無形文化遺産に登録された日本人が誇る「和食」。健康にいい?悪い??
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平成25年にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」。
和食が外国人からの人気も高く、世界に認められた食事であることは、
日本人として誇らしいことですよね。
ところで、あなたは、和食にどのようなイメージを持つでしょうか?
ヘルシーな食事
古き良き質素な食事
など、和食は健康に良い、
というイメージを持っている人が圧倒的に多いと思います。
でも、実際はどうなのでしょうか。
実は、和食は健康に悪いと評されることがしばしばあります。
「欧米の食事の方が健康に悪いのでは?」と思いがちですが、
和食が健康に悪いと評されるのには、いくつかの理由があります。
そこで、今回は、わたしたち日本人が誇る「和食」が
健康に悪いと言われる理由と、正しい和食の食べ方についてご紹介します。
ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」とは
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始めに、無形文化遺産ってなに?という方のために、簡単に説明しておきましょう。
出典:厚生労働省『「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されました!』
厚生労働省のホームページによりますと、
“「無形文化遺産」とは、芸能や伝統工芸技術などの形のない文化であって、
土地の歴史や生活風習などと密接に関わっているもののこと。”
と記載されています。
これまで、日本の無形文化遺産に登録されたものは、
和食以外にも芸能(能楽や歌舞伎)、結城紬(ゆうきつむぎ)と呼ばれる染織や、
和紙などの伝統工芸技術等20数個あります。
「和食」が登録されたのは2015年のことです。
その登録内容として、和食の特徴が以下のように4つ挙げてあります。
和食の特徴①多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
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これは、日本列島上から下まで各地域によって、
その土地を活かした様々な新鮮な食材を使用している点を特徴として挙げています。
また、その食材を引き出し、引き立たせる工夫が和食にはされています。
和食の特徴②栄養バランスに優れた健康的な食生活
次に、和食の代表とも言える食材にお米や味噌があります。
その他にもお魚や、山菜、野菜、豆などがあり、
栄養のバランスが非常によい点が特徴とされています。
和食の特徴③自然の美しさや季節の移ろいの表現
和食では、盛り付けも非常に重要視されています。
食事の盛付で季節感を表現するなど、和食には見るものを魅了する力を持っていると言えますよね。
和食の特徴④年中行事と密接な関わり
お正月にはおせち料理やお雑煮を食べ、花見の季節には桜餅やお花見団子。
お盆の季節は精進料理、十五夜の時期にはお月見団子…
というように和食には季節ごとに家族や地域の方と団らん出来る食事があります。
ユネスコ無形文化遺産に登録された和食はなぜ健康に悪い?
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これまで、和食の特徴についてご紹介してきました。
厚生労働省による「和食の特徴」にもあるように、和食は栄養バランスに優れ、
健康的なイメージが強いのに、どうして健康に悪いのでしょうか。
その理由は、おもに4つあります。
①和食は、塩分が多すぎる
まず、第一の理由として、和食は漬物、しょうゆ、お味噌、焼き魚など、実はとっても塩分が多いのです。
厚生労働省が発表しています、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によりますと、
食塩の1日の摂取基準量は成人男性で8g、成人女性で7gとなっています。
一般的なビジネスホテルなどで用意される食事を想像してみてください。
お味噌汁、だし巻き卵焼き、塩サバ、白米といったところでしょうか。
文部科学省による食品成分データベースによりますと、
お味噌汁20g程度の食塩相当量は約4g、だし巻き卵焼き50g程度で約0.6g、
塩サバ100gあたり1.8gとなっていて、
合計すると朝食だけで6.4gの食塩を摂取することになります。
1日の食塩摂取基準値を簡単に超えてしまうことは想像できてしまいます。
引用:文部科学省「食品成分データベース」
では、塩分が多いことでどんな弊害があるのでしょうか。
第一に言えることは、高血圧です。
そもそも血圧というのは、血管の壁にかかっている圧力のことですが、
塩分を摂り過ぎてしまうことで血液中の塩分濃度が高くなります。
すると、濃度を薄めようと、水分量の摂取量が増えます。
ラーメンなど塩分が多い食事をしたあとに
「喉が渇くなぁ」と感じた経験が一度くらいあるのではないでしょうか?
水分量が増えることで、血液量が増し、
血管の壁への圧力が上がっている状態が血圧が高くなっている状態であり、高血圧です。
高血圧になると、血管が傷んでしまい、脳梗塞や心筋梗塞の危険性があります。
その他にも、食塩に含まれるナトリウムによって腎臓に負担をかけ疾患の原因になったり、
心臓や胃への負担をかけ心臓疾患や、胃がんなどの病気の原因になることがわかっています。
②お米は炭水化物の塊!
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次に、わたしたち日本人の主食として長年愛され続けているお米です。
近年の糖質制限ブームもあり、
お米=炭水化物の塊であることは広く知られているかと思います。
なぜ、炭水化物の摂り過ぎが毒であると言われているのかというと、
炭水化物は糖質+食物繊維のことなので、糖質の摂り過ぎが懸念されています。
では、糖質の摂り過ぎがなぜ健康に悪いのでしょうか。
糖質を摂取すると、わたしたちの体内では血糖値が上昇します。
糖質の過剰摂取により、血糖値が急上昇すると血糖値を下げようと、
膵臓からインスリンというホルモンが過剰分泌されます。
このことで、血糖値を無事に下げることが出来ても、過剰に出過ぎたインスリンが余ってしまいます。
余ったインスリンは、脂肪として体内に蓄えられてしまうことから、
肥満の原因になると言われています。
また、糖質を摂り過ぎてしまうことでインスリンが頻繁に過剰分泌してしまうことで、
インスリンの分泌量のコントロールが出来なくなってしまうケースがあります。
そうなると、血糖値を下げられずに、常に高血糖の状態になってしまい、糖尿病へと発展します。
近年、日本を含むアジア圏内での糖尿病患者さんが急激に増加しています。
成人の5人に1人が糖尿病、もしくは糖尿病予備軍であることがわかっていて、とても身近な病気です。
もちろん、和食のお米だけが原因ではありませんが、お米は糖質の塊であることは理解しておく必要がありそうです。
③和食は糖質も意外と多い
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全体的に見ても、和食は意外と糖質が多く含まれています。
例えば、おふくろの味として名高い「肉じゃが」で見てみましょう。
一般的に砂糖や、みりん、お酒を使用し煮込んでいくので炭水化物の量は50g前後になります。
これは、前述の文部科学省が運営する食品成分データベースのサイトを基に算出した数字です。
ハンバーグで20g前後、すきやきで40g程度なので、肉じゃがの炭水化物量は多いことがわかると思います。
肉じゃがだけでなく、和食の代表作とも言える煮物には、
砂糖やみりんなどが多く使われているので、糖質は多めであるといえます。
糖質摂取量が多いことで先ほども述べたように、肥満や糖尿病の原因になる危険性があります。
④農薬や添加物の使用
そもそもの素材についた農薬と調理に使う添加物も意識しないと
健康を害する理由の一つになります。
季節や場所などを問わず、いつでもスーパーには野菜や果物が並び、
調理されたお惣菜が置いてあります。
便利な反面、その裏側には、農薬や肥料を使って不自然に育てられたり、
長持ちするような人口の添加物が含まれていたりします。
農薬について言うと、昭和40年代には人に対する毒性が強く、
使用中の事故も多発し、社会問題となりました。
そこから農薬の問題点は改善され、品質は向上と言われています。
人と虫のサイズの違い、農薬自体の質の向上。
だから人の体には大丈夫、という声もあります。
しかし、いくら改善されたとは言え、
世界を見ると、日本では農薬の規制緩和が進んでいるにも関わらず、
ヨーロッパなどと比べても遅れているのが現状です。
その農薬を1日、1週間、1か月、1年、10年と食べ続けるといかがでしょうか?
この考え方は添加物も同じ。
「見た目をよくするため」「風味をよくするため」「長持ちさせるため」の食品添加物ですが、
日本では約1500種類もの添加物の使用が許可されています。
こういったものの中には、喘息や蕁麻疹などのアレルギーを発症させるものや、
蕁麻疹を発症させるもの、太るものからガンになるものまで様々です。
自分は問題なくても、それが子供や孫に影響与えるということもあるのです。
「和食」を美味しく正しく食べる方法とは
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これまで、和食は健康食とは言えない事実をご紹介してきました。
だからと言って「和食は食べない」という決断は難しいかと思います。
なぜなら、わたしたち日本人の慣れ親しんだ食文化であり、世界に誇れる食事だからです。
何より、美味しい!
塩分、糖質を抑えた和食を心掛ける
そこでおススメしたいのが、シンプルですが
塩分や糖質の摂り過ぎに注意することです。
味付けは薄めにする方が食材そのものの味を感じることが出来て、
本当の美味しさを知ることが出来ます。
意識して塩分を控えてみましょう。
お米は精白米より玄米をチョイス!
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また、日本人の主食となるお米は、精白米よりも玄米がおススメです。
糖質量としては100gあたりで見てみると、
精白米、玄米ともに約35g前後とあまり変わりません。
しかし、GI値に関しては、精白米が高GI食材であるのに対し、
玄米は低GI食材となっています。
このGI値とは、簡単に説明すると、
食後の血糖値の上昇を示す指標となるものです。
高GI値であれば、食後の血糖値の上昇が高くなり、
低GI値であれば、低くなるというわけです。
血糖値の上昇が低ければ肥満の元ともなるホルモンである、
インスリンが過剰分泌されることもありません。
低GI値食材を選ぶだけで、血糖値が抑えられるのでおススメですよ。
「まごわやさしい」食材で食事のバランスを整える
次におススメしたいのが「まごわやさしい」食材です。
日本人であれば、一度は聞いたことがある!という人も多いはず。
「まごわやさしい」食材は以下の通りです。
ま⇒大豆、豆腐、納豆などの豆類
ご⇒ごまやナッツなどの種実類
わ⇒わかめなどの海藻
や⇒ほうれん草などの緑黄色野菜
さ⇒いわし、さばなどの魚類
し⇒しいたけ、エリンギなどのキノコ類
い⇒じゃがいも、サトイモなどの芋類
和食で多く使われている食材ですね。
これらをバランスよく意識して食べるようにすることが
正しい和食の食べ方に繋がっていきます。
これまで、「和食は健康食」と信じて疑わない人もいらっしゃったと思います。
しかし、和食は料理方法によって健康食ではなくなります。
それでも、ユネスコ無形文化遺産に登録された、
わたしたち日本人の誇りである和食。
食事は自分の体を作っていく行為です。
「食べる」という行為から、
日本の良き文化をみんなで守っていきたいところ。
自分の目で確認して、季節のもの、その土地のもの、農薬を使っていないものを選択する。
使う調味料の質、量を考える。
そういった基本的な行為が、
私たちの体を守り、伝統を守り、環境を守ることにつながっていくのです。
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