上半身と下半身の姿勢悪化によって起こる2つのシンドローム。改善して痛みのない健康的な身体を作る簡単ストレッチ法
本日は食事とはちょっと離れて、姿勢のお話をさせて頂きます。
皆さんは「姿勢」について気を付けていらっしゃいますか?
僕はアメリカンフットボールの選手として10年近く活動していますが、接触の激しいこの競技では怪我をする人が本当に多いです。
その中でよく怪我の原因として注目されている2つのシンドロームがあります。
皆さんはこの言葉を聞いたことがありますでしょうか。
- Upper cross syndrome アッパークロスシンドローム
- Lower cross syndrome ロウワークロスシンドローム
これらはそれぞれ、特定部位での筋力のアンバランスが原因で姿勢が悪化した状態を指し、
この状態で激しい運動をすると怪我の原因となってしまいます。
これらはあくまでもスポーツ障害としてスポーツ界でのみ注目されていましたが、
オフィスワークなどが多い現代的な生活仕様の中ではスポーツ選手以外にもこのシンドロームを見つけることが出来ます。
今回はこれら2つのシンドロームを解説し、あなたの姿勢を適切に改善する方法を紹介していきます。
2つのシンドロームの原因と症状
Upper cross syndrome
Upper、つまり上半身で起こる姿勢悪化のシンドロームです。
crossというのは、通常拮抗していなければならない前後の筋力が崩れてしまい、
それらを線で結ぶと十字架(cross)になることを指し、上半身で十字状に筋力バランスが崩れている状態をUpper cross syndromeと呼ぶのです。
上記の図で赤字で表示した部分が、凝り固まり強く緊張してしまっている部位になります。
対照に青字で示した部分は、日常生活ではあまり使うことがない事から弱くなってしまっている部分です。
ネックフレクサー:僧帽筋上部
胸部筋群:中背部
胸部筋群:中背部
これらは本来、拮抗筋(逆の動きを担う)ですので、2つの筋力は同等でなければありません。
しかし、Upper cross syndromeでは首を屈折させる(下を向く)ネックフレクサーが弱く、首を伸ばす(上を向く)僧帽筋上部が強くなってしまっています。
さらに、肩を前に動かす胸部筋群が強く、肩甲骨を寄せて胸を張る運動を担う中背部の筋肉が弱くなってしまっています。
これらの2つが合わさると、肩がいかり、顔が前に押し出されます。
このような姿勢をよくオフィスで見かけませんか?
これがUpper cross syndromeによる姿勢の悪化です。
このような姿勢になると肩関節の運動が制限されて、高いものに手を伸ばそうとすると肩を痛めてしまったり、
長時間オフィスワークをすると肩がとても凝ってしまいます。
四十肩、五十肩などと呼ばれたりするように、加齢が原因のようですが、姿勢を正しく保ちUpper cross syndromeを改善することで予防することが出来きます。
Lower cross syndrome
Lower、つまり下半身、そしてcross、十字状に筋力バランスが崩れている状態をLower cross syndromeと呼びます。
画像はUpper cross syndrome同様、凝っている部分を赤字、弱まっている部分を青字で表記しました。
腹筋群:下背部
腸腰筋:臀部筋群
腸腰筋:臀部筋群
これらは拮抗していなければいけない筋群ですが、現代的な生活仕様により崩れてしまいます。
椅子に長いこと座っていると、股関節を屈曲させて姿勢を保つ役目がある腸腰筋は長時間収縮した状態が続くために凝ってしまいます。
さらに、椅子に持たれている状態では腹筋群が活躍する余地はなく弱まってしまいます。
下背部については説明するまでもなく皆さん凝りを感じているのではないでしょうか。
これはUpper cross syndromeにより上背部が丸まってい猫背の姿勢になってしまうことが原因になります。
このLower cross syndromeの状態で強度の高い運動(ダッシュ、ジャンプ)を行なうとハムストリングスというスポーツにおいてとても大切な部位を怪我してしまいます。
そして、どんなに休養を挟んでもLower cross syndromeという根本の原因を直さない限りは繰り返しハムストリングスを怪我してしまいます。
そういった選手を何人も見てきました。
しかし、スポーツを行なわない一般の方々にもLower cross syndromeが原因となり痛みが発生してしまう部位があります。
それが腰、腰痛です。
Lower cross syndromeにより骨盤の正しいポジションを失った状態で
上半身を起立させようと力を入れることで腰に負担がかかり、凝り固まり慢性的な痛みとなってしまいます。
ハムストリングス同様、Lower cross syndromeという根本的な原因を改善しようとしないまま腰のマッサージを続けても痛みは改善されません。しっかりと原因を突き詰めて、それに対して適切にアプローチする必要があります。
2つのシンドロームの改善
四十肩、五十肩、もしくは腰痛といった様々な障害の原因がこれらのシンドロームに起因しているかもしれない場合は
根本的な原因であるこれらのシンドロームを改善することで解消することができます。
まだ、直接的な痛みはないけれども姿勢の悪化を感じている場合も是非これらのシンドロームの改善に努めてください。
Upper cross syndrome
基本的には凝っている部分のマッサージとストレッチ、そして弱くなっている部分に適度なトレーニングを行なうことで改善することが出来ます。
トレーニングといっても、その筋肉の正しい使い方を学習するだけで構いませんので、専用器具を使うことなく自宅で手軽に行うことが出来ます。
今回はそれぞれ崩れてしまっている4つの部位へ、それそれ1つづつエクササイズを紹介します。
ベッドに寝転がりながら出来るものばかりですので、寝る前など好みの時間に適当に行なっていただくだけで結構です。
- ネックフレクサー まずは弱くなってしまったネックフレクサーを強化しましょう。
- 僧帽筋上部 パートナーにマッサージをしてもらうのもとても効果的ですが、今回は一人で手軽に行なえるストレッチを紹介します。
- 胸部筋群 僧帽筋上部同様マッサージも効果的ですが、ストレッチを紹介します。
- 中背部 Upper cross syndromeの最後は弱くなってしまった中背部のエクササイズです。
仰向けに寝たままうなずく運動を繰り返しましょう。
とても簡単ですが注意点が1つだけあります。
大きく円を描くように頭を動かしてしまうと肩が更に凝ってしまう可能性があるので、顎を引いておへそを見るように小さく動きましょう。
リズムよく20回ほど行ってみましょう。
やり過ぎもよくありませんので疲れない程度に行なってください。
直立の姿勢から左手で腰の後ろを通して右の肘を握ります。
その状態から、頭を右側にゆっくりと倒しましょう。
左の首筋にじっくりとストレッチを感じることができれば正解です。
横になっている状態でも出来ると思いますので、それでも構いません。
左右15秒ずつ行なってください。
うつ伏せに寝ている状態で左腕を左真横に伸ばしてください。
そこから右手で地面(もしくはベッド)を押し上げるようにして胴体を右側に反転させます。
胸を右に開くような形になり、左胸部がストレッチするはずです。
こちらも左右15秒ずつ行なってください。
うつ伏せの姿勢で両手を開き十字を作ってください。
そこから両腕を後方に持ち上げましょう。
この時に首周りは常にリラックスさせ、肩甲骨をしっかりと寄せるように運動してください。
両腕を後方に持ち上げる際に、気持ち下半身よりに引き上げると上手に出来るかもしれません。
首周りに力が入らないように丁寧にコントロールしながら15回行なってください。
Lower cross syndrome
Upper cross syndrome同様、それぞれに1つづつ、合計4つのエクササイズを紹介します。- 腹筋群 うつ伏せの姿勢から、両肘、両つま先(難しいようなら両膝)の4点で体を持ち上げます。
- 下背部 下背部は凝ってしまっているのでストレッチをしましょう。
- 腸腰筋 うつ伏せの姿勢から、両肩の下に腕をつっぱり上体を後方へ反らせましょう。
- 臀部筋群 最後に臀部筋群のトレーニングです。
頭頂部から仙骨を通し、踵までが一直線になるようにしっかりと腹筋に力を入れましょう。
その姿勢を30秒キープするのがまず1つめのエクササイズです。
四つん這いの姿勢からお尻を後ろに引き、踵に近づけていってください。
両手は前に伸ばしたままで、首も脱力させましょう。
ヨガでチャイルドポーズと呼ばれている姿勢に近いストレッチです。
深呼吸をしながら30秒ほど行なってください。
ヨガでのコブラのポーズになりますが、背中には力を入れず骨盤の前をストレッチするようにしましょう。
下背部のチャイルドポーズ同様、深呼吸をしながら30秒が目安です。
ヒップリフトと呼ばれるトレーニングを紹介します。
仰向けの姿勢から膝を立てます。
その姿勢から踵で地面を押すように力を入れてお尻を持ち上げます。
お尻をきゅっと引き締めるように意識しながら行ない、視線はおへそに向けましょう。
ゆっくりと15回を目安に行いましょう。
以上、2つのシンドロームに対して合計8つのエクササイズを紹介しました。
これらの運動以外でも、凝ってしまっている部位にはマッサージとストレッチを、
弱くなってしまっている部位にはトレーニングを行なうことでバランスを整えることが出来ます。
他のエクササイズに取り組む際もこれらを意識して行なうことで、Upper cross syndrome
そしてLower cross syndromeにより姿勢の悪化を予防、もしくは改善することができます。
健康を維持するためには食事が大変重要ですが、運動も同じように重要な要素です。
これら2つをしっかりと取り組むことで更に健康な身体を作ることが出来ます。
恐らく、INYOUの読者さんは食事については上手に管理されていると思いますが、運動についてはいかがでしょうか。
スポーツ畑出身の僕が今後は少しずつ運動についても紹介させていただきますので、参考にして頂けたら幸いです。
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