「老けて見える」を加速するだけじゃない|日本人から人気が衰えない朝食の主役「パン」の影響について予防医学専門家が語ります。
テレビでパン、パン屋の紹介を見ない日がありません。
そしてSNSでも何かしらパンの写真をアップしている人も多く目に付きます。
そしてここ数年は食パンの人気がめざましく食パン専門店に長蛇の列が出来ています。
お米よりもパンの購入金額が多い日本
消費者庁の家系調査(総世帯平均)で1世帯あたりの年間消費金額を調べて見ると
2010年には23,315円あった米の消費金額が2017年には18,917円まで減少しています。
一方パンの消費金額というと2010年ではパン全般で23,773円だったのが2017年では24,723円にまで増加。
そのうち食パンの消費金額は2010年7,049円から2017年7,379円。
その他のパン(菓子パン、総菜パンなど)は16,724円から17,344円に増加しています。
パン食の何がいけない?
まずパン類は総じて高GI値食品であるということが問題です。
GI値(glysemic index)は1981年にトロント大学のデビットジェンキンス博士らが提唱した概念で
炭水化物を含む食品の血糖値の上がりやすさを表した指標です。
シドニー大学ではGI値が70以上の食品を高GI食品、56~69の食品を中GI食品、そして55以下の食品を低GI食品と定義しているのですが、
ほとんどのパンが該当する精製した小麦粉で作られたものはGI値が75±2とされており高GI食品に入ります。
ちなみに白ご飯のGI値は73±4、玄米ご飯なら68±4です。
こうしてGI値だけを見るとパンもご飯もGI値高いじゃないか!と思うかも知れません。
しかしGI値とは、空腹状態でその食品だけを食べた場合の血糖値の上がり方を示しています。
パンだとパンと飲み物だででササッと食べる事が出来ますが、ご飯だけ食べるってなかなか無いですよね?
その他の食品を組み合わせることで血糖値の上がり方も変わるというのもポイントのひとつと言えるでしょう。
血糖値が上がりやすいと何故悪い?
近年、話題になっているのが血糖値の管理です。
世界のトップ企業では従業員のパフォーマンスを高めるために血糖値の管理をしているほどです。
血糖値を急激に上げるようなパンだけの食事を摂ると、いわゆるグルコーススパイク(血糖値スパイク)という現象が起こります。
血糖値が急上昇すると、膵臓にあるランゲルハンス島というところからインスリンが大量に分泌されます。
インスリンは別名「デブホルモン」と呼ばれるように血液中のブドウ糖を細胞内に取り込む働きがあり、脂肪細胞の蓄積も促進します。
そして高血糖状態の時起こるのが「糖化」血液中のブドウ糖がエネルギーに変換されず余った場合に、
体内のコラーゲンなどのタンパク質とくっついてAGEs(終末糖化産物)が作られます。
体内でAGEsが増えると肌ではクスミやゴワゴワ感が。
血管や歯茎はその約80%がコラーゲンで出来ているので、糖化すると弾力を失って脆くなっていくため、
見た目の老化を促進し体内でも動脈硬化などを起こすリスクが高まっていきます。
そして糖尿病の発症リスクを高めることは言うまでもありません。
またグルコーススパイクはメンタルにも影響を及ぼします。
高血糖状態の時は幸せを感じるなどいい気分なのですが、
大量に分泌されたインスリンで一気に血糖値が下がると今度はボーっとしたり、不要な不安を感じたりしやすくなります。
そして血糖値が下がりすぎるの命の危険にさらされるので、体はそれを避けるために別名「攻撃ホルモン」とも呼ばれるアドレナリンを分泌し血糖値を上げようとします。このアドレナリンの過剰分泌は人をちょっとしたことでイライラさせ他人に対して攻撃的な気分にしてしまいます。
朝食はパンとコーヒーだけのあなたはさらに危険|セカンドミール効果とは?
そしてもし朝食がトーストとコーヒーだけという人は更に気をつけなければなりません。
それは「セカンドミール効果」というもの。
これもGI値を提唱したジェンキンス博士の研究報告ですが、1日の最初の食事(ファーストミール)が2回目の食事の血糖値の上がり方にも影響するというもの。
要するに同じランチを食べても朝食後の血糖値の上昇が急激だった場合、そうでない人と比べてランチ後の血糖値まで上がりやすくなるというものです。
1日の間に、何度も気分の浮き沈みやイライラを感じる人は特に自分の血糖値の変化に気を付けた方がいいでしょう。
血糖値を急上昇させないためには、これまでにも何度も伝えている通り、
野菜・海藻・キノコ類など食物繊維の多いものから食べ始め最も重要なのは炭水化物を最後に食べる「カーボラスト」の食べ方です。
パンに潜むリスク
安価で手軽に食事に出来るパン。
大量生産され袋に入れられたパンのリスク。
フランスの研究チームが45歳以上の成人44,551人(女性が約73%、追跡期間2年)を対象に行った研究論文を
アメリカの医学雑誌「JAMAインターナショナル・メディシン」に発表しています。
研究では「超加工食品」を食べる割合が多い人ほど乳がんやがん全般のリスク、早死にするリスクが高くなると結論付けています。
その「超加工食品」の中に大量生産され袋に入れられたパンが入っているのです。
ちなみに先ほどパンの消費金額を紹介した家計調査によると菓子類の消費金額は2010年では年間66,412円、
2017年では69,634円とパンの3倍近い消費金額が出ていました。
もちろん、こうした菓子類は「超加工食品」に含まれています。
またこうした大量生産のパンは製造時にイーストフードの発酵を促し、
パンの水分を保つ目的で乳化剤を添加する場合が多いのですが、この乳化剤が腸内環境を悪化させる原因であるとの指摘もあるのです。
パン屋さんの焼きたてパンでも安全性は不確か。
「私はパン屋さんで買ったパンしか買わないから大丈夫!」だと安心してはいけません。
ショッピングモールなどに入っている大量生産型の焼きたてパンなどは、工場で大量に仕込まれ、
あとは焼くだけの状態で各店舗に配送され、そこではただ焼いているだけのケースもあります。
そしてその場で焼いてお客様に提供する場合は、生産者と販売者が同一と見なされ、
添加物の表示義務が免除されるということも知っておいた方がいいでしょう。
仮に個人でやっているパン屋さんで「天然酵母」にこだわっていても、総菜パンに入っているウインナーが市販のものだったり、
マーガリン(トランス脂肪酸)を使用していたりとどこか残念なお店も多くあります。
個人経営のこだわりパン屋さんでは、さりげない日常会話からその内容を探ってみるなり信用できる人からの紹介、
またはあなた自身が十分なビタミン、ミネラルなどを摂取して添加物の味を見抜ける舌を持つことも心掛けてみて下さいね。
また、有機小麦や無農薬小麦を使用しているところから買いましょう。
味覚が敏感になりすぎても、今の時代、正直不便に感じることが多々あります。
しかし安全なものを見分ける知識と五感を身に着け消費者が変わらなければ、いつまでたっても私たちの子どもたちにより良いものが残せないでしょう。
これをご覧のあなたが、まずは変わることを決意してください。
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