低炭水化物・糖質質制限食で死亡率が高まることが論文で指摘。日本人が大好きな「エビデンス至上主義」がいかに危険かについて、糖質制限ブームから考える。
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あれほど流行していた「糖質制限」ブームは、どうなったのか。
炭水化物抜きダイエットで1年で10キロ痩せた!
お腹いっぱい食べているのに1ヶ月で5キロもダウン!
・・・・・・などとしてテレビや雑誌等のメディアで大々的に取り上げられてきたここ数年の日本。
糖質制限ブームは現在、どうなったのでしょうか。
一部の人々の間で未だ流行しているようですが、糖質制限を実施していた人々の中では体に不調を感じたとして中断した方も相次いでいるようです。
大々的に取り上げられた理由は、簡単で誰でも取り組めるからというものだったからだと考えます。
主食、つまりご飯やパンを抜くだけ。
糖質さえ抜けば、タンパク質や脂質はお腹いっぱいはOK!
ビールや日本酒、焼酎、ワインもOK!面倒なカロリー計算もいらない。
要するに炭水化物と糖質さえ抜いてしまえば、脂が乗った肉もOK、お酒もOKで面倒なことは一切必要なしで痩せる!ということで話題になったのです。
ある論文では糖質制限で死亡のリスクが高まることを指摘
2016年、国立国際医療研究センターの能登洋先生が「糖質制限食による死亡リスク – メタアナリシスによる検証 –」という論文を発表します。
■参考ホームページ:国立研究開発法人 国立国際医療研究センター研究所
糖質制限食による死亡リスク – メタアナリシスによる検証 –
その結論ではなんと、
「低炭水化物食による長期的な効用は認めず,死亡リスクが有意に増加することが示唆された」です。
具体的には炭水化物が少ないグループの死亡率は多いグループに比べて1.31倍に上がった、というものです。
この論文は世界の492の論文を検証し、27万人を対象、糖質の摂取量によって健康な男女を10のグループに分け、5〜26年間の追跡調査を解析したものであり、信頼性の高いデータであるといえるのではないでしょうか。
論文が発表された同年、炭水化物抜きダイエットを広めた作家の桐山秀樹氏が享年62、心不全でこの世を去ります。
桐山氏は関連本を20冊以上の本を出し、自身もその実践者でした。
実は桐山氏が亡くなる20年前、「世にも美しいダイエット」というベストセラー本の著者、宮本美智子氏が享年51、多機能不全で亡くなりました。
宮本氏が説くルールは桐山氏と類似しており、
「糖分は徹底的に摂らない。体内で糖に変わる米、小麦、イモなどは一切禁止。もちろん砂糖やはちみつもダメ。野菜を主食として、エネルギーは脂質類から摂取する。」
という食生活でした。
炭水化物を抜くダイエットを提唱した二人が若くして亡くなっているのは偶然なのでしょうか。
桐山氏の死をうけて、様々なところで疑問の声が上がるようになるのです。
エビデンス至上主義は危険性もある。
科学で実証されたことは万能なのか
基本的に大手メディア、つまりテレビや新聞は科学至上主義です。
つまり、科学で認められていない、実証されていないもの以外は認めない、というスタンスです。
そのため、医学も科学で証明される西洋医学は大々的に報じられるも、そうではない自然療法や、東洋医学的な思考が脚光を浴びることはほとんどありません。
しかし、
私はそのエビデンス至上主義の考え方がいかに危険であるかを身をもって経験しています。
喘息や粉瘤、アレルギーで苦しんだ過去から言えること
私は小さなころは喘息で苦しみました。喘息はある医師との出会いで薬を断ち、体力をつけることで克服しましたが、
思春期から23歳くらいまでは頭や顔、お尻や背中にできたアテローム(粉瘤)で何度も手術をして取り出しました。
またアレルギー性鼻炎もひどく、年中鼻が詰まった状態で常に口呼吸でした。
医者に粉瘤やアレルギー性鼻炎の原因を聞いてもはっきりした答えを得られたことはありません。
原因がわからないため、具体的な改善案はなく、粉瘤はとにかく手術で取り出す。
アレルギーは薬で抑えるの繰り返しでした。
23歳の時、東洋医学を学ばれたある整体の先生に出会います。その方はご自身が膠原病で苦しみ、その病気を克服した方でした。
先生は私の顔を見るなり、
「あなた、相当肝臓が悪い。それに血液がとても汚れている。
甘い物はあまり食べてないけど肉が大好き。野菜、あまり食べてないね。食生活を改善したらいまの症状もきっと良くなるよ。」
私の食生活は、これにぴったり当たっていることに驚きました。
血液検査では悪い結果が出たことはなく、肝臓も悪いとは一度も言われたことはなかったので、それらの指摘には驚きました。
これは先生の言われることを実践してみる価値がある、と直感的に感じた私は先生のいうとおりに食事を改善しました。
米はできるだけ玄米、もしくは玄米に近い五分づき米などをいただきました。
しばらくは野菜を取るだけでは足りないので、にんじんりんごジュースがよいと勧められました。にんじんとりんごを箱で買ってジュースにして朝晩いただきました。
そんな生活をして1ヶ月が過ぎた頃、顔の肌が明らかに変わっていることに気がつきました。いままでは油ギッシュな顔をしていたのですが、
油が明らかに少なくなりすっきりしています。また顔のむくみがなくなり、自分の顔がむくんでいたことに初めて気付きました。
3ヶ月を過ぎた頃、鼻づまりがなくなり、鼻で息が吸えるようになったのです!
とても感動的でした。6ヶ月を過ぎると吹き出物が減っていることに気づきます。
食事でここまで体が変化したことに衝撃を覚えました。
もし、先生に出会っていなければいまの体はありません。
体調面は若い時よりも確実によいです。本当に感謝です。
粉瘤やアテロームについてつい最近調べてみたのですが、あるサイトでは「粉瘤の予防 疲れやストレス、食事、適度な運動は予防にあまり関係がない。」と結論づけています。
参考ホームページ:粉瘤ができる原因とは 予防法は存在するのか
私の場合、炎症をともなった粉瘤がほとんどでしたが、食事で改善したことを思えば、これらの原因は血液の汚れであったと私は思っています。
でも、血液の汚れが粉瘤につながる科学的根拠はありません。血液の汚れが様々な病気や慢性病につながるという科学的根拠もおそらくありません。
しかし、科学的根拠というのは多くの事象にうちのわずかしかありません。
わからないことだらけが科学なのです。
解明されていないからと言って間違っているとは限らないのです。
解明されていないことだらけである科学の限界を私たちは認識すべきだと思います。炭水化物抜きダイエットをマクロ視点から見ると…
先生から教えられたことでもっとも印象に残っているのは、
「人間の歯の比率にあった食物をいただくこと。
全体をいただくこと。季節のものをいただき、できるだけ近くの地域で採れたものをいただくこと。」
でした。とくに歯の比率に知って食べるというのは、とても心に残っていていまも大切にしています。人間の歯の種類は3種類あり、
・大臼歯・小臼歯:20本(62.5%) ー 主に穀類を噛み砕く
・門歯:8本(25.0%) ー 野菜類を噛み砕く
・犬歯:4本(12.5%) ー 肉・魚類を噛み砕く
の32本で構成されています。人間は穀類、日本であれば米を62.5%摂るのがよいのです。
でも白米は避けるべきです。
大切な栄養分が抜かれているからです。
白米という感じを合わせると粕(カス)になります。
カスをいただくのではなく、栄養がある玄米などの米をいただきましょう。
また稗や粟を雑穀を混ぜるのもとてもいいです。
人間の歯の比率から見た時、科学的根拠などなくても炭水化物抜きダイエットがいかに恐ろしいものであるかわかります。
私は炭水化物抜きダイエットを聞いた時、これは絶対ダメだと瞬時に思いました。
人間が全体の60%以上摂取すべき穀類を控える食事など自然に逆らうことと同じだと思ったからです。
自然に逆らってよいことなどありません。私は歯の比率は神様からのメッセージであると捉えています。
自然の摂理に逆らって良い方向になど進むはずがない、と思うのです。
肉食動物は肉を中心に食べる歯の構成になっていますし、草食動物は草を食べる歯の比率であり、魚の歯も食べる餌によって歯が異なっています。
生きとし生けるもの、それぞれにあった歯が形成されており、その比率にあった食事をすることが本来の生命力を引き出すのではないでしょうか。
テレビや新聞など大手メディアは科学至上主義に加え、短期的な結果、劇的な結果を好んで放映します。私たちのためだと言いながら、本当の目的はそこにはありません。
彼らの目的は視聴率であり、部数を増やすことが目的です。
そのためには劇的でドラマティックな結果や衝撃的な今までにないものを追い求めているのです。
長期的視野や全体を見るマクロ的観点は欠落している、長期的・マクロ的なものをメインにしてしまうと退屈に映るため、軽視されているのです。
大手メディアにはそのような特徴があるということを知る必要があります。
長期的、全体を見る視野を保てばブームに流されることなく、本当に自分に合ったものが見つかるはずです。
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