死亡者数の多い卵巣がんの主要な症状と、卵巣を健康に保つために日頃から摂取しておきたい予防食べ物リスト
こんにちは。マインド・ボディ・メディシン講座を主催するソフィアウッズ・インスティテュート代表公認統合食養(ホリスティック)ヘルスコーチの森智世です。
卵巣がんは女性性器悪性腫瘍の中で最も死亡者数の多い疾患です
がんという診断が下されると、大抵の人は、
- 生活の中の化学物質を排除し
- 食事やライフスタイルを変え
- わずらわしい人との関係を清算します。
そして、「20/20 hindsight」が起きます。
20/20とは、何か
20/20とは、米国で視力1.0のこと。パーフェクトな視力を意味します。
Hindsight(ハインサイト)とは、直訳すると「後から見た景色」。
つまり、「20/20 hindsight」は、
「今、過去の出来事を振り返えると、その時には見えなかったいろいろなことがパーフェクトに見える」という意味です。
日本語ではたぶん、「後悔先に立たず」となるのではないでしょうか。
- 「きっとあの時の腰痛が、肝臓がんの予兆だったに違いない。」
- 「もしやあの時の肩こりが、心臓発作の前触れだったに違いない。」
- 「あの時、検査していれば・・」
と、いう具合です。
発症例では乳がんの方が多いですが、死亡者数では卵巣がんなんです!
些細な症状を無視しない
卵巣は骨盤内にあるため、腫瘍が発生しても初期の段階では自覚症状があまりありません。
そのため、発症していても長い間、沈黙していることが知られているがんです。
そのため、もし下に記載する症状が卵巣がんによって起こっている場合には、かなりステージが進んでしまっている可能性があります。
卵巣がんが発見された時、既にステージIIIからIV期にいる人が40%くらいとのことです。
卵巣がんの症状は、大抵、穏やかです。
でも、長期に渡り慢性的に起こります。
体の声に耳を傾けてください。
卵巣がんの早期の兆候
特徴としては、膨満感や直ぐに起こる満腹感です。もちろん、これらの症状があるからと言って、必ずあなたに卵巣がんがあるということにはなりません。
むしろ、癌でない確率の方が大きいでしょう。
卵巣がんの膨満感と普通の膨満感の違いとは? 明らかに通常の感覚とは、異なります。
- 食事の後とか
- 生理中とか
- お豆を食べた後とか
- 一時的に起こる、そしてその内に消えてしまう膨満感ではありません。
卵巣がんの膨満感は、消化器官の不調で起こっているのではないので、消えることはありません。
ずっと続く膨満感です。
卵巣がんには、他にこんな症状も現れます。
卵巣がんの主な症状
- 骨盤の慢性的な痛み
- 血尿
- ニキビや吹き出物
- 顔のうぶ毛が濃くなる
- 不正月経
- お腹の慢性的な不快感
- 原因不明の慢性的な腰痛
- 便通の変化
- 頻尿
- 吐き気
- 疲労感
- 息切れ
これらの症状は、卵巣がんの種類や、
あなたの年齢やがんのステージによって異なります。
もちろん私は医者ではありませんから、現時点で不安のある人は専門家の診断を受けてくださいね。
最初の検査は、通常
- お腹や子宮のあたりの触診
- 血液検査(CA125の数値): この数値は、低い方が良い。この検査のために食事を抜く必要や時間を気にする必要はありません。
- 骨盤内のエコー検査
未病である段階から、健やかさを保っておくこともが重要なので、下記に予防対策方法をお伝えします。
卵巣を健康に保つために、食べておきたい予防・対策食品とライフスタイル
これらの食品は、あくまでも卵巣を健康に保つためのものです。(裏付けとなる研究については、最後に参考文献として一覧にしていますので、ご参照ください。)
1. カイジ(槐耳)/薬用キノコ類
カイジは、サルノコシカケ科のキノコです。
老齢な槐(エンジュ)の木に寄生するキノコで、槐の木に半円形で寄生する姿が「人間の耳」のように見えることからカイジ(槐耳)と呼ばれるようになったそうです。
中国では古くからカイジには様々な薬効があるとして民間療法に用いられているようです。
漢方薬としても処方してもらえます。
カイジの抽出物(カイジ顆粒、漢方)が、試験管試験において、
ヒト卵巣がん細胞(SKOV3、SKOV3.ip1、Hey)のアポトーシスを促し、増殖・転移を阻止したことが報告されています。
また、ヒト卵巣がん細胞を移植された動物で卵巣がんの成長を阻止したことも報告されています。
具体的には、カイジが癌や糖尿病、神経変性など多様な疾患に大きな影響をもっているAktと呼ばれる細胞シグナル経路のリン酸化反応を抑制し、
グリコーゲン合成酵素キナーゼ3β(GSK3β)を活性し、Gsk-3βのセリン9のリン酸化を抑制するなどを通して、卵巣がん細胞の死滅効果を示したことが報告されています。
マウスを使った実験ですが、カイジは腫瘍随伴マクロファージを抑制することで血管新生を阻止し、乳がん細胞の成長を止めたことも報告されています。
米国保健社会福祉省(U.S. Department of Health and Human Services)、国立衛生研究所(National Institutes of Health)、米国国立癌研究所(National Cancer Institute)のホームページにもカイジの生薬としての効能について以下のような記載があります。
「その詳細な機序は不明だが、カイジ抽出物(エクストラクト)は、発がん現象と血管新生に係る経路を変調させることで、がん細胞の再生サイクルを停止させ、アポトーシス(細胞死)を促し、増殖や転移を抑制する。」
カイジに限らず、霊子、山伏茸、舞茸など、薬用キノコと呼ばれるキノコは、代替医療の医師達から、「抗がんキノコ」と呼ばれ、西洋医学においても、抗菌作用、抗ウィルス作用、腫瘍縮小作用を示す研究報告がなされ、血管新生を遅らせることが報告されています。
2. チアシードとフラックスシード
亜麻仁とチアシードには、リグナンが豊富に含まれています。
リグナンは、抗エストロゲン作用のあるファイトケミカルで、乳腫瘍細胞の成長を阻害します。
リグナンを多く含む食品を食べることで、乳房や生殖器官に係る腫瘍の発症リスクを低減することが報告されています。
3. ターメリック
ターメリックの抗炎症作用については、よく知られていますよね。
抗がん作用についても報告があります。
ターメリックを簡単に日常に取入れる方法のひとつとして、お茶があります。
2018年2月海外のオーガニックエキスポで発表されたPukkaの新しいターメリックティには感動を覚え、試してみたいと思い、
パッカ正規輸入代理店である日仏貿易さんに問合せたところ、こんなメッセージをいただいています。
「パッカのターメリックティーシリーズは、
残念ながら原材料に日本では薬品にしか許可されていない植物がいくつか入っており、輸入ができないため、
今のところ取り扱いの予定はございません。ターメリックは、世界中でトレンドになっており、弊社でも取り扱いたい商品だったのですが、残念です。」
日本で買えないのはとても残念ですね。
4. 緑茶
2018年1月の専門誌『生殖生物学(Reproductive Biology)』に掲載された研究によれば、試験管試験ですが、緑茶の成分が卵巣がん細胞(卵巣顆粒膜細胞)の死(アポトーシス)を早めたことを報告しています。緑茶抽出成分を200 mcg/ml 与えると、カスパーゼ-3 と P53 が卵巣がん細胞内に蓄積されたとのことです。
カスパーゼ(Caspase)3: がん抑制タンパク質。細胞にアポトーシスを起こさせるシグナル伝達経路を構成する、一群のシステインプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)。
p53(ピー53遺伝子): 癌抑制遺伝子。細胞内でDNAを修復したり、細胞の増殖を停止させたり、細胞の再生サイクルをコントロールする働きのある遺伝子。
細胞ががん化するとアポトーシス(細胞死)を起こさせると言われていて、この遺伝子が不全となると、がんが起こると考えられています。
緑茶が、この2つの物質を細胞内で活性化させ、がん細胞を死に追いやることが観察されました。
ヒトでも効果があることを願います。
5.海藻類(わかめ、昆布、海苔など)
海の植物(海藻類)に多く含まれいるヨウ素は、天然のミネラルで、甲状腺ホルモンを作るために必要な成分ですが、私達の体の中で、ヨウ素を必要としない臓器はありません。内分泌系の器官、例えば、甲状腺、乳腺、すい臓、前立腺、睾丸、子宮、卵巣などを正常に維持する働きをしています。
そのためでしょうか。
食事から摂取したヨウ素は、100%胃や腸から吸収されます。
マグネシウムなど他のミネラルの体内吸収率が50%くらいだということを考えたら、かなりの吸収率ですよね。
古い研究ですが、ヨウ素欠乏が、乳房、子宮内膜、卵巣のがんとの相関が報告されています。ヨウ素欠乏が大きい地域において、そうしたがんの発症率が高かったとのことです。
近年では、ヨウ素の摂取によって、乳がんや前立腺がんの改善に効果があったことが報告されている他、ヨウ素には、カスパーゼ-3 と P53を増加させる働きがあることも報告されています。
ヨウ素は、日本人は比較的多く食事から摂っているので、ヨウ素欠乏になることは希です。
また、外国人であれば過剰摂取となるような量を食べても、日本人には健康障害が現れることも稀だと言われています。
わかめとか昆布などの海藻をあまり食べる習慣のない人は、意識してみると良いかもしれませんね。
6. 魚(鰹、たらこなど)、シーズ類(ひまわりの種)、ナッツ類(カシューナッツ、ピーナッツ等)
こうした食品に多いのが希少ミネラルのセレニウムです。2004年に卵巣がんで化学療法を受けている人がセレニウムを摂取することのメリットが報告されました。
『婦人科腫瘍学(Gynecologic Oncology)』に掲載された論文によれば、
卵巣がんで化学療法を受けている人に
1日200μgのセレニウムを2ヵ月以上摂取させた処、
赤血球中のグルタチオンが非常に活性化した
とのことです。
なお1ヵ月の摂取ではあまり効果はなく、
3ヵ月目になると次に挙げるような結果を有意に示したとのことです。
- マロンジアルデヒド(代表的な過酸化脂質分解生成物で、糖尿病やがん研究の指標となっている物質)の増加
- 白血球数の増加
- 抜け毛の減少
- ガス溜りの減少
- 不快感の減少
- 食欲減退の減少
- 虚弱の改善
グルタチオンの産生のためには、セレニウムは必要不可欠なミネラルです。
セレニウムは、橋本病(甲状腺機能低下症のひとつ)で多くなるTPO抗体を抑制
する働きがあることも知られています。
(参考『甲状腺機能低下症の予防と改善(3)』)
グルタチオンは、肝臓で造られ、デトックス作用を促すことで私達のDNAを守ってくれている酵素です。グルタチオンは私達の細胞をフリ-ラジカルなどから守ってくれている抗酸化物質でもあります。
一方で、セレニウムは医薬品に弱く、例えば、胃酸を抑える働きのある胃薬や抗生物質を飲むと腸で吸収されなくなり、体内で直ぐに不足がちになります。
また、体内のマグネシウムやカルシウム、ビタミンDの量によっても、セレニウムの吸収率は影響を受けます。
7.日光浴
ビタミンDの血中濃度が低い人の卵巣年齢が高いことが報告されています。ビタミンDは、日光浴をすることで、私達の体内で腸内細菌が作ってくれるビタミンです。
ビタミンDは食事からもとれますが、せっかく自分で造ることができるのですから、自前で作るビタミンDの方が、私達のDNAにとってベストだとは思いませんか?
日焼けによるシミなどを気にして日光浴を避けてばかりいる人は、卵巣老化に要注意ですね。
8.タルク製品の排除
タルクは、水和珪酸マグネシウムのことです。錠剤の増量剤などやファンデーション、ボディーパウダー、アイシャドウ、口紅にも配合されています。近年タルクが卵巣がんの発症リスクを高めるという報告がなされています。2011年に開催されたAmerican Association for Cancer Researchの年次総会で米国ボストンにあるBrigham and Women’s Hospitalのダニエル・クラマー医学博士のグループによって発表されています。
タルクを含むベビーパウダーを使用している2,000人の女性とそうでない女性を比較した調査による分析結果です。
また、タルクを含む生理用品を使用している女性は、他の女性と比較し卵巣がんリスクが2倍以上とする報告もあります。
赤ちゃんとお母さんに優しいイメージで商品を販売してきたジョンソン&ジョンソンに対して、タルクを含むJ&J社製品(ベビーパウダー等)が卵巣がんの原因となったことを米国司法が認め、2016年に約86.5億円(USD 72 million)の支払い命令が出されています。
報道記事はこちら:『Johnson & Johnson to Pay $72 Million in Lawsuit Linking Talcum Powder to Ovarian Cancer』
スタチン(コレステロール低下薬)が卵巣がんの抗がん剤治療による正常細胞への影響を緩和?
コレステロール低下薬のスタチン類が、がんの化学療法に対して、化学保護作用があることを報告している論文が最近発表されました。化学保護作用とは、抗がん剤の有害作用から正常組織(細胞)を保護する作用のことです。
5,400人の女性を対象とした研究で、「この研究に参加した卵巣がん患者集団においては、卵巣がん発症後のスタチンの投与が生存率を高めていた」と結論づけているものです。
しかし、他の論文では、そうした効果はなかったとするものや、
単なる観察結果では因果関係が証明されないため、無作為コントロール試験をすべきであるとする論文もあります。
そのため、化学療法中の人のスタチンの使用については、医師とよく相談することをおススメします。
いろいろ書きましたが、大切なことは、体の声に耳を傾けること。
些細な体の声を、無視しないこと。
これが大事ですよ。
チャーガキノコの美味しくて健康的なはちみつのご紹介
チャーガとはロシアの白樺などに寄生しているきのこの1種で、活性酸素除去効果を持つSOD酵素の含有量が高く、
市場ではほとんど出回っていない「国産・生・非加熱」はちみつにキノコのチャーガとローズヒップ。
確かな効果だけを求め、世界中の様々なものを1つ1つを試しながら辿り着いた、究極の組み合わせです。
効果を最大限に引き出す為には空腹時に、ひとさじそのまま舐めるのがおすすめ。
粘度が高いので少しの間、キャラメルのように口の中で転がします。自然のミラクルが詰まった大変貴重なハチミツ。いざという時の為に、ご家庭のお薬箱に大切にしまっておいて頂きたいですね。
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参考文献:
血管新生については『食べることで癌を餓死させる方法』をご参照ください。リグナンとチアシードについては、『乳がんを予防する10の戦略』、『チアシードを和食に活用する方法とチアシードを食べると危険な人』をご参照ください
ビタミンDと卵巣老化については『ビタミンDの多い食品』、『第32回 順天堂大学 都民公開講座「アンチエイジング」講座 – 婦人科的なアンチエイジング (佐藤雄一先生)』をご参照ください。
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