持続可能な暮らしをするコミュニティ「エコビレッジ」から考える、私たちの未来とは?
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持続可能な暮らしをするコミュニティ「エコビレッジ」から考える、私たちの未来とは?
「エコビレッジ」という言葉を聞いて、みなさんはどのようなイメージを思い浮かべますか?
「エコ」という言葉から、なんとなく「環境にやさしい」
そんなイメージを思い浮かべられるかもしれません。
エコビレッジを一言で説明するのは難しいですが、
簡単に説明するとするならば、
「持続可能な暮らしをするコミュニティ」
というような感じになるでしょうか。
「Eco=環境」「Village-村」
という言葉からも連想されるように、
エコビレッジは、人々が集まり
自然に根差した暮らしをする共同体です。
明確な定義はありませんので、
規模や特徴などはエコビレッジによって様々です。
連日の酷暑に象徴されるような地球環境危機、
そして新型コロナウイルスの流行によって、
私たちは、現在のライフスタイルを変えていくことを迫られています。
「エコビレッジ」には、
私たちがこれからの世界で生きていくためのヒントが、
たくさん詰まっています。
私がニュージーランドや日本で体験した
エコビレッジの滞在経験などもお伝えしながら、
これからの暮らしのヒントを一緒に考えていきましょう。
※記事内の写真はイメージであり、実際に滞在したエコビレッジの写真ではありませんのでご了承ください。
持続可能なコミュニティ「エコビレッジ」のキーワードは「パーマカルチャー」
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私はニュージーランドや日本で、
いくつかのエコビレッジに滞在しました。
その中で感じた
エコビレッジの魅力や具体的な暮らしについて、
お伝えしていきます!
重要なキーワードは「パーマカルチャー」です。
パーマカルチャーは
パーマネント「永続性」と、
アグリカルチャー「農業」、
あるいは「カルチャー(文化)」を
組み合わせた言葉です。
単に有機農業などを指すわけではなく、
自然をベースに、自分たちの生活や社会をデザインしていく営みです。
自分たちの暮らしをデザインしていくという視点が、
エコビレッジを理解するうえでとても大切です。
持続可能な生活はコミュニティから始まる。エコビレッジの暮らしとは
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コミュニティを日本語にすると、
「共同体」「地域社会」
などの言葉が当てはまります。
私が滞在したニュージーランドのエコビレッジの一つでは、
広大な丘のような場所に、
10世帯程が暮らしていました。
家族で暮らしている人、
夫婦で暮らしている人、
一人で暮らしている人など、
色々な人たちが集まります。
一軒一軒の距離は離れており、
各家庭に一つ
雨水を貯める大きなタンクがあります。
基本的に飲み水などは、
タンクに貯めた雨水をろ過して飲んでいました。
エコビレッジでは、コミュニティの暮らしと各家庭の生活とのバランスを大切にする
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私が滞在したエコビレッジは、
各家庭の暮らしを大切にするコンセプトがありました。
月に一回エコビレッジの運営を話し合うミーティングがありますが、
それ以外のときは、基本的に各家庭ごとにまったりと夜を過ごします。
広大な丘の丁度真ん中あたりには、
エコビレッジの住人全体が管理する共同のガーデンがあります。
様々な果物の木なんかが並んでいて、
月に2回ほどみんなで集まって手入れをしていました。
各家庭ごとでもガーデンや畑を持っているので、
収穫した野菜や果物は、エコビレッジの中で売買をしたり、
分け合ったりします。
エコビレッジから見える、家族と持続可能な暮らしのデザイン
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私が滞在させていただいた家族は4人で生活していました。
旦那さんと奥さん、子供が2人の4人家族です。
各家庭ごとに共同の運営費をエコビレッジに納めます。
月に日本円で2万円弱くらいの金額でした。
基本的にエコビレッジの住人はそれぞれに仕事を持っています。
私が滞在した家庭では、旦那さんはエンジニア、奥さんはピアノの先生でした。
旦那さんはエコビレッジ内のシステムエンジニアを担当しており、
インターネット回線などを管理しています。
また、それとは別に在宅でパソコンで、エンジニアの仕事もしていました。
一人の大きな収入で生活を成り立たせるのではなく、
小さな収入の組み合わせによって、暮らしを育んでいきます。
子どもは学校には行かずに、自宅でホームスクーリングをしていました。
日本では一般的ではありませんが、ニュージーランドでは、
教育の選択肢の一つにホームスクーリングがあります。
教材にかかる費用も全額ではありませんが、政府がサポートしてくれます。
エコビレッジでの生活はすべての時間が学びの連続です。
読み書きや計算などの知識は教材から学びますが、
豊かな自然の中で、生きるのに必要な感性を自然に習得していけるのは、
エコビレッジの大きな魅力の一つです。
エコビレッジでは、家を造りながら持続可能で住みやすい暮らしをデザインする
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※画像はマッドブリックの壁のイメージです。
日本で生活していると、家はあらかじめ建てられたものを購入するということが多いですが、
エコビレッジでは、生活しながら家をどんどん魅力的なものに進化させていきます。
私が滞在させてもらった家は、
システムエンジニアの旦那さんのこだわりに溢れていました。
家はマッドブリックと呼ばれる、土のレンガのようなものを積み重ねて
壁を作っていきます。
マッドブリックでできた壁は、見た目がおしゃれなのも魅力ですが、
機能性に優れています。
夏は熱い空気を吸収して冷たい空気を部屋に流し、
冬は冷たい空気を吸収して、温かい空気を部屋に流す
自然のエアコンのような役割を果たします。
その他にも食料を保管する部屋は、
設計によって他の部屋よりも気温が低くなるように作られているなど、
家中に電気を使わない工夫が散りばめられています。
食べることは生きること。食から命を考え持続可能な暮らしをデザインする
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食材は基本的に、家庭で採れた野菜や果物が中心です。
それに加えて、肉は知り合いが育てている安心できるものを少量、
牛乳は、近くのエコビレッジから「無殺菌牛乳」を買ってきて、
ヨーグルトなどを作っていました。
日本では無殺菌の牛乳はほとんど手に入りませんが、
ニュージーランドでは、
無殺菌の新鮮な牛乳を手に入れることができます。
まずは自分の家で育てたもの、
次にエコビレッジ内で育てているもの、
そして、知り合いが育てている安心なもの、
近くのコミュニティで手に入るもので、
食材を揃えます。
それでも足りないものを、スーパーにマーケットに買いに行きます。
ニュージーランドでは日本のスーパーよりも、
オーガニックな食材が手に入りやすいです。
全てを自分で育てようとすると、息が詰まってしまいます。
自分で育てたものをベースに、手の届く範囲から食材を探す。
それは命がどこからくるのか、私たちはなにを食べているのかを見つめ直すことでもあります。
それができるのも、コミュニティならではの魅力です。
日本にも存在する「エコビレッジ」
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まだまだあまり知られていませんが、
日本にもエコビレッジは存在します。
私が滞在した日本のエコビレッジは、
秘境のような場所にあり、
ニュージーランドのエコビレッジと同じように、
10世帯くらいの個人や家族が生活していました。
エコビレッジではゲストハウスを経営していて、
一般のお客さんも滞在できるようになっていました。
皆それぞれが自分の仕事を持っていて、
個人の生活をしながら、エコビレッジという家に暮らす、
そのようなイメージです。
ただ、日本でこのようなエコビレッジがたくさんあるかと言うと、
そんなことはありません。
日本のエコビレッジはまだまだこれから
というのが現状です。
持続可能で住みやすい社会を広げていくために。
「エコビレッジ」の課題とは?
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私たちがこれから、この一つしかない地球で、
持続可能な生活を営んでいくためには、
エコビレッジのようなコミュニティが、
社会にもっともっと普及していく必要があります。
そのときに重要なのは、社会から孤立した存在にならないようにすることです。
新しいコミュニティを作ろうとするとき、
必ずと言っていいほど、その地域に昔から住んでいる人たちとの間に、
隔たりが生まれてしまいます。
どれだけ良いコミュニティであっても、
それが地域から孤立してしまっては、
社会に浸透していくことは難しいと言えます。
エコビレッジが、地域に愛され、
そして社会を変えていくコミュニティになるために、
ゲストハウスやマルシェの開催など、
多くの人が行き交うような場所を作ることも
一つのアイディアかもしれません。
エコビレッジが社会のより良い循環を生み出していくために、
私自身ができることは何か?
手の届く小さな範囲から考えていきたいと思います。
「エコビレッジ」から考える私たちの未来
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エコビレッジと聞くと、新しいイメージが思い浮かぶかもしれませんが、
私たちは元々、共同体の中で暮らしていました。
マンションの部屋で隣に誰が住んでいるかも分からない、
そんな状態で暮らすようになったのは、ここ数十年のことです。
そのように考えてみると、
エコビレッジの暮らしというのは、私たち本来の生活の在り方なのかもしれません。
昔ながらの共同体の中の生活に加えて、
新しいクリエイティブを生み出す場所。
エコビレッジにはそんな可能性が秘められています。
もちろん、急に今の生活をスパッとやめて、
エコビレッジに移住するなどというのは現実的ではないと思います。
ただ、今回ご紹介したエコビレッジの暮らしの中から、
自分の生活の中で取り入れられる考え方や生き方のヒントを、
個人個人で取り入れていただけたら幸いです。
・自分が食べている食べ物がどこから来たのかを考えてみる
・何でも業者に頼らずに、自分の手で何かを作ってみる
・暮らしを与えられるものではなく、「自分でデザインしていく」
という視点を持つ。
小さなことから考えてみると、
エコビレッジには、
私たちの暮らしのヒントが、
たくさん溢れているのではないでしょうか?
大量生産・大量消費のライフスタイルを抜け出して、
持続可能な暮らしへのシフトへの小さな一歩を、
一緒に踏み出してみませんか?
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