもっと効果があるはずなのに、なかなか効果が表れないということが起こり、

高価なサプリの割に効果が表れない事に愕然とします。

単一の栄養素は意味がない事を専門家は知っている

例えば貧血を改善するために、鉄剤を処方されることがあると思います。

運よく改善される方もいれば、まったく改善されないどころか、副作用が出る場合もあります。

この違いはどこにあるのでしょうか。

理由は２つあります。

１、栄養素はお互いの活性度を高めたり弱めたりする

食べ合わせというと、分かりやすいかもしれませんね。

カルシウムは鉄の体内での利用率を最大400％減らし、カロテノイドは鉄の体内での利用率を最大300％増やすのです。

これは単一の栄養素で見た場合です。

サプリであれば、

「カルシウムと鉄のサプリを一緒に飲むのを止めよう」

「鉄のサプリとβカロテンのサプリを飲もう」

といったことが出来ると思いますが、食品でこれは不可能ですよね。

鉄が多い食材、カルシウムが多い食材はありますが、鉄しか入っていない食材は存在しません。


気休め程度に、

「鉄の豊富なレバーと人参を一緒に食べよう」

「レバーと小松菜は一緒に食べるをのやめよう」

とするのはいいですが、レバーにも人参にも、小松菜にも、その他の栄養素がふんだんに含まれています。

全ての栄養素の関係性を考えて毎回食事をする事は現実的ではありませんし、食材自体の栄養素だって、個体差があります。

２、人間の代謝システムは東京の地下鉄の路線図の何百倍も複雑に入り組んでいる

代謝のシステムの図といって思い出されるのは、クエン酸回路の図だと思います。

「糖質や脂質を代謝させるのにビタミンB群が必要だよ」

と聞いたことがあるかもしれませんが、人間の代謝はこんなにシンプルな物ではないのです。

この事は、栄養の専門家であれば誰もが知っていることです。


実際は、37兆個すべての細胞一つ一つで起こっている反応は巨大迷路のように入り組んで複雑で、研究者たちは一つ・二つの反応を解明するために、何十年もの歳月を捧げているのです。

代謝経路が複雑すぎて、全ての代謝システムを理解することは不可能であり、単一の栄養素だけを見ることに意味はないのです。

つまり私達が食べるべきものは、

「鉄」ではなく、鉄の入ったレバーということです。

一物全体・ホールフードがベスト！食はシンプル。あなたの身体に必要な栄養素は誰にもわからない

代謝のシステムからわかるように、一つの病気に対し、一つの栄養素という関係性は、人間の代謝システム上成立しないのです。

しかし、私達は新しい栄養素が出てくると、それがあたかも、健康に導いてくれる魔法の栄養素であるかのように飛びつきます。


寿命が延びたのは医療が発展し、昔よりも栄養豊富な食生活を送っているからだと思っていませんか？

平均寿命が延びたのは、産科医療・救急医療の発展のおかげです。

歴史を紐解けば、数百年前から80才、90才まで長生きしていた人もいます。

数百年前にお米に炭水化物は何グラム。ミネラルが何グラムといった知識はなくても、健康で長生きしている人は多くいたのです。


T・コリン・キャンベル氏は著書「WHOLE」（YUSABUL出版）の中で

「体自体が栄養素の濃度を慎重にコントロールしている」

と、言っています。

人間は自然の一部です。

自然をコントロールできないのと同じように、私達の身体もコントロールはできないのです。


必要と思われる栄養素を入れ、

「カラダさんお願い！！私の身体を健康に！！」

とお願いするしかないのです。

あなたの身体に必要と思われる栄養素は、誰にもわかりません。

答えはあなたの身体しか知らないのです。

身体が機能するためのお手伝い。単一栄養素のサプリより多くの栄養素が入っている食材を選ぼう

必要と思われる栄養素が分からないのなら、何を食べたらいいのかと思うかもしれません。

私達は自然の一部です。

その循環の一部として考えた時に、何を食べるべきかは自ずと決まってきます。

私達は、その土地のもの・その季節の物を食べて今まで命を繋いできました。

現代の野菜に栄養価が少なかったとしても、サプリなどで単一の栄養素を摂るよりも、多くの種類の栄養素が入っている食材を食べた方が、身体はどの栄養素を使おうか考えた時に選択肢を多く持つことが出来るのです。

★自然栽培野菜セット（一人暮らしセット）｜山梨県産！絶滅危惧レベルの固定種野菜！農薬不使用

あなたを健康にする奇跡の食材とは？本来の目的は沢山の栄養素を摂る事ではなく健康で人生を楽しむ事

新しい栄養素が発見されると、センセーショナルに伝えられ、この栄養素が全ての解決してくれる！！と人間は思ってしまいます。

栄養素だけでなく、遺伝子もそうですよね。

遺伝子が全て解明されたら、病気はなくなる！！

そう期待されていましたが、実際は遺伝子で治療できる病気はわずかです。

老化を止めると最近話題のNAD薬。

「これで人間は病気にならない！！」と期待は高いですが、こちらも、本来食品に含まれている栄養素のため、どのように発展していくかはわかりません。

私も期待はしていますが、本来健康とは栄養だけでなく、睡眠・ストレス・運動など複合的な関わりによって得られるものだとは思っています。

健康的な食事や沢山の栄養素を摂取することが目的なのではなく、健康で人生を楽しむことが本来の目的なのです。


奇跡の食材は、まだ見ぬ栄養素の含まれた食材やサプリではなく、太陽の光を浴びた、生産者さんの想いの詰まった食材です。

穀類・野菜・果物…

奇跡の食材は、すでに私達が手にしていたものです。

★在来種、自然栽培。食べていただければわかります！自然栽培新玉ねぎ｜丸ごと美味しい！

栄養素は意識しすぎない！応用編の前に基礎編で健康に近づく

健康を意識した時に、何をしようとするか。

極端な健康法を実践しようとする方が多いように感じます。

糖質制限・ベジタリアン・玄米菜食・一日1食・断食‥

これらの食事はいわば応用編です。

ピカソの絵は個性的ですが、いきなりあの絵を描きだしたわけではないですよね。

彼は普通の絵もとても上手です。


スポーツも同じです。

基礎がしっかりしている人は応用も利きますし、最初の成長がたとえ遅かったとしても、その後成長がめざましいです。

最初の基礎をさぼった場合、最初は本来持っている運動センスで一見出来ているように見えても、その後成長しないのです。

（昔、大学生にラクロスを教えていたので、どんな子が延びるかは予想がつきます）


つまり、ここで言いたいのは、

「あなたは食事の基本を実践できていますか？」

ということなんです。


健康の知識がある人は、3食食べる事は不健康だと思っている方も多いと思います。

お肉やお魚など動物性たんぱく質も不健康だと…
（確かに、お肉に関しては質はデメリットの方が多いかもしれませんが）

3食食べるようになったのも、エジソンがトースターを売りたかったから。
朝食シリアルの会社が儲かるように3食が良い事を普及した。

そうかもしれませんが、

もし、あなたが一般的に標準と言われている食生活を送ったことがないのであれば、まずは応用編に行く前に基本編の食事をし、自分のカラダの声を聞きながらベジタリアンに移行したり、一日1食にしたり、糖質制限をしたりしてみる事をおススメします。

意外にベーシックな食事をされている方が少ないのではないかと思います。

ベーシックな食事とは？栄養素にとらわれないことが大切

核家族により、孤食が増え、食文化の継承が出来ていないため、意外に日本の食を実践されていない方が多くいらっしゃいます。

アメリカの栄養療法のドクターたちは、1970年代の日本食が最高だとクライアントに勧めて成果をだしているそうです。


「灯台下暗し」とはこのことです。

地球の裏側のスーパーフードもたまにはいいですが、基本は普通のご飯とお味噌汁なのです。


「栄養素」に頼るのではなく、カラダさんを応援できる、食・生活習慣でありたいですね。

オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market

IN YOU Market

体を応援！IN YOU Market厳選オーガニックアイテム

こちらの記事もおすすめです！

あなたの脳の使い方は間違っている！幸せになりたい人は今すぐ実践したい、科学的に脳の使い方を変えて健康な心と身体を手に入れる6つの方法

普段私たちが目にする健康情報は操作されている。予防医学専門家が「本当に健康な食事法が世の中に広まらない理由」に迫ります！

心の傷があなたの体を太らせる。本当の自分の潜在意識や思い込みに気づいてスリムな体を手に入れませんか？