旬の野菜を自家製水煮にして長期保存するカンタンな方法|旬から外れた野菜は栄養も少なく環境への負担も大きかった
野菜の「旬」、気にしていますか?
スーパーに行けば毎日たくさんの野菜が棚に並んでいます。にんじん、玉ねぎ、ジャガイモ、
ホウレンソウや小松菜、レタスやキャベツ、トマトなどが一年中手に入ります。
でも、なんで農作物が1年中同じラインナップでスーパーにあるのでしょうか?
野菜の栄養は旬の時期に一番高くなる
今日口にした野菜は旬のものでしたか?旬の食材は季節を感じられるだけでなく栄養もとても高いのです。
春には春の、夏には夏の旬の野菜があり、
秋、冬だって同じようにその時期に最も栄養価が高くなる旬の野菜があるのです。
以下はトマトとホウレンソウの代表的な栄養価の年間の変化を調査したものです。
トマトもホウレンソウも1年中手に入れることができる野菜の代表ですが、
旬の時期に収穫されたものとそうではない時期のものでは、
栄養価に大きな差があることが分かります。
トマト
7月が旬
※旬=最も出回る時期
トマトといえばビタミンAの一種であるカロテンが豊富なことで知られていますが、
カロテンの含有量は旬である7月は100gあたり524㎍であるのに対し、
11月は100gあたり241㎍と半分以下です。
参考:厚生労働省e-ヘルスネット
ホウレンソウ
12月が旬
※旬=最も出回る時期
ホウレンソウのビタミンCで比較すると、
旬である12月の含有量は100gあたり84mgであるのに対し、
9月は100gあたり17mgと旬の時期の実に5分の1ほどしか含まれていないことが分かります。
参考:厚生労働省e-ヘルスネット
野菜の栄養価は減少している!?
現在の野菜は数十年前と比較すると
含まれる栄養価が減少してしまっていると言われています。
栄養価の減少の大きな原因の一つは、旬ではない時期に無理に栽培していることです。
植物は、自らが必要とする栄養を作り出すために最も適した時期に芽を出し、
日光や水、土から栄養を作り出して大きくなります。
そして次の世代が育つために最適な時期に
子孫を残すというサイクルをそれぞれ長い時間をかけて築いてきました。
しかし現在の野菜の生産事情はどうでしょうか。
年中スーパーの品ぞろえを充実させるために本来の発育期とは異なる時期に野菜を植えて、
温度を調整したり肥料を使用して早く大きく育てようとします。
本来その野菜が育つのに最も適した時期とはずれてしまっているため、
含まれるべき栄養分は十分に生成されず、
見かけだけが立派に膨れ上がった野菜になってしまいます。
このように温度管理や肥料を使用して栽培を行えば、
従来の農法よりも育成のスピードは速くなります。
収穫までの時間を短縮できるとなれば、年に何回も栽培を繰り返すことができるため、
地力の回復を待たずに繰り返し栽培が行われ、土地はどんどん痩せてしまします。
また、例えば夏野菜であるトマトを冬に作ろうとすれば、
保温できるハウスと暖房設備が必要となるため、環境への負荷も大きくなります。
1年中あらゆる食品が手に入るということは、一見すると便利で豊かだと感じられますが、
本来の仕組みからは外れている行為であるため、
結果的に土地も人間も痩せていくことになってしまうのです。
栄養価の高い旬の野菜を長く楽しむには
旬の時期の野菜は栄養が豊富なだけでなく、価格も比較的安いのが特徴です。
栄養が豊富・安いといういいことずくめの旬の野菜を
旬の時期に加工して少しでも長く楽しめる自家製の水煮の作り方をご紹介します。
自家製水煮の作り方
用意するもの
・有機野菜・大き目の瓶
・充填用の水(一度沸騰させて冷ます)
・有機塩(野菜に下味をつけたい場合は瓶に充填する水に加える)
水煮~瓶詰めまで
➀保存用に瓶を煮沸消毒たっぷりのお湯が沸騰している鍋に瓶を入れ、
最低5分は煮沸する。(蓋は10秒ほど湯につけてから取り出す)
充分に煮沸したら清潔な布巾の上に逆さまに置き、自然乾燥させる。
➁野菜を煮る
用意した野菜を好みの硬さになるまで水煮にする。
※保存後の調理で煮崩れることを防ぐため、硬めがおすすめです
➂野菜を瓶に詰める
煮沸消毒した瓶が温かいうちに水煮にした野菜を詰め、
用意していた充填用の水(または塩水)を瓶の縁の少し下まで入れる。
最も重要な瓶の脱気と殺菌
※長期保存ができるかは脱気・殺菌がうまくいくかどうかにかかっています。
脱気と殺菌がきちんとできていれば、1年ほどは保存が可能です。
用意するもの
・大き目の鍋・瓶を取り出すためのミトン
➀脱気
ⅰ.野菜と充填用の水を入れた瓶に蓋を軽く締め、瓶の半分以上になるように鍋に水を入れて火にかける。
ⅱ.水が沸騰したらさらに10分ほどそのままにして瓶の内圧を上げる
ⅲ.10分後、瓶を鍋から取り出し蓋をゆっくりと緩めると、「シュッ」いう音とともに瓶内に残っていた空気が抜けるので、すぐに蓋をきつく締める。
➁殺菌
鍋に再びお湯を沸かし、脱気した瓶ごとお湯につかるようにして20分ほど煮る
豊作だった夏野菜を上手に保存
夏野菜には育てるのが簡単で家庭菜園やベランダ菜園に向いているものがたくさんあります。時には天気や気温によって通常の食卓では食べきれないほど豊作になることもありますが、
そんな時に便利なのが自家製の水煮です。
特に夏野菜は水分がもともと多く水煮にしても
食感を損なわないものが多いため水煮におすすめです。
柔らかく調理時の煮崩れやすいので、瓶詰前の工程ではさっと火を通す程度にとどめてください。
※特にトマトは皮を湯剥きする程度で十分です
水煮にぴったりの夏野菜
トマト、オクラ、ズッキーニ、アスパラ、ピーマン和食にも洋食にも使えて時短にもなる
水煮はその名の通り味を味が付けずに加工した食材であるため、和食から洋食、中華までジャンルを問わずに日々の食卓に使うことができます。
また、加工時に一度火を通してあるので
食材を煮る時間を省くことができ時短にもなりますね。
また、一度火を通していてそのまま食べることもできるため、
もしもの災害時にも蓋を開けるだけですぐに食べることができます。
旬の野菜の力を生活に取り入れよう
現在は1年中いつでも様々な野菜を手に入れて楽しむことができますが、
それは土地や環境に無理を強いて実現している豊かさであり、
その豊かさと引き換えに本来得られるはずの食物の力を得られなくなっているのはほかでもない私たち人間です。
好きな野菜を長く楽しみたいのならば、わざわざ栄養価の低い旬から外れた時期に買わなくとも、
旬の時期に多めに購入し自宅で水煮にして脱気・殺菌をしておけば、
1年中栄養価の高い状態で食べることができます。
一人ひとりが旬の野菜を意識して選ぶことが、
無理な農法に歯止めを掛け土地や作物が持っている本来の力を取り戻すための小さな一歩になります。
同じ野菜がいつでもスーパーに並んでいることにちょっと疑問を向けてみて、
野菜の旬を意識してみませんか?
☆動画コンテンツIN YOU Tube『野菜の残留農薬大丈夫?スーパーの野菜の硝酸塩を測ってみた!』
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