毎日食べている「あの食品」が鉄の吸収を邪魔していた!|鉄分を摂るだけだと非効率な理由を予防医学専門家が教えます。
先進国に住む女性は平均18%が貧血だと言われる中、日本人女性の貧血率は22.3%。
日本に住む多くの人が空腹を感じれば、食べたいものがすぐ食べられる恵まれた環境にあります。
そのためか食べ過ぎはあっても栄養が足りないことはないだろうと「勘違い」している人が非常に多いように感じます。
しかし鉄はビタミンA、ヨウ素と並ぶ世界三大欠乏微量栄養素のひとつとして挙げられている栄養素なのです。
女性においてはめまいでもしない限り、貧血を自覚することはないと思います。
しかし実は先進国の中でも日本人女性の貧血はダントツでトップなのです。
先進国に住む女性は平均18%が貧血だと言われる中、日本人女性の貧血率は22.3%。
妊娠中の女性に至っては30~40%が貧血だとさえ言われています。
調査方法にもよりますが、ある調査では日本人女性の約50%が潜在的な鉄欠乏だという報告もあるほどです。
鉄欠乏性貧血で起こる症状
鉄は赤血球にあるヘモグロビンというたんぱく質に不可欠で、全身に酸素を送る働きをする他、細胞の新陳代謝に関わったり酵素の構成成分にもなります。
そのため体内の鉄の量が不足すると以下のような症状が起こります。
・疲労感
・作業効率の低下
・持久力の低下
・根気がなくなる
・頭痛
・動悸
・息切れ
・食欲不振
・免疫力が低下することで感染症に罹りやすい
ひとつでも当てはまる項目があったら、まず鉄不足を考えた方がいいでしょう。
体内での鉄の働き
体内に鉄は3~4g存在するのですが、その60~70%が赤血球の中にあるタンパク質ヘモグロビンと結合して全身の細胞に酸素を届ける役割を担っています。
そして30~35%が肝臓や膵臓、骨髄中にあるフェリチンに貯蔵されています。
ヘモグロビン値は血液検査でもよくチェックされますが、ヘモグロビン中の鉄が不足するとこのフェリチンに貯蔵されていた鉄が
ヘモグロビンへと供給されるため、鉄欠乏による貧血の初期段階ではヘモグロビン値に変化が見られないことが多くあります。
近年、このフェリチンの貯蔵鉄の減少から不定愁訴(病院での検査で異常がない頭痛、
腰痛、肩こり、便秘、不眠など)やうつ傾向などを起こすという報告もあるため、フェリチン値への注目が高まっています。
残りの約3~5%は筋肉中で酸素を貯蔵する役割を持つミオグロビンに存在したり、
酵素の原料の一部となり生体内反応の酸化還元などの役割をになっています。
鉄の摂取量の目標数値
日本女性の1日の鉄摂取の推奨量は18歳~29歳で6.0~10.5mg、30~49歳で6.5~11.0gとなっていますが、
アメリカでは1日18㎎の摂取を推奨しています。
そもそも公的に栄養指導をする医療関係者が指標とする鉄の摂取推奨量自体が少ないのも、日本人女性の貧血の多さの一因となっていると筆者は考えます。
どんどん減っている!?鉄の摂取量
そもそも推奨摂取量が少ない日本で実際に女性がどれくらいの鉄を取れているのかを厚生労働省の「国民健康・栄養調査」で推移を見てみると1975年時点で10.8mgしか摂れていなかった鉄ですが、徐々に増加し2000年には12.0mg摂取出来ていました。
ところが2005年の調査では一気にその摂取量は減少し僅か8.1mgに。
その後も2010の調査では7.6mg、2015年には7.5mgにまで減少しているのです。
もともと鉄は数あるミネラルの中でもとりわけ吸収されにくい性質をもっていて、摂取した量の15%程度しか吸収されていないとさえ言われています。
ただしこの吸収率はどんな食品から鉄を摂ったか?どんな食品と一緒に摂ったか?によっても変化するので一概には言えません。
鉄の種類と吸収
鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄の二種類あり、一般的に植物性の食品に多く含まれる非ヘム鉄は
動物性の食品に多く含まれるヘム鉄に比べ吸収されにくいと言われています。
そのひとつの理由として挙げられているのが、食物繊維。
非ヘム鉄を多く含む植物性の食品には食物繊維が多く含まれているため、腸内細菌が食物繊維を分解し鉄を分離しないと吸収出来ないのです。
しかし実はレバーにはヘム鉄だけでなく、非ヘム鉄も多く含まれています。
そして身体が鉄欠乏の状態に陥るとヘム鉄よりも非ヘム鉄の吸収が優先されるということも分かっています。
こうした理由から動物性の食品を避けている方は、より腸内細菌の状態を良くしておく必要があります。
鉄を多く含む食品
・レバー
・卵
・牛モモ肉
・シジミ
・赤貝
・あさり
・豆味噌
・納豆
・大根の葉
・小松菜
・ヒジキ
ひじきの注意点
ただしヒジキに関しては採取後、商品として販売するにあたってヒジキに含まれるヒ素を取り除くために1度茹でてから乾燥させることが義務づけられています。この茹でる工程で使用される釜がステンレス製だと鉄製の釜で茹でた場合に比べ約10分の1程度になるので、ヒジキを購入する際はステンレス釜なのか鉄釜なのかをチェックする必要があります。
また干しヒジキにもまだヒ素は残っているので、よく水洗いし水で戻して更に1度茹でこぼしてから調理することをオススメします。
ヒジキに含まれるヒ素は毒性があり注意が必要な水溶性の無機ヒ素が約70%を占めているため、こうした行程を経ることで、
干した状態から更に約90%除去することができ、鉄については70%が残るとされています。
もちろんこれはヒジキから摂りたい場合の注意事項で他の食品から摂った方がより安全であることは間違いありません。
レバーの注意点
レバー(肝臓)は化学物質の分解を担う臓器です。
そのため化学物質を与えて育てられた動物の場合、化学物質や有害な物質が残っていることが多いので
どんなエサで育てられた豚や鶏なのかもチェックした方がより安全でしょう。
鉄の吸収を阻害する食品
せっかく摂った鉄も吸収されなければ意味がありません。
鉄を摂っているのに症状や数値に改善が見られない人は他の食品によって鉄の吸収が阻害されている可能性があるので、注意が必要です。
乳製品
鉄の吸収を阻害する食品としてまず挙げられるのが乳製品。
牛乳または牛乳由来のヨーグルト、チーズなどに含まれる乳カルシウムやカゼインというたんぱく質が鉄の吸収を阻害します。
他にも玄米やナッツに含まれるフィチン酸、玄米のフィチン酸については発芽玄米には当てはまらないとされています。
ラーメン、加工食品に含まれる「リン酸」
その他、ラーメンの麺を作る際に使用されるかんすい、加工食品に多く使用されているリン酸。
リン酸については添加物が記入されている欄に「リン酸塩」「ph調整剤」「イーストフード」「ガムベース」「膨張剤」「結着剤」「乳化剤」などと書かれている場合にはリン酸が含まれていると考えていいでしょう。
生卵
あとは生卵の白身に含まれるタンパク質も鉄の吸収を阻害してしまうので、せっかく卵黄に含まれている鉄の吸収率が更に下がってしまいます。
ただし、卵白を加熱すればその働きは不活性されるので鉄の吸収には影響しません。
身体にいいと思って摂っていたヨーグルトや玄米、そしてアスリートやトレーニングをしている人が好んで食べる卵白も生では鉄の吸収を阻害してしまうのです。
筆者は鉄欠乏の症状があるクライアントにまず辞めてもらうのが牛乳をはじめとする乳製品です。
そして鉄欠乏の症状がある人は鉄食品の補給とともに、少しでも吸収率を高めるために腸内環境の改善、
鉄の吸収率を高めるためにビタミンCの摂取量の増加、そして鉄鍋や鉄のフライパン、鉄玉の使用をを勧めています。
また別途、鉄分を摂取する時は、鉄だけを含むサプリメントは過剰摂取に繋がるので、できるだけ食品から摂取することをお勧めします。
鉄分をどこから摂取すると考える前に、非効率なことになってしまっていないか、今一度ご自身の生活を見直しましょう。
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