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Organic Life to all the people.

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本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ IN YOU Market 本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ
IN YOU Market

【インタビュー】オーガニック専門家・レムケなつこさんに聞く|世界最先端・ドイツの驚くべきオーガニックの実情、そして、日本のオーガニックの未来とは?

【インタビュー】
オーガニック専門家・レムケなつこさんに聞く
世界最先端・ドイツの驚くべきオーガニックの実情、
そして、日本のオーガニックの未来とは?

最近、日本にはオーガニックブームが到来したと
耳にすることが多くなりました。

その実態や背景はどのようなものなのでしょうか。

このことについて今回、
オーガニックの真の意味や価値について提唱する活動をつづけてる、
オーガニック専門家、レムケなつこさんにお話を伺う機会がありました。

レムケなつこさん


レムケなつこ / ドイツ法人オーガニックビジネス研究所CEO。本場ドイツの大学院と食品研究所でオーガニックを研究開発。慶應義塾大学経済学部卒。 オーガニックセクターの国連IFOAM欧州本部リーダーシップ研修に日本人初で選抜。20代、JICAで途上国の生産者支援に関わった経緯からオーガニックに目覚める。オンラインスクール運営、研修、講演、執筆など。『Forbes JAPAN』にてコラムの連載中。YouTube「ドイツ発オーガニック教育番組」水・土の19時に毎週更新中。



ヨーロッパ随一のオーガニック大国・ドイツで生活し、
オンラインスクールを運営するレムケさんの目から見た日本のオーガニックの現状はどう映るのか、
どのように感じているのか、活動を始めたきっかけや目指していること、
今後のオーガニックの動向についても、ずばりインタビューさせていただきました。

わたしたちの豊かな食卓の裏にある事実

—なぜ、オーガニックのお仕事を選ばれたのですか?

20代の時にJICA(国際協力機構)という外務省の傘下にある組織で、
途上国の生産支援をしていたことが大きなきっかけとなっています。

大規模な農園で子供が労働力として活用される際、
貧困層に非常に過酷な条件で働かせ、安い農作物を作らせていました。

そのような悲惨な状況というのを現地で垣間見た時には、
どこか遠い世界で起きている問題だと感じていたのですが、

日本に帰国後、実は、このようにして作られた原材料や食品は、
日本を含む先進国が輸入していることを知りました。

そこで、わたしたちが毎日口にする食事が、
誰かの苦しみのもとで作られているという事実に気付いたんです。

そしてわたしたち消費者は、知らず知らずのうちに、このような不条理な搾取の
仕組みに取り込まれてしまっているのではないかと憤りを覚えました。

なんとかこのようなアンフェアな世の中の仕組みを変えたいと思い、
その解決策となりうるオーガニックに人生をかけてみたいと思ったことが、
オーガニックに関連する仕事を選んだ、大きなきっかけとなっています。

 

途上国のサトウキビ畑にて

オーガニックが持つ、本当の力とは?!

—オーガニックによる「社会の変革」を実感されたことはありますか?

オーガニックによる社会の変革というのが、何を意味するのかにもよるのですが、
わたしにとってそれは環境問題とか社会課題の解決なので、その点からデータを交えてお話していきますね。

以前、ドイツの国立研究機関でわたしは、過去30年間に発表された有機農業と
慣行農業(有機農業ではない農業)を比較研究した論文を500以上集めて分析しました。

その結果、様々な環境問題や社会課題の解決の手段として、有機農業が優れているということ
(水質保護、土壌の肥沃化、生物多様性の保全、地球温暖化の抑制、資源効率の向上、
動物福祉の向上など)が明らかになったんです。

さらにオーガニックが社会にプラスの影響をもたらしたということが良くわかる事例が
ドイツにあリますので、ご紹介しておきます。

それは、ドイツのミュンヘン市で水質改善のために行われたプロジェクトの例です。

ある時、ミュンヘン市の水道の水質が悪化していることが判明し、その要因を調べたところ、
水源での慣行農業(オーガニックではない農業)が要因となって汚染が起きていることが分かり、
浄化施設を市で作りましょう、ということになりました。

でもその建設にはとても膨大な建設費が必要になるということが判明し、
その代替え案として浮上したのが、水源がある地域で有機農業を推進するということだったんです。

科学者に早速、調査研究をさせたところ、有機農業推進をすれば、
たったの数年で浄化施設を導入するのと同じだけの水質改善につながることが分かりました。

ミュンヘン市がそれが分かって何をしたかというと、まず水源周辺の土地、なんと2800ヘクタールにも
及ぶ大規模な土地を買い占め、市民にそれを安く貸し出して有機農業をしてもらったんです。

それからさらに有機農家さんにも市から独自で補助金を提供して生産を推進し
さらに消費者に対しても、有機食品をきちんと買ってもらえるような啓蒙キャンペーンを実施しました

そして、その、なんとたった6年後に、水源地の農家の70%にあたる90世帯が有機に転換し、
ミュンヘン市は州内で最大の“有機農業都市”といわれるようになりました。

しかし本当に素晴らしいことは、ミュンヘン市がこれで終わらせず、
その後も国内外から視察の受け入れを歓迎したり、
ミュンヘン市の公的機関、たとえば幼稚園、学校、病院、老人ホームや、
官公庁の食堂などへのオーガニック食品の導入を推進することで
有機食品への需要拡大を同時に推進したことなんです。

視察で訪れたドイツの農場にて

オーガニック大国ドイツでわたしが活動する理由

—なぜ、ドイツで活動をされているのですか?

一言でいうと、オーガニックの最先端がそこにあるからです。

オーガニック大国と言われる国は他にもいくつかあって、
例えばアメリカとオーストラリアは有名ですよね。

アメリカはまずオーガニックの市場が世界最大、
そしてオーストラリアは有機農業に取り組む耕地の面積が世界第1位です。

そしてドイツと他のオーガニック大国の何が違うかというと、
ドイツはオーガニックの様々な分野、すべてにおいて、世界トップであるということです。

アメリカ、オーストラリアのように生産、それから市場規模というところで
ヨーロッパ第一位なのですが、そのほかにも研究、教育、認証、政策、
そしてパイオニア、先駆者の方の数や、市民レベルでの活動の数を見ていても
トップに位置しています。

日本にもドイツのオーガニック商品に詳しい方は多いと思います。

例えばコスメでは、ドクターハウシュカ、ラベーラ、プリマベラ、ヴェレダなどは、
老舗中の老舗メーカーです。

洗剤メーカーではソネットとかソーダサンなどがありますが、
おそらくオーガニックに興味のある特に女性なら一度は聞いたことがあるメーカーだと思いますし、
日本だけではなく世界中でも同じように有名なブランドです。

世界から支持され、愛されているオーガニックのメーカーがドイツには本当に多いんです。

わたしが事業を通じて成し遂げたいことは冒頭でお話しした通り、
この不条理な世界の仕組みを、オーガニックをツールにして変えたいということです。

今わたしたち人類が直面している、様々な社会課題とか環境問題を変えていく、
そのための大きな力がオーガニックにはある、とわたしは信じています。

社会の仕組みそのものを変えていきたいと思っているので、
例えば生産のみ、認証のみ、政策のみ、市場のみ、研究のみではなく、
もっと包括的にオーガニックのことをとらえていく必要があるとずっと考えていました。

なので、様々な分野でオーガニックのトップであるドイツで勉強するため、
オーガニックについて学べる大学を意図的に選んでドイツに渡ったという経緯があります。

これまでにも出張で欧州各地を視察してきましたが、
オーガニックの多様な分野で実際に活躍している人とつながれる、
そういった意味でも本場はドイツだと思っています。

研究所での勤務風景

エビデンスのあるオーガニックの重要性

—なぜ、エビデンスを重視されているのですか?

実はわたしにとって、エビデンスというのは、オーガニックとの最初の接点でした。

これまで学術的にオーガニックの知識を身に着けてきたわたしにはそもそも、
エビデンスのあるオーガニック情報というのがむしろ当たり前だったんです。

しかし数年前に日本に一時帰国したときに、それはむしろ一般的ではないということが分かりました。

オーガニック業界で働いている方のセミナーに参加したり、オーガニック系の企業と商談をする中では、
オーガニックを“ふわっと”説明されている方がほとんどでした。

スピリチュアルな要素が多かったり、おしゃれ感覚で話されていたり、
エビデンスを持ってオーガニックのことを話している人は皆無だったんです。

その時に、これは日本にエビデンスのあるオーガニック情報をきちんと広めないと、
本当の意味でオーガニックの価値は絶対伝わっていかないと感じました。

同時にこのままでは生産も市場も拡大していかないと思ったんです。

なぜかというと、人が商品を購入するときや、生産者がオーガニックに転換すると決めるときなど、
何かを決断する時の要素には2つあって、1つは「感情」、もう1つは「理性」と言われています。

感情と理性、どちらも大事なのですが、どちらか一方だけでは判断できないのです。

日本でオーガニックの輪を広げていくためには、エビデンスのある情報も出していく、
同時に感情にも訴えられるような情報提供が必要だと思っています。

あともう1つ、エビデンスを大事にしている理由があります。
それは単純にエビデンスのある情報がわたしには提供できるからです。

自分の才能とかスキルを社会のために活用してはじめて、人は本当の意味で社会貢献ができる
とわたしは思っています。

だから自分には何ができるかな、わたしだからできることって何かなと考えたときに、
必然的にドイツの大学院とか研究所で、オーガニックを研究してきたその内容や、
オーガニックセクターの国際機関等で知識を更新してきたこと、
そういったわたしが学んできたことをできるだけ多くの方に、
分かりやすく共有していくことが大切だと思っています。

オーガニックセクターの国連IFOAM主催リーダーシップ研修にて
(右端がレムケさん)

広がっていくオーガニックの輪

—なぜオンラインスクールの事業をされているのですか?

理由は2つあります。

わたしがオーガニックに目覚めたのは冒頭の通り、途上国で生産者支援をしていた時に、
そこで垣間見た不均衡を正したいと思ったということですが、
言ってしまえばこれは、「社会の仕組みを変えたい!」ということなのです。

しかし、そんな大きなことわたし一人では到底できません
ですので、同じ思いの仲間と団結しなければならないと思ったんです。

スクールを通じて仲間と出会えると思いました。
それがスクールをはじめた理由の1つです。

そして当初のミッションである、オーガニックを広げていくこと、
仲間をつくるということが、実際に今叶っていて本当にうれしく思っています。

2つめの理由は、それはわたしができること、つまり、本場ドイツで学んだことを共有すること、
そしてこの不条理な世界の仕組みを変えたいというその2つの想いを掛け合わせたら、
スクールになったというだけなんです。

さらに、スクールで学んでくださっている方の約半分が起業家や経営者の方で、
弊社としても事業のメインターゲット層なんです。

その理由が、社会的影響力を持つ人だからです。

起業家や影響力を持っている人の背後には、その先に何十人、何百人、、何十万人というファンや
お客様がついています。

こういった方たちにオーガニックの素晴らしさや、可能性をきちんと学んでもらい、
知っていただくことで、日本でもオーガニックの輪というのが確実に広がっていくと考えています。

慶應義塾大学でゲスト講師を務めた

未来の鍵となる日本人の素晴らしい素質とは?

—最近、YouTubeチャンネルで、
ドイツ発の「オーガニック教育番組」を始められていますよね?


今年の10月28日から番組をはじめました。

“エビデンスに基づいたオーガニック情報を広めることで、
オーガニックが当たり前の社会の創造を目指して、ここドイツから発信していく”

そういったオーガニック専門教育番組です。

わたしは、日本でのオーガニック推進を実現するために、今最も不足しているのは、
オーガニックについての知識だと考えています。

その理由を、日本とドイツ各国で行われた消費者調査の結果が物語っています。

調査で聞かれたのは、【オーガニック製品を買う理由】でした。

ドイツでは80%以上の人が、複数回答しているおり、
例えばアニマルウェルフェア(=動物福祉)のため、
地域の農家さんを支援するため、生産者さんに適正な賃金を払うため、
それから生物多様性保全のため、環境保護のため、有機農業推進のため、
ウェルビーイング(=幸福であること)を高めるためなどの回答を80%以上の人がしています。

社会や地球に貢献するオーガニックの多面的な価値をきちんと理解した上で、
ソーシャルベネフィット(社会的利益)を認め、その上でオーガニックを応援しているというのが
ドイツ消費者の多くだと思います。

一方、日本では80%以上の人が
「オーガニック食品を購入する理由は健康のためです」と答えています。

オーガニックを自分のために買ういわゆるパーソナルベネフィット(個人の利益)としての
オーガニックに着目する人が日本はほとんどなんです。

わたしはこのギャップにむしろ希望を抱いていて
今後オーガニックが日本で飛躍的に拡大するヒントがここにあると思っています。

なぜなら日本人こそ、本来のオーガニックに共感するメンタリティを持ち合わせていると考えているからです。

わたしはこれまで海外4ヵ国に15年以上住んでいて、日本人は世界の中でも協調性とか仲間意識というのが、
とびぬけて高いと感じています。

自分さえよければそれでいいと思わない、そういうメンタリティが1人1人の中に存在しています。

ですから、問題は、オーガニックの本当の価値を知らない、またそれを学ぶ機会というのを
今まで与えられてこなかったということにあると思います。

だからそれを補っていこうというのが、わたしのYouTubeチャンネルです。

同時に、本来であれば「消費者教育」というものは国が行っていくべきことだと思います。

ドイツでは90年代からオーガニックに関する消費者教育支援が開始されて、
2000年代初頭にはオーガニック対する公的資金の中でなんと、70%以上が
研究も含めた教育に支払われていたという事実があります。

ドイツがなぜこのようなことをしたかお分かりになりますでしょうか?

それは、ただ単に生産を拡大するだけでは持続可能なオーガニック推進に絶対につながらないということが
当時から分かっていたからです。

市場を同時に成熟させて、拡大していくことがなければ、作り手や売り手が安心して
活動を続けていくことは絶対に不可能です。

教育の成果がでるまでには何年、もしかすると何十年と月日が必要です。
だから今すぐわたしができることをやろうと思いました。

番組では、わたしの方から一方的に情報を伝えるだけではなく、
視聴者のみなさんとコメント欄等を通じて対話ができたらいいなという思いがあります。

オーガニックが好きな人や関心がある人が、自由に集まって、みんなで対話できる、
そういうコミュニティにしていきたいなと思っています。

みんなでオーガニックが当たり前な社会というのを、一緒につくれたら本当にうれしいです。

毎週水曜、土曜の日本時間19時更新しています。ぜひチャンネル登録をお願いします。


データから見る今の日本のオーガニック

—ヨーロッパ、あるいはドイツと比較して、
日本のオーガニック事情についてどう思われますか?


生産、それから市場そして政策の側面からドイツと日本、
二国のデータを比較してみましょう。

まず生産のデータでは、有機取り組み面積からみるとドイツは152万ヘクタール(ha)、
一方日本は1万ヘクタール(ha)[※2018年のデータ]足らず、というデータがあります。

それから有機取り組み面積の割合ですが、ドイツは10%弱、日本は0.2%、
有機農家の戸数では、ドイツは世帯数で3万1千人、日本はだいたい3千6百人となっています。

市場規模では、ドイツが約1兆3600億円、日本では約1700億円、
そして一人あたりの年間支出額(オーガニック食品を年間一人あたり平均してどのくらい支払いをしているか)は、
ドイツでは約1万6千円に対して、日本は約1300円という結果になっています。

最後に政策についてですが、オーガニック推進に対する公的資金額がどれくらいなのかを比較すると、
日本は2020年の予算が1億5千万円だったのに対して、ドイツでは44億円以上と言われています。

このようにドイツにおけるオーガニックの現状というのは、日本の何百倍も先をいっているということ、
日本の有機農業の現状というのはドイツとこれだけひらきがあるということが分かります。

四角大輔さん、早坂香須子さんとのトークイベント


でも実は、日本が世界のオーガニックをリードしている時代もありました。

オーガニックというのは欧州での市民運動からはじまっていますが、
その時代に欧州だけではなく世界中の人々に、意識を変えるような思想家が日本にいたと言われています。
その方は、岡田茂吉氏福岡正信氏と言われています。

2人は無肥料栽培や自然農法の先駆者として、海外では非常に有名な方なんです。

実際に今でも欧州の有機農業界の先駆者といわれる何人かに、
「わたしは岡田茂吉さんや福岡正信さんを尊敬していて、彼らの教えを自分の畑で実践しています。」
と伺ったことがあります。

ところが、このような1930年代以降に生まれたオーガニックの基本思想が、
一般の人の意識や市場、政策にほぼ反映されなかったというのが今の日本なのです。

初期に素晴らしい思想が生まれていたとしても、それが実際に社会に反映されていくということは、
また別の話ということになります。

今後、オーガニック需要が高まる4つの理由

—最後に、日本でオーガニックが普及する可能性は
どの程度あるとお考えですか?


非常に難しい質問ですね。
ずばりお答えするのはちょっと難しいのですが、1つだけ言えることがあるとしたら、

今後、日本でのオーガニックへの潮流が欧米並みに近づいていくのはもう間違いない
と言っていいと思います。

その理由は4つあって、
まず1つめの理由は東京オリンピック、パラリンピック大会の開催です。
オリンピック、パラリンピックで持続可能で環境に優しい食材、商材を使用するなどの方針が示されていて、
調達基準に実はオーガニックが推奨されています。

オリンピック、パラリンピックが来年に延期になったことで、
オーガニックが着実に日本に到来する準備期間ができたのではないかとわたしは思っています。

2つめの理由は、2030年までに世界が目指している国際目標、SDGsの存在です。

持続可能な開発目標と言われる中に17項目の目標がありますが、
オーガニック推進によって、実はこの17項目の目標はほぼ全て達成すると言われています。

それはなぜかというと、現代の食の生産の在り方とか、食の仕組みというのは、
実は地球規模で、無数の社会課題とか環境問題を引き起こしているからです。

実際にSDGsの基礎概念となった「プラネタリーバウンダリー」という概念を提唱した科学者として有名な、
ヨハン・ロックストローム氏とパヴァンスクデフ氏が、
食はSDGs目標達成の中心的な役割を担っている」と述べています。

サステナブルな食の仕組みとして、世界で市民権をとっているのは有機農業です。

欧州でこの5月に発表されたサステナブルな食の仕組みを推進する政策、農場から食卓へ戦略というのものがありますが、
その中心として据えられているのがオーガニックです。
そして実際の戦略として、欧州全体で有機農地25%を目指していくということが目標に掲げられています。

もし日本がオーガニックを推進することがなければ、それば、残念ながらSDGs目標達成に向けては
大きな損失となりかねないので、避けて通れないとわたしは思います。

3つめは、WITHコロナ時代に求められるサービスや商品が、これからますます変わっていくからです。

不安な世界情勢を経て、消費者の健康とか、ライフスタイル向上に対する欲求がどんどん高まっています。
その中で生活の質とか、ウェルビーイングを高めるベースとして、オーガニックの重要性というのが、
より一層高まるとわたしは考えます。

実際に欧州では歴史的に、過去なにかしらの社会的危機が起きる度に、オーガニックブームは起きているんです。

そして最後の4つめの理由は、これから消費世代として注目される、ミレニアル世代Z世代の存在です。

現在人口の約4割をも占めるともいわれるこの世代は、環境に対する配慮や動物保護、地球温暖化の緩和、
企業の透明性や倫理性、さらに原料の安全性、こういったものに重きを置いた消費行動が特徴的です。

そしてその条件に合っているのがオーガニックなのです。
ですのでオーガニックというのは、この巨大な購買層を今後間違いなくリードしていくとわたしは考えています。

 



————————–
インタビューを終えて
————————–

オーガニックをブームとして終わらせるのではなく、一消費者として理解を深めた上で、
少しずつでも良いから取り入れてみよう、そう改めて誓いました。
どこかで耳にした作詞家の阿久悠さんの言葉、「人間は常にリレーのランナーで、手ぶらで走ってはいけない、
前の走者からバトンを受け取り、次の走者に渡さなければならない」、という言葉がふと浮かびました。

記事の中でご紹介したドイツの美しい自然も、日本の美味しい食文化も、残らずバトンを渡したいものです。
国によって、地域によって、わたしたち個人の中でも様々な問題や課題があります。
しかし未来は明るいと思える、そんな暮らしを誰もが望んでいると思います。
知って、学んで、生きてみる。そこから新しい景色が見えると信じて。

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